奇跡の禁止問題
2016年6月19日 Magic: The Gathering コメント (1)僕はヴィンテージを専らにするプレイヤーなので,この話題には本来門外漢ではあるが,禁止制限は誰にとっても重要な問題なので少し考えてみた.
まず,奇跡デッキの現状について.
占有率
mtgdecksによれば,奇跡はここ1年でじわじわ増加しており,今19%である.通常,この数字は直ちに規制を求めるレベルではないが,レガシーではかなり高くはある.GPではTOP8の多くを占めたが,レガシーで奇跡が多いというよりも,トッププレイヤーが好んで選択したという印象が強い.ただ冬の宝珠のような対奇跡卡がメインから投入される等,環境の歪みが看取されてきているのも事実である.
概要
デッキパワー(完成度)ではレガシーのライバル達と比べても高い.基本土地・カウンター・除去といったフェア要素を多く持つため,相手のイージーウィンを許さず,対策卡1枚で完封されることもない弾力性があり,常に一定数がいる.
メタゲーム上の位置
レガシーの多くを占めるクロックパーミッションに強く,相殺独楽により,デッキの多くが1マナで占められるエルフのようなデッキにも有利(副産物としてローグにも強い).一方でBUGやジャンドといった明確な苦手デッキもある(そのため奇跡を倒すために奇跡,というメタ展開にならないのは大きく安堵できるところだ).
プレイヤーの好悪
それほど嫌われ者ではない.相殺独楽は手軽さの割に結構な拘束力をがあり,時にannoyingかもしれないが,全体としてはお互いの対話を重視する健全なデッキだ.プレイングやメタ読みに合わせたチューン等,プレイヤーの力量を問う面も大きい.また,これが消えては青白コントロールという根強い愛好者を持つアーキタイプがレガシーからなくなってしまうという問題もある.
総じて,規制するほど問題化してはいないと感じる.では卡単位ではどうか?
渦まく知識/Brainstorm
卡力,多様性,色の強さの均衡といった観点からは禁止に値する.だが,プレイヤー達は事故を防ぎ,技量を試してくれる渦まく知識を愛しているため禁止されることはなく,これからも変わらずレガシーの象徴であり続けるだろう.
師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top
最も規制されるおそれが強い卡.単体でも稀有な有能卡だが,奇跡においてはソフトロックにライブラリトップ調整に相手ターンの終末にと多機能すぎる.しかも,毎ターンの起動によりゲームの長期化を招く(この観点はまた,Extやモダンで禁止したものをなぜレガシーでだけ野放しにするのかという鋭い質問を呼ぶ)巻物棚や占いといった代役もなくはないのだが,独楽には遥かに及ばない.奇跡の屋台骨である独楽の禁止は,文字通りその瓦解を招く(それゆえに,影響が大きすぎるとして禁止を見送られる可能性も高い).
相殺/Counterbalance
奇跡で一番嫌われているのはきっとこれだろう.しかしそこまで強くはない.独楽は相殺がなくとも仕事をするが,独楽のない相殺は大したことがない.相殺を積んでいない奇跡すらある(逆に,禁止しても奇跡デッキを潰しはしないという理由で槍玉に挙げられる可能性も).
終末/Terminus
まあ,これを規制するのはリアニメイトを止めるためにグリセルブランドを禁止するようなもので,不合理だろう(この例えなら禁止は再活性あたりになるはずだ).
精神を刻む者,ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
こいつはレガシーで10番目に使われており,呪文部門では4位である.4マナPWがマナクリーチャーの死儀礼より多いというのは流石に不健全の謗りを免れないが,ともかく神ジェイスを規制することで,奇跡をデッキとして存続させつつも力を削ぎ,中盤以降の組み立てについて各プレイヤーが模索するといった好結果が得られるかもしれない.しかし彼は奇跡以外の職場でも多くの仕事をこなしており,また多数のファンを獲得してもいるので,そうした人々を失望させてまで行うべき措置かは大いに疑問だ.
結論としては,多分禁止はされないと思うが,しかし独楽が禁止されても驚かない.
まず,奇跡デッキの現状について.
占有率
mtgdecksによれば,奇跡はここ1年でじわじわ増加しており,今19%である.通常,この数字は直ちに規制を求めるレベルではないが,レガシーではかなり高くはある.GPではTOP8の多くを占めたが,レガシーで奇跡が多いというよりも,トッププレイヤーが好んで選択したという印象が強い.ただ冬の宝珠のような対奇跡卡がメインから投入される等,環境の歪みが看取されてきているのも事実である.
概要
デッキパワー(完成度)ではレガシーのライバル達と比べても高い.基本土地・カウンター・除去といったフェア要素を多く持つため,相手のイージーウィンを許さず,対策卡1枚で完封されることもない弾力性があり,常に一定数がいる.
メタゲーム上の位置
レガシーの多くを占めるクロックパーミッションに強く,相殺独楽により,デッキの多くが1マナで占められるエルフのようなデッキにも有利(副産物としてローグにも強い).一方でBUGやジャンドといった明確な苦手デッキもある(そのため奇跡を倒すために奇跡,というメタ展開にならないのは大きく安堵できるところだ).
プレイヤーの好悪
それほど嫌われ者ではない.相殺独楽は手軽さの割に結構な拘束力をがあり,時にannoyingかもしれないが,全体としてはお互いの対話を重視する健全なデッキだ.プレイングやメタ読みに合わせたチューン等,プレイヤーの力量を問う面も大きい.また,これが消えては青白コントロールという根強い愛好者を持つアーキタイプがレガシーからなくなってしまうという問題もある.
総じて,規制するほど問題化してはいないと感じる.では卡単位ではどうか?
渦まく知識/Brainstorm
卡力,多様性,色の強さの均衡といった観点からは禁止に値する.だが,プレイヤー達は事故を防ぎ,技量を試してくれる渦まく知識を愛しているため禁止されることはなく,これからも変わらずレガシーの象徴であり続けるだろう.
師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top
最も規制されるおそれが強い卡.単体でも稀有な有能卡だが,奇跡においてはソフトロックにライブラリトップ調整に相手ターンの終末にと多機能すぎる.しかも,毎ターンの起動によりゲームの長期化を招く(この観点はまた,Extやモダンで禁止したものをなぜレガシーでだけ野放しにするのかという鋭い質問を呼ぶ)巻物棚や占いといった代役もなくはないのだが,独楽には遥かに及ばない.奇跡の屋台骨である独楽の禁止は,文字通りその瓦解を招く(それゆえに,影響が大きすぎるとして禁止を見送られる可能性も高い).
相殺/Counterbalance
奇跡で一番嫌われているのはきっとこれだろう.しかしそこまで強くはない.独楽は相殺がなくとも仕事をするが,独楽のない相殺は大したことがない.相殺を積んでいない奇跡すらある(逆に,禁止しても奇跡デッキを潰しはしないという理由で槍玉に挙げられる可能性も).
終末/Terminus
まあ,これを規制するのはリアニメイトを止めるためにグリセルブランドを禁止するようなもので,不合理だろう(この例えなら禁止は再活性あたりになるはずだ).
精神を刻む者,ジェイス/Jace, the Mind Sculptor
こいつはレガシーで10番目に使われており,呪文部門では4位である.4マナPWがマナクリーチャーの死儀礼より多いというのは流石に不健全の謗りを免れないが,ともかく神ジェイスを規制することで,奇跡をデッキとして存続させつつも力を削ぎ,中盤以降の組み立てについて各プレイヤーが模索するといった好結果が得られるかもしれない.しかし彼は奇跡以外の職場でも多くの仕事をこなしており,また多数のファンを獲得してもいるので,そうした人々を失望させてまで行うべき措置かは大いに疑問だ.
結論としては,多分禁止はされないと思うが,しかし独楽が禁止されても驚かない.
ヴィンテージで新デッキ組んだ
2016年6月19日 Magic: The Gathering4 Thalia, Guardian of Thraben
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
4 Plateau
4 Scab-Clan Berserker
1 Cavern of Souls
2 Magus of the Moon
3 Lightning Bolt
1 Flametongue Kavu
1 Black Lotus
3 Simian Spirit Guide
1 Plains
4 Mountain
4 Arid Mesa
1 Scalding Tarn
1 Flooded Strand
1 Strip Mine
1 Wasteland
1 Stony Silence
4 Eidolon of the Great Revel
2 Mother of Runes
4 Spirit of the Labyrinth
3 Phyrexian Revoker
4 Price of Progress
2 Jötun Grunt
2 Porcelain Legionnaire
SB: 1 Intrepid Hero
SB: 3 Rest in Peace
SB: 1 Wall of Earth
SB: 1 Mindbreak Trap
SB: 1 Serenity
SB: 1 Wear // Tear
SB: 4 Path to Exile
SB: 3 Containment Priest
バーンとロックの両立を目指して組んだ.エルドラージに弱いのでサイドに変なもんが入ってるがあまり気にしないで
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
4 Plateau
4 Scab-Clan Berserker
1 Cavern of Souls
2 Magus of the Moon
3 Lightning Bolt
1 Flametongue Kavu
1 Black Lotus
3 Simian Spirit Guide
1 Plains
4 Mountain
4 Arid Mesa
1 Scalding Tarn
1 Flooded Strand
1 Strip Mine
1 Wasteland
1 Stony Silence
4 Eidolon of the Great Revel
2 Mother of Runes
4 Spirit of the Labyrinth
3 Phyrexian Revoker
4 Price of Progress
2 Jötun Grunt
2 Porcelain Legionnaire
SB: 1 Intrepid Hero
SB: 3 Rest in Peace
SB: 1 Wall of Earth
SB: 1 Mindbreak Trap
SB: 1 Serenity
SB: 1 Wear // Tear
SB: 4 Path to Exile
SB: 3 Containment Priest
バーンとロックの両立を目指して組んだ.エルドラージに弱いのでサイドに変なもんが入ってるがあまり気にしないで
エルドラージ傾向と対策
2016年6月18日 Magic: The Gatheringウギンの目禁止によってモダンから撤退した後も,エルドラージの侵攻は止まらなかった.レガシーでは第3の2マナランドである古えの墳墓を獲得して虚空の杯等の非クリーチャー呪文にも達者となり,単なる力馬鹿ではないことを知らしめた.さらにヴィンテージでは白ウィニーやMUDとの融合が試みられ,その異形ぶりを一層深めることとなった.どのフォーマットでも,エルドラージの強みは背景ストーリーと同じで,その異質性にある.
エルドラージはデッキ全体の動きとしてはMUDの類型としてよいかと思うが,採用される卡は全く異なり,従来の対策卡はほとんど通用しない.このことにより,特に2試合目以降は大きな優位を誇ることになる.
・重いクリーチャーなので,精神的つまづきや狼狽の嵐は完全に腐る.
・図体がでかいので突然のショックや突然の衰微といった対メンター除去,紅蓮地獄とかの全体除去も効かない.稲妻も難題スマッシャーには無力.
・アーティファクトではないので,アーティファクト破壊もさほど役に立たない(アメジストのとげを壊せるので0ではない)
こうした状況を受け,プレイヤー達はエルドラージに有効かつ,極力他のアーキタイプへの流用もしやすい卡を求めて奔走することとなった.僕の見るところ,卡探しのキーワードは「手札から戦場へ」だ.なぜならエルドラージはMUDと比べても非常にオールイン的であり,しかも難題の予見者とスマッシャーが手札の呪文を卑しめるため,嫌でも戦場VS戦場の土俵に立たざるを得ないのである.だが逆に戦場での優位を築くことができれば,殴るほかに能のないエルドラージは動きを止めるだろう.
ということで,求道者の編み出した回答がこのグリクシスだ.
http://www.mtgtop8.com/event?e=12599&d=272812&f=VI
紅蓮術士のもたらすトークンや悪意の大梟は損失なくエルドラージの攻勢を阻んでくれる.セラピーは上記のような理由もあってエルドラージにそれほど刺さるものではないだろうが,1枚挿しだらけのヴィンテージにあって4積みが多いエルドラージの特性を突いているとは言えるかもしれない(それに,エルドラージだけがヴィンテージじゃないので).サイドの残忍な切断というチョイスも,エルドラージを強く意識している.
他,罠の橋や平和の番人といったロックも非常に効くが,僕としては,タシグルやアンコウといった探査クリーチャーに期待したいところだ.
エルドラージはデッキ全体の動きとしてはMUDの類型としてよいかと思うが,採用される卡は全く異なり,従来の対策卡はほとんど通用しない.このことにより,特に2試合目以降は大きな優位を誇ることになる.
・重いクリーチャーなので,精神的つまづきや狼狽の嵐は完全に腐る.
・図体がでかいので突然のショックや突然の衰微といった対メンター除去,紅蓮地獄とかの全体除去も効かない.稲妻も難題スマッシャーには無力.
・アーティファクトではないので,アーティファクト破壊もさほど役に立たない(アメジストのとげを壊せるので0ではない)
こうした状況を受け,プレイヤー達はエルドラージに有効かつ,極力他のアーキタイプへの流用もしやすい卡を求めて奔走することとなった.僕の見るところ,卡探しのキーワードは「手札から戦場へ」だ.なぜならエルドラージはMUDと比べても非常にオールイン的であり,しかも難題の予見者とスマッシャーが手札の呪文を卑しめるため,嫌でも戦場VS戦場の土俵に立たざるを得ないのである.だが逆に戦場での優位を築くことができれば,殴るほかに能のないエルドラージは動きを止めるだろう.
ということで,求道者の編み出した回答がこのグリクシスだ.
http://www.mtgtop8.com/event?e=12599&d=272812&f=VI
紅蓮術士のもたらすトークンや悪意の大梟は損失なくエルドラージの攻勢を阻んでくれる.セラピーは上記のような理由もあってエルドラージにそれほど刺さるものではないだろうが,1枚挿しだらけのヴィンテージにあって4積みが多いエルドラージの特性を突いているとは言えるかもしれない(それに,エルドラージだけがヴィンテージじゃないので).サイドの残忍な切断というチョイスも,エルドラージを強く意識している.
他,罠の橋や平和の番人といったロックも非常に効くが,僕としては,タシグルやアンコウといった探査クリーチャーに期待したいところだ.
ハンターハンターの可愛いキャラで打線組んだwwwww
2016年6月13日 アニメ・マンガ コメント (2)1(右)闇医者の看護婦
2(捕)オークションの司会
3(一)リンネ・オードブルの若い頃
4(三)天空闘技場200階の案内
5(中)カラ
6(左)ふみ
7(二)カスガ
8(遊)蝙蝠のキメラアント
9(投)オイト
2(捕)オークションの司会
3(一)リンネ・オードブルの若い頃
4(三)天空闘技場200階の案内
5(中)カラ
6(左)ふみ
7(二)カスガ
8(遊)蝙蝠のキメラアント
9(投)オイト
第6期ヴィンテージ神デッキリスト
2016年6月12日 Magic: The Gathering コメント (2)最弱への旅8
2016年6月11日 Magic: The Gatheringアイスエイジはブロック制度を導入して初のエキスパンションであり,マジック史上に重要な位置を占めている.凍てついた氷の中からガラクタを掘り起こす作業はさぞ楽しいものとなるだろう.
Cooperationはそんなバンドを与えてくれるオーラだ.3マナで.クリーチャー1体に.
<改善>
卡同士の協力というテーマはMTG全体で,いや全てのTCGで尊重されており,大変重要だ.通常シナジーとかコンボといった言葉に置き換えられる観念だが,これがためにプレイヤーはゲームプレイ・フレーバーの両面で楽しみを見出すことができる.また競技的な観点からも,卡を強い順から60枚放り込んで作ったデッキが最強というようなつまらない環境を避け,多様性を生み出すことができる.バンドも理念自体は間違っていない,ただ経験の不足により理念をゲーム上に正しく表現することができなかっただけだ.
より直感に即したデザインとして,こんなテキストはどうだろうか?
上手く行けば相手の戦線を引き裂く可能性もあるが,それには相手のクリーチャーをそれぞれ一回り上回るクリーチャーを従えていなければならず,条件は相当に厳しい.しかも,これに戦闘ステップを費すため,後世の格闘などと異なり,敵のブロッカーを排したターンに本体への総攻撃を加える,といった使い方もできない.5マナならもっと無条件に戦況を覆す力があってよいはずだ.当時ですら発火という決定力のある火力があったのだから.もっと言えばインスタントなのに自分のターンにしか唱えられないところも欠点で,(cf.手練れの戦術/Master Warcraft).相手のデカブツをこちらの中堅が束になってなぎ倒すようなプレイもできないわけだ.見れば見るほどどうしようもない.
<改善>
簡単,最後の1行を撤去すればよい.そうすれば混沌/Chaosの2マナ重くなって器用になった相互互換となる(という言い方からもわかるように,依然として相当に悪い).
<改善>
18000 wordsはMeltingのコストをRにすることを提唱している.そうすれば今よりずっと良くなるだろう,しかし根本的解決とはいえない.なぜなら氷雪というメカニズムそのものが失敗しているからだ.この時期「対戦相手は(2)を支払うことを選ばない限り...」とかいう付帯条件が無闇に多いことからもわかるように,当時の制作陣はあまりに腰が引けていて,革新的なデザインに向けた一歩を踏み出すということがなかなかできなかった.その結果,氷雪というメカニズムもデッキを組ませるだけの魅力を欠いた,軟弱な出来栄えとなってしまった.10年の時を経たコールドスナップとなると流石に卡の作り方も慣れたもので,氷雪マナという観念を用意したことで,氷雪デッキもいくらか出現した.しかし,各フォーマットでメタの中心とまではならず,今となってはモダンに赤単氷雪が細々と存在するくらいで,レガシー・ヴィンテージで氷雪土地を使う者はいない(実のところ島の代わりに冠雪の島が使われることはあるので,「いない」というと語弊があるが,氷雪性に特段の価値を置かれてはいないから,結局は島と同じだ).では,氷雪をもっともっと強くして,エターナル級のメカニズムに仕上げるべきだったか?これも恐らくNOだ,仮にそうしたとするとレガシー・ヴィンテージではこぞって冠雪の基本土地を使うようになり,元々の基本土地を誰一人使わないといった光景が出現することになるが,恐らくこれはウィザーズの望むところではないだろう.氷雪メカニズムには最初から越えるべきでない強さの限界が設けられていたのだ.
とどのつまり氷雪は相手が悪かった.基本土地という,あまりに偉大でゲームの根幹を成す存在に挑んだところで勝ち目がない.
<改善>
Lyre(竪琴)なのだから,特に生け贄の必要はないのでは?
番外編
依然,デザイン・デベロップとも未熟を感じさせる部分が多い.しかし友好色・対抗色意識の芽生えも看取され,「どういうデッキを組ませたいか」という制作者としての方針が何となく伝わってくる部分もあって,そこは従来にない進歩かなと思わされる.
Cooperation (2)(白)バンドはどこをとっても駄目な能力だ.異常に複雑で,直感的でなく,条件が厳しく,弱く,さほど印象的なことをやってくれない.そして「他の~とのバンド」というさらに出来の悪い弟と見分けづらいのも,デザインの汚さに拍車をかける.
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーはバンドを持つ。
Cooperationはそんなバンドを与えてくれるオーラだ.3マナで.クリーチャー1体に.
<改善>
卡同士の協力というテーマはMTG全体で,いや全てのTCGで尊重されており,大変重要だ.通常シナジーとかコンボといった言葉に置き換えられる観念だが,これがためにプレイヤーはゲームプレイ・フレーバーの両面で楽しみを見出すことができる.また競技的な観点からも,卡を強い順から60枚放り込んで作ったデッキが最強というようなつまらない環境を避け,多様性を生み出すことができる.バンドも理念自体は間違っていない,ただ経験の不足により理念をゲーム上に正しく表現することができなかっただけだ.
より直感に即したデザインとして,こんなテキストはどうだろうか?
Cooperation (2)(白)全体強化や二段攻撃などとのシナジーが考えられるようになった.
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは「T:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+Yの修整を受ける。Xはこのクリーチャーのパワーであり、Yはそのタフネスである。」を持つ。
Melee (4)(赤)相手のブロックを指定する戦闘サポート呪文.一見,旧オドリックの効果を抜き出したインスタントと見えるが,ブロックされなかったクリーチャーの戦闘をキャンセルするというクソみたいなテキストがある関係上,要は戦闘を介した除去.
インスタント
Meleeは、あなたのターンの間で、ブロックしているクリーチャーが指定される前の戦闘中にのみ唱えられる。
あなたはこの戦闘で、どのクリーチャーでブロックするか決めるとともに、それらのクリーチャーがどうブロックするか決める。
この戦闘で、クリーチャー1体が攻撃してブロックされないたび、それをアンタップし戦闘から取り除く。
上手く行けば相手の戦線を引き裂く可能性もあるが,それには相手のクリーチャーをそれぞれ一回り上回るクリーチャーを従えていなければならず,条件は相当に厳しい.しかも,これに戦闘ステップを費すため,後世の格闘などと異なり,敵のブロッカーを排したターンに本体への総攻撃を加える,といった使い方もできない.5マナならもっと無条件に戦況を覆す力があってよいはずだ.当時ですら発火という決定力のある火力があったのだから.もっと言えばインスタントなのに自分のターンにしか唱えられないところも欠点で,(cf.手練れの戦術/Master Warcraft).相手のデカブツをこちらの中堅が束になってなぎ倒すようなプレイもできないわけだ.見れば見るほどどうしようもない.
<改善>
簡単,最後の1行を撤去すればよい.そうすれば混沌/Chaosの2マナ重くなって器用になった相互互換となる(という言い方からもわかるように,依然として相当に悪い).
Melting (3)(赤)18000 wordsではこれをAvalanche(氷雪のみ対象のX土地破壊)と同着で34位に置いたが,僕はAvalancheをそこまで低くは見積もっていない.それは氷雪コントロールのマナ基盤を覆し,死を与えるだけの力がある.一方Meltingはどうかというと,主体的な使い方ができず,ゲームの99%以上の相手に何らの影響を及ぼさない.そして1%を大きく下回る標的に対してもさほどの仕事してくれない.モダンの赤単氷雪で言えば,Meltingを貼れば確かに相手は占術の岩床でアドバンテージを得ることができなくなり,雪崩しで除去しようにも雪がなくて困るだろう.しかし稲妻は何ら問題なくクリーチャーを除去できるし,槌のコスや嵐の息吹のドラゴンによる猛攻はMeltingなどという悠長なものを弄んで隙を作ったあなたを滅ぼすだろう.
エンチャント
すべての土地は氷雪でない。
<改善>
18000 wordsはMeltingのコストをRにすることを提唱している.そうすれば今よりずっと良くなるだろう,しかし根本的解決とはいえない.なぜなら氷雪というメカニズムそのものが失敗しているからだ.この時期「対戦相手は(2)を支払うことを選ばない限り...」とかいう付帯条件が無闇に多いことからもわかるように,当時の制作陣はあまりに腰が引けていて,革新的なデザインに向けた一歩を踏み出すということがなかなかできなかった.その結果,氷雪というメカニズムもデッキを組ませるだけの魅力を欠いた,軟弱な出来栄えとなってしまった.10年の時を経たコールドスナップとなると流石に卡の作り方も慣れたもので,氷雪マナという観念を用意したことで,氷雪デッキもいくらか出現した.しかし,各フォーマットでメタの中心とまではならず,今となってはモダンに赤単氷雪が細々と存在するくらいで,レガシー・ヴィンテージで氷雪土地を使う者はいない(実のところ島の代わりに冠雪の島が使われることはあるので,「いない」というと語弊があるが,氷雪性に特段の価値を置かれてはいないから,結局は島と同じだ).では,氷雪をもっともっと強くして,エターナル級のメカニズムに仕上げるべきだったか?これも恐らくNOだ,仮にそうしたとするとレガシー・ヴィンテージではこぞって冠雪の基本土地を使うようになり,元々の基本土地を誰一人使わないといった光景が出現することになるが,恐らくこれはウィザーズの望むところではないだろう.氷雪メカニズムには最初から越えるべきでない強さの限界が設けられていたのだ.
とどのつまり氷雪は相手が悪かった.基本土地という,あまりに偉大でゲームの根幹を成す存在に挑んだところで勝ち目がない.
Goblin Lyre (3)ゴブリン=ギャンブルという伝統はあるが,それで何でも許されるかといえばそうはいかない.プレイヤーが博打卡に求めるのは「勝ちか負け」ではなく「勝ちか大勝ち」だ.言い換えれば不運でも最低限の保証を欲しがる.例としてはゴブリンの放火砲だが,その実際の運用を見ればギャンブルとは言い難い.熱狂のイフリートの方がわかりやすいかもしれない.コインが表なら除去を避けられるので大勝利,裏でも所詮は除去される運命だった卡,特に痛痒はない.
アーティファクト
Goblin Lyreを生け贄に捧げる:コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに勝った場合、対戦相手1人を対象とする。Goblin Lyreはそれに、あなたがコントロールするクリーチャーの数の等しい点数のダメージを与える。あなたがコイン投げに負けた場合、Goblin Lyreはあなたに、その対戦相手がコントロールするクリーチャーの数の等しい点数のダメージを与える。
<改善>
Lyre(竪琴)なのだから,特に生け贄の必要はないのでは?
Goblin Lyre (3)ノンクリーチャー相手なら,負けても何も失うものはない.毎ターン起動していれば何回かは勝つこともあって,運任せなクロックとして使い道が生まれるだろう.
アーティファクト
2,T:コインを1枚投げる。あなたがコイン投げに勝った場合、対戦相手1人を対象とする。Goblin Lyreはそれに、あなたがコントロールするクリーチャーの数の等しい点数のダメージを与える。あなたがコイン投げに負けた場合、Goblin Lyreはあなたに、その対戦相手がコントロールするクリーチャーの数の等しい点数のダメージを与える。
番外編
Reality Twist (青)(青)(青)
エンチャント
累加アップキープ(1)(青)(青)(あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に経年(age)カウンターを1個置く。その後あなたがこの上に置かれている経年カウンター1個につきアップキープ・コストを1回支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。)
マナを引き出す目的でタップされた場合、平地(Plains)は(赤)を、沼(Swamp)は(緑)を、山(Mountain)は(白)を、森(Forest)は(黒)を、他のいかなるタイプのマナの代わりに生み出す。
Naked Singularity (5)これらは弱すぎる訳ではないが,デザインがハンパなく汚い.こんな卡をエキスパンションに2枚も封入したことは驚き呆れるばかりである.しかも両方レア.
アーティファクト
累加アップキープ(3)(あなたのアップキープの開始時に、このパーマネントの上に経年(age)カウンターを1個置く。その後あなたがこの上に置かれている経年カウンター1個につきアップキープ・コストを1回支払わないかぎり、それを生け贄に捧げる。)
マナを引き出す目的でタップされた場合、平地(Plains)は(赤)を、島(Island)は(緑)を、沼(Swamp)は(白)を、山(Mountain)は(青)を、森(Forest)は(黒)を、他のいかなるタイプのマナの代わりに生み出す。
依然,デザイン・デベロップとも未熟を感じさせる部分が多い.しかし友好色・対抗色意識の芽生えも看取され,「どういうデッキを組ませたいか」という制作者としての方針が何となく伝わってくる部分もあって,そこは従来にない進歩かなと思わされる.
NYSE TOP8 デッキリスト
2016年6月7日 Magic: The Gatheringhttp://www.themanadrain.com/topic/355/n-y-s-e-open-iv-official-tournament-report
磁石のゴーレムの登場がヴィンテージにおける一大革命なら,その制限もまた同様であった.盟主を失ったMUDの落胆は激しく,一時は30%に届いた環境支配率も一桁%にまで激減した.しかし7年もの間,環境を牛耳ったアーキタイプがそうやすやすと斃れることはなく,時同じくして現れた新興勢力エルドラージと同盟し,かなりの程度まで復興が成し遂げられたのである.とはいえMishra’s Workshopを基点に据えたアーティファクトデッキであるMUDにとって,無色という表面的な共通点はあれどエルドラージは本来的に異物なのであって,それを混入させたことでマナ基盤に加わるstressは決して軽いものではない.NYSEの優勝デッキでも,ミシュラの工廠のスロットがそのままエルドラージの寺院に入れ替わっている.ミシュラの工廠は単体で見ても非常に強力な卡であり,MUDの中では妨害への抵抗力を与えるパーツであっただけに,その喪失は軽視できない.しかし,優勝者Andy Markitonはさすがに抜け目がなく,電結の荒廃者とトリスケリオンを使うことでこの点を克服してのけた.
準優勝はグリクシス・パイロマンサーだ.レガシーでこそYPM+陰謀団式療法の強さは知れ渡っているが,ヴィンテージでこの戦略を採用したデッキはほとんど見られなかった.動きとしての強さはヴィンテージでも十分通用する水準にあり,進出を阻むメタゲーム的要員も特にないので,この遅れの原因はヴィンテージの保守性に求められるだろう.また悪意の大梟はエルドラージや5色人間といったフルクリーチャーデッキに対しての現時点で最も有効な回答だ.ヴィンテージもとうとう「強いクリーチャーを壁で止める」という最も原始的なところまで来たようだ.
今回,TOP8にメンター3デッキが入賞した.3位のHankはエスパー,Demonic Consultationはあまり使われていなかったが,心中メンターとの相性の良さを評価していた僕としては,それが実証されて嬉しい.5位のVitoのジェスカイはこれといって論評を加えることもない王道である.一方,Brian Kellyが持ち込んだデッキは導師を2枚に抑え,腹心を投入したグッドスタッフで,Minus Fiveという自虐的なデッキ名が光る.個人的には道の探求者を使ってでもEightの2枚を入れたいが,欲を出すと限りがない.やはりこのリストがベストか.
磁石のゴーレムの登場がヴィンテージにおける一大革命なら,その制限もまた同様であった.盟主を失ったMUDの落胆は激しく,一時は30%に届いた環境支配率も一桁%にまで激減した.しかし7年もの間,環境を牛耳ったアーキタイプがそうやすやすと斃れることはなく,時同じくして現れた新興勢力エルドラージと同盟し,かなりの程度まで復興が成し遂げられたのである.とはいえMishra’s Workshopを基点に据えたアーティファクトデッキであるMUDにとって,無色という表面的な共通点はあれどエルドラージは本来的に異物なのであって,それを混入させたことでマナ基盤に加わるstressは決して軽いものではない.NYSEの優勝デッキでも,ミシュラの工廠のスロットがそのままエルドラージの寺院に入れ替わっている.ミシュラの工廠は単体で見ても非常に強力な卡であり,MUDの中では妨害への抵抗力を与えるパーツであっただけに,その喪失は軽視できない.しかし,優勝者Andy Markitonはさすがに抜け目がなく,電結の荒廃者とトリスケリオンを使うことでこの点を克服してのけた.
準優勝はグリクシス・パイロマンサーだ.レガシーでこそYPM+陰謀団式療法の強さは知れ渡っているが,ヴィンテージでこの戦略を採用したデッキはほとんど見られなかった.動きとしての強さはヴィンテージでも十分通用する水準にあり,進出を阻むメタゲーム的要員も特にないので,この遅れの原因はヴィンテージの保守性に求められるだろう.また悪意の大梟はエルドラージや5色人間といったフルクリーチャーデッキに対しての現時点で最も有効な回答だ.ヴィンテージもとうとう「強いクリーチャーを壁で止める」という最も原始的なところまで来たようだ.
今回,TOP8にメンター3デッキが入賞した.3位のHankはエスパー,Demonic Consultationはあまり使われていなかったが,心中メンターとの相性の良さを評価していた僕としては,それが実証されて嬉しい.5位のVitoのジェスカイはこれといって論評を加えることもない王道である.一方,Brian Kellyが持ち込んだデッキは導師を2枚に抑え,腹心を投入したグッドスタッフで,Minus Fiveという自虐的なデッキ名が光る.個人的には道の探求者を使ってでもEightの2枚を入れたいが,欲を出すと限りがない.やはりこのリストがベストか.
NYSE TOP8判明→優勝はMUD!!
2016年6月5日 Magic: The GatheringQuarterfinals
1 Andy Probasco (White Eldrazi) vs. 8 Hang Zhong (UWR Mentor) – Zhong wins
2 Roland Chang (Workshop Ravager Aggro) vs. 7 Ryan Glackin (Amalgam Dredge) – Glackin wins
3 Tom Metelsky (Grixis Pyromancer) vs. 6 Brian Kelly (Esper Mentor) – Metelsky wins
4 Andrew Markiton (Workshop Ravager Aggro) vs. Vito Picozzo (UWR Mentor) – Markiton wins
白単エルドラージ
MUD
グリクシスパイロマンサー○
MUD○
メンター
メンター
ドレッジ○
メンター○
準決勝:
MUD VS メンター
MUD勝利
グリクシスパイロマンサー VS ドレッジ
グリクシス勝利
決勝:
Andy Markiton MUD VS グリクシスパイロマンサー Tom Metelsky
G1:Tomトリマリ
G2:Tom,殴られつつも相手のマナ拘束と難題を処理する.が,ハンガーバックの残した置き土産がどうにも止まらず悔しい負け.
磁石のゴーレム制限という大打撃を受けたWorkshopだが,エルドラージとの融合で,かなりの程度まで持ち直したようだ.Andy Markitonに祝砲を!!
優 勝 MUD
準優勝 グリクシスパイロマンサー
TOP 4 メンター
TOP 4 ドレッジ
TOP 8 白単エルドラージ
TOP 8 MUD
TOP 8 メンター
TOP 8 メンター
1 Andy Probasco (White Eldrazi) vs. 8 Hang Zhong (UWR Mentor) – Zhong wins
2 Roland Chang (Workshop Ravager Aggro) vs. 7 Ryan Glackin (Amalgam Dredge) – Glackin wins
3 Tom Metelsky (Grixis Pyromancer) vs. 6 Brian Kelly (Esper Mentor) – Metelsky wins
4 Andrew Markiton (Workshop Ravager Aggro) vs. Vito Picozzo (UWR Mentor) – Markiton wins
白単エルドラージ
MUD
グリクシスパイロマンサー○
MUD○
メンター
メンター
ドレッジ○
メンター○
準決勝:
MUD VS メンター
MUD勝利
グリクシスパイロマンサー VS ドレッジ
グリクシス勝利
決勝:
Andy Markiton MUD VS グリクシスパイロマンサー Tom Metelsky
G1:Tomトリマリ
G2:Tom,殴られつつも相手のマナ拘束と難題を処理する.が,ハンガーバックの残した置き土産がどうにも止まらず悔しい負け.
磁石のゴーレム制限という大打撃を受けたWorkshopだが,エルドラージとの融合で,かなりの程度まで持ち直したようだ.Andy Markitonに祝砲を!!
優 勝 MUD
準優勝 グリクシスパイロマンサー
TOP 4 メンター
TOP 4 ドレッジ
TOP 8 白単エルドラージ
TOP 8 MUD
TOP 8 メンター
TOP 8 メンター
夜を徹してNYSE見学してるンゴ
2016年6月5日 Magic: The Gatheringhttp://eternalcentral.com/nyse4livecoverage
ラウンド6終了時点 https://pbs.twimg.com/media/CkIwwUhXAAAgXDu.jpg
Roland Chang,さすがの強さ!TOP8を決める.
ラウンド7でエスパーメンターのBrian Kelly勝って18点,これはTOP8決まりか?
決勝ラウンドへ!
Andy Probasco(白単エルドラージ) VS Hank Zhong(エスパーメンター)
G1 Andy,翼馬とエルドラージ勢を順調に展開して圧倒するが,HankがWalkを2連打して逆転
G2 Andy,絞めて勝ち
G3 1ターン目にLotus→導師→アンリコ→Ruby
ラウンド6終了時点 https://pbs.twimg.com/media/CkIwwUhXAAAgXDu.jpg
Roland Chang,さすがの強さ!TOP8を決める.
ラウンド7でエスパーメンターのBrian Kelly勝って18点,これはTOP8決まりか?
決勝ラウンドへ!
Andy Probasco(白単エルドラージ) VS Hank Zhong(エスパーメンター)
G1 Andy,翼馬とエルドラージ勢を順調に展開して圧倒するが,HankがWalkを2連打して逆転
G2 Andy,絞めて勝ち
G3 1ターン目にLotus→導師→アンリコ→Ruby
VSLシーズン5デッキリスト
2016年6月2日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-premier-2016-05-29
狂気に陥ったアヴァシンをやむなく消滅させたソリンは,イニストラードの新たな守護者を必要としていた.窮地を救ったジェイスから,ゼンディカーの侵略者達についての情報を得た彼はある賭けに出る.すなわちエルドラージの残党をプレインズウォークさせ,イニストラードを蝕むゾンビらにぶつけて同士討ちさせるという計画だ.その軍勢の指揮官には,令名高き美貌の聖戦士サリアが抜擢される.サリアは戸惑いながらも,アヴァシン教会の封じ込める僧侶らの口添えもあってこの打診を受け,かつてなく強力で異形で巨大な部下たちを束ねることとなった-
という背景ストーリーがあったかは知らないが,白単エルドラージである.純正エルドラージと比べ,特にサイド後の対応力の高さが一目瞭然だ.
従来,ヴィンテージの単体火力は磁石のゴーレムを落とす3が分水嶺で,その役割は稲妻に一任しておけばよかった.しかしゴーレムは制限され,難題の予見者がその枠を埋めるようになった.これからはタフネス4を撃ち落とすことも考えなければならない.具体的には...
狂気に陥ったアヴァシンをやむなく消滅させたソリンは,イニストラードの新たな守護者を必要としていた.窮地を救ったジェイスから,ゼンディカーの侵略者達についての情報を得た彼はある賭けに出る.すなわちエルドラージの残党をプレインズウォークさせ,イニストラードを蝕むゾンビらにぶつけて同士討ちさせるという計画だ.その軍勢の指揮官には,令名高き美貌の聖戦士サリアが抜擢される.サリアは戸惑いながらも,アヴァシン教会の封じ込める僧侶らの口添えもあってこの打診を受け,かつてなく強力で異形で巨大な部下たちを束ねることとなった-
という背景ストーリーがあったかは知らないが,白単エルドラージである.純正エルドラージと比べ,特にサイド後の対応力の高さが一目瞭然だ.
従来,ヴィンテージの単体火力は磁石のゴーレムを落とす3が分水嶺で,その役割は稲妻に一任しておけばよかった.しかしゴーレムは制限され,難題の予見者がその枠を埋めるようになった.これからはタフネス4を撃ち落とすことも考えなければならない.具体的には...
Flame Slash / 炎の斬りつけ (赤)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。炎の斬りつけはそれに4点のダメージを与える。
Wall of Razors / 剃刀の壁 (1)(赤)
クリーチャー — 壁(Wall)
防衛(このクリーチャーは攻撃できない。)
先制攻撃
4/1
Flametongue Kavu / 火炎舌のカヴー (3)(赤)一方メンターも,TOP8こそなかったものの9-16まで見れば実に5デッキに組み込まれており,決して遅れはとっていない.
クリーチャー — カヴー(Kavu)
火炎舌のカヴーが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。火炎舌のカヴーは、それに4点のダメージを与える。
4/2
MO P9 Challenge
2016年5月29日 Magic: The Gatheringhttp://www.themanadrain.com/topic/329/mtgo-may-2016-power-9-challenge
前回(http://bagupokemon.diarynote.jp/201605022126338691/)とは打って変わり,エルドラージが圧勝した.アメジストのとげに肖って今後これを「棘戦略」と略称するが,「クリーチャーでない呪文を唱えるためのコストは(1)多くなる。」というロック能力がヴィンテージの焦点になっていくのではないかと思われる.なぜなら,棘能力を重ねがけしつつ,クリーチャーを満載することで自分はその影響から逃れるという戦略は,ヴィンテージのほとんどのデッキに苦戦を強いる上,その対策が「自分もフルクリーチャーデッキを使うこと」という,ある種同化政策な性質を持つためである.墓荒らしやWorkshop等の元々15枚以上のクリーチャーを使役するデッキや,Vaultのようにクリーチャーをある程度増やせるデッキもあるが,TPSやDelver等,構造上あまりクリーチャーを増量できないデッキにとっては厄介な局面になったといえるだろう.メンターも例外ではない.4月以降,トップメタをひた走ってきたメンターだが,The Answer,白単エルドラージら棘戦略といった対抗戦力の台頭もあり,環境の支配は一段落して22%位に落ち着くのではないかと予想する.
前回(http://bagupokemon.diarynote.jp/201605022126338691/)とは打って変わり,エルドラージが圧勝した.アメジストのとげに肖って今後これを「棘戦略」と略称するが,「クリーチャーでない呪文を唱えるためのコストは(1)多くなる。」というロック能力がヴィンテージの焦点になっていくのではないかと思われる.なぜなら,棘能力を重ねがけしつつ,クリーチャーを満載することで自分はその影響から逃れるという戦略は,ヴィンテージのほとんどのデッキに苦戦を強いる上,その対策が「自分もフルクリーチャーデッキを使うこと」という,ある種同化政策な性質を持つためである.墓荒らしやWorkshop等の元々15枚以上のクリーチャーを使役するデッキや,Vaultのようにクリーチャーをある程度増やせるデッキもあるが,TPSやDelver等,構造上あまりクリーチャーを増量できないデッキにとっては厄介な局面になったといえるだろう.メンターも例外ではない.4月以降,トップメタをひた走ってきたメンターだが,The Answer,白単エルドラージら棘戦略といった対抗戦力の台頭もあり,環境の支配は一段落して22%位に落ち着くのではないかと予想する.
点数表更新
2016年5月28日 Magic: The Gathering先程の新規卡の登録に加えて,一部の卡の点数を変更した.従来,点数評価に採用数を重視しすぎたかと思われるので,卡それ自体の性能を見つめなおしたものである.それには僕自身の主観を用いたわけであるが,これが妥当なものであったかは今後のメタゲーム推移による審判を仰ぎたい.
http://ur0.work/uglo
渦まく知識 6点→5点 ブレストは極めて使いやすいドロー呪文で様々な卡とシナジーを組み,環境へ与える影響力も相当大きなものがある(例えば,制限解除されたら青系は一層強化されるだろうし,オースのように特に好相性のデッキは躍進するだろう).しかし,同じランクにあるPower9と同格ともいいがたい.今回,渦まく知識を6点の末席から5点の筆頭に移した.
苦悶の触手 6点→5点 確かに「メタデッキを作り上げた存在」であり,その功績は計り知れない.しかし,苦悶の触手1枚がストームデッキを築いたわけではなく,1ターンで10の呪文を詠唱するメカニズムはマナ加速とドロー,サーチの連携によるところが大きい.
イチョリッド
幽霊街
三角エイの捕食者
隔離するタイタン
Fastbond
火/氷
4点→3点
記憶の旅
物読み
けちな贈り物
解呪
レオニンの裁き人
石鍛冶の神秘家
迷宮の霊魂
誘惑蒔き
黄金牙、タシグル
殴打頭蓋
引き裂かれし永劫、エムラクール
金属細工師
3点→2点
これらは採用率が落ちてきていたり,卡それ自体の性能がそこまで高くないと判断したもの.
湿地の干潟
樹木茂る山麓
乾燥大地
Scrubland
Taiga
Plateau
3点→4点 正直使われてはいないのだが,やはり単体の性能を考えれば3点は低きに失したと思い引き上げた.
スレイベンの守護者、サリア
ギタクシア派の調査
3点→4点
サリアは5色人間や白単エルドラージで,ギタクシア派の調査はメンターで使われる.評価時よりもこれらのデッキが强化されたことにあわせて昇進させた.
また,次の卡を追加した.
至高の評決 3点
メンターが同型を制するための除去.
瘡蓋族の狂戦士 3点
5色人間の主要卡としてBOM9を優勝した.さらにその後は,MOでこれを複数投入した青赤クロックパーミッションも試されている.
上位の空民、エラヨウ 2点
メンターでの採用が増えてきた.
龍王コラガン 2点
炎の血族の妄信者の互換.
龍王ドロモカ 2点
一部のオースが採用する.また,メンターにおいても膠着した戦線を打開するフィニッシャーの役割がある.
6点-常軌を逸した強卡達.多くのデッキで使用が当然視される,メタデッキを作り上げた存在である,それの為だけに色をタッチされる,といった力量を備える.殿堂的な枠として定めたので,恐らく今後のセットで6点を得る卡はほぼないだろう.
5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームやプレイングを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す.
4点-有力なアーキタイプや複数のアーキタイプにおいて大きな役割を果たす卡.または有力なアーキタイプに対する特に有力な対策卡.
3点-有力なアーキタイプにおいて使用を検討される卡.または特定のアーキタイプで大きな役割を果たす卡.
2点-使われることはあるが遭遇率は3点より低い卡.またはサイドボードにおいて使用を検討される卡.
1点ー活躍の可能性が残されている卡.かつて実績があったが,現在使われていない卡.
0点-卡力が低くヴィンテージにおいては存在しえない.
http://ur0.work/uglo
渦まく知識 6点→5点 ブレストは極めて使いやすいドロー呪文で様々な卡とシナジーを組み,環境へ与える影響力も相当大きなものがある(例えば,制限解除されたら青系は一層強化されるだろうし,オースのように特に好相性のデッキは躍進するだろう).しかし,同じランクにあるPower9と同格ともいいがたい.今回,渦まく知識を6点の末席から5点の筆頭に移した.
苦悶の触手 6点→5点 確かに「メタデッキを作り上げた存在」であり,その功績は計り知れない.しかし,苦悶の触手1枚がストームデッキを築いたわけではなく,1ターンで10の呪文を詠唱するメカニズムはマナ加速とドロー,サーチの連携によるところが大きい.
イチョリッド
幽霊街
三角エイの捕食者
隔離するタイタン
Fastbond
火/氷
4点→3点
記憶の旅
物読み
けちな贈り物
解呪
レオニンの裁き人
石鍛冶の神秘家
迷宮の霊魂
誘惑蒔き
黄金牙、タシグル
殴打頭蓋
引き裂かれし永劫、エムラクール
金属細工師
3点→2点
これらは採用率が落ちてきていたり,卡それ自体の性能がそこまで高くないと判断したもの.
湿地の干潟
樹木茂る山麓
乾燥大地
Scrubland
Taiga
Plateau
3点→4点 正直使われてはいないのだが,やはり単体の性能を考えれば3点は低きに失したと思い引き上げた.
スレイベンの守護者、サリア
ギタクシア派の調査
3点→4点
サリアは5色人間や白単エルドラージで,ギタクシア派の調査はメンターで使われる.評価時よりもこれらのデッキが强化されたことにあわせて昇進させた.
また,次の卡を追加した.
至高の評決 3点
メンターが同型を制するための除去.
瘡蓋族の狂戦士 3点
5色人間の主要卡としてBOM9を優勝した.さらにその後は,MOでこれを複数投入した青赤クロックパーミッションも試されている.
上位の空民、エラヨウ 2点
メンターでの採用が増えてきた.
龍王コラガン 2点
炎の血族の妄信者の互換.
龍王ドロモカ 2点
一部のオースが採用する.また,メンターにおいても膠着した戦線を打開するフィニッシャーの役割がある.
・BFZ
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201509191803212408/
反省 http://bagupokemon.diarynote.jp/201601092026485048/
Endless One
2点ー先のエルドラージ3タイプでは純正タイプにのみ入る.
Void Winnower
1点ー一時期オースで起用され,Odd Oathなんて言葉が飛び交ったりもしたが,Workshopが衰えた今ならグリセルブランドで安定だろう.
・OGW
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201601091847032485/
(今見ると恥ずい)
Eldrazi Mimic
2点ー純正タイプの先鋒.
Reality Smasher
3点ーエルドラージ3アーキタイプ全てに採用される.
類例として切りつける豹/Slash Pantherがあるが,卡力ではスマッシャーが勝るようだ.実際の運用としては,どちらも本来のコストより2マナ軽くなるが,パワーが1違うためキルターンは一致する.すると,除去・ブロッカー耐性の差がもろに出てくる.
Thought-Knot Seer
4点ーエルドラージの筆頭であり,こいつを入れないエルドラージデッキは存在しない.
最初は手札破壊とMUDのデッキ是であるマナ拘束とが噛み合わないのではないかと感じていたが,寺院すらなしの,ほんとにMUDにこれ突っ込んだだけみたいなデッキも出ているところをみると,予見者の実力を軽く見すぎていたようだ.
Eldrazi Displacer
白単エルドラージが登場して間もないため,今の段階で評価するのは尚早というものだが,モダンやレガシーでエルドラージの枠を越えた活躍を遂げているところからすると,期待できそうだ.
Reflector Mage
2点ー5色人間のパーツ.
・SOI
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201603261459433887/
これは簡単だ
http://bagupokemon.diarynote.jp/201603261459433887/
Thing in the Ice
3点ーMOで色々研究されている.近いうちに記事にしたいものだ.
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201509191803212408/
反省 http://bagupokemon.diarynote.jp/201601092026485048/
Endless One
2点ー先のエルドラージ3タイプでは純正タイプにのみ入る.
Void Winnower
1点ー一時期オースで起用され,Odd Oathなんて言葉が飛び交ったりもしたが,Workshopが衰えた今ならグリセルブランドで安定だろう.
・OGW
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201601091847032485/
(今見ると恥ずい)
Eldrazi Mimic
2点ー純正タイプの先鋒.
Reality Smasher
3点ーエルドラージ3アーキタイプ全てに採用される.
類例として切りつける豹/Slash Pantherがあるが,卡力ではスマッシャーが勝るようだ.実際の運用としては,どちらも本来のコストより2マナ軽くなるが,パワーが1違うためキルターンは一致する.すると,除去・ブロッカー耐性の差がもろに出てくる.
Thought-Knot Seer
4点ーエルドラージの筆頭であり,こいつを入れないエルドラージデッキは存在しない.
最初は手札破壊とMUDのデッキ是であるマナ拘束とが噛み合わないのではないかと感じていたが,寺院すらなしの,ほんとにMUDにこれ突っ込んだだけみたいなデッキも出ているところをみると,予見者の実力を軽く見すぎていたようだ.
Eldrazi Displacer
白単エルドラージが登場して間もないため,今の段階で評価するのは尚早というものだが,モダンやレガシーでエルドラージの枠を越えた活躍を遂げているところからすると,期待できそうだ.
Reflector Mage
2点ー5色人間のパーツ.
・SOI
予想 http://bagupokemon.diarynote.jp/201603261459433887/
これは簡単だ
http://bagupokemon.diarynote.jp/201603261459433887/
Thing in the Ice
3点ーMOで色々研究されている.近いうちに記事にしたいものだ.
ヴィンテージのエルドラージ
2016年5月28日 Magic: The Gathering コメント (2)中堅エルドラージと目・寺院の2マナランドがあれほどの化学反応をもたらすとはついぞ予見できず,仮にも卡を点数化している者として,至らなかったと反省している.そんなわけでOGW以降の反省会を延期していたが,ヴィンテージにおけるエルドラージの勢力も固まってき,そろそろ頃合いかと思う.反省会に入る前に,ヴィンテージのエルドラージデッキについての参考資料2つを供する.概説にtondol氏の超絶名著を挙げる http://tondol.diarynote.jp/201604151927597861/
エルドラージは大凡3派に分類される.今,それらにアーキタイプ名を付し,「純正エルドラージ/Pure Eldrazi」「エルドラージMUD/Eldrazi Workshop」「白単エルドラージ/White Eldrazi」と呼びたい.
・純正エルドラージ
例 http://www.mtgtop8.com/event?e=12481&d=271835&f=VI
ウギンの目による爆発的な加速が特徴である.ミミックとスマッシャーを流れるように繋げれば,他のデッキが実質的なゲームを始める前に押し切ってしまうことも可能である.
・エルドラージMUD
例 BLACKLOTUST1 (3-1) http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2016-05-15
文字通りMUDとのハイブリッド.これはエルドラージにアーティファクトを入れたというよりも,磁石のゴーレム制限によるMUDの穴をエルドラージで補ったデッキと捉えるほうが近いか.
・白単エルドラージ
例 MOSSDOGTRAINEE (4-0) http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2016-05-26
白を追加することで,変位エルドラージと封じ込める僧侶,そしてサリアを加入させた異形のエルドラージデッキ.この3体はそれぞれ単体でヴィンテージの過酷な環境に耐えるだけのスペックを持っており,僧侶が出た状態で敵クリーチャーを変位することで2度と戻ってこれない,事実上の万能除去となるシナジーまで持っている.登場したのは今月に入ってからだが,今後どうなるか楽しみだ.
エルドラージは大凡3派に分類される.今,それらにアーキタイプ名を付し,「純正エルドラージ/Pure Eldrazi」「エルドラージMUD/Eldrazi Workshop」「白単エルドラージ/White Eldrazi」と呼びたい.
・純正エルドラージ
例 http://www.mtgtop8.com/event?e=12481&d=271835&f=VI
ウギンの目による爆発的な加速が特徴である.ミミックとスマッシャーを流れるように繋げれば,他のデッキが実質的なゲームを始める前に押し切ってしまうことも可能である.
・エルドラージMUD
例 BLACKLOTUST1 (3-1) http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2016-05-15
文字通りMUDとのハイブリッド.これはエルドラージにアーティファクトを入れたというよりも,磁石のゴーレム制限によるMUDの穴をエルドラージで補ったデッキと捉えるほうが近いか.
・白単エルドラージ
例 MOSSDOGTRAINEE (4-0) http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2016-05-26
白を追加することで,変位エルドラージと封じ込める僧侶,そしてサリアを加入させた異形のエルドラージデッキ.この3体はそれぞれ単体でヴィンテージの過酷な環境に耐えるだけのスペックを持っており,僧侶が出た状態で敵クリーチャーを変位することで2度と戻ってこれない,事実上の万能除去となるシナジーまで持っている.登場したのは今月に入ってからだが,今後どうなるか楽しみだ.
【朗報】Sinkhole,再録
2016年5月26日 Magic: The Gathering
http://bagupokemon.diarynote.jp/201209272318408823/
3年半前記事にしたコレを落札し,今も所有している友人に緊急インタビューを行った.
武漢:なんでこれ買ったの?
友達:シャレが効いてて良いなと思ったので、ぜひ一枚持っとこうと思った。穴開けたのはどんな人なんだろうと思いを馳せる日々よ。
武漢:その穴を開けた所有者に対する怒りのような感情を感じることは?
友人:いやむしろそのセンスと度胸に感服してる。
武漢:もうゲームに使うことはできなくなったSinkholeと今後どう付き合っていくか教えてほしい
友人:黒単のデッキケースの一番前に置いて、そのデッキの“顔”にしてみたいなと思う。インパクトがあって良いんじゃないかな。わかんないけど。
武漢:独創的なアイディアだと思う。インタビューに応じてくれてありがとう!いつまでも傷ついたSinkholeを愛してやってほしい!
3年半前記事にしたコレを落札し,今も所有している友人に緊急インタビューを行った.
武漢:なんでこれ買ったの?
友達:シャレが効いてて良いなと思ったので、ぜひ一枚持っとこうと思った。穴開けたのはどんな人なんだろうと思いを馳せる日々よ。
武漢:その穴を開けた所有者に対する怒りのような感情を感じることは?
友人:いやむしろそのセンスと度胸に感服してる。
武漢:もうゲームに使うことはできなくなったSinkholeと今後どう付き合っていくか教えてほしい
友人:黒単のデッキケースの一番前に置いて、そのデッキの“顔”にしてみたいなと思う。インパクトがあって良いんじゃないかな。わかんないけど。
武漢:独創的なアイディアだと思う。インタビューに応じてくれてありがとう!いつまでも傷ついたSinkholeを愛してやってほしい!
最弱への旅4.5
2016年5月24日 Magic: The Gathering
連載を見返していたところ,とんでもない大物を書き落としていたことに気付いた.レジェンドの深奥に潜むこいつである.
Wood Elementalの恐ろしいところは,アンタップ状態という狂ったペナルティを外してもなお十二分に弱いということだ.当時の基準でも同コストにウォー・マンモス/War Mammothがおり,こいつに並ぶだけでも森3枚が必要となる.
リアニメイトとかマナ加速とか何らかの踏み倒し手段で出そうにも,序盤では生け贄に捧げるべき森が足りないので,しょうもないサイズでしか出てこない.そもそも土地1つで+1/+1では強化効率として割に合わない.
まっとうな使い方を諦め,森生け贄のコストを墓地アドバンテージの獲得に転化しようと考えると,今度は4マナ(実質それ以上)という重さが足を引っ張る.
どこまでも弱さ使えなさが幾重にも重なったその姿は,分厚い樹皮を身にまとった古樹を連想させるものがある.
<改善>
こいつが現スタンで使われるには,アンタップ状態とかいうふざけたテキストを省いた上で1マナにする必要があるだろう.モダン以下を狙うとなれば,相手の森も生け贄に供せる位の抜本的改革が必要かもしれない.
Wood Elemental (3)(緑)アンタップ状態という条件にまず視点が釘付けとなる.あたかも当然のように付け加えられたこの条件,これこそがWood Elementalを最弱界の帝王ならしめた要員である.アンタップ状態の土地を生け贄に捧げるということは,言うまでもないが,そこから捻出できるはずだった1マナを諦めることに等しい.早い話が,Wood Elementalは「(X)(3)(G)のX/Xクリーチャー」よりかなり劣るということだ.
クリーチャー — エレメンタル(Elemental)
Wood Elementalが戦場に出るに際し、好きな数のアンタップ状態の森(Forest)を生け贄に捧げる。
Wood Elementalのパワーとタフネスはそれぞれ、それが戦場に出るに際し生け贄に捧げられた森の数に等しい。
*/*
Wood Elementalの恐ろしいところは,アンタップ状態という狂ったペナルティを外してもなお十二分に弱いということだ.当時の基準でも同コストにウォー・マンモス/War Mammothがおり,こいつに並ぶだけでも森3枚が必要となる.
リアニメイトとかマナ加速とか何らかの踏み倒し手段で出そうにも,序盤では生け贄に捧げるべき森が足りないので,しょうもないサイズでしか出てこない.そもそも土地1つで+1/+1では強化効率として割に合わない.
まっとうな使い方を諦め,森生け贄のコストを墓地アドバンテージの獲得に転化しようと考えると,今度は4マナ(実質それ以上)という重さが足を引っ張る.
どこまでも弱さ使えなさが幾重にも重なったその姿は,分厚い樹皮を身にまとった古樹を連想させるものがある.
<改善>
Fungus Elemental / 菌類の精霊 (3)(緑)これですら特に使われはしなかった.
クリーチャー — ファンガス(Fungus) エレメンタル(Elemental)
(緑),森(Forest)を1つ生け贄に捧げる:菌類の精霊の上に+2/+2カウンターを1個置く。この能力は、このターン菌類の精霊が戦場に出た場合にのみ起動できる。
3/3
こいつが現スタンで使われるには,アンタップ状態とかいうふざけたテキストを省いた上で1マナにする必要があるだろう.モダン以下を狙うとなれば,相手の森も生け贄に供せる位の抜本的改革が必要かもしれない.
これには相当期待していた.が...全然使われてない!
僕のスタンダードでパズルの欠片を中心に組んだ青黒コントロールがこれ
ヴィンテージのメンターに2枚入れてみたところ,悪くない働きをしてくれた.土地や導師を引けない融通の効かなさがあり,現在は抜いているが,スペルに30枚前後を割くデッキなら十分候補になるポテンシャルと感じられた.中でも,ハイタイドはスペル枚数が40に迫り,2枚引ける確率が95%を越える.
僕のスタンダードでパズルの欠片を中心に組んだ青黒コントロールがこれ
4 Sunken Hollowボードコントロール,つまりビートダウンを倒すためのデッキなので白単やハスク等には強いが,ビッグマナ等には大振りな動きを咎めるカウンターがないため弱い.
3 Choked Estuary
8 Island
8 Swamp
1 Drownyard Temple
2 Languish
1 Scatter to the Winds
1 Silumgar’s Command
3 Grasp of Darkness
1 Crush of Tentacles
4 Pieces of the Puzzle
2 Dark Petition
2 Rise from the Tides
4 Anticipate
4 Epiphany at the Drownyard
4 Ultimate Price
4 Thing in the Ice
1 Dragonlord Silumgar
1 Jace, Unraveler of Secrets
2 Jace, Vryn’s Prodigy
SB: 2 Languish
SB: 3 Duress
SB: 4 Flaying Tendrils
SB: 1 Transgress the Mind
SB: 4 Dispel
SB: 1 Read the Bones
ヴィンテージのメンターに2枚入れてみたところ,悪くない働きをしてくれた.土地や導師を引けない融通の効かなさがあり,現在は抜いているが,スペルに30枚前後を割くデッキなら十分候補になるポテンシャルと感じられた.中でも,ハイタイドはスペル枚数が40に迫り,2枚引ける確率が95%を越える.