C17とヴィンテージ1
2017年8月9日 Magic: The Gatheringhttp://www.mtgsalvation.com/spoilers/184-commander-2017
利点:紅蓮破されない 稲妻されない 固い
欠点:FoWで切れない 能力の対象が狭く、決定力も低い
この中では、高いタフネスによって壁になる点が重要そうだ。これならダクを落とそうとする敵クリーチャーを阻みつつ、返す刀で相手へ+1を起動することでアドバンテージを得られる。
一方で肝心の能力が不徹底なものになってしまったのは残念だ。個別の事例を検証してみよう。
一方、Timetwister等の7ドロー系との併用を考えるならば、概念泥棒がオーバーキルだっただけで、Alms Collectorでも十分過ぎるほどのアド差になる。
ダクとの相性については、差し引きアドが+4から+2まで下がってしまったが、自身がブロッカーになって毎ターン起動すれば大差をつけられることに変わりない。
僕の意見では、総合的評価は概念泥棒に一歩譲り、決定力の低さから、デッキの核を担うことも考えにくい。したがって、Grixis Thief等のデッキがわざわざ白をタッチして概念泥棒からAlms Collectorに乗り換えるといったことは起こらないだろう。一方、能動的な目的ではなく、メタ的な理由で概念泥棒を起用しており(特にサイドに起用しているもの)、白が入っている&黒が濃くないデッキならば、Alms Collectorを優先してもよいと思う。具体的には一部のメンターだ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/652672#paper
1.3マナのコスト軽減ということで、非常に優秀な鋳造所の検査官と競合する。
2.Workshopの種族統一は、構築物の4種16枚(ハンガーバック、検査官、鋼の監視者、バリスタ)が限界。つまりドロー成功率は高々1/4。
Alms Collector2点ー概念泥棒と基本スペックを比べてみる。
3W
Creature - Cat Cleric
Flash
If an opponent would draw two or more cards, instead you and that player each draw a card.
"There is no justice when some profit and others go without."
illus. Bram Sels # 1/56
SRC
3/4
利点:紅蓮破されない 稲妻されない 固い
欠点:FoWで切れない 能力の対象が狭く、決定力も低い
この中では、高いタフネスによって壁になる点が重要そうだ。これならダクを落とそうとする敵クリーチャーを阻みつつ、返す刀で相手へ+1を起動することでアドバンテージを得られる。
一方で肝心の能力が不徹底なものになってしまったのは残念だ。個別の事例を検証してみよう。
・定業 影響なし ↔ 相手占術/自分1ドローやはり1枚ドローには全く反応しない点が辛い。定業等を素通りさせてしまうばかりか、ヨーグモスの取り引きのように「細かい大量ドロー」にも弱い。
・バーゲン 影響なし ↔ 相手0ドロー/自分1ドロー
・ブレスト 相手1ドロー2リターン/自分1ドロー ↔ 相手2リターン/自分3ドロー
・アンリコ 相手1ドロー/自分1ドロー ↔ 相手0ドロー/自分3ドロー
・TT 相手1ドロー/自分8ドロー ↔ 相手0ドロー/自分14ドロー
・御心 相手1ドロー/自分1ドロー ↔ 相手0ドロー/自分2ドロー
・ダク 相手1ドロー2ディス/自分1ドロー ↔ 相手2ディス/自分2ドロー
・DTT 影響なし ↔ 影響なし
一方、Timetwister等の7ドロー系との併用を考えるならば、概念泥棒がオーバーキルだっただけで、Alms Collectorでも十分過ぎるほどのアド差になる。
ダクとの相性については、差し引きアドが+4から+2まで下がってしまったが、自身がブロッカーになって毎ターン起動すれば大差をつけられることに変わりない。
僕の意見では、総合的評価は概念泥棒に一歩譲り、決定力の低さから、デッキの核を担うことも考えにくい。したがって、Grixis Thief等のデッキがわざわざ白をタッチして概念泥棒からAlms Collectorに乗り換えるといったことは起こらないだろう。一方、能動的な目的ではなく、メタ的な理由で概念泥棒を起用しており(特にサイドに起用しているもの)、白が入っている&黒が濃くないデッキならば、Alms Collectorを優先してもよいと思う。具体的には一部のメンターだ。
https://www.mtggoldfish.com/deck/652672#paper
Fortunate FewヴィンテージはMoxを擁する環境である。そこを逆手に取り、自分はMoxやトークン等、単独での価値が劣る卡を避ける構築を心がければ、Fortunate Fewを一方的な卡として運用することができる。Mana Drainをフル投入したunpoweredのランドスティルなんかではアリじゃなかろうか?
3WW
Sorcery
Choose a nonland permanent you don’t control, then each other play chooses a nonland permanent he or she doesn’t control that hasn’t been chosen this way. Destroy all other nonland permanents.
Stalking Leonin2人戦だと、博覧会場の警備員が同コストで何でも追放できるし、もう1マナ足せば宮殿の看守というさらに強いクリーチャーが使役できる。Stalking Leoninも面白い卡だがヴィンテージでの出番はないかな~
2W
Creature - Cat Archer
When Stalking Leonin enters the battlefield, secretly choose an opponent.
Reveal the player you chose: Exile target creature that’s attacking you if it’s controlled by the chosen player. Activate this ability only once.
illus. Zoltan Boros # 7/56
C&D SRC
3/3
Mirri, Weatherlight Duelist相手を1体でしか戦闘できなくする。導師と一緒に殴るのもいいし、逆に導師と大量の弟子を向こうに回して(ある程度は)殴り合える逸材でもある。しかし、Workshopの場合、荒廃者によって攻撃にいけなかった奴らを元気玉に変換できるので、あまり効かないかもしれない。サイズは頼れるものの3マナは重く、殴り合いにしか使えないため、デッキに入るスペースがないと思われる。
1GW
Legendary Creature - Cat Warrior
First strike
Whenever Mirri, Weatherlight Duelist attacks, each opponent can’t block with more than one creature this combat.
As long as Mirri, Weatherlight Duelist is tapped, no more than one creature can attack you each combat.
illus. Magali Villeneuve # 43/56
C&D SRC RP
3/2
O-Kagachi, Vengeful Kamiこれifのくだりいる?
1WUBRG
Legendary Creature - Dragon Spirit
Flying, trample
Whenever O-Kagachi, Vengeful Kami deals combat damage to a player, if that player attacked you during his or her last turn, exile target nonland permanent that player controls.
At his behest the Kami War begain to regain That Which Was Taken.
illus. # 45/56
C&D UNC
6/6
Herald’s HornWorkshopで使えないかと考えたが、次の理由から厳しそうだ。
3
Artifact
As Herald’s Horn enters the battlefield, choose a creature type.
Creature spells of the chosen type you cast cost 1 less to cast.
At the beginning of your upkeep, look at the top card of your library. If it’s a creature card of the chosen type, you may reveal it and put it into your hand.
1.3マナのコスト軽減ということで、非常に優秀な鋳造所の検査官と競合する。
2.Workshopの種族統一は、構築物の4種16枚(ハンガーバック、検査官、鋼の監視者、バリスタ)が限界。つまりドロー成功率は高々1/4。
オースはなぜ勝てなかったのか
2017年8月8日 Magic: The Gathering コメント (2)1.メタゲーム概観
ヴィンテージは1年以上にわたってWorkshopとメンターの二大勢力に支配されてきた。そこに噴出・ギタクシア制限によるメンター抑制が加わり、メンターはデッキパワーの絶対値を落としつつもWorkshopとの相性を改善した。そこで逆説が第三勢力として台頭し、一時はメタの三つ巴が成立するかとも思われたが、結果としてはWorkshopが他を引き離し、環境最強デッキにして唯一のTier1の座を確立した。
現在、mtggoldfishによればWorkshopが環境のちょうど1/3、33%を占める。その直下にあるのがジェスカイメンターと逆説で、共に13%前後だ(mtggoldfishのデッキカテゴライズはガバガバで知られ、厳密な推計には到底耐えないのだが、メタゲームの大まかな特徴を知るだけならこれで十分だろう)。
2.オースという問題提起
一時期、環境の攻略法としてオースに注目する声があった。クリーチャーを勝利手段とするWorkshopやメンターに対し、ドルイドの誓いを叩きつけようというのがその趣旨である。それだけではない。ヴィンテージ環境を正視するプレイヤー達は、クリーチャーデッキの強力さにはドルイドの誓いのみに頼ってはいられないことを見抜き、さらなる措置として、従来ヴィンテージでは見られなかった罰する火/燃え柳の木立ちエンジンをも搭載したPunishing Oathを組み上げた。
しかしながら、このような努力にかかわらず、残念ながらこの試みは失敗に帰した。オースの支配率は下降の一途をたどり、青系デッキの中でも逆説どころかBUG(墓荒らしと呼ばれてきたカラーリングだが、最近Team Leovoldと呼ばれることが多い)や新興勢力のバラル・ギフトにも後塵を拝する有様である。
そしてWorkshop、メンター双方に勝ちきれないばかりか、大量ドロー可能なノンクリーチャーデッキである逆説がメタゲーム上の大きな位置を占めるようになった現在、オースを選ぶメタゲーム的理由はなくなった。本稿では、このようなオースの挫折とその理由を検証したい。
結論としては、オースは2つの理由
a.コンセプト自体の弱さ - テンポの不利
b.メタゲーム上の弱さ - サイドボードの不利
からWorkshopとメンターに勝ちきれなかったものと考えている。
3.コンセプト自体の弱さ
前提として、卡槽が充実していくにつれ2枚組のコンボは淘汰される運命にある。
いま、単体で10点の卡AとBがあり、それらが組み合わされば100点になるとする。卡戯で最強クラスの卡でも20点くらいの強さしかもたない時代なら、A+Bコンボは実に強い。しかし、インフレしていって1枚で40点の強さを備える卡が登場したとなればどうか。それが2枚あれば80点の強さであり、先のコンボに迫る勢いだ。これを最も実感できるのはWorkshopだろう。1ターン目に磁石のゴーレムを出し、2ターン目に変形者でそれをコピーすることは、特にコンボとはいえない。2枚の卡はそれぞれの役割を果たしているだけである。しかし、この動きが妨害なく繋がれば、ほとんど勝勢である。このようにして、卡槽が充実していくにつれ、A+Bのコンボは例え成立したとしても、グッドスタッフを圧倒的に引き離すほどの見返りとはいかなくなる。その反面、AかBを単独で引いた際の弱さ、足手まといぶりが一層際立ってしまう。
修繕→BSCやドルイドの誓い→グリセルブランドのコンボも例外ではない。BSC等の巨大クリーチャーの決定力に衰えはないが、時代の進歩(そして2008年の渦まく知識制限)により、こいつらが手札に来てしまった際のドローロスや、コンボ不成立時の負債(生け贄にしてしまったアーティファクト、オースを引けないうちに果樹園から出てきたトークン)がより重くのしかかるようになった。こうして、Tinker戦略はマジック全体の成長に反比例するかたちでの緩やかな衰退を余儀なくされた。
そう、これはドルイドの誓いが呼び出すクリーチャーが弱いせいではない。夜のスピリットから出発してアクローマ、大祖始、イオナ、エムラクール...と成長していったOath targetは、獄庫から目覚めたグリセルブランドでその頂点を極めた。巨体に備わった絆魂で劣勢を優勢に、圧倒的なドロー能力で優勢を勝勢に変える素晴らしい制圧力を持つ。しかし、このグリセルブランドでさえ、オースを貼って1ターン待つ降臨の儀式を経由したのでは遅いようだ。
では、これほど完璧なクリーチャーを擁するオースが文字通り遅れをとるようになったのはなぜか、2アーキタイプとの相性をミクロな視点で見てみよう。
・Workshop
まず、Workshopがこの2年間で質的に変化したことを述べる。そもそも、このアーキタイプは、Mishra’s Workshopによる莫大な生産力を前提に、Sphere(抵抗の宝球、アメジストのとげ、三なる宝球)によるロックと選抜されたアーティファクト・クリーチャーによるアグロの組み合わせである。そこで、ロックとアグロの二項対立を軸として、この2年間Workshopに起こったトピックを整理してみよう。
②は、ロック・アグロを併せ持つ最高のクリーチャーに対する制限であり、Workshopの強さそのものに大幅な規制を加えたものだ。
③④の新卡はロックには寄与しないが、アグロを大きく高める。
①③④がロックよりアグロに向けたトピックだといえる。この結果、Workshopは、2年間の大きな流れとして「ロックを主として、従たるクリーチャーで勝つ」プリズンデッキから「クリーチャーの展開を主とし、それを妨害から守るために従たるロックを仕掛ける」ストンピィデッキに脱皮したのである。からみつく鉄線が先駆のゴーレム取って代わられたのは、その象徴であろう。Workshopに負ける場合の実感としても、以前は全く身動きが取れずに殴りきられたパターンが多かったのに対して、最近は、鋳造所の検査官を起点とするクリーチャーの横並びにSphereが加えられ、呪文を唱えることはできるが、それで敵軍を倒し切る前にこちらのライフが突きてしまうパターンが多いと感じている。
以上のような意見を持っていたところ、大鍋兄貴からも同様の指摘があり、膝を打ったところである。
http://shootinglove.diarynote.jp/201707301836185329/
さて本論に戻ると、Workshopのクリーチャーの中でも電結の荒廃者がオースを大きく制している。こいつを中心とした軽量クリーチャーの展開が増え、マナ拘束が緩やかになるのはむしろオースにとって好都合ではないかと思われるところだが、実際はそう簡単ではない。オースから1ターン後にグリセルブランドを特殊召喚してパス、次ターンに(必要ならオースを再誘発させ)攻撃してライフを安全圏に引き上げるというオース側の視点からすれば、電結の荒廃者による変幻自在のサクリファイス戦略は非常に厄介であり、これでグリセルブランドの絆魂をすり抜けてライフを削り切られてしまうケースもある。それどころか、自軍クリーチャーを全てミシュラの工廠に食わせてオースの誘発自体を阻みつつ、安全圏から強打を浴びせる狡猾なプレイさえ可能である。
・メンター
2マナのドルイドの誓いは3マナの導師より軽い。しかもメンターの持つカウンターは、テンポを重視した狼狽の嵐や精神的つまづきが主であり、ドルイドの誓いをカウンターできるのは意志の力のみに頼っていることが多く、有利である。と言うと本論とはまるで逆とことになりそうだが、実際1本目ではメンターに相性が良い。しかし、これが2本目以降になると全く変わってくる。グリセルブランドでさえ遅いのはなぜかという問いに対しては、次項までいったん保留としよう。
4.メタゲーム上の弱さ
オースはサイドボード上非常に不利であり、デッキパワーの高さに比してメタゲームに食い込めない主因となっている。例えば墓掘りの檻だ。これは主としてドレッジ対策卡であり、オースはいわば巻き添えを食った形である。mtggoldfishによれば、檻は70%のデッキに3~4枚入っている(支配率ヴィンテージ1位)ので、サイド後のオースは矢のように降り注ぐこいつらを何とかしなくてはならない。このように、Workshopやドレッジの対策が結果としてオース対策にもなるケースが非常に多く、オースはメタゲーム支配率に比して過重な対策を受けている状況だ。
この問題についても、アーキタイプごとにさらに詳しく見ていく。
・Workshop
檻が100%フル投入される。オースに的を絞った対策としてはカラカスがある。
・メンター
禁止の色、白はサイドボードで力を発揮する。やはり檻が非常にポピュラーであるが、封じ込める僧侶や名誉の神盾といったクロックと妨害を兼ねるクリーチャーも脅威である。また断片化や解呪はWorkshopとの兼任である。平均すれば、おそらく6~7枚の対策が搭載されているだろう。
そこで、先の留保された問への回答はこうなる。「檻をはじめ、ドルイドの誓いより速い妨害を設置することができ、(ドルイドの誓いそのものには通用しなかった)カウンターを、檻らに対する除去に向けることができる。その間、ドルイドの誓い誘発を許さずにクロックを展開できる。」
5.オースのこれから
直近2週間のVintage Challengeでは、トップ32までで1つのオースをも見出すことができなかった。現状オースが厳しい立場に立たされているのは事実である。
テンポを改善する方法は色々ある。既に触れた罰する火エンジンのほか、攻撃を1ターン早めてくれるドラゴンの息も、特にエムラクール型のオースでは主流である。これらは非常に有力な戦略ではあるが、コンボを前提した構築であることには変わりなく、右に述べたコンボ漸減理論の域を出ないものと考える。
トップ2デッキに対する不利とはあくまで相対的なものであり、今後の制限次第ではその差が縮まって力を取り戻すこともあるだろう。例えば、抵抗の宝球あたりが制限されれば、ライフを削られる前にドルイドの誓いを出せる確率が上がるだろうし、定業が制限されて血清の幻視あたりに交換されれば、ドロー連鎖による導師の爆発力がやや抑えられ、ドルイドの誓い誘発が間に合うケースも増えることだろう。
ヴィンテージは1年以上にわたってWorkshopとメンターの二大勢力に支配されてきた。そこに噴出・ギタクシア制限によるメンター抑制が加わり、メンターはデッキパワーの絶対値を落としつつもWorkshopとの相性を改善した。そこで逆説が第三勢力として台頭し、一時はメタの三つ巴が成立するかとも思われたが、結果としてはWorkshopが他を引き離し、環境最強デッキにして唯一のTier1の座を確立した。
現在、mtggoldfishによればWorkshopが環境のちょうど1/3、33%を占める。その直下にあるのがジェスカイメンターと逆説で、共に13%前後だ(mtggoldfishのデッキカテゴライズはガバガバで知られ、厳密な推計には到底耐えないのだが、メタゲームの大まかな特徴を知るだけならこれで十分だろう)。
2.オースという問題提起
一時期、環境の攻略法としてオースに注目する声があった。クリーチャーを勝利手段とするWorkshopやメンターに対し、ドルイドの誓いを叩きつけようというのがその趣旨である。それだけではない。ヴィンテージ環境を正視するプレイヤー達は、クリーチャーデッキの強力さにはドルイドの誓いのみに頼ってはいられないことを見抜き、さらなる措置として、従来ヴィンテージでは見られなかった罰する火/燃え柳の木立ちエンジンをも搭載したPunishing Oathを組み上げた。
しかしながら、このような努力にかかわらず、残念ながらこの試みは失敗に帰した。オースの支配率は下降の一途をたどり、青系デッキの中でも逆説どころかBUG(墓荒らしと呼ばれてきたカラーリングだが、最近Team Leovoldと呼ばれることが多い)や新興勢力のバラル・ギフトにも後塵を拝する有様である。
そしてWorkshop、メンター双方に勝ちきれないばかりか、大量ドロー可能なノンクリーチャーデッキである逆説がメタゲーム上の大きな位置を占めるようになった現在、オースを選ぶメタゲーム的理由はなくなった。本稿では、このようなオースの挫折とその理由を検証したい。
結論としては、オースは2つの理由
a.コンセプト自体の弱さ - テンポの不利
b.メタゲーム上の弱さ - サイドボードの不利
からWorkshopとメンターに勝ちきれなかったものと考えている。
3.コンセプト自体の弱さ
前提として、卡槽が充実していくにつれ2枚組のコンボは淘汰される運命にある。
いま、単体で10点の卡AとBがあり、それらが組み合わされば100点になるとする。卡戯で最強クラスの卡でも20点くらいの強さしかもたない時代なら、A+Bコンボは実に強い。しかし、インフレしていって1枚で40点の強さを備える卡が登場したとなればどうか。それが2枚あれば80点の強さであり、先のコンボに迫る勢いだ。これを最も実感できるのはWorkshopだろう。1ターン目に磁石のゴーレムを出し、2ターン目に変形者でそれをコピーすることは、特にコンボとはいえない。2枚の卡はそれぞれの役割を果たしているだけである。しかし、この動きが妨害なく繋がれば、ほとんど勝勢である。このようにして、卡槽が充実していくにつれ、A+Bのコンボは例え成立したとしても、グッドスタッフを圧倒的に引き離すほどの見返りとはいかなくなる。その反面、AかBを単独で引いた際の弱さ、足手まといぶりが一層際立ってしまう。
修繕→BSCやドルイドの誓い→グリセルブランドのコンボも例外ではない。BSC等の巨大クリーチャーの決定力に衰えはないが、時代の進歩(そして2008年の渦まく知識制限)により、こいつらが手札に来てしまった際のドローロスや、コンボ不成立時の負債(生け贄にしてしまったアーティファクト、オースを引けないうちに果樹園から出てきたトークン)がより重くのしかかるようになった。こうして、Tinker戦略はマジック全体の成長に反比例するかたちでの緩やかな衰退を余儀なくされた。
そう、これはドルイドの誓いが呼び出すクリーチャーが弱いせいではない。夜のスピリットから出発してアクローマ、大祖始、イオナ、エムラクール...と成長していったOath targetは、獄庫から目覚めたグリセルブランドでその頂点を極めた。巨体に備わった絆魂で劣勢を優勢に、圧倒的なドロー能力で優勢を勝勢に変える素晴らしい制圧力を持つ。しかし、このグリセルブランドでさえ、オースを貼って1ターン待つ降臨の儀式を経由したのでは遅いようだ。
では、これほど完璧なクリーチャーを擁するオースが文字通り遅れをとるようになったのはなぜか、2アーキタイプとの相性をミクロな視点で見てみよう。
・Workshop
まず、Workshopがこの2年間で質的に変化したことを述べる。そもそも、このアーキタイプは、Mishra’s Workshopによる莫大な生産力を前提に、Sphere(抵抗の宝球、アメジストのとげ、三なる宝球)によるロックと選抜されたアーティファクト・クリーチャーによるアグロの組み合わせである。そこで、ロックとアグロの二項対立を軸として、この2年間Workshopに起こったトピックを整理してみよう。
①2015/10/02 虚空の杯 制限①は明らかにロックを弱める。
②2016/04/08 磁石のゴーレム 制限
③2016/09/30 カラデシュ:鋳造所の検査官、高速警備車 追加
④2017/01/20 霊気紛争:歩行バリスタ 追加
②は、ロック・アグロを併せ持つ最高のクリーチャーに対する制限であり、Workshopの強さそのものに大幅な規制を加えたものだ。
③④の新卡はロックには寄与しないが、アグロを大きく高める。
①③④がロックよりアグロに向けたトピックだといえる。この結果、Workshopは、2年間の大きな流れとして「ロックを主として、従たるクリーチャーで勝つ」プリズンデッキから「クリーチャーの展開を主とし、それを妨害から守るために従たるロックを仕掛ける」ストンピィデッキに脱皮したのである。からみつく鉄線が先駆のゴーレム取って代わられたのは、その象徴であろう。Workshopに負ける場合の実感としても、以前は全く身動きが取れずに殴りきられたパターンが多かったのに対して、最近は、鋳造所の検査官を起点とするクリーチャーの横並びにSphereが加えられ、呪文を唱えることはできるが、それで敵軍を倒し切る前にこちらのライフが突きてしまうパターンが多いと感じている。
以上のような意見を持っていたところ、大鍋兄貴からも同様の指摘があり、膝を打ったところである。
http://shootinglove.diarynote.jp/201707301836185329/
さて本論に戻ると、Workshopのクリーチャーの中でも電結の荒廃者がオースを大きく制している。こいつを中心とした軽量クリーチャーの展開が増え、マナ拘束が緩やかになるのはむしろオースにとって好都合ではないかと思われるところだが、実際はそう簡単ではない。オースから1ターン後にグリセルブランドを特殊召喚してパス、次ターンに(必要ならオースを再誘発させ)攻撃してライフを安全圏に引き上げるというオース側の視点からすれば、電結の荒廃者による変幻自在のサクリファイス戦略は非常に厄介であり、これでグリセルブランドの絆魂をすり抜けてライフを削り切られてしまうケースもある。それどころか、自軍クリーチャーを全てミシュラの工廠に食わせてオースの誘発自体を阻みつつ、安全圏から強打を浴びせる狡猾なプレイさえ可能である。
・メンター
2マナのドルイドの誓いは3マナの導師より軽い。しかもメンターの持つカウンターは、テンポを重視した狼狽の嵐や精神的つまづきが主であり、ドルイドの誓いをカウンターできるのは意志の力のみに頼っていることが多く、有利である。と言うと本論とはまるで逆とことになりそうだが、実際1本目ではメンターに相性が良い。しかし、これが2本目以降になると全く変わってくる。グリセルブランドでさえ遅いのはなぜかという問いに対しては、次項までいったん保留としよう。
4.メタゲーム上の弱さ
オースはサイドボード上非常に不利であり、デッキパワーの高さに比してメタゲームに食い込めない主因となっている。例えば墓掘りの檻だ。これは主としてドレッジ対策卡であり、オースはいわば巻き添えを食った形である。mtggoldfishによれば、檻は70%のデッキに3~4枚入っている(支配率ヴィンテージ1位)ので、サイド後のオースは矢のように降り注ぐこいつらを何とかしなくてはならない。このように、Workshopやドレッジの対策が結果としてオース対策にもなるケースが非常に多く、オースはメタゲーム支配率に比して過重な対策を受けている状況だ。
この問題についても、アーキタイプごとにさらに詳しく見ていく。
・Workshop
檻が100%フル投入される。オースに的を絞った対策としてはカラカスがある。
・メンター
禁止の色、白はサイドボードで力を発揮する。やはり檻が非常にポピュラーであるが、封じ込める僧侶や名誉の神盾といったクロックと妨害を兼ねるクリーチャーも脅威である。また断片化や解呪はWorkshopとの兼任である。平均すれば、おそらく6~7枚の対策が搭載されているだろう。
そこで、先の留保された問への回答はこうなる。「檻をはじめ、ドルイドの誓いより速い妨害を設置することができ、(ドルイドの誓いそのものには通用しなかった)カウンターを、檻らに対する除去に向けることができる。その間、ドルイドの誓い誘発を許さずにクロックを展開できる。」
5.オースのこれから
直近2週間のVintage Challengeでは、トップ32までで1つのオースをも見出すことができなかった。現状オースが厳しい立場に立たされているのは事実である。
テンポを改善する方法は色々ある。既に触れた罰する火エンジンのほか、攻撃を1ターン早めてくれるドラゴンの息も、特にエムラクール型のオースでは主流である。これらは非常に有力な戦略ではあるが、コンボを前提した構築であることには変わりなく、右に述べたコンボ漸減理論の域を出ないものと考える。
トップ2デッキに対する不利とはあくまで相対的なものであり、今後の制限次第ではその差が縮まって力を取り戻すこともあるだろう。例えば、抵抗の宝球あたりが制限されれば、ライフを削られる前にドルイドの誓いを出せる確率が上がるだろうし、定業が制限されて血清の幻視あたりに交換されれば、ドロー連鎖による導師の爆発力がやや抑えられ、ドルイドの誓い誘発が間に合うケースも増えることだろう。
新たなマナベース、ペイン砂漠
2017年8月5日 Magic: The GatheringShefet Dunes / シェフェトの砂丘破滅の刻のペイン砂漠サイクルは、軽微なライフロスと引き換えに実用性あるサクリファイス能力を備えた強力な卡群である。構築実績も高く、ラムナプの遺跡/Ramunap Ruinsは赤単におけるフィニッシャーとしてデッキ名にまでなった。
土地 — 砂漠(Desert)
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。
(T),1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに(白)を加える。
(2)(白)(白),(T),砂漠(Desert)1つを生け贄に捧げる:ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。この能力は、あなたがソーサリーを唱えられるときにのみ起動できる。
それだけではない。実は、ペイン砂漠サイクルは、これまでのマジックに存在しなかった新たな領域を切り拓いている。それは、
1.無色マナと有色マナを任意に生成し、
2.プラス能力を持つ
土地卡だということだ。
実際、1.だけでもそう多くはなく、せいぜいがペインランドかタップインの大闘技場/Grand Coliseum、そうでなければバウンスランド(ビジョンズ)という有様だった。そのため白単エルドラージがペインランドの使用を余儀なくされることさえあった。
http://mtgtop8.com/event?e=13958&d=282643&f=VI
ところが今回、シェフェトの砂丘/Shefet Dunesが登場した。起動コストが重いものの、横に並べるエルドラージにおいては3点の前後ダメージを追加しきるターンを早めてくれるものとみなせる。
右デッキのようなコイロスの洞窟より勝るのは明らかだが、平地と比較してみると...
利点:
1 相手へのダメージ追加、またはコンバットの優位を高める起動型能力を持つ
2 無色マナの生成元としてカウントできる
欠点:
1 白マナにはライフ支払いが必要
2 不毛等の特殊地形対策にかかる
3 起動型能力は重く、毎回起動できるものではない
欠点3項目に対する反論を行えば
反論:
1 エルドラージはヴィンテージで最もビートダウン的なデッキであるため、ライフは重要ではない
2 エルドラージはヴィンテージで最もビートダウン的なデッキかつマナを潤沢に搭載するデッキであるため(右デッキリストで29/60)、先に盤面を展開できることが多く、不毛の脅威度は低い
3 その通りだけどフラッド対策くらいに考えとけば悪かないだろ...
こうしてみると平地に対しても悪い選択肢ではないように感じられる。
現在、ここに着目したデッキビルドはほとんど無いようだが、習作としてシェフェト・エルドラージを考えてみた。
// 60 メインデッキ
// 12 Artifact
1 Black Lotus
1 Mana Crypt
1 Sol Ring
1 Mox Pearl
1 Mox Emerald
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Chalice of the Void
4 Thorn of Amethyst
// 26 Creature
4 Reality Smasher
4 Thalia, Guardian of Thraben
4 Thought-Knot Seer
3 Eldrazi Displacer
1 Palace Jailer
3 Containment Priest
4 Phyrexian Revoker
3 Thalia, Heretic Cathar
// 22 Land
4 Eldrazi Temple
4 Ancient Tomb
4 Wasteland
1 Strip Mine
3 Cavern of Souls
3 Plains
1 Karakas
2 Shefet Dunes
プロツアー破滅の刻、TOP8出揃う
2017年7月29日 Magic: The GatheringMO Vintage Challenge
2017年7月24日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/ja/node/1182921
相も変わらずWorkshopとメンターしかいない。さてHOUの影響は...
・Mirage Mirror 6位のWorkshopとDepthハイブリッドに投入。しかし...このデッキ強いか?BB出なそう。
・Ramunap Excavator 11位の墓荒らし?に投入。
・Abrade 26位のUR Delverに投入。
相も変わらずWorkshopとメンターしかいない。さてHOUの影響は...
・Mirage Mirror 6位のWorkshopとDepthハイブリッドに投入。しかし...このデッキ強いか?BB出なそう。
・Ramunap Excavator 11位の墓荒らし?に投入。
・Abrade 26位のUR Delverに投入。
HOUのヴィンテージへの影響
2017年7月18日 Magic: The Gathering コメント (3)http://www.themanadrain.com/topic/1340/7-15-sanctioned-vintage-trial-riw-hobbies-results-and-lists-17-players
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2017-07-17
いずれも小規模大会ではあるが、HOUの影響を占うためチェック。
1.削剥/Abrade
メンター及び最近流行のBaral Giftsに投入されている。
2.厳粛/Solemnity
厳粛を4枚投入したメンターが上位に。Mystic Remoraを永久に維持し、Dark Depthsと組んで20/20を即座に出す即死コンボで〆る。しかし2点ほどツッコミを入れたい。
1.メンターと組ます必要があったのか?確かにメンターはTier1だが、厳粛と特に親和性はない。またソーサリーの3マナ域が厳粛4+導師3の合計7枚は重い。
2.カウンターを置かないコンセプトにも関わらず、両面ジェイスや仕組まれた爆薬らカウンター利用卡が投入されておりバッティングに陥っている(これが神ジェイスなら、厳粛より先に置くことで毎ターンブレストが可能であり、まだ共存の余地があるといえる)。テキストを読み間違えていました。申し訳ありません。
このような疑問が残るにせよ、新コンボの誕生は全ての人にとって喜ばしい。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2017-07-17
いずれも小規模大会ではあるが、HOUの影響を占うためチェック。
1.削剥/Abrade
メンター及び最近流行のBaral Giftsに投入されている。
2.厳粛/Solemnity
厳粛を4枚投入したメンターが上位に。Mystic Remoraを永久に維持し、Dark Depthsと組んで20/20を即座に出す即死コンボで〆る。しかし2点ほどツッコミを入れたい。
1.メンターと組ます必要があったのか?確かにメンターはTier1だが、厳粛と特に親和性はない。またソーサリーの3マナ域が厳粛4+導師3の合計7枚は重い。
このような疑問が残るにせよ、新コンボの誕生は全ての人にとって喜ばしい。
Workshop制限論
2017年7月17日 Magic: The Gathering今日、Workshopの支配率は危険な領域に達しており、何らかの制限措置を検討すべきだ。この話題になるとよく言われる意見に、次のようなものがある。「Workshopは既に、虚空の杯/Chalice of the Voidと磁石のゴーレム/Lodestone Golemを立て続けに制限された。これ以上の制限はWorkshopに対する過度の迫害で好ましくない」
しかし、僕の考えでは、この指摘はあたらない。まずは制限リストを見てみよう。
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8
このうちマナ基盤に該当する卡は次のとおりだ。これらはWorkshopを含めたほぼ全デッキにとっての共有財産といえるだろう。
一方、虚空の杯及び磁石のゴーレムはそれぞれ登場からかなりの時間を置いての制限であり、Workshopが狙い撃ちにされたような印象を受けるのももっともである。
とはいえ、2015年のWorkshopは環境の優に30%以上を占める怪物的強力さを誇るデッキであり、虚空の杯が制限されても、同じくMox対策の機能をもつ無のロッド/Null Rod等によって即座に穴を埋め、支配率に大きな低下はなかった。
ところが磁石のゴーレムは流石に訳が違った。この超高性能クリーチャーを埋める枠はなく、同時期に登場していた難題の予見者/Thought-Knot Seerを採用するデッキもあったが劣化は覆い隠すべくもなかった。この時期、Workshopはヴィンテージ始まって以来の支配率1桁台を味わうことになる。
しかしながら、ヴィンテージに与えるところ乏しかったSOIブロックを挟んで次のKLDブロックはアーティファクトをテーマとし、強力なアーティファクト群によりWorkshopは勢力を再回復したのである。まず、鋳造所の検査官/Foundry Inspectorから1マナに軽量化されたSphereを置く挙動により、磁石のゴーレムの部分的再現がなされた。続いてAERでは純然たる強卡である歩行バリスタ/Walking Ballistaが登場、デッキパワーを一段と磨き上げた。このほか、斬りつける豹の強化版と言える性能を誇り、打点を向上させた高速警備車/Fleetwheel Cruiserも特記に値する。
こうして最強デッキ・メンターとも互角に戦える力量を身に着けた。そんな折、4月25日にメンター側に制限が加わった。それ以降のメタの進展はおおむね次のようになる。
5月 Workshop・メンター二強
6月 Workshop・メンター二強/直下に逆説
7月 Workshop一強/直下にメンター・逆説
このような形勢を受け、次の記事を上梓したところ、Twitter等で反響をいただけたようで何よりであった。
http://bagupokemon.diarynote.jp/201707081553575001/
さて右のような、2005年に1枚、2015年・2016年に立て続けに2枚という制限のペースは、本当にWorkshopにだけ厳しいものなのか?比較材料としてメンターのデッキを挙げよう。
http://mtgtop8.com/event?e=16130&d=299457&f=VI
結論すれば、ヴィンテージにおいて、青デッキが頻繁な制限を受けていたのとは対照的に、Workshopは例外的なほど寛大に取り扱われきた。チャリス・ゴーレムの制限も、急にWorkshopに厳しくなったというよりは青並の取り扱いに多少なりとも近づいたとみるのが妥当ではないかと考える。
しかし、僕の考えでは、この指摘はあたらない。まずは制限リストを見てみよう。
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8
このうちマナ基盤に該当する卡は次のとおりだ。これらはWorkshopを含めたほぼ全デッキにとっての共有財産といえるだろう。
Black Lotusこれらを除くと、Workshopの構成パーツのうちで制限されたものは次の3枚になる。
魔力の墓所/Mana Crypt
魔力の櫃/Mana Vault
Mox Emerald
Mox Jet
Mox Pearl
Mox Ruby
Mox Sapphire
太陽の指輪/Sol Ring
露天鉱床/Strip Mine
トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
2005/03/20 三なる宝球/Trinisphere 制限三なる宝球は恐ろしい強さで、先攻1ターン目にWorkshopから出せば事実上1マナの時間の伸長/Time Stretch、いや不毛の大地等によるアシストも考えればそれ以上の強さである。その実現の容易さ、対処の困難さ(出されたら最後、除去やそれにつなげるマナ加速さえも3マナで固定されてしまうので逃げ道がない)からいっても、制限リストの中でも上位と思われる強力さであり、登場後1年という短期間での制限も頷ける。
2015/10/02 虚空の杯/Chalice of the Void 制限
2016/04/08 磁石のゴーレム/Lodestone Golem 制限
一方、虚空の杯及び磁石のゴーレムはそれぞれ登場からかなりの時間を置いての制限であり、Workshopが狙い撃ちにされたような印象を受けるのももっともである。
とはいえ、2015年のWorkshopは環境の優に30%以上を占める怪物的強力さを誇るデッキであり、虚空の杯が制限されても、同じくMox対策の機能をもつ無のロッド/Null Rod等によって即座に穴を埋め、支配率に大きな低下はなかった。
ところが磁石のゴーレムは流石に訳が違った。この超高性能クリーチャーを埋める枠はなく、同時期に登場していた難題の予見者/Thought-Knot Seerを採用するデッキもあったが劣化は覆い隠すべくもなかった。この時期、Workshopはヴィンテージ始まって以来の支配率1桁台を味わうことになる。
しかしながら、ヴィンテージに与えるところ乏しかったSOIブロックを挟んで次のKLDブロックはアーティファクトをテーマとし、強力なアーティファクト群によりWorkshopは勢力を再回復したのである。まず、鋳造所の検査官/Foundry Inspectorから1マナに軽量化されたSphereを置く挙動により、磁石のゴーレムの部分的再現がなされた。続いてAERでは純然たる強卡である歩行バリスタ/Walking Ballistaが登場、デッキパワーを一段と磨き上げた。このほか、斬りつける豹の強化版と言える性能を誇り、打点を向上させた高速警備車/Fleetwheel Cruiserも特記に値する。
こうして最強デッキ・メンターとも互角に戦える力量を身に着けた。そんな折、4月25日にメンター側に制限が加わった。それ以降のメタの進展はおおむね次のようになる。
5月 Workshop・メンター二強
6月 Workshop・メンター二強/直下に逆説
7月 Workshop一強/直下にメンター・逆説
このような形勢を受け、次の記事を上梓したところ、Twitter等で反響をいただけたようで何よりであった。
http://bagupokemon.diarynote.jp/201707081553575001/
さて右のような、2005年に1枚、2015年・2016年に立て続けに2枚という制限のペースは、本当にWorkshopにだけ厳しいものなのか?比較材料としてメンターのデッキを挙げよう。
http://mtgtop8.com/event?e=16130&d=299457&f=VI
15 LANDSこのデッキにおいて、マナ基盤関係を除いた制限卡は次のとおり。
1 Flooded Strand
1 Island
1 Library of Alexandria
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
4 Scalding Tarn
1 Strip Mine
3 Tundra
2 Volcanic Island
8 CREATURES
3 Jace, Vryn’s Prodigy
4 Monastery Mentor
1 Snapcaster Mage
28 INSTANTS and SORC.
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Dig Through Time
4 Force of Will
1 Fragmentize
1 Gitaxian Probe
1 Gush
4 Mental Misstep
1 Merchant Scroll
1 Mystical Tutor
1 Ponder
4 Preordain
2 Pyroblast
3 Swords to Plowshares
1 Time Walk
1 Treasure Cruise
9 OTHER SPELLS
1 Black Lotus
2 Dack Fayden
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Stony Silence
SIDEBOARD
1 Balance
3 Containment Priest
1 Fragmentize
3 Grafdigger’s Cage
4 Ingot Chewer
1 Mountain
1 Pyroblast
1 Stony Silence
Ancestral Recall 2004/9/20このとおり12枚もの卡が制限を蒙っている。Ancestral Recall等は黎明期の名残とみて数えないとしても7枚、どちらにせよWorkshopよりずっと多い。
Balance 2004/9/20
Library of Alexandria 2004/9/20
Mystical Tutor 2004/9/20
Time Walk 2004/9/20
Brainstorm 2008/6/20
Merchant Scroll 2008/6/20
Ponder 2008/6/20
Treasure Cruise 2015/1/23
Dig Through Time 2015/10/2
Gitaxian Probe 2017/4/24
Gush 2017/4/24
結論すれば、ヴィンテージにおいて、青デッキが頻繁な制限を受けていたのとは対照的に、Workshopは例外的なほど寛大に取り扱われきた。チャリス・ゴーレムの制限も、急にWorkshopに厳しくなったというよりは青並の取り扱いに多少なりとも近づいたとみるのが妥当ではないかと考える。
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-challenge-2017-07-16
Workshop強すぎてんね。あとHOUの影響は皆無。
Workshop強すぎてんね。あとHOUの影響は皆無。
削剥/Abrade
2017年7月16日 Magic: The Gatheringなかなか強い。互角~優勢な状況で握る卡としてはかなりの信頼性がある。現在の三大アーキタイプごとに効力を整理してみよう。
Workshop - 言うまでもなく有力。
逆説 - Vault-Keyを止められる。それ以外では、削剥1枚で大逆転といったことはないが、逆説に対応してアーティファクトを割ることで、マナとドローをそれぞれ-1できる。特に青マナの発生源(Sapphire、Opal)を割ればコンボ連鎖を食い止めることができるだろう。
メンター - 両面ジェイス、瞬唱はもちろん、導師に対しても悪くない性能。赤の2マナは、精神的つまづきと狼狽の嵐、紅蓮破に挟まれた中で最も通しやすいコスト。
この他、相手デッキを問わずにいえることとして、最序盤にMoxを割って、土地破壊のようにテンポを崩すことも可能である。
Workshop - 言うまでもなく有力。
逆説 - Vault-Keyを止められる。それ以外では、削剥1枚で大逆転といったことはないが、逆説に対応してアーティファクトを割ることで、マナとドローをそれぞれ-1できる。特に青マナの発生源(Sapphire、Opal)を割ればコンボ連鎖を食い止めることができるだろう。
メンター - 両面ジェイス、瞬唱はもちろん、導師に対しても悪くない性能。赤の2マナは、精神的つまづきと狼狽の嵐、紅蓮破に挟まれた中で最も通しやすいコスト。
この他、相手デッキを問わずにいえることとして、最序盤にMoxを割って、土地破壊のようにテンポを崩すことも可能である。
【朗報】青赤除去コントロール、5-0する
2017年7月15日 Magic: The GatheringСущество (4)門外漢として観察するに、スタンダードのコントロールが取る戦略は次のようなものだった。
4 Torrential Gearhulk
Волшебство (2)
2 Hour of Devastation
Мгновенное заклинание (29)
2 Abrade
3 Censor
4 Disallow
2 Essence Scatter
4 Glimmer of Genius
4 Harnessed Lightning
4 Hieroglyphic Illumination
2 Magma Spray
4 Supreme Will
Земля (25)
4 Aether Hub
9 Island
4 Mountain
4 Spirebluff Canal
4 Wandering Fumarole
60 Карт(а)
Дополнительная колода (15)
1 Magma Spray 2 Chandra’s Defeat 2 Crook of Condemnation 1 Dispel 2 Dragonmaster Outcast 1 Jace’s Defeat 2 Negate 2 Summary Dismissal 1 Sweltering Suns 1 The Locust God
1,2ターン目 除去
3ターン目 カウンター
4ターン目 2枚ドロー
6ターン目 ギアハルク
ここで5ターン目に適切なアクションがないのが欠点といえる。破滅の刻によって4ターン目ドローをスムーズに受ける最後の1ピースが加わった、それは言うまでもなく同名の卡だ。クリーチャーとPWを一掃された相手も立て直しを図るだろうが、そこに立ちはだかるのがギアハルクという寸法だ。
MO HOU導入&5-0デッキリスト改革
2017年7月13日 Magic: The Gathering コメント (2)ヴィンテージは影響なし!!でも今日は掲載自体なし。
スタン:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-standard-constructed-league-2017-07-12
マルドゥt青
エネルギーステロイド
オケチラの碑
赤黒Super Friends
大災厄、剥削、栄光の刻、終わりなき砂漠、バントゥ最後の算段、夢盗人、王神ニコル、チャンドラの敗北、破滅の刻
赤単エルドラージ
剥削、熱烈の砂漠、ラムナプの遺跡、終わりなき砂漠
上3つはHOUの影響が0。しかし残り2つにはHOUの優良除去が大量投入されており、すわコントロール復活の先駆けかとの期待が高まる。
モダン:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-modern-constructed-league-2017-07-12
バーン
青白コントロール
ランタン
白黒エルドラージ
白黒エルドラージ...あれ!?
HOUの影響、無し!w
レガシー:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-legacy-constructed-league-2017-07-12
チアメ?
レオヴォルド
スゥルタイ探査デルバー
スゥルタイデルバー
ANT
HOUはともかく全デッキスゥルタイ色なんですが、それは
スタン:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-standard-constructed-league-2017-07-12
マルドゥt青
エネルギーステロイド
オケチラの碑
赤黒Super Friends
大災厄、剥削、栄光の刻、終わりなき砂漠、バントゥ最後の算段、夢盗人、王神ニコル、チャンドラの敗北、破滅の刻
赤単エルドラージ
剥削、熱烈の砂漠、ラムナプの遺跡、終わりなき砂漠
上3つはHOUの影響が0。しかし残り2つにはHOUの優良除去が大量投入されており、すわコントロール復活の先駆けかとの期待が高まる。
モダン:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-modern-constructed-league-2017-07-12
バーン
青白コントロール
ランタン
白黒エルドラージ
白黒エルドラージ...あれ!?
HOUの影響、無し!w
レガシー:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/competitive-legacy-constructed-league-2017-07-12
チアメ?
レオヴォルド
スゥルタイ探査デルバー
スゥルタイデルバー
ANT
HOUはともかく全デッキスゥルタイ色なんですが、それは
【朗報】ヴィンテージ、健全化
2017年7月10日 Magic: The Gathering コメント (4)http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-challenge-2017-07-09
先週はメンター4Workshop4だったのに対して今週はメンター1Workshop4なので健全化した
先週はメンター4Workshop4だったのに対して今週はメンター1Workshop4なので健全化した
ヴィンテージ制限リスト考
2017年7月7日 Magic: The Gathering1.現状
ヴィンテージの二極化が止まらない。噴出・ギタクシア制限を受け、1ヶ月前に書いた考察(http://bagupokemon.diarynote.jp/201706090113269793/)では、メンターの爆発力低下がBig Blueの復権を招いたものと評釈するとともに、青赤デルバーの台頭を期待して結んだ。しかし悲しいかな、事態はそのように推移しなかった。
Big Blue、というよりも逆説(逆説的な結果/Paradoxical Outcome)は確かに第三勢力としての地位を確かにした、しかしその活躍はMOのDailyレベルであり、大規模大会となると、やはり勝ち上がってくるのはWorkshopとメンターなのである。とりわけNYSE VはTOP8にWorkshop4メンター4という極端な結果となった。
その結果、直近2ヶ月間(つまり制限後の環境)のメタゲームは、拮抗するWorkshopとメンターが合計50%以上を占め、逆説が15%、あとはどんぐりの背比べである。この状況は明らかに不健全であり、破滅の刻による改善も見込めない以上、何らかの措置が必要であろう。
http://mtgtop8.com/archetype?a=124&meta=82&f=VI
2.制限論
最も多く見られる意見は、デッキ名と同じ名前の卡を制限するというもの、つまり僧院の導師またはMishra’s Workshop制限だ。この意見は故ないことではない、事実として僧院の導師はMoxや探査ドローと相性が良すぎるし、Mishra’s Workshopはレガシー禁止の実力者だ。どちらも制限リストの面々と比較しても見劣りしない。しかし、それはメンターやWorkshopといったアーキタイプそのものを完全に破壊することになり、ウィザーズの望むところではないだろう。1年前、磁石のゴーレム制限時の声明にもこうある。
http://magic.wizards.com/ja/articles/archive/news/20160404
以下、支配率に関してmtggoldfishのformat stapleを参考資料とする。
https://www.mtggoldfish.com/format-staples/vintage
(メンター)精神的つまづき/Mental Misstep
精神的つまづきの最良の対策が精神的つまづきであることで、採用デッキは66%にのぼり、その中での平均枚数は、この1年間、3.4枚と高止まりしている。支配率=採用デッキ割合×平均採用枚数が55%だから、ヴィンテージのデッキ60枚中2枚強が精神的つまづきに占められ、デッキ構築の幅を狭めているものと認められる。
このように青デッキが相食むなか、漁夫の利を得るのがWorkshop、エルドラージらTaxingである。また、青の中で見ても、メンターには導師をフルタップで召喚した直後の除去をカウンター&トークン生成することで逆に布陣を盤石化するという使い道があり、他のデッキよりも有効活用している。
強さ、支配率、メタゲームへの作用、他フォーマットにおける禁止状況、どこをとっても制限が妥当に思える。精神的つまづきより支配率の高い唯一の卡、Force of Will同様の殿堂枠に入っているというなら別だが...
(メンター)定業/Preordain
Workshopとの相性は良くも悪くもない。これも非常に高い支配率を誇る卡で(4位)エクステンデッド・モダンの禁止歴もある。また思案が制限でこれが野放しというのも不公平感がある。
とはいえ、これまで制限してしまうと、青のキャントリップが少なくなりすぎるので、考えにくい。
(Workshop)抵抗の宝球/Sphere of Resistance,アメジストのとげ/Thorn of Amethyst
これらはWorkshopの背骨となる卡であるとともに、軽量呪文を連打するメンターのみならず、同様の戦略を基本とする青デッキ全般への強烈なhateだ。同型で弱いものの、これらを4枚ずつ合計8枚取ることは(鉄線等がクリーチャーに取って代わられることがあるのに対して)ほぼ固定であり、両方とも支配率ベスト10に入っている。
どちらかを制限してこの枠を8枚から5枚に縮小することは、デッキを存続させつつその力を削ぐことになり、検討しうる選択肢だと思う。
ということで、2極体制を崩すための制限候補を2デッキの中に求めるならば
・精神的つまづき
・アメジストのとげ
が有力と思料する。
3.解禁論
もう1つの方法は、制限リストの中から比較的危険性が低く、かつWorkshopやメンターを利さない卡を解禁することだ。それを僕なりに見繕ってみると...
解禁といえば磁石のゴーレム制限解除の意見も一部で見受けるが、現時点でそれは虎に翼を授けるの例えそのものである。TfKがVault Control抑制のために制限されてから戻ってくるまでに6年要したことから外挿しても、磁石のゴーレムが解禁されるのは早くて2020年頃になるのではないか。
ヴィンテージの二極化が止まらない。噴出・ギタクシア制限を受け、1ヶ月前に書いた考察(http://bagupokemon.diarynote.jp/201706090113269793/)では、メンターの爆発力低下がBig Blueの復権を招いたものと評釈するとともに、青赤デルバーの台頭を期待して結んだ。しかし悲しいかな、事態はそのように推移しなかった。
Big Blue、というよりも逆説(逆説的な結果/Paradoxical Outcome)は確かに第三勢力としての地位を確かにした、しかしその活躍はMOのDailyレベルであり、大規模大会となると、やはり勝ち上がってくるのはWorkshopとメンターなのである。とりわけNYSE VはTOP8にWorkshop4メンター4という極端な結果となった。
その結果、直近2ヶ月間(つまり制限後の環境)のメタゲームは、拮抗するWorkshopとメンターが合計50%以上を占め、逆説が15%、あとはどんぐりの背比べである。この状況は明らかに不健全であり、破滅の刻による改善も見込めない以上、何らかの措置が必要であろう。
http://mtgtop8.com/archetype?a=124&meta=82&f=VI
2.制限論
最も多く見られる意見は、デッキ名と同じ名前の卡を制限するというもの、つまり僧院の導師またはMishra’s Workshop制限だ。この意見は故ないことではない、事実として僧院の導師はMoxや探査ドローと相性が良すぎるし、Mishra’s Workshopはレガシー禁止の実力者だ。どちらも制限リストの面々と比較しても見劣りしない。しかし、それはメンターやWorkshopといったアーキタイプそのものを完全に破壊することになり、ウィザーズの望むところではないだろう。1年前、磁石のゴーレム制限時の声明にもこうある。
http://magic.wizards.com/ja/articles/archive/news/20160404
私たちは、不均衡なメタゲームを監視し続けています。特に、《Mishra’s Workshop》系のデッキは今でもかなり多すぎ、トーナメントのメタゲームを破壊しています。この問題はその名前となっているカードを禁止することで解決できるかもしれませんが、私たちは可能ならばそのデッキをトーナメント・レベルに保ち、一方でその頻度はフォーマットがより多様性を持つ程度にしたいと思っています。《磁石のゴーレム》は、一方的なゲームを引き起こしています。このカードが《Mishra’s Workshop》デッキに1枚しか入らないようにすることで、デッキの強度は適当なレベルまで引き下げられることを期待しています。この理由から、《磁石のゴーレム》を制限します。僧院の導師やMishra’s Workshopの制限は最後の手段であり、4月25日制限と同じ手をまた打とうというのがウィザーズの思惑ではあるまいか。即ち、メンターの構成物のうちWorkshopに弱いもの(または逆に、Workshopの構成物のうちメンターに弱いもの)を規制することで共倒れさせる手法だ。
以下、支配率に関してmtggoldfishのformat stapleを参考資料とする。
https://www.mtggoldfish.com/format-staples/vintage
(メンター)精神的つまづき/Mental Misstep
精神的つまづきの最良の対策が精神的つまづきであることで、採用デッキは66%にのぼり、その中での平均枚数は、この1年間、3.4枚と高止まりしている。支配率=採用デッキ割合×平均採用枚数が55%だから、ヴィンテージのデッキ60枚中2枚強が精神的つまづきに占められ、デッキ構築の幅を狭めているものと認められる。
このように青デッキが相食むなか、漁夫の利を得るのがWorkshop、エルドラージらTaxingである。また、青の中で見ても、メンターには導師をフルタップで召喚した直後の除去をカウンター&トークン生成することで逆に布陣を盤石化するという使い道があり、他のデッキよりも有効活用している。
強さ、支配率、メタゲームへの作用、他フォーマットにおける禁止状況、どこをとっても制限が妥当に思える。精神的つまづきより支配率の高い唯一の卡、Force of Will同様の殿堂枠に入っているというなら別だが...
(メンター)定業/Preordain
Workshopとの相性は良くも悪くもない。これも非常に高い支配率を誇る卡で(4位)エクステンデッド・モダンの禁止歴もある。また思案が制限でこれが野放しというのも不公平感がある。
とはいえ、これまで制限してしまうと、青のキャントリップが少なくなりすぎるので、考えにくい。
(Workshop)抵抗の宝球/Sphere of Resistance,アメジストのとげ/Thorn of Amethyst
これらはWorkshopの背骨となる卡であるとともに、軽量呪文を連打するメンターのみならず、同様の戦略を基本とする青デッキ全般への強烈なhateだ。同型で弱いものの、これらを4枚ずつ合計8枚取ることは(鉄線等がクリーチャーに取って代わられることがあるのに対して)ほぼ固定であり、両方とも支配率ベスト10に入っている。
どちらかを制限してこの枠を8枚から5枚に縮小することは、デッキを存続させつつその力を削ぐことになり、検討しうる選択肢だと思う。
ということで、2極体制を崩すための制限候補を2デッキの中に求めるならば
・精神的つまづき
・アメジストのとげ
が有力と思料する。
3.解禁論
もう1つの方法は、制限リストの中から比較的危険性が低く、かつWorkshopやメンターを利さない卡を解禁することだ。それを僕なりに見繕ってみると...
チャネル/Channelこの辺りから何か解禁してコンボを強化する選択肢はあり得る。
Demonic Consultation
Fastbond
伝国の玉璽/Imperial Seal
ライオンの瞳のダイアモンド/Lion’s Eye Diamond
水蓮の花びら/Lotus Petal
記憶の壺/Memory Jar
Wheel of Fortune
意外な授かり物/Windfall
ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain
解禁といえば磁石のゴーレム制限解除の意見も一部で見受けるが、現時点でそれは虎に翼を授けるの例えそのものである。TfKがVault Control抑制のために制限されてから戻ってくるまでに6年要したことから外挿しても、磁石のゴーレムが解禁されるのは早くて2020年頃になるのではないか。
破滅の刻は、ピラミッド建設によって砂漠化した大地のように不毛であり、ここ数日は更新するだけのモチベーションを持てずにいた。とはいえフルスポイラーが到来した今となっては何らかの結論を出さなければならないだろう。
しかしWorkshopでさえやや厳しい重さであり、カルドーサを除けば特別に好相性と思える相方がいないのも気がかりだ(そのカルドーサにしてもアーティファクトの弾切れが怖い)。
僕が考える使い道はPure Staxだ。このデッキはBazaarからクリーチャーを能動的に墓地送りとし、ゴブリンの溶接工と完璧な相性を持つ。また、王神の贈り物は誘発型なので、根幹である無のロッドと衝突することもない。
ドレッジの構図を振り返ると次のようになる。
1.Bazaarと発掘で墓地肥やし
2.墓地から特殊召喚
3.セラピーで生け贄
4.橋でゾンビ生成
5.戦慄の復活
Bazzarを使うことでHollow Oneは6マナ軽くなり、通常召喚できるようになる。
ドレッジでHollow Oneを使うことには次のような反論があるだろう。すなわち、ドレッジは上記4.で生成する大量のゾンビで圧殺するデッキであり、4/4程度のボディにさしたる価値はない。単純な図体が重要でないのだとすれば、0マナのメムナイトらが全く使われていない以上、Hollow Oneについても推して知るべしではないか、と。
しかしWorkshopとのマッチアップを考えると、そうも言っておれない事情がある。なぜならWorkshopはメインデッキからドレッジを大きく対策してくるからである。具体的には、Sphereで3.と5.のフラッシュバックを禁止するとともに、豊富にある自殺手段(バリスタ、荒廃者、工廠+不毛、カーン+Mox)によって4.の橋を追放する。したがってドレッジ側に残されるのは2.の貧弱なクリーチャーだけとなってしまう。もっとも上記はWorkshopが最適解を引き続けられた場合の話であり、1戦目はドレッジが大幅有利なのには変わりないが、他のデッキとは違った見方をする必要があるのは間違いない。
そこでHollow Oneを見ると、5マナのアーティファクト・クリーチャーなので、アメジスト・磁石のゴーレム・虚空の杯を無視できる。残るは抵抗の宝球だが、3枚捨てれば6マナ軽くなるのでこれも1枚までなら無視できる。この点で、Hollow Oneはメムナイトより軽いと認められる。また、やはり4/4は膠着状態でも頼れるサイズであり、破棄者や検査官を一方的に止められるし、荒廃者やバリスタで落とすのもそう簡単にはいかない。
そして2マナと重いものの、サイクリングして発掘に貢献できるのも無視できない点である。
長々書いてきてなんだが、事故の原因になりそうなので予想点数は1点で...上位互換強化版である(神ヶ眼は伝説のため2枚目以降で即トークンを生成できる)
神ヶ眼はるつぼ+煙突と相性がよく、エターナルでの入賞記録もある。
http://mtgtop8.com/event?e=171&d=112834&f=VI (ヴィンテージ/08年)
http://mtgtop8.com/event?e=14688&d=288269&f=LE (レガシー/17年)
以上を総括すると次のとおり。HOUは無能セット界にその威名を轟かすだろう。
1位 Ramunap Excavator(3点,Fish)枠:世界のるつぼ
2位 Abrade(3点,コントロール全般)枠:サイドボードのアーティファクト除去
3位 Nimble Obstructionist(2点,Fish)枠:ランドスティルの打ち消し
4位 God-Pharaoh’s Gift(2点,Stax)枠:ワームとぐろエンジン等高コスト域
5位 Mirage Mirror(2点,Depths Shop)枠:コンボ部分
God-Pharaoh’s Gift2点ーアルコ兄貴の熱い研究記事(http://busoushinshi.diarynote.jp/201706271036162112/)にもあるとおり、ヴィンテージの4/4は致命的サイズだ。それが登場ターンから速攻で殴りかかってくる突破力は死を思わせる。登場後戦闘に移る前に除去されてしまうと何もできずじまいだが、昨今のアーティファクト除去は断片化や力ずく等ソーサリーが増えており、最低1体は永遠衆化できそうなのは追い風と言える。また墓地対策についても、墓掘りの檻や封じ込める僧侶は全く問題にならない。
7
Artifact
At the beginning of combat on your turn, you may exile a creature card from your graveyard. If you do, create a token that’s a copy of that card, except it’s a 4/4 black Zombie. It gains haste until end of turn.
しかしWorkshopでさえやや厳しい重さであり、カルドーサを除けば特別に好相性と思える相方がいないのも気がかりだ(そのカルドーサにしてもアーティファクトの弾切れが怖い)。
僕が考える使い道はPure Staxだ。このデッキはBazaarからクリーチャーを能動的に墓地送りとし、ゴブリンの溶接工と完璧な相性を持つ。また、王神の贈り物は誘発型なので、根幹である無のロッドと衝突することもない。
Hollow One 51点ーこれはドレッジでの採用が見込めるのではないか。
Artifact Creature - Golem
Hollow One costs 2 less to cast for each card you’ve cycled or discarded this turn.
Cycling 2 (2, Discard this card: Draw a card.)
illus. Anthony Palumbo # 163/199
C&D SRC
4/4
ドレッジの構図を振り返ると次のようになる。
1.Bazaarと発掘で墓地肥やし
2.墓地から特殊召喚
3.セラピーで生け贄
4.橋でゾンビ生成
5.戦慄の復活
Bazzarを使うことでHollow Oneは6マナ軽くなり、通常召喚できるようになる。
ドレッジでHollow Oneを使うことには次のような反論があるだろう。すなわち、ドレッジは上記4.で生成する大量のゾンビで圧殺するデッキであり、4/4程度のボディにさしたる価値はない。単純な図体が重要でないのだとすれば、0マナのメムナイトらが全く使われていない以上、Hollow Oneについても推して知るべしではないか、と。
しかしWorkshopとのマッチアップを考えると、そうも言っておれない事情がある。なぜならWorkshopはメインデッキからドレッジを大きく対策してくるからである。具体的には、Sphereで3.と5.のフラッシュバックを禁止するとともに、豊富にある自殺手段(バリスタ、荒廃者、工廠+不毛、カーン+Mox)によって4.の橋を追放する。したがってドレッジ側に残されるのは2.の貧弱なクリーチャーだけとなってしまう。もっとも上記はWorkshopが最適解を引き続けられた場合の話であり、1戦目はドレッジが大幅有利なのには変わりないが、他のデッキとは違った見方をする必要があるのは間違いない。
そこでHollow Oneを見ると、5マナのアーティファクト・クリーチャーなので、アメジスト・磁石のゴーレム・虚空の杯を無視できる。残るは抵抗の宝球だが、3枚捨てれば6マナ軽くなるのでこれも1枚までなら無視できる。この点で、Hollow Oneはメムナイトより軽いと認められる。また、やはり4/4は膠着状態でも頼れるサイズであり、破棄者や検査官を一方的に止められるし、荒廃者やバリスタで落とすのもそう簡単にはいかない。
そして2マナと重いものの、サイクリングして発掘に貢献できるのも無視できない点である。
長々書いてきてなんだが、事故の原因になりそうなので予想点数は1点で...
Dunes of the Dead霊界への門、神ヶ眼の
Land - Desert
T: Add C to your mana pool.
When Dunes of the Dead is put into a graveyard from the battlefield, create a 2/2 black Zombie creature token.
神ヶ眼はるつぼ+煙突と相性がよく、エターナルでの入賞記録もある。
http://mtgtop8.com/event?e=171&d=112834&f=VI (ヴィンテージ/08年)
http://mtgtop8.com/event?e=14688&d=288269&f=LE (レガシー/17年)
以上を総括すると次のとおり。HOUは無能セット界にその威名を轟かすだろう。
1位 Ramunap Excavator(3点,Fish)枠:世界のるつぼ
2位 Abrade(3点,コントロール全般)枠:サイドボードのアーティファクト除去
3位 Nimble Obstructionist(2点,Fish)枠:ランドスティルの打ち消し
4位 God-Pharaoh’s Gift(2点,Stax)枠:ワームとぐろエンジン等高コスト域
5位 Mirage Mirror(2点,Depths Shop)枠:コンボ部分