XLNとヴィンテージ3 意気消沈
2017年9月16日 Magic: The Gatheringニコルに完敗を喫し、記憶を失ったジェイスは深い絶望に囚われた。そして我々も。
+:占術2
-:自分のに使えない
-:トークンに弱い(導師、ヤンパイ、ドレッジ)
-:Sphereを一掃できない
どうも旗色が悪いようだ。Perilous Voyageを優先させるのなら、それは占術2が目当てになるはずだが、ここで対象が非常に狭いことが響いてくる。
・2マナ以下限定→メンターとかPWとかを戻して対策を引きに行くことができない
・相手のパーマネント限定→自分の手頃なパーマネントを戻して占術することができない
残響する真実にしてもスター級の卡とはいえない。正直これは厳しいか
このデッキの中でも硫黄の精霊は対メンター特化の感があり、導師が制限された今では弱体化したといえる。そこでトークン対策という立ち位置を保ちつつもより卡力の高いFerocidonに取り替えることは考えられる。
総合すればジェイスが幾分上回るようだ。そこでジェイスより優先する理由があるデッキと考えると、オースが思い当たる。オースの弱点は、ジェイスのみならず死儀礼や腹心、レオヴォルドといったクリーチャーを一切使えないため、継続的なアドバンテージ源を確立させることができず、ドルイドの誓いを引かない場合にゲームの組み立てを専らインスタントやソーサリーに依拠するしかないことだ。これを補う策としては、罰する火エンジンやエンチャント(Remora、森の知恵)の登用が挙げられる。Azcantaは表面は今ひとつだが、裏面になればマナ基盤とドルイドの誓いサーチを兼ねることができる。
長々書いといてあれだがこんなん入れるくらいなら森の知恵のがいい気がしてきた。
まとめると
Chart a Course目録はいくつか上位互換も出ているほどで、標準より劣等であることは確かだが、そこまで馬鹿げた卡でもない。Chart a Courseは2マナソーサリーで最低でも目録と同テキスト、さらに強襲ならアドバンテージを得ることができる。Delver等ではやや弱い宝船の巡航のような感覚で使うことができよう。
1U
Sorcery
Draw two cards. Then discard a card unless you attacked with a creature this turn.
While other pirates prowl for treasure, Captain Parrish plunders secrets.
Perilous Voyageなかなかいい感じのバウンス。ヴィンテージにおける防御用バウンスには、残響する真実がある。比較すると...
1U
Instant
Return target nonland permanent you don’t control to its owner’s hand. If its converted mana cost was 2 or less, scry 2.
For the first time in her life, Vraska tried to prevent death.
+:占術2
-:自分のに使えない
-:トークンに弱い(導師、ヤンパイ、ドレッジ)
-:Sphereを一掃できない
どうも旗色が悪いようだ。Perilous Voyageを優先させるのなら、それは占術2が目当てになるはずだが、ここで対象が非常に狭いことが響いてくる。
・2マナ以下限定→メンターとかPWとかを戻して対策を引きに行くことができない
・相手のパーマネント限定→自分の手頃なパーマネントを戻して占術することができない
残響する真実にしてもスター級の卡とはいえない。正直これは厳しいか
Rampaging Ferocidon 2R2点ー3マナシングルシンボルとしては驚くほど卡力が高く、ライフへのプレッシャーが高い。ムーンストンピィへの投入を検討できる。それはこんなデッキだ(デッキ名の適当さに注目)https://www.mtggoldfish.com/deck/718289#paper
Creature - Dinosaur
Menace
Players can’t gain life.
Whenever another creature enters the battlefield, Rampaging Ferocidon deals 1 damage to that creature’s controller.
All raptors are aggressive, but ferocidons seem to enjoy their prey’s pain.
illus. Jonathan Kuo # 154/279
SRC
3/3
このデッキの中でも硫黄の精霊は対メンター特化の感があり、導師が制限された今では弱体化したといえる。そこでトークン対策という立ち位置を保ちつつもより卡力の高いFerocidonに取り替えることは考えられる。
Search for Azcanta両面ジェイスに近い。表面は、ドロー性能・変身条件ともにジェイスが勝る。裏面はかなり異なるので一概にいえないが、強さでは互角だろうか。
1U
Legendary Enchantment
At the beginning of your upkeep, look at the top card of your library. You may put it into your graveyard. Then if you have seven or more cards in your graveyard, you may transform Search for Azcanta.
/
Azcanta, The Sunken Ruin
Legendary Land
(Transforms from Search for Azcanta.)
t : Add U to your mana pool.
2U , t : Look at the top four cards of your library. You may reveal a noncreature, nonland card from among them and put it into your hand. Put the rest on the bottom of your library in any order.
総合すればジェイスが幾分上回るようだ。そこでジェイスより優先する理由があるデッキと考えると、オースが思い当たる。オースの弱点は、ジェイスのみならず死儀礼や腹心、レオヴォルドといったクリーチャーを一切使えないため、継続的なアドバンテージ源を確立させることができず、ドルイドの誓いを引かない場合にゲームの組み立てを専らインスタントやソーサリーに依拠するしかないことだ。これを補う策としては、罰する火エンジンやエンチャント(Remora、森の知恵)の登用が挙げられる。Azcantaは表面は今ひとつだが、裏面になればマナ基盤とドルイドの誓いサーチを兼ねることができる。
長々書いといてあれだがこんなん入れるくらいなら森の知恵のがいい気がしてきた。
Arguel’s Blood Fast2マナ2ライフ:1ドローはなかなかのトレードだと感じるのだが、具体的にどんなデッキに入るのかときかれると答えに窮してしまう。モダンになるが死の影デッキならグダリ対策にいいかもしれない。
1B
Legendary Enchantment
1B, Pay 2 life: Draw a card.
At the beginning of your upkeep, if you have 5 or less life, you may transform Arguel’s Blood Fast.
/
Temple of Aclazotz
Legendary Land
(Transforms from Arguel’s Blood Fast.)
t: Add B to your mana pool.
t, Sacrifice a creature: You gain life equal to the sacrificed creature’s toughness .
まとめると
Sorcerous Spyglass(5点) - Workshop結局リークでSpyglassが出てきた時が盛り上がりの最高潮だったという締まらないオチに。
Sentinel Totem(3点) - 墓地対策
Rampaging Ferocidon(2点) - ムーンストンピィ
Kopala, Warden of Waves(2点) - マーフォーク
Chart a Course(2点) - Delver
0.導入
1.計算
まず両者の叩き出すライフアドバンテージについて理想的条件のもと計算してみよう。潤沢なマナ基盤のもと果敢クリーチャーを召喚し、手札にスペルx枚(ブレスト等)があると仮定する。相手が無抵抗のままターンが回ってきたとして、次のターンに得られるライフアドバンテージL_m(僧院の導師)、L_s(道の探求者)を考える。
僧院の導師:
まずLの最大値を与えるスペルの使い方を考える。
このターン中にトークン増量のためy枚を消費し、次のターンにx-y枚を消費したとすれば、
L_m=(2+x-y)+(1+x-y)*y
=-(y-x/2)^2+(x^2+4x+8)/4
xが偶数なら、このターンに半分、次のターンに半分を使うことで
L_m=(x^2+4x+8)/4
xが奇数なら、このターンに半分端数切り上げ、次のターンに残りを使うことで
L_m=(x^2+4x+7)点。
道の探求者:
次のターンに全てのスペルを使うことでLは最大となる。
L_s=2 for x=0 ; L_s=2x for otherwise
具体的なxをとり、L_mとL_sを比較すると
(x,L_s,L_m)=
(0,2,2)
(1,6,3)
(2,8,5)
(3,10,7)
(4,12,10)
(5,14,13)
(6,16,17)
(7,18,21)
(8,20,26)
(9,22,31)...
このように、ライフアドバンテージの面で道の探求者はかなりの所まで僧院の導師に食いついており、x=4までは上回ってさえいるのである。
2.現実的修整
このように数字を羅列した時、読者はある種の違和感を抱くだろう。プレイ上の実感として、導師の強さがこの程度に収まるはずはないからだ。そして、それは正しい。右の計算はあくまで計算であって、実際のプレイを正確に反映したものではないからだ。
a.ドローの連鎖
右の計算はドロー内容を考慮していない。しかし実際のところ、メンターは大量のドローを搭載するデッキであり、スペルが3枚あれば、たとえ少々不運であっても、次のターンまでにもう2枚はスペルが補充されてくるだろう。当然、xの増加は導師に有利である。
b.価値の非線形性
このゲームの目標は相手のライフを20から0にすることで、自分のライフを回復することは勝利に直接寄与しない。したがって、L_m(7)=21という点数は極めて重大な意味を帯びる(実際はL_m(6)=17でも十分致死量だろう)。一方、L_sのうち絆魂分は、具体的に何点からとはいいにくいが、一定のところまで到達すれば十分で、それ以上の回復にさしたる意味はない。点数は線形的に増加していくが、ゲームプレイ上の価値は漸減していくのである。
c.トークン自体のアドバンテージ
導師から沸いてきたトークンを防御に回すプレイは重要であるにもかかわらず、右の計算で度外視されている。トークンでブロックすることにより、次ターンの打点と引き換えにライフを守れるのだ。それで相手クリーチャーを打ち取ることができれば、それは即ちアドバンテージの獲得である。こればかりは探求者がどう頑張っても成し遂げることができない。勿論相手もそれを見越して攻撃を控えるなりするだろうが、結局それは非明示的な形でダメージの軽減(≒ライフ回復)を達成していることに変わりない。
また探求者は除去されたらそれまでだが、導師は本体が除去されてもトークンが引き続き脅威となる。
3.評価
このような短所もあるものの、探求者は依然としてplayableと考える。根拠は3つだ。
a.2マナは1ターン目の召喚が可能な軽さであり、序盤からのクロックとして合格点といえる。
b.導師との差は確かに大きいが、それは導師がオーバーパワーというだけで、制限の穴埋めとしては許容できる。
c.森の知恵と強いシナジーを持つ。
というわけでタッチ緑のメンターを使うなら候補になる卡と考える。
Seeker of the Way / 道の探求者 (1)(白)どう見てもヤバイ事しか書いていなかった僧院の導師に比べ、道の探求者は誠に地味であり、バランスの取れたアンコモンという印象しかないのが正直なところであろう(それどころかアイコニックでコモン落ちしてしまった)。しかし、探求者もヴィンテージでの使用に耐えられる強力卡だと考える。
クリーチャー — 人間(Human) 戦士(Warrior)
果敢(あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、このクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。)
あなたがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、道の探求者は絆魂を得る。
2/2
1.計算
まず両者の叩き出すライフアドバンテージについて理想的条件のもと計算してみよう。潤沢なマナ基盤のもと果敢クリーチャーを召喚し、手札にスペルx枚(ブレスト等)があると仮定する。相手が無抵抗のままターンが回ってきたとして、次のターンに得られるライフアドバンテージL_m(僧院の導師)、L_s(道の探求者)を考える。
僧院の導師:
まずLの最大値を与えるスペルの使い方を考える。
このターン中にトークン増量のためy枚を消費し、次のターンにx-y枚を消費したとすれば、
L_m=(2+x-y)+(1+x-y)*y
=-(y-x/2)^2+(x^2+4x+8)/4
xが偶数なら、このターンに半分、次のターンに半分を使うことで
L_m=(x^2+4x+8)/4
xが奇数なら、このターンに半分端数切り上げ、次のターンに残りを使うことで
L_m=(x^2+4x+7)点。
道の探求者:
次のターンに全てのスペルを使うことでLは最大となる。
L_s=2 for x=0 ; L_s=2x for otherwise
具体的なxをとり、L_mとL_sを比較すると
(x,L_s,L_m)=
(0,2,2)
(1,6,3)
(2,8,5)
(3,10,7)
(4,12,10)
(5,14,13)
(6,16,17)
(7,18,21)
(8,20,26)
(9,22,31)...
このように、ライフアドバンテージの面で道の探求者はかなりの所まで僧院の導師に食いついており、x=4までは上回ってさえいるのである。
2.現実的修整
このように数字を羅列した時、読者はある種の違和感を抱くだろう。プレイ上の実感として、導師の強さがこの程度に収まるはずはないからだ。そして、それは正しい。右の計算はあくまで計算であって、実際のプレイを正確に反映したものではないからだ。
a.ドローの連鎖
右の計算はドロー内容を考慮していない。しかし実際のところ、メンターは大量のドローを搭載するデッキであり、スペルが3枚あれば、たとえ少々不運であっても、次のターンまでにもう2枚はスペルが補充されてくるだろう。当然、xの増加は導師に有利である。
b.価値の非線形性
このゲームの目標は相手のライフを20から0にすることで、自分のライフを回復することは勝利に直接寄与しない。したがって、L_m(7)=21という点数は極めて重大な意味を帯びる(実際はL_m(6)=17でも十分致死量だろう)。一方、L_sのうち絆魂分は、具体的に何点からとはいいにくいが、一定のところまで到達すれば十分で、それ以上の回復にさしたる意味はない。点数は線形的に増加していくが、ゲームプレイ上の価値は漸減していくのである。
c.トークン自体のアドバンテージ
導師から沸いてきたトークンを防御に回すプレイは重要であるにもかかわらず、右の計算で度外視されている。トークンでブロックすることにより、次ターンの打点と引き換えにライフを守れるのだ。それで相手クリーチャーを打ち取ることができれば、それは即ちアドバンテージの獲得である。こればかりは探求者がどう頑張っても成し遂げることができない。勿論相手もそれを見越して攻撃を控えるなりするだろうが、結局それは非明示的な形でダメージの軽減(≒ライフ回復)を達成していることに変わりない。
また探求者は除去されたらそれまでだが、導師は本体が除去されてもトークンが引き続き脅威となる。
3.評価
このような短所もあるものの、探求者は依然としてplayableと考える。根拠は3つだ。
a.2マナは1ターン目の召喚が可能な軽さであり、序盤からのクロックとして合格点といえる。
b.導師との差は確かに大きいが、それは導師がオーバーパワーというだけで、制限の穴埋めとしては許容できる。
c.森の知恵と強いシナジーを持つ。
というわけでタッチ緑のメンターを使うなら候補になる卡と考える。
https://magic.wizards.com/ja/node/1201991
優勝 Workshop
2位 Workshop
アメジストのとげの穴をクリーチャーで埋めるものと鉄線で埋めるもの、2つにくっきり別れた。
3位 RUGコントロール
これはメンターの衣鉢を継ぐデッキと言えまいか?従来ならデルバーが入っていただろう枠に、両面ジェイスや森の知恵といったアドバンテージ装置が投入され、デッキ全てを若き紅蓮術士に傾斜している。これはメンターの設計そのものである。採用卡を見ても、メインは次のように変化したのみである。
・メンター→ヤンパイ
・石のような静寂→無のロッド
・ソープロ→稲妻
ただ、ヤンパイにメンターほどの制圧力は見込めないし、サイドの弱体化も否めない。
4位 RUG Delver
霧裂きのハイドラや道の探求者といったクリーチャーが逆説で使われたことは、驚くに値しない。逆説は莫大なドロー力を誇る反面、逆説に最適化した性質上、その勝ち手段を見失いがちという弱点も抱えている。ハイドラや探求者は地に足の着いたクリーチャーでありながら、フィニッシャーとしての役割を演じることもできる。
でもハイドラはプロ(青)で再利用できないのが辛いか?僕ならバリスタにするかなサーチできるし
6位 メンター
マジックプレイヤーは個々の卡よりも、そのコンセプトにデッキの本質を見出す。その結果として、デッキ名が一見して奇妙になることもある。動物なきZoo、魚なきFishがその例だ。さて僧院の導師という卡は制限されたが、それを核とすることで成立したジェスカイまたはエスパーのコントロールというコンセプトは命脈を保ったー崩壊することはなかったのだ。それをメンターと呼ぶことになんの躊躇がいる?
7位 Eldrazi Shop
8位 逆説Vault
Workshop3、逆説2、クロパ~コントロール3と見るとまずまず良環境。ヘイトベア系の参入による一層の複雑化を期待
優勝 Workshop
2位 Workshop
アメジストのとげの穴をクリーチャーで埋めるものと鉄線で埋めるもの、2つにくっきり別れた。
3位 RUGコントロール
これはメンターの衣鉢を継ぐデッキと言えまいか?従来ならデルバーが入っていただろう枠に、両面ジェイスや森の知恵といったアドバンテージ装置が投入され、デッキ全てを若き紅蓮術士に傾斜している。これはメンターの設計そのものである。採用卡を見ても、メインは次のように変化したのみである。
・メンター→ヤンパイ
・石のような静寂→無のロッド
・ソープロ→稲妻
ただ、ヤンパイにメンターほどの制圧力は見込めないし、サイドの弱体化も否めない。
4位 RUG Delver
霧裂きのハイドラや道の探求者といったクリーチャーが逆説で使われたことは、驚くに値しない。逆説は莫大なドロー力を誇る反面、逆説に最適化した性質上、その勝ち手段を見失いがちという弱点も抱えている。ハイドラや探求者は地に足の着いたクリーチャーでありながら、フィニッシャーとしての役割を演じることもできる。
でもハイドラはプロ(青)で再利用できないのが辛いか?僕ならバリスタにするかなサーチできるし
6位 メンター
マジックプレイヤーは個々の卡よりも、そのコンセプトにデッキの本質を見出す。その結果として、デッキ名が一見して奇妙になることもある。動物なきZoo、魚なきFishがその例だ。さて僧院の導師という卡は制限されたが、それを核とすることで成立したジェスカイまたはエスパーのコントロールというコンセプトは命脈を保ったー崩壊することはなかったのだ。それをメンターと呼ぶことになんの躊躇がいる?
7位 Eldrazi Shop
8位 逆説Vault
Workshop3、逆説2、クロパ~コントロール3と見るとまずまず良環境。ヘイトベア系の参入による一層の複雑化を期待
http://magic.wizards.com/ja/node/1200431
優勝 UR Delver
粉々とは、先駆のゴーレム台頭にあわせた実に面白い選択。実際はRavagerでごまかされてしまうケースも多いだろうが、ハマれば実に爽快だろう。
2位 Workshop
アメジストのとげが抜けた3枚はクリーチャーによって補ったようだ。その中でも、ワームとぐろエンジンがメインを張るのは久しぶりだ。
3位 サルベイジャーオース
進歩の災いがサイドに。これは嬉しい。
4位 ランドスティル
Ravagerの天敵であるエネルギー流出を使いこなせる点がよい。
5位 人間型逆説
Uwタッチ緑型。昨日のbrianから-1メイガス+1瞬唱としたもののようだ。
6位 Vault逆説
これは従来のVault Controlのアドバンテージ部分を腹心+瞬唱パッケージから逆説パッケージにしたものと考えたほうが理解しやすいだろう。白を加えたことで(制限されたが)導師やサイドのカンバール等、決定力あるクリーチャーが参入した。
7位 Vault Control
2013年までのVault Controlはグリクシスが通常だったが、これはジェスカイ。この色の変更を分析してみると...
青=最強色
黒=闇の腹心、サーチ、手札破壊、ヨーグモスの意志
赤=アーティファクト破壊
白=僧院の導師、除去、サイドボード
かつては闇の腹心がヴィンテージ最高のアドバンテージ手段だったが、2014年のタルキールでそれがキャントリップ→探査ドローに移行した。つまり闇の腹心が担っていた役割は青に包摂されてしまった。これで一番の理由は消え、黒の他の役割と白の役割を比較した結果、後者に軍配が上がったということだろう。
8位 Workshop
これは2位と違ってからみつく鉄線で穴埋めしたもの。
いやー・・・
かなりの良環境じゃない?これ
優勝 UR Delver
粉々とは、先駆のゴーレム台頭にあわせた実に面白い選択。実際はRavagerでごまかされてしまうケースも多いだろうが、ハマれば実に爽快だろう。
2位 Workshop
アメジストのとげが抜けた3枚はクリーチャーによって補ったようだ。その中でも、ワームとぐろエンジンがメインを張るのは久しぶりだ。
3位 サルベイジャーオース
進歩の災いがサイドに。これは嬉しい。
4位 ランドスティル
Ravagerの天敵であるエネルギー流出を使いこなせる点がよい。
5位 人間型逆説
Uwタッチ緑型。昨日のbrianから-1メイガス+1瞬唱としたもののようだ。
6位 Vault逆説
これは従来のVault Controlのアドバンテージ部分を腹心+瞬唱パッケージから逆説パッケージにしたものと考えたほうが理解しやすいだろう。白を加えたことで(制限されたが)導師やサイドのカンバール等、決定力あるクリーチャーが参入した。
7位 Vault Control
2013年までのVault Controlはグリクシスが通常だったが、これはジェスカイ。この色の変更を分析してみると...
青=最強色
黒=闇の腹心、サーチ、手札破壊、ヨーグモスの意志
赤=アーティファクト破壊
白=僧院の導師、除去、サイドボード
かつては闇の腹心がヴィンテージ最高のアドバンテージ手段だったが、2014年のタルキールでそれがキャントリップ→探査ドローに移行した。つまり闇の腹心が担っていた役割は青に包摂されてしまった。これで一番の理由は消え、黒の他の役割と白の役割を比較した結果、後者に軍配が上がったということだろう。
8位 Workshop
これは2位と違ってからみつく鉄線で穴埋めしたもの。
いやー・・・
かなりの良環境じゃない?これ
XLNとヴィンテージ2
2017年9月3日 Magic: The GatheringJace, Cunning Castawayヴィンテージは1つのデッキに複数種類のジェイスを投入することが多く、今般のPWルール変更による影響を最も受けるフォーマットといっていいだろう。それに合わせて登場してくれたJace, Cunning Castawayは、プレイヤーのルールに関する理解を深め、無用な諍いを未然に防いだことにより、ヴィンテージ環境に貢献したものと認められる。
1UU
Legendary Planeswalker - Jace
+1: Whenever one or more creatures you control deal combat damage to a player this turn, draw a card, then discard a card.
-2: Create a 2/2 blue Illusion creature token with "When this creature becomes the target of a spell, sacrifice it."
-5: Create two tokens that are copies of Jace, Cunning Castaway, except they’re not legendary.
illus. Kieran Yanner # 60/279
C&D SRC
3
Kopala, Warden of Waves2点ーリーク情報では1マナ増加とあったが実は2マナだった。1マナだとそこまで抑止力にならないが、2マナだと殴りにいける回数がまるきり変わってくる。呪い捕らえを擁するマーフォークでは尚更だ。
1UU
Legendary Creature - Merfolk Wizard
Spells your opponents cast that target a Merfolk you control cost 2 more to cast.
Abilities your opponents activate that target a Merfolk you control cost 2 more to activate.
"I know these waters better than you know yourselves."
illus. Magalli Villenueve # 61/279
2/2
マーフォークにとって噴出は天敵であり、島渡りで殴りにいったところに島を戻され、果敢を得た坊主の大軍に返り討ちにされるという負けパターンがあった。直近2回の改訂で天敵の減ったマーフォークは台頭するものと予想していたが、そうでもなかった。だが、Kopalaを契機にマーフォークの再評価が進むかもしれない。
Sentinel Totem3点ー非黒デッキにおける墓地追放アーティファクトとして、我々は既にトーモッドの墓所及び大祖始の遺産をもっている(黒デッキにおいては虚無の呪文爆弾が最強)。今このSentinel Totemが俎上に載せられた。3つの争点からまとめると、Totemはこの2枚の中間に位置する卡であることがわかる。
1
Artifact
When Sentinel Totem enters the battlefield, scry 1.
t, Exile Sentinel Totem: Exile all cards from graveyards.
・コスト トーモッド>Totem>大祖始
これは見てのとおりだ。
・対象 トーモッド>大祖始=Totem
トーモッドは自分の墓地にまで追放してしまうことがない。
・アドバンテージ 大祖始>Totem>トーモッド
大祖始は1ドローできるが、Totemは占術にすぎない。
このように互いに上位下位互換の関係にない卡からの取捨選択については、個別のデッキの特質を見極め判断する必要がある。特に、現在の2枚の選択肢からどちらを優先しているかは、情報として有意義である。
・Workshop
まず、Workshopはドレッジに対して比較的有利であるということを言いたい。その論旨は「HOUとヴィンテージ6」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201707011511097716/)に書いたので再掲しよう。
ドレッジの構図を振り返ると次のようになる。これに1行付け足したい。「バザーを割って1も送らせられる。」このように素でかなりの程度まで抑えることができるので、サイドボードで2.の特殊召喚を封じられれば万全ということになる。
1.Bazaarと発掘で墓地肥やし
2.墓地から特殊召喚
3.セラピーで生け贄
4.橋でゾンビ生成
5.戦慄の復活
Sphereで3.と5.のフラッシュバックを禁止するとともに、豊富にある自殺手段(バリスタ、荒廃者、工廠+不毛、カーン+Mox)によって4.の橋を追放する。したがってドレッジ側に残されるのは2.の貧弱なクリーチャーだけとなってしまう。
さて、現状の使用状況を見ると、両方とも使われているが大祖始の方が優勢だ。しかし、Workshopの性質を考えれば、Totemの占術で必要な卡(2枚目の墓地対策、不毛etc)を選び、起動コストを展開に回して素早く殴りきることで、1ドローのアドバンテージ差が顕在化する前にゲームを終わらせることは十分あり得る。トーモッドと比べれば、自分の墓地追放はほとんど気にならないし、コスト差についても鋳造所の検査官があれば並ぶわけで、トーモッドの利点がほとんど隠れてしまい、Totemの占術だけが残る形だ。
このように、Workshopにおいては比較的有望と考える。
・逆説
現状、トーモッドの墓所の圧勝。墓地対策アーティファクトもまた、逆説で戻す対象の1つであることを考えれば、軽さが第一の基準になるのは当然だ。Totemの場合、占術1をCIPで出し直すたびに使えるという点が優れているが、逆説のもたらす莫大なドローの中でそこまで必要とは考えにくい。やはり軽さが最優先だろう。
・ドレッジ、DPSその他墓地利用デッキ
トーモッド一択。
以上から、Workshopのサイドボードにおける大祖始の遺産のシェアをある程度奪えるのではないかと予想する。
http://magic.wizards.com/ja/node/1200271
1.ジェスカイの中速コントロール。
青 - ドローとカウンターを擁する必須色。
白 - 僧院の導師を擁する必須色。ほか除去と各種の対策も担う。
赤 - アーティファクト対策の第3色。
2.0~1マナのドローを連打し、果敢と探査ドローに繋げることでアドバンテージを得る。
3.カウンターはテンポを最重要視し、標的を絞ることで軽量化を実現している。
4.クリーチャー除去には、ソープロを3~4枚投入する。
5.PWには両面ジェイスが定番。加えてダク・フェイデン及び神ジェイスを投入する。
6.エンチャントを入れる選択肢もあり、森の知恵、Mystic Remora、石のような静寂等が候補となる。
さて昨日の第2回ヴィンテージリーグでは、KRMONT22が全勝者に名を連ねた。彼のデッキはメンターから導師3枚を抜いたものだが、右6点のコンセプトはこの新生ジェスカイ・コントロールの中で息づいているとわかり喜ばしい。ところで3枚のスロットを埋めるものは何か。まず1枚はヴェンディリオンは分かりやすい、これも傑出した性能の持ち主であり、導師に対して補完的でもある。残り2枚の選択は、実に賢明なものだった。つまり基本土地2枚を投入し、マナベースを安定したのだ。この一見地味な選択は、その実、「事故らなければ勝てる」という強固な自信に裏打ちされたものだろう。また、ジェスカイ・コントロールは1マナドローに付随するライブラリトップ操作や、PWのルーターにより余った土地を処理できるため、マナフラッドの懸念も低い。
ここで僕個人の思索を開陳すると、導師制限で白の必要性が落ちたことから、青赤に絞り、若き紅蓮術士を起用したコントロールが有力になるのではと考えていた。しかし実際組んでみるとサイドボード(特に墓地対策)で劣化が激しく、なかなか思うようにはいかなかった。このジェスカイ・コントロールはサイドボード力も高く、Tier1とまでは行かないにせよ3~4%ほどの占有率を保持できるのではないだろうか。
Planeswalker (4)僧院の導師は制限され、メンターは構築不能になった。しかし、僧院の導師を使う側であれ、相対する側であれ、ヴィンテージプレイヤーならば誰でも、この傑出した卡には様々な思い出があるはずだ。僧院の導師を核とし、それへの最適化として生まれたデッキ・メンターに盛り込まれた、いくつものデッキコンセプトまでも一朝にして捨て去ってよいものか、躊躇の念が生まれるのも当然のことだろう。では、メンターに盛り込まれたデッキコンセプトとは具体的に何か、だいぶ前の記事で恐縮ながら、拙著「メンター概論」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201605020132278514/)をもとに構成してみよう。
2 Dack Fayden
2 Jace, the Mind Sculptor
Creature (6)
2 Jace, Vryn’s Prodigy
1 Monastery Mentor
2 Snapcaster Mage
1 Vendilion Clique
Sorcery (8)
1 Fragmentize
1 Ponder
4 Preordain
1 Time Walk
1 Treasure Cruise
Instant (17)
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Dig Through Time
2 Flusterstorm
4 Force of Will
1 Gush
3 Mental Misstep
1 Mindbreak Trap
1 Pyroblast
2 Swords to Plowshares
Artifact (4)
1 Black Lotus
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
Enchantment (2)
2 Stony Silence
Land (19)
4 Flooded Strand
2 Island
1 Library of Alexandria
1 Mountain
1 Plains
4 Scalding Tarn
3 Tundra
3 Volcanic Island
Sideboard (15)
1 Mindbreak Trap
1 Pyroblast
1 Swords to Plowshares
1 By Force
3 Containment Priest
2 Energy Flux
1 Ethersworn Canonist
1 Kataki, War’s Wage
4 Tormod’s Crypt
1.ジェスカイの中速コントロール。
青 - ドローとカウンターを擁する必須色。
白 - 僧院の導師を擁する必須色。ほか除去と各種の対策も担う。
赤 - アーティファクト対策の第3色。
2.0~1マナのドローを連打し、果敢と探査ドローに繋げることでアドバンテージを得る。
3.カウンターはテンポを最重要視し、標的を絞ることで軽量化を実現している。
4.クリーチャー除去には、ソープロを3~4枚投入する。
5.PWには両面ジェイスが定番。加えてダク・フェイデン及び神ジェイスを投入する。
6.エンチャントを入れる選択肢もあり、森の知恵、Mystic Remora、石のような静寂等が候補となる。
さて昨日の第2回ヴィンテージリーグでは、KRMONT22が全勝者に名を連ねた。彼のデッキはメンターから導師3枚を抜いたものだが、右6点のコンセプトはこの新生ジェスカイ・コントロールの中で息づいているとわかり喜ばしい。ところで3枚のスロットを埋めるものは何か。まず1枚はヴェンディリオンは分かりやすい、これも傑出した性能の持ち主であり、導師に対して補完的でもある。残り2枚の選択は、実に賢明なものだった。つまり基本土地2枚を投入し、マナベースを安定したのだ。この一見地味な選択は、その実、「事故らなければ勝てる」という強固な自信に裏打ちされたものだろう。また、ジェスカイ・コントロールは1マナドローに付随するライブラリトップ操作や、PWのルーターにより余った土地を処理できるため、マナフラッドの懸念も低い。
ここで僕個人の思索を開陳すると、導師制限で白の必要性が落ちたことから、青赤に絞り、若き紅蓮術士を起用したコントロールが有力になるのではと考えていた。しかし実際組んでみるとサイドボード(特に墓地対策)で劣化が激しく、なかなか思うようにはいかなかった。このジェスカイ・コントロールはサイドボード力も高く、Tier1とまでは行かないにせよ3~4%ほどの占有率を保持できるのではないだろうか。
新環境ヴィンテージデッキ2 人間型逆説
2017年9月1日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/ja/node/1200101
https://www.mtggoldfish.com/deck/637971#online
メイガスと、逆説のために大量のアーティファクトを投入するデッキ構造との親和性を見抜いた炯眼は賞賛に値する。
さて、周知のとおり僧院の導師が制限になったわけだが、もともと導師2枚が標準だったこのデッキに関しては、一見些細な変更と感じられる。しかし、僕の見立てでは、この1枚減の影響は見かけほど小さくはないのではないかと考えている。それは、このデッキの勝ち手段に関わってくるからだ。
デッキ全体を見渡しても、導師以外で勝ち手段となる卡は他4枚のクリーチャーと神ジェイス1枚しかない。そして、クリーチャー達はアドバンテージ獲得としては極めて優秀であるものの、いずれもパワー2と勝利まで遠く、回避能力や除去耐性も特にないことからフィニッシャーとしては不足である。相手の壁クリーチャーや除去といった妨害に屈せず信頼を置けるフィニッシャーとなると、導師とジェイスの2枚しかない。これはハンデスやカウンター等、ふとしたことで勝ち手段を喪失しかねない危うさを孕む枚数である。逆説はドローを追求する目的で逆説的な結果に最適化したデッキであるため、reactiveな卡が少ない点も、この懸念を高めている。このような懸念を少しでも抑えるために、キープ基準にやや悪影響を与えてしまうが、魂の洞窟を1枚挿したいところだ(これはデッキ内の他のクリーチャーとも相性が良い)。
このように制限の影響は皆無ではないにしろ、最初のLeagueで5-0していること自体が証明しているとおり、デッキを揺るがすような根本的な問題では全くない。以上は相当下振れした場合の話であり、デッキが普通に回ればフィニッシャーを展開できてそのまま勝つケースが大半だろうし、それらを引けなくても、圧倒的ドローによるカウンターを背景にパワー2でクロックパーミッション的に削りきるケースも多いはずだ。人間型逆説は、アーティファクトを多用しつつもアーティファクト一辺倒ではなく、対策1枚で完封されることのない靭やかさを備えている。また、探査を使わず、青単タッチ白というカラーリングの簡潔さからフェッチランドへの依存性も低く(右デッキリストでは7枚も入ってるがもっと減らせる)、来るべき魔術遠眼鏡への備えも万全である。新たな環境で本命と目されるデッキだ。
Planeswalker (1)記念すべきVintage Leagueは制限改定施行直後に開催された。その5-0デッキの1つは逆説、それもクリーチャーを数種類搭載するタイプである。僕が人間型逆説(Human Paradoxical)と呼ぶこのデッキタイプは、Brianの着想によるものであり、初出は恐らくこれだろう。
1 Jace, the Mind Sculptor
Creature (5)
1 Magus of the Future
1 Monastery Mentor
1 Snapcaster Mage
2 Trinket Mage
Sorcery (7)
1 Balance
1 Gitaxian Probe
1 Merchant Scroll
1 Ponder
1 Preordain
1 Time Walk
1 Treasure Cruise
Instant (18)
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Daze
2 Flusterstorm
4 Force of Will
1 Gush
1 Hurkyl’s Recall
2 Mental Misstep
4 Paradoxical Outcome
1 Repeal
Artifact (14)
1 Black Lotus
1 Chalice of the Void
1 Engineered Explosives
1 Mana Crypt
1 Mana Vault
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
2 Sensei’s Divining Top
1 Sol Ring
1 Tsabo’s Web
Land (15)
3 Flooded Strand
4 Island
1 Library of Alexandria
1 Misty Rainforest
3 Polluted Delta
1 Tolarian Academy
2 Tundra
60 Cards
Sideboard (15)
2 Hurkyl’s Recall
1 Ancient Tomb
1 Baral, Chief of Compliance
3 Containment Priest
1 Karakas
1 Mindbreak Trap
1 Mystical Tutor
1 Rest in Peace
1 Steel Sabotage
1 Swords to Plowshares
2 Tormod’s Crypt
https://www.mtggoldfish.com/deck/637971#online
メイガスと、逆説のために大量のアーティファクトを投入するデッキ構造との親和性を見抜いた炯眼は賞賛に値する。
さて、周知のとおり僧院の導師が制限になったわけだが、もともと導師2枚が標準だったこのデッキに関しては、一見些細な変更と感じられる。しかし、僕の見立てでは、この1枚減の影響は見かけほど小さくはないのではないかと考えている。それは、このデッキの勝ち手段に関わってくるからだ。
デッキ全体を見渡しても、導師以外で勝ち手段となる卡は他4枚のクリーチャーと神ジェイス1枚しかない。そして、クリーチャー達はアドバンテージ獲得としては極めて優秀であるものの、いずれもパワー2と勝利まで遠く、回避能力や除去耐性も特にないことからフィニッシャーとしては不足である。相手の壁クリーチャーや除去といった妨害に屈せず信頼を置けるフィニッシャーとなると、導師とジェイスの2枚しかない。これはハンデスやカウンター等、ふとしたことで勝ち手段を喪失しかねない危うさを孕む枚数である。逆説はドローを追求する目的で逆説的な結果に最適化したデッキであるため、reactiveな卡が少ない点も、この懸念を高めている。このような懸念を少しでも抑えるために、キープ基準にやや悪影響を与えてしまうが、魂の洞窟を1枚挿したいところだ(これはデッキ内の他のクリーチャーとも相性が良い)。
このように制限の影響は皆無ではないにしろ、最初のLeagueで5-0していること自体が証明しているとおり、デッキを揺るがすような根本的な問題では全くない。以上は相当下振れした場合の話であり、デッキが普通に回ればフィニッシャーを展開できてそのまま勝つケースが大半だろうし、それらを引けなくても、圧倒的ドローによるカウンターを背景にパワー2でクロックパーミッション的に削りきるケースも多いはずだ。人間型逆説は、アーティファクトを多用しつつもアーティファクト一辺倒ではなく、対策1枚で完封されることのない靭やかさを備えている。また、探査を使わず、青単タッチ白というカラーリングの簡潔さからフェッチランドへの依存性も低く(右デッキリストでは7枚も入ってるがもっと減らせる)、来るべき魔術遠眼鏡への備えも万全である。新たな環境で本命と目されるデッキだ。
新環境ヴィンテージデッキ1 Workshop
2017年8月31日 Magic: The GatheringWorkshopはアメジストのとげを喪った。だがメンターのようにデッキの命脈そのものを絶たれたわけではなく、3枚分のスロットを埋めることができれば再興は十分に可能だ。では、具体的にどうするか。
1.からみつく鉄線
2.無のロッド
3.魔術遠眼鏡
対策を講じるとするなら、フェッチランドの分散とMox(虚空の杯、アメジストのとげ制限も追い風だ)の増量か。
1.からみつく鉄線
// 60 メインデッキからみつく鉄線は、ここ2ヶ月間減少していたとはいえ、登場以来15年以上もWorkshopの基本パーツであり続けた古豪だ。そこに帰着しようという発想はごく自然なものといえる。しかし、僕はからみつく鉄線の復権には悲観的である。なぜなら鉄線はマナ拘束が脇にあって初めて力を発揮する卡であって、アメジストのとげが制限された今、かつてほどの力はないと考えるためだ。インスタントで動ける逆説に太刀打ちできないのも不満である。
// 21 Artifact
1 Trinisphere
4 Sphere of Resistance
1 Thorn of Amethyst
1 Chalice of the Void
1 Black Lotus
1 Mana Crypt
1 Sol Ring
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Batterskull
1 Mana Vault
4 Tangle Wire
// 22 Creature
4 Foundry Inspector
1 Lodestone Golem
4 Phyrexian Revoker
4 Walking Ballista
4 Arcbound Ravager
3 Phyrexian Metamorph
2 Precursor Golem
// 17 Land
4 Mishra’s Workshop
3 Ancient Tomb
4 Mishra’s Factory
4 Wasteland
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
// 15 サイドボード
SB: 4 Grafdigger’s Cage
SB: 1 Relic of Progenitus
SB: 1 Batterskull
SB: 1 Ratchet Bomb
SB: 1 Pithing Needle
SB: 1 Razormane Masticore
SB: 1 Duplicant
SB: 2 Wurmcoil Engine
SB: 1 Phyrexian Metamorph
SB: 2 Dismember
2.無のロッド
// 60 メインデッキ無のロッドは妨害力の点ではアメジストのとげをも越える。Solomoxenを完全に沈黙させマナ基盤を崩すばかりか、Vault-Key、ペインター、最近だと蜃気楼の鏡といった勝利手段になるアーティファクトをも黙らせる能力を持ち、わずか2マナでeasy winを与える。しかし、電結の荒廃者を中心にアーティファクトの起動型能力を駆使するRavager Shopsでは、相手への拘束より自分への被害が大きすぎ、採用することはできない。そこでEldrazi Shopをベースに考える必要がある。
// 19 Artifact
1 Black Lotus
1 Chalice of the Void
1 Mana Crypt
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Sol Ring
4 Null Rod
4 Sphere of Resistance
1 Thorn of Amethyst
1 Trinisphere
// 20 Creature
4 Phyrexian Revoker
1 Lodestone Golem
4 Phyrexian Metamorph
4 Precursor Golem
4 Thought-Knot Seer
3 Reality Smasher
// 21 Land
4 Ancient Tomb
2 City of Traitors
4 Eldrazi Temple
1 Karakas
4 Mishra’s Workshop
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
4 Wasteland
// 15 サイドボード
// 8 Artifact
SB: 3 Tormod’s Crypt
SB: 4 Grafdigger’s Cage
SB: 1 Batterskull
// 4 Creature
SB: 4 Wurmcoil Engine
// 3 Instant
SB: 3 Dismember
3.魔術遠眼鏡
// 57 メインデッキ面白くない話だがイクサラン後の標準はアメジスト3枚を遠眼鏡に変えただけのWorkshopになりそうである。これをSpyshopと呼ぼう。
// 16 Artifact
1 Trinisphere
4 Sphere of Resistance
1 Thorn of Amethyst
3 Sorcerous Spyglass
1 Chalice of the Void
1 Black Lotus
1 Mana Crypt
1 Sol Ring
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Batterskull
// 23 Creature
4 Foundry Inspector
1 Lodestone Golem
4 Phyrexian Revoker
4 Walking Ballista
4 Arcbound Ravager
2 Phyrexian Metamorph
4 Precursor Golem
// 18 Land
4 Mishra’s Workshop
4 Ancient Tomb
4 Mishra’s Factory
4 Wasteland
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
// 15 サイドボード
// 9 Artifact
SB: 4 Grafdigger’s Cage
SB: 1 Relic of Progenitus
SB: 1 Batterskull
SB: 2 Ratchet Bomb
SB: 1 Pithing Needle
// 5 Creature
SB: 1 Razormane Masticore
SB: 1 Duplicant
SB: 3 Wurmcoil Engine
SB: 1 Phyrexian Metamorph
対策を講じるとするなら、フェッチランドの分散とMox(虚空の杯、アメジストのとげ制限も追い風だ)の増量か。
前環境ほんとに最後のDaily
2017年8月31日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/ja/node/1199781
申し訳ない。Magic Online発効日見たら30日だった。そしてWorkshopで2日連続4-0を飾るMONTOLIO氏の快挙。
申し訳ない。Magic Online発効日見たら30日だった。そしてWorkshopで2日連続4-0を飾るMONTOLIO氏の快挙。
前環境最後のDaily
2017年8月30日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/ja/node/1199591
最後の最後まで4-0したWorkshop、5デッキ中3デッキ占めた僧院の導師には心よりお慶び申し上げるとともに、これまでのご労苦を労う。中でも光るのは5番目のメンターで、メイン鋳塊3枚というヤケクソ構築が素晴らしい。
最後の最後まで4-0したWorkshop、5デッキ中3デッキ占めた僧院の導師には心よりお慶び申し上げるとともに、これまでのご労苦を労う。中でも光るのは5番目のメンターで、メイン鋳塊3枚というヤケクソ構築が素晴らしい。
8/28制限考
2017年8月29日 Magic: The Gathering コメント (2)0.制限再掲
http://magic.wizards.com/ja/articles/archive/news_bnr_20170828
1.要約
・抵抗の宝球とアメジストのとげの制限を検討したが、他のデッキへの被害はあっても、自身のクリーチャー展開を阻害することがなく、より強力なアメジストのとげを制限する。
・僧院の導師は強すぎて他の勝利手段を駆逐してしまった。
・ヨーグモスの取り引きはグリセルブランドより弱い。
2.評釈
・Workshop制限のうち、抵抗の宝球かアメジストのとげの二択では前者を希望していた。しかし決定は下された。Workshopはあまりに強すぎたため、その初動となる2マナパーツを抑えられるのはやむを得ない。
・ここ最近はWorkshopに次ぐ二番手の地位に収まったというものの、4/25噴出・ギタクシア制限前のメンターは支配率30%を誇り、Workshopすら凌駕する環境最強かつオーバーパワーデッキであった。今回の制限でメンターのスペル連打戦略を抑えていたアメジストのとげが去れば、恐らくその枠に入るのは(ここ最近退場していた)からみつく鉄線だろうが、この卡はメンターに効きが悪い。Workshop・メンター二頭制からWorkshopが弱体化したあとの世界で、メンターが唯一の覇者として振る舞うことを未然に防ぐためには、ここで規制するほかなかったのだろう。それにしても導師が制限されたならギタクシアと噴出は許してやってもいいんじゃないか...
・ヨーグモスの取り引き<グリセルブランドは全くの正論。
3.予想される環境への影響
・メンターは崩壊する。
・僧院の導師は、逆説やJeskai Delver、一部のVault Control等における「引くとうれしいクリーチャー」の1枚となる。
・Workshopはからみつく鉄線を再雇用し、大きな変更なく存続する。しかし多少の弱体化は避けられず、特にコンボとのマッチアップが悪化する。
・純正エルドラージは崩壊する。
・白単エルドラージはヴリンの翼馬や輝きの乗り手といった代替卡により存続するが、弱体化は免れない。
・逆説は大幅に強化される。
・DPSも大幅に強化される。ヨーグモスの取り引きの枚数を模索するが恐らく1~2枚になる。
・その他のデッキも、2トップの崩壊または弱体化によって軒並み底上げされる。
http://magic.wizards.com/ja/articles/archive/news_bnr_20170828
アメジストのとげ/Thorn of Amethyst 制限
僧院の導師/Monastery Mentor 制限
ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth’s Bargain 制限解除
1.要約
・抵抗の宝球とアメジストのとげの制限を検討したが、他のデッキへの被害はあっても、自身のクリーチャー展開を阻害することがなく、より強力なアメジストのとげを制限する。
・僧院の導師は強すぎて他の勝利手段を駆逐してしまった。
・ヨーグモスの取り引きはグリセルブランドより弱い。
2.評釈
・Workshop制限のうち、抵抗の宝球かアメジストのとげの二択では前者を希望していた。しかし決定は下された。Workshopはあまりに強すぎたため、その初動となる2マナパーツを抑えられるのはやむを得ない。
・ここ最近はWorkshopに次ぐ二番手の地位に収まったというものの、4/25噴出・ギタクシア制限前のメンターは支配率30%を誇り、Workshopすら凌駕する環境最強かつオーバーパワーデッキであった。今回の制限でメンターのスペル連打戦略を抑えていたアメジストのとげが去れば、恐らくその枠に入るのは(ここ最近退場していた)からみつく鉄線だろうが、この卡はメンターに効きが悪い。Workshop・メンター二頭制からWorkshopが弱体化したあとの世界で、メンターが唯一の覇者として振る舞うことを未然に防ぐためには、ここで規制するほかなかったのだろう。それにしても導師が制限されたならギタクシアと噴出は許してやってもいいんじゃないか...
・ヨーグモスの取り引き<グリセルブランドは全くの正論。
3.予想される環境への影響
・メンターは崩壊する。
・僧院の導師は、逆説やJeskai Delver、一部のVault Control等における「引くとうれしいクリーチャー」の1枚となる。
・Workshopはからみつく鉄線を再雇用し、大きな変更なく存続する。しかし多少の弱体化は避けられず、特にコンボとのマッチアップが悪化する。
・純正エルドラージは崩壊する。
・白単エルドラージはヴリンの翼馬や輝きの乗り手といった代替卡により存続するが、弱体化は免れない。
・逆説は大幅に強化される。
・DPSも大幅に強化される。ヨーグモスの取り引きの枚数を模索するが恐らく1~2枚になる。
・その他のデッキも、2トップの崩壊または弱体化によって軒並み底上げされる。
魔力の櫃/Mana Vault
2017年8月25日 Magic: The Gathering コメント (1)1.問題提起
優れた加速力を持ちながら、Workshopの中で淘汰された無色マナ基盤がある。魔力の櫃/Mana Vaultだ。
a.鋳造所の検査官との相互作用
b.電結の荒廃者との相性
c.からみつく鉄線の減少
の3点である。
2.Ravager Shopの基本戦略
Ravager Shopを使っていてつくづく感じるのは、このデッキは2ターンで展開を完成させてしまうということだ。「Workshop各論」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201708220108458393/)で考察したとおり、Ravager Shopの大元にあるのは「Sphereで締めてからクリーチャーを展開」ではなく「クリーチャーを展開してSphereで仕上げ」というストンピィ的発想である。その象徴的存在が鋳造所の検査官であり、最初2ターンの理想的動きは次のようになる。
もちろん、この先卡を1枚もプレイしないという意味ではない。3ターン目以降もトップから引き込んできたSphereを追加したり、クリーチャーを召喚したり、不毛で土地を割ったりといったプレイは当然続行するが、その目的は、2ターン目に作り上げた「複数クロック+Sphere」の盤面をさらに強化することではなく、むしろ補給して維持することにある。具体的にいえば、相手も毎ターン土地を伸ばしていってSphereによる影響からの脱却を試みるだろうが、Sphereや不毛はこれを1ターン前に巻き戻してしまう。追加のクリーチャーは、除去による延命(それはマナ増幅と表裏一体の関係にある)の意図を毀つ。
こうしてWorkshopのクロックが微動だにしない一方、対戦相手はゲームセットまでずっと2ターン目に押し込められてしまう。これを相手の目から見れば、2ターン目だからドローや除去を全く唱えられないという訳ではない。しかし盤面でマウントを取られている以上、そこからの脱却には除去、カウンター、土地を適切なバランスで引けなければならない一方、4枚差しの多いWorkshopはほぼ何を引いても盤面を維持できる。そしてクロックを5点とすれば、2ターン目の検査官によるアタックで17点、フェッチ等も込めれば5ターン目には相手のライフは尽きるだろう。
3.Mana Vaultという選択
右のような展開において、初手にMana Vaultがあるとしたらどうか。検査官によって0マナで出せ、そこから生成した3マナから軽量化された卡をプレイしていける。その生成力はBlack Lotus同然であり、その果たした役割は「1ターン目に2ターン目の展開を先取り」つまりTime Walk同然である。これがa.に述べた検査官との相互作用、それによる爆発力である。
今Black Lotusと言ったが、さらに限定的な状況ではLotusをも超える。つまり電結の荒廃者にMana Vault食べさせ、+1/+1カウンターとして利用できるのだ。これがb.にあたる。
そしてc.だが、Mana Vaultの無能なパターンとして、からみつく鉄線で倒されてしまうというのがあった。しかし鉄線は激減しており、今となっては杞憂である。
というわけで魔力の櫃を今こそ見直すべきではないかと考える次第。
優れた加速力を持ちながら、Workshopの中で淘汰された無色マナ基盤がある。魔力の櫃/Mana Vaultだ。
Mana Vault / 魔力の櫃 (1)mtgdecksで退潮ぶりを調査した。方法は、各年1月1日~12月31日(ただし2017年は今日8月25日まで)の「Mishra’s Workshop」採用デッキ中の「Mishra’s Workshop+Mana Vault」採用デッキの割合を算出する(ヒマ人)。
アーティファクト
魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうした場合、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):あなたのマナ・プールに(◇)(◇)(◇)を加える。
2011年:55/85≒65%2015年を皮切りに大きく落ち込んでいるのがわかる。しかし、現在のRavager Shopからは、魔力の櫃に有利な性質が複数見出され、今こそ再評価の時ではないかと考える。その有利な性質とは
2012年:14/37≒37%
2013年:23/50=46%
2014年:19/91≒21%
2015年:9/126≒7%
2016年:10/131≒8%
2017年:5/177≒3%
a.鋳造所の検査官との相互作用
b.電結の荒廃者との相性
c.からみつく鉄線の減少
の3点である。
2.Ravager Shopの基本戦略
Ravager Shopを使っていてつくづく感じるのは、このデッキは2ターンで展開を完成させてしまうということだ。「Workshop各論」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201708220108458393/)で考察したとおり、Ravager Shopの大元にあるのは「Sphereで締めてからクリーチャーを展開」ではなく「クリーチャーを展開してSphereで仕上げ」というストンピィ的発想である。その象徴的存在が鋳造所の検査官であり、最初2ターンの理想的動きは次のようになる。
1ターン目 検査官そして、ここで展開は完成する。
2ターン目 2マナ(1マナに軽量化)クリーチャーを連打→クロックの確立
最後の1マナでSphereを設置→ロック
もちろん、この先卡を1枚もプレイしないという意味ではない。3ターン目以降もトップから引き込んできたSphereを追加したり、クリーチャーを召喚したり、不毛で土地を割ったりといったプレイは当然続行するが、その目的は、2ターン目に作り上げた「複数クロック+Sphere」の盤面をさらに強化することではなく、むしろ補給して維持することにある。具体的にいえば、相手も毎ターン土地を伸ばしていってSphereによる影響からの脱却を試みるだろうが、Sphereや不毛はこれを1ターン前に巻き戻してしまう。追加のクリーチャーは、除去による延命(それはマナ増幅と表裏一体の関係にある)の意図を毀つ。
こうしてWorkshopのクロックが微動だにしない一方、対戦相手はゲームセットまでずっと2ターン目に押し込められてしまう。これを相手の目から見れば、2ターン目だからドローや除去を全く唱えられないという訳ではない。しかし盤面でマウントを取られている以上、そこからの脱却には除去、カウンター、土地を適切なバランスで引けなければならない一方、4枚差しの多いWorkshopはほぼ何を引いても盤面を維持できる。そしてクロックを5点とすれば、2ターン目の検査官によるアタックで17点、フェッチ等も込めれば5ターン目には相手のライフは尽きるだろう。
3.Mana Vaultという選択
右のような展開において、初手にMana Vaultがあるとしたらどうか。検査官によって0マナで出せ、そこから生成した3マナから軽量化された卡をプレイしていける。その生成力はBlack Lotus同然であり、その果たした役割は「1ターン目に2ターン目の展開を先取り」つまりTime Walk同然である。これがa.に述べた検査官との相互作用、それによる爆発力である。
今Black Lotusと言ったが、さらに限定的な状況ではLotusをも超える。つまり電結の荒廃者にMana Vault食べさせ、+1/+1カウンターとして利用できるのだ。これがb.にあたる。
そしてc.だが、Mana Vaultの無能なパターンとして、からみつく鉄線で倒されてしまうというのがあった。しかし鉄線は激減しており、今となっては杞憂である。
というわけで魔力の櫃を今こそ見直すべきではないかと考える次第。
B/R改訂願望/予想
2017年8月24日 Magic: The Gatheringスタンダード
[願望]No Changes
[予想]No Changes
スタンダードは赤単、ティムール、ゾンビの3強だが支配的ではなく、他のデッキにも十分にチャンスがある。大時化の1年を抜け、ようやく晴れ間が見えてきた。しかし、ここに至るまでに要した卡5枚の禁止は、ウィザーズの力量の低下を物語るものだ。
モダン
[願望]血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf 解除
[予想]No Changes
モダンは理想的な状況にある。今なら禁止の中から比較的穏健な卡を戻すことを検討できる。僕の意見では、血編み髪のエルフは死儀礼のシャーマンが無ければ許容できるパワーレベルに収まる。その死儀礼はとうに禁止されており、解除も可能と考える。
また、ジャンドはこの1年でFatal Pushぐらいしか獲得がなく、死に瀕している。
レガシー
[願望]精神錯乱/Mind Twist 解除
[予想]No Changes
レガシーの構図は明確なものとなった。グリクシスデルバーが最強で、レオヴォルドがそれを追う。いずれも死儀礼に立脚したデッキだ。死儀礼はあまりに高性能で、モダンどころかレガシーでも危険と感じられてきた。とはいえ禁止はないだろう...
ヴィンテージ
[願望]抵抗の宝球制限、精神的つまづき制限
[予想]抵抗の宝球制限
ヴィンテージについては次の記事で考えを開陳したところである。
「ヴィンテージ制限リスト考」http://bagupokemon.diarynote.jp/201707081553575001/
「ワークショップ各論」http://bagupokemon.diarynote.jp/201708220108458393/
[願望]No Changes
[予想]No Changes
スタンダードは赤単、ティムール、ゾンビの3強だが支配的ではなく、他のデッキにも十分にチャンスがある。大時化の1年を抜け、ようやく晴れ間が見えてきた。しかし、ここに至るまでに要した卡5枚の禁止は、ウィザーズの力量の低下を物語るものだ。
モダン
[願望]血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf 解除
[予想]No Changes
モダンは理想的な状況にある。今なら禁止の中から比較的穏健な卡を戻すことを検討できる。僕の意見では、血編み髪のエルフは死儀礼のシャーマンが無ければ許容できるパワーレベルに収まる。その死儀礼はとうに禁止されており、解除も可能と考える。
また、ジャンドはこの1年でFatal Pushぐらいしか獲得がなく、死に瀕している。
レガシー
[願望]精神錯乱/Mind Twist 解除
[予想]No Changes
レガシーの構図は明確なものとなった。グリクシスデルバーが最強で、レオヴォルドがそれを追う。いずれも死儀礼に立脚したデッキだ。死儀礼はあまりに高性能で、モダンどころかレガシーでも危険と感じられてきた。とはいえ禁止はないだろう...
ヴィンテージ
[願望]抵抗の宝球制限、精神的つまづき制限
[予想]抵抗の宝球制限
ヴィンテージについては次の記事で考えを開陳したところである。
「ヴィンテージ制限リスト考」http://bagupokemon.diarynote.jp/201707081553575001/
「ワークショップ各論」http://bagupokemon.diarynote.jp/201708220108458393/
XLNとヴィンテージ1 恐竜と海賊の世界
2017年8月23日 Magic: The Gatheringイクサランは史上最大規模のリークに見舞われたことで知られる。当ブログでも一度扱ったが後悔して消した。しかし公式スポイラーも始まり、そろそろ解禁としたい。
・常在型能力 - 発掘による猛烈な墓地肥やしが止まらない。
・誘発型能力 - ナルコメーバ、イチョリッド、恐血鬼そして黄泉からの橋が止まらない。
戦慄の復活や陰謀団式療法を止めることは、なるほどドレッジに急ブレーキをかけ、墓地対策がなければ1:9の相性を5:5あたりまで改善することができるだろう。しかし、それは対策の仕事としては不十分である。
その辺を逆手に取って、自分は墓地を活用しつつ相手の呪文詠唱とかを妨害するデッキが作れないかと考えたが特に思いつかなかった。
ジェスカイメンターを例にとって考察してみよう。現在のマナベースがこんな感じ。
1次フェッチ:島はもちろん、サイドボードに置いてあるデッキカラーの基本土地にもアクセス可能。
・Flooded Strand
・Scalding Tarn
2次フェッチ:島含め、メインの土地全てにアクセス可能。
・Misty Rainforest
・Polluted Delta
3次フェッチ:島を除くメインの土地全て(=デュアラン)及びサイドボードに置いてあるデッキカラーの基本土地にアクセス可能。
・Arid Mesa
4次フェッチ:デュアランの一方のみにアクセス可能。
・Bloodstained Mire
・Wooded Foothills
・Marsh Flats
・Windswept Heath
5次フェッチ:無能
・Verdant Catacombs
1次と2次にはそれほど差はない。3次はちょっと落ちるがプレイアブルの範疇。4次以降はspyglass回避より事故の懸念のほうが大きいだろう。
というわけで、マナベースはこうなりそうだ。
6点-常軌を逸した強卡達.多くのデッキで使用が当然視される,メタデッキを作り上げた存在である,それの為だけに色をタッチされる,といった力量を備える.殿堂的な枠として定めたので,恐らく今後のセットで6点を得る卡はほぼないだろう.
5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームやプレイングを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す.
4点-有力なアーキタイプや複数のアーキタイプにおいて大きな役割を果たす卡.または有力なアーキタイプに対する特に有力な対策卡.
3点-有力なアーキタイプにおいて使用を検討される卡.または特定のアーキタイプで大きな役割を果たす卡.
2点-使われることはあるが遭遇率は3点より低い卡.またはサイドボードにおいて使用を検討される卡.
1点ー活躍の可能性が残されている卡.かつて実績があったが,現在使われていない卡.
0点-卡力が低くヴィンテージにおいては存在しえない.
Ashes of the Abhorrentドレッジ対策とみるには、誠に中途半端だ。
1W
Enchantment
Players can’t cast spells from graveyards or activate abilities of cards in graveyards.
Whenever a creature dies, you gain 1 life.
・常在型能力 - 発掘による猛烈な墓地肥やしが止まらない。
・誘発型能力 - ナルコメーバ、イチョリッド、恐血鬼そして黄泉からの橋が止まらない。
戦慄の復活や陰謀団式療法を止めることは、なるほどドレッジに急ブレーキをかけ、墓地対策がなければ1:9の相性を5:5あたりまで改善することができるだろう。しかし、それは対策の仕事としては不十分である。
その辺を逆手に取って、自分は墓地を活用しつつ相手の呪文詠唱とかを妨害するデッキが作れないかと考えたが特に思いつかなかった。
Tocaf’s Honor Guard軽量化した静翼のグリフ。まずグリフがさっぱり使われていないし、現在CIP持ちがそこまで使われていない。Workshopでは先駆のゴーレム、メンターで瞬唱ぐらいのものだろう。環境のデッキ全般に対し広範に効くということもなければ特定のデッキに刺さるということもない。可能性は感じられない。
1W
Creature - Human Soldier
Creatures entering the battlefield don’t cause abilities to trigger.
1/2
Evaporating Melody両面卡のルール変更さえなければデルバーとか奪えたんだがなあ...今のままだと支配魔法か誘惑蒔きの方がよさそう
XUU
Instant
Gain control of target creature with converted mana cost X.
Kopala, Warden of Wavesマーフォークを除去から守ってくれる。コスト増加してフルタップになったところを呪い捕らえできるとキレイに決まる。今のマーフォークは環境の進化についていけてない感がありメタ外だが、モダンならあるいは
1UU
Legendary Creature - Merfolk Wizard
Spells your opponents cast that target a Merfolk you control cost 1 more to cast.
Abilities your opponents activate that target a Merfolk you control cost 1 more to activate.
illus. # ?/269
UNC
2/2
Shaper’s Sanctuary2点ーレオヴォルドの能力を1マナで抜き出したエンチャント。全体除去に乏しいヴィンテージでは、基本的に展開したクリーチャーと同数の除去が必要となる。そこで1ターン目にこれを貼っておけば、展開したクリーチャーを除去されなければやりたい放題でき、除去されてもアドを取れると、どっちみち有利な展開を押し付けられる。あと、歩行バリスタに強い。
G
Enchantment
Whenever a creature you control becomes the target of a spell or ability an opponent controls, you may draw a card.
Hostage Takerヴィンテージ特有のプレイがある。Moxを追放して即座に詠唱することだ。ダクよりいい点として、アンタップで出てくるので1マナキャッシュバックになる。しかし4マナの割に脆いので、クリーチャーのコントロール奪取はそれほどうまくいかないだろう。
2UB
Creature - Human Pirate
When Hostage Taker enters the battlefield, exile target artifact or creature until Hostage Taker leaves the battlefield. You may cast that card for as long as it remains exiled, and you may spend mana as though it were mana of any color to cast that spell.
illus. # ?/269
UNC
2/2
Sorcerous Spyglass5点ー超強い。前は4点としていたが、この2ヶ月考えた結果、5点とした。これまで強さの割に咎めるメカニズムも特になく、便利すぎたフェッチランドだが、ついに天敵が登場した。手札にフェッチがなくても真髄の針として使えるのがよい。特にWorkshopは初手として望ましい1枚である。これを筆頭にロック・ヘイト系デッキにとっては天の配剤となり、その他の多くのデッキ、特に探査に向けたフェッチランドを多用するメンターやPyromancerには訃報となるだろう。またドレッジも巻き添え的被害を被るだろう。それだけではなく、フェッチランドを極力ばらつかせるなど、デッキ構築にも影響を与えることだろう。
2
Artifact
As Sorcerous Spyglass enters the battlefield, look at an opponent’s hand, then choose any card name.
Activated abilities of sources with the chosen name can’t be activated unless they’re mana abilities.
ジェスカイメンターを例にとって考察してみよう。現在のマナベースがこんな感じ。
1 Library of Alexandriaフェッチの内訳は、「3 Flooded Strand 4 Scalding Tarn」が普通だが、ばらつかせるには...
1 Island
3 Tundra
3 Volcanic Island
7 Fetches
1次フェッチ:島はもちろん、サイドボードに置いてあるデッキカラーの基本土地にもアクセス可能。
・Flooded Strand
・Scalding Tarn
2次フェッチ:島含め、メインの土地全てにアクセス可能。
・Misty Rainforest
・Polluted Delta
3次フェッチ:島を除くメインの土地全て(=デュアラン)及びサイドボードに置いてあるデッキカラーの基本土地にアクセス可能。
・Arid Mesa
4次フェッチ:デュアランの一方のみにアクセス可能。
・Bloodstained Mire
・Wooded Foothills
・Marsh Flats
・Windswept Heath
5次フェッチ:無能
・Verdant Catacombs
1次と2次にはそれほど差はない。3次はちょっと落ちるがプレイアブルの範疇。4次以降はspyglass回避より事故の懸念のほうが大きいだろう。
というわけで、マナベースはこうなりそうだ。
2 Flooded Strandそれにしても、こんなのが内定しているなら、Workshopも大胆にメスを入れてよいのでは。
2 Scalding Tarn
1 Misty Rainforest
1 Polluted Delta
1 Arid Mesa
Workshop各論
2017年8月22日 Magic: The Gathering コメント (2)0.本稿における用語
Sphere:呪文のコストを増加させる能力。抵抗の宝球、アメジストのとげ、三なる宝球、磁石のゴーレム。
Workshop:専らアーキタイプをいう。卡については正式名称Mishra’s Workshopと呼ぶ。
1.序
Workshopの支配率は36%に達した。これは磁石のゴーレム制限前に肩を並べる数字であり、制限は不可避の情勢となった。そこでWorkshopのパーツを個別に評し、制限の可能性を追求してみたい。
2.検証基準
・強さ
・採用数(入れるとすれば何枚か)
・採用率
・面白さ/不快さ
・制限による他アーキタイプへの影響(※)
・技量を反映する度合い
※ 公式はこれをB/R選定基準に含めている。 http://mtg-jp.com/publicity/0016665/
以下、卡名右の()内に僕の判断による点数を入れた。
卡名左の☆はすでに制限されている卡。
3.デッキタイプの確認
各論に入る前にWorkshopというアーキタイプの中のデッキタイプには何があるかを確認しておきたい。現在主流なのは次の2デッキタイプだ。
・Ravager Shop - 約90%を占め圧倒的多数。電結の荒廃者を中心に据え、鋳造所の検査官や歩行バリスタ、場合によっては拘束警備車といったカラデシュ・ブロックの戦力を活用する。
・Eldrazi Shop - 10%ほどだが今後伸長する可能性もある。磁石のゴーレムの制限された穴を難題の予見者で埋める試みとして一時試されていたものの、カラデシュ・ブロックを受けたRavager Shopの台頭により忘れ去られていた。しかしMOの英雄Thiimが、現実を砕くものというコロンブスの卵によりMO Challengeを見事優勝してのけたため(http://magic.wizards.com/ja/node/1185346)復権。
この他、かつて存在したものの今は下火となった・淘汰されてしまったデッキタイプとしては次が挙げられる(上ほどアグロ性が強い)。
・Cat Stax
・親和
・Kuldotha MUD
・Terra Nova
・Stax
4.各論
i.マナ
☆Black Lotus(6点) 1*100%
☆Mana Crypt(6点) 1*100%
☆Sol Ring(6点) 1*100%
☆Mox Emerald(6点) 1*100%
☆Mox Jet(6点) 1*100%
☆Mox Pearl(6点) 1*100%
☆Mox Ruby(6点) 1*100%
☆Mox Sapphire(6点) 1*100%
Mishra’s Workshop(6点) 4*100%
全ての根源である。制限卡も(おそらくはPower9も)含めたデッキ内で一番強い卡だが、制限されていない。なぜならMishra’s Workshop制限は同名のアーキタイプそのものの死を意味するためだ...
考えてみれば、今でさえ、Workshopが初手にMishra’s Workshopを引ける確率は40%に満たない。しかし、プレイヤーはMishra’s Workshopが無かったからといってドレッジのように即マリガンする訳ではなく、古えの墳墓とMoxenで構築したマナ基盤をもとに戦う。Mishra’s Workshopのない初手は望ましくはないにしろ特別に不利でもなく、十分に戦えるものだ(そうでなければ、そもそも36%もの支配率を確保することなど到底できないだろう)。このことはメンターと比較してみると一層よくわかる。メンターも僧院の導師の不在を理由にマリガンすることはないが、最終的には膨大なドローによって導師を見つけ、それで勝つデッキだ。僧院の導師が制限になり、安定して引き当てることが不可能となれば、デッキとしての形は保てなくなるだろう(若き紅蓮術士による代替は可能だが、それなら紅蓮術士に最適化されたクロックパーミッションを組めばよい)。Mishra’s Workshopには、こういった事情は当てはまらない。
また、「オースはなぜ勝てなかったのか」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201708080147305457/)で述べたとおり、ロックからストンピィへの方針転換が進むWorkshopは、かつてほど大量のマナ供給を必要としていない。ロックの場合、相手の拘束を最優先とし、その拘束を受けた上で自分のクリーチャーを召喚する必要があるため、潤沢なマナが不可欠だが、ストンピィではクリーチャーを優先的に展開し、相手にフタをする形で拘束を仕掛ければよいので、そこまでのマナはいらない。
個別の卡を見ても、カラデシュで追加された2体の影響は大きい。
鋳造所の検査官 - 1ターン目の展開として理想的であり、コスト全てを軽減してくれる。
歩行バリスタ - トリスケリオンの大幅な軽量化版。
以上のことから考えて、Workshopが制限されたとしても、ストンピィへ一層傾斜させる形でデッキコンセプトは保たれると考えている。それに、他のアーキタイプへの影響も小さい。
とはいえ、その圧倒的な生産力は、ヴィンテージの象徴とも言える。できればMishra’s Workshopそのものは残した解決を見たいところだ。
古えの墳墓/Ancient Tomb(5点) 4*100%
ライフと引き換えに使用制限のない2マナを供給してくれる、登場以来常に一線級にある土地である。しかし、アーティファクトオンリーのこのデッキではMishra’s Workshopの下位互換である。勝るのは次の3シーンに限られる。
1.エルドラージや四肢切断等、非アーティファクト呪文の詠唱
2.起動(カーン等。最近では歩行バリスタ)
3.呪文貫き、カタキ、エネルギー流出等、相手が課してきた追加マナの支払い
Workshop以外でも、エルドラージや面白いところではWorkshop対策としてストーム系がサイドボードに積む等、採用デッキは多い。これを制限してしまうと、そうしたデッキへも大打撃を与えてしまう。
裏切り者の都/City of Traitors(3点) 2*9%
瞬間的に2マナ伸ばしてくれるが、次ターンのセットランドで失われるので、2ターン後からはむしろ減速してしまうデメリットを持つ。
固定パーツの地位を次第に追われてしまった卡だ。その理由として2つ推測していることがある。何はともあれ検討材料として2つのデッキリストを供しよう。7年前のと今のだ。
推測の第2は、ミシュラの工廠の強化だ。2つのデッキはいずれも土地に18枚を割いており、7年前のデッキから裏切り者の都が抜けた2枚分をそのままミシュラの工廠の増量に充てた格好である。そして、工廠の強さは電結の荒廃者と一蓮托生の関係にある。電結の荒廃者は、磁石のゴーレムの登場直後こそFabianのデッキのように不採用のものが増えたが、天敵ダク・フェイデンが現れると、有力な回答として見直され、そして磁石のゴーレムが制限されたことで固定パーツの座に復帰した。電結の荒廃者は、土地ゆえの除去耐性を備えたミシュラの工廠と相性が良い。クリーチャー全てを工廠に託し、オースや突然の衰微、ダクといった妨害を素通りして相手を殴り倒すプレイも可能だ。
そういうわけで今ではあまり見られなくなってしまった裏切り者の都だが、使うデッキはちゃんとある。それはEldrazi shopで、アーティファクト・エルドラージ双方に活用できる貴重なマナベースとして、工廠より優先して採用される。
とはいえ、主流は鋳造所の検査官から電結の荒廃者・歩行バリスタにテンポよく繋いでいくRavager Shopであることに変わりはなく、これも制限の可能性はない。
ミシュラの工廠/Mishra’s Factory(5点) 4*90%
隆盛の原因(と僕が推測するメタ動向)を簡単に復習すると、
ダク登場→対策として電結の荒廃者台頭→好相性の工廠隆盛
Eldrazi Shopを除いたデッキではまず4枚採用されるようになった。Workshopの中でも特に工廠にフィーチャーしたタイプにTerra Novaがある。今では下火になっているが、工廠4枚に変わり谷まで投入し、無のロッドをも投入した一段と強固なロックの下から殴る戦略は高い完成度を持つ。
歴戦の強卡だが、制限したところで変わり谷が3枚入るだけで、弱体化としては誤差に近いものである(流石に変わり谷まで制限はありえないだろう)。また、同じくミシュラの工廠を鍵卡とするデッキにはランドスティル等もあり、巻き添えが気になる。
☆露天鉱床/Strip Mine(6点) 1*100%
不毛の大地/Wasteland(6点) 4*100%
お互いの土地を1枚減らすことは、ターンの経過を1ターン巻き戻すことだ。それは盤面の脅威に対して回答側が必要とするマナへの到達を遠ざけ、その時点での戦況を固定する効果を持つ。しかし不毛をもってしても、「1ターン目の挙動」すなわち手札から土地をセットして即座にキャストされる1マナ呪文(ソープロ等)は阻むことができないのが通常だ。ところがWorkshopの場合、Sphereのプレッシャーと不毛の相乗効果により、1マナ呪文すら許さない状況、言わば1ターン目ではなくゲームスタート以前の0ターン目に押し込むことができる。その一方で自分はMishra’s Workshopの大量マナにより、土地枚数が伸びなくとも脅威を展開できるのだから、これほど上手く不毛を運用できるデッキは他にない。
一般論としても、不毛は非常に存在感が大きく、功罪ともに大きな卡だ。功績は、基本土地の価値を高めていることだ。これはフェッチランド+デュアルランドの超優秀マナベースを擁したエターナル環境において、色拘束を形骸化させることなくデッキパワーとデッキカラー間のトレードオフ関係を保ち、環境に多様性を持たせることに寄与する。一方、時として過度のeasy winをもたらしてしまうのが罪にあたるが、大局的にいって功のほうが遥かに勝る。これを制限すれば、基本土地の価値は僅少となり、皆がデュアルランドを好きなだけ使うようになるだろう。その結果、構築にもプレイングにも技量の差が生じなくなり、マジックの楽しみは損なわれるだろう。
ii.クリーチャー
☆磁石のゴーレム/Lodestone Golem(6点) 1*100%
ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker(5点) 3.9*100%
標準的サイズに加え汎用性の高い能力を持つ。モダン・レガシーでも採用される強力卡だが、最も真価を発揮するのは、Moxという標的をもつヴィンテージである。事実、破棄者はヴィンテージで一番多いクリーチャーなのである(https://www.mtggoldfish.com/format-staples/vintage/full/creatures)。Workshopでデッキタイプを問わず4枚採用されるのはもちろん、白単エルドラージや最近見ないがGW系のHateでも活躍する。こうした実情を踏まえ、点数を5点に引き上げた。かつて「反省会反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201411060234207292/)では、Workshopの中でも破棄者を使わないデッキタイプとしてKuldotha MUDとEspresso Staxを挙げ4点としたが、前者は淘汰され、後者もまた激減したが、その数少ないクリーチャー枠には今や破棄者がある。
Moxを刺せば、単純に相手のマナを-1しつつパワー2のクロックとして運用できるし、時には色事故に追い込むことさえ可能だ。また、PWを封印できるのも頼もしく、特にダクが登場してからは予め刺しておくプレイングが常套手段となった。
このクリーチャーは単純に強く、卡選択の幅を狭めている。他のデッキへの巻き添えは気になるが、制限することでWorkshopのデッキパワーを抑えるとともに、3枚分のスロットをどうするかで多様性が生まれるだろう。まあイクサランで似たようなのが出る見込みだけど...
歩行バリスタ/Walking Ballista(5点)4*90%
「C16とヴィンテージ反省会/AERとヴィンテージ反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201704162116432461/)では4点としたが、強さ・支配率が予想以上だったこと、Bomberman等、青系デッキでも(多くは見られないが)採用可能であること、他フォーマットでも広範な結果を残していることから、5点に見直した。
Workshopにおける除去役として強力だったトリスケリオンがさらに、コストを可変できるのは強力この上なく、制限されてもおかしくないと感じている。制限したとしてもトリスケリオンに戻るだけで、Workshopから除去の機能を奪うことにはならない。
電結の荒廃者/Arcbound Ravager(5点) 4*90%
これも、本稿の執筆にあたって点数を引き上げた卡。4点と採点したのは「MRD DST FDN CHK BOK SOK CSPとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201603270058034923/)においてだが、この時から荒廃者に有利な4つの動向があったためだ。
1.磁石のゴーレムの制限。これにより3枚分のスペースが空いたことで、荒廃者は固定パーツに近い存在となった。
2.Workshop自体のプリズンからストンピィへの変貌。特に鋳造所の検査官が追加されたことでクリーチャーの面展開が多くなったため、戦線の管理を一手に担う荒廃者の手腕がより評価されるようになった。
3.歩行バリスタの登場。荒廃者により、アーティファクト全てをエネルギー弾に変換して最後の数点(場合によっては10点くらい)を削る動きは強力この上ない。トリスケリオンでも同じプレイが可能だが、卡として歩行バリスタの方が高性能である。
4.先駆のゴーレムの再評価。戦場に召喚した後、優先権をパスせずにゴーレム本体を食えば、3/3バニラ2体だけが残り、一網打尽のリスクを消せるため相性が良い。相手のライフによっては、ゴーレム3体を全て食うことで届いてしまうケースもある。
このようなメタ上の追い風により、現在ではEldrazi Shop以外では4枚採用が標準となっている。迎え撃つ側も、石のような静寂や突然のショックといった、他のトップデッキも意識しつつ荒廃者に有効な対策を求めるようになった。
荒廃者はスタンダードの親和でも猛威を振るい、禁止に至った経歴の持ち主でもある。これはマナ基盤を除いたWorkshopのパーツの中では唯一である。荒廃者を制限することで、他のデッキを巻き添えにすることなく、Workshopの柔軟性を他のデッキが除去で太刀打ちできるレベルにまで落とすことができるかもしれない。ただ、生け贄のタイミングについて最適な判断を下すためには、ルールへの精通はもちろんゲームプラン全体を見通す大局観が必要となり、プレイング次第の卡ともいえる。できれば、このような卡は制限されずにあってほしい。
鋳造所の検査官/Foundry Inspector(4点)4*90%
カラデシュからの新参。3マナのマナ加速クリーチャーと言えば金属細工師を連想する。そして、この両者の対比にこそ、Workshopの変遷が凝縮されているものとみる。先程の新旧両デッキを再掲しよう。
2010年のWorkshopは磁石のゴーレムからトリスケリオンまでの重いクリーチャーで勝つ。Workshopのマナ基盤をもってしても、Sphereの影響下で5~6マナを安定供給することは無理であるため、そこで金属細工師で一気にブーストする手法を取る。これが成功した場合、相手は複数の拘束アーティファクトのせいで身動きが取れないまま、巨大クリーチャーの振り下ろす鉄腕の下に絶命するだろう。
一方、今年のクリーチャーは、先駆のゴーレム(5マナ)が最重量級にあるものの、12枚もの2マナクリーチャーを擁しており、検査官経由で1マナとなったこいつらを面展開し、最後にSphereでフタをするのが基本戦略となる。これが成功した場合、相手はいくつかのドローサポートや除去を唱えて延命を図るものの、パワー3の検査官をはじめとする複数の素早いクロックを止めきれず、最後には荒廃者やバリスタに押し込まれるだろう。
検査官は明らかに優秀な卡であり、現在の主流であるRavager Shopの起点として採用率・採用数も申し分ない。またWorkshop以外での採用もない。検査官を制限したならば、おそらくWorkshopの主流はEldrazi Shopに移るだろう。
先駆のゴーレム/Precursor Golem(3点)3.2*90%
「SOM反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201411050422351719/)では1点とした。先駆のゴーレムは登場当初に試されただけで、長く忘却されていたのだ。しかし、固定パーツの地位にあったからみつく鉄線を先駆のゴーレムに差し替える大胆なアイディアが一世を風靡し、この夏はゴーレムにとって灼熱の季節となった。嚆矢となったのは5月20日のMO Challenge(http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-challenge-2017-05-22)だろうか。そこで急遽3点に引き上げたが、今後活躍が定着していくようならさらに加点の可能性もある。
先駆のゴーレムの台頭はメタゲームによるところが大きい。噴出・ギタクシア制限後の新環境ヴィンテージを制し、一強の座を占めたWorkshopにとって、最大の敵は同型である。Workshop同型は鉄に満ちた世界であり、インスタント・ソーサリーは存在しないので、ゴーレムのデメリットは無視でき、5マナにして3体の合計9点クロックという図体のみが評価される。また、公式記事(http://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0019411/)で岩SHOW兄貴が指摘するとおり、磁石のゴーレムとの兼ね合いを気にしなくてよくなった点もあるかもしれない。
採用数は2~4枚。振興のクリーチャーであるため、今は様子見だろう。
さて、ここまでのクリーチャー枠を振り返ってみよう。
1×磁石のゴーレム
4×ファイレクシアの破棄者
----ここまでWorkshop固定(計5枚)----
4×歩行バリスタ
4×電結の荒廃者
4x鋳造所の検査官
2×先駆のゴーレム
----ここまでRavager Shop固定(計19枚)----
Ravager Shopのクリーチャー数は24~25枚だから、残り5~6枚のスロットにプレイヤーの考えが反映されることになる。その候補となるのは、まず3枚目4枚目の先駆のゴーレム。そして以降のクリーチャー達である。
ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph(4点)2.5*60%
全盛期よりやや落ちた卡。理由としては次の4つではないかと考えている。
1.好相性だった磁石のゴーレムが制限された。
2.オース対策というmotivationの縮小。かつてはオースはトップメタにあり、そこから出てくる伝説のクリーチャーをコピーすることで唯一性ルールにより除去できた。今やオースはトップメタとは言えず、2013年7月のルール変更により、このテクニックも通じなくなった。
3.Workshop自体の軽量化。変形者が3+αマナなので、乱暴に言えばコピーする対象が4マナ以上なら強く、2マナ以下なら弱い動きだといえる。
4.トリスケリオンの枠に入った歩行バリスタと相性が悪い。
しかし3.は裏を返せば、難題の予見者や現実を砕くものをコピーできれば万歳ということでもある。採用ぶりを調べると、Eldrazi Shopでは3枚で固定、Ravager Shopでは採用数・採用率とも低めという状況が見えてくる。これらを基に数字を見積もった。
デッキタイプの主役というわけではないので制限は考えなくてもよいであろう。
搭載歩行機械/Hangarback Walker(3点)2.0*25%
Vintage Championship 2015で大々的にデビューした。そして、それが全盛期となり、採用率は漸減傾向にある。このことから「ORGとヴィンテージ反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201509102128409430/)から1点引き下げ、3点とした。
漸減の理由としては、単純にカラデシュ・ブロックで(直前のチャリス・ゴーレム制限による空洞を補って余りあるほどに)大量の新規勢力が参入したため、スロットが追いつかなくなってきたからだろう。それと、個人的な推測ではダクに弱いのも痛かったのではないかと思う(コントロールを奪取された場合、トークンをばらまく死亡誘発は奪った側が行う)。
鋼の監視者/Steel Overseer(2点)4*20%
最近伸びているクリーチャーだ。直近のVintage ChallengeのTOP32を見ると、Workshopは12あった。その中で鋼の監視者を採用したのは5デッキで、搭載歩行機械(2デッキ)を上回った。もともと見かけるクリーチャーではあったが、7月に入ってからの伸びが顕著である。
これは、Ravager Shopの得意とする面展開及び+1/+1カウンターを介したシナジーとの相性の良さを考えれば、ごく納得の行く推移である。また、5月下旬に起こった先駆のゴーレム革命が多くのプレイヤーに受容された結果、先駆同士の睨み合いを打破できる存在として注目が集まったことも追い風ではなかったか。今後の動向によっては点数引き上げもある。
難題の予見者/Thought-Knot Seer(4点)4*10%
現実を砕くもの/Reality Smasher(3点)3.3*8%
エルドラージの中でも傑出した2者。Eldrazi Shopは、マナベースに相当な負荷がありデッキパワーではRavager Shopにやや劣る反面、メタゲーム上の優位がある。
1.Ravager shopや逆説に対し、無のロッドを仕掛けられる。
2.非Workshopのマッチアップにおいて、Eldrazi達はアーティファクト除去を受け付けない。
これらは非Workshopのエルドラージデッキでも中心的役割を果たしているため、制限はない。
iii.ロック
☆三なる宝球/Trinisphere(6点)1*99%
☆虚空の杯/Chalice of the Void(5点)1*100%
抵抗の宝球/Sphere of Resistance(5点)4*100%
アメジストのとげ/Thorn of Amethyst(5点)4*100%
抵抗の宝球は「TMP STH EXOとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201604080025406048/)で採点した4点から引き上げた。なぜなら2.で示した点数基準における「メタゲームやプレイングを変動させうる存在」に該当することに今更ながら気付いたからだ。この2枚の持つコスト増加能力は、ゲームプレイにおいては2つの影響として現れる。
1.単純に詠唱コストへの到達を遅らせる。例えばダク・フェイデンを唱えるための1URを2URにすることで、もう1ターンかかるようになる。その1ターンでこちらは1回殴ることができるし、手札にあればSphereを追加して、さらに1ターン延長させることもできるだろう。
2.軽量呪文の連打にブレーキをかける。影響としてはこちらの方がむしろ大きいだろう。なぜなら
呪文それぞれにSphereが負荷をかけ、2つ唱えれば2マナ、3つ唱えれば3マナと、追加のコストがどんどん増大していくからだ。あれほども優秀なドローやマナ加速に満ちたヴィンテージで、ストームが最強デッキでなく、逆説の支配率が12%程度に甘んじているのは、Sphereが、ゲームプレイ上もメタゲーム上も押さえつけているためだ。
以上、Sphereについて一般論的に述べた。以下では2枚の差異を考察することとしたい。
抵抗の宝球は全てに平等に働く卡であるため、抜け道は存在せず、運用には大量のマナ供給を確保する他にない。逆にそれができるなら抵抗の宝球は最高の卡だ。したがって、Workshopが必ず抵抗の宝球を採用する一方、Workshop以外で抗の宝球を採用するデッキは絶無に近い。Workshopと抵抗の宝球は=で結ばれる。
アメジストのとげはクリーチャーには働かないため、デッキをフルクリーチャーにすることで相手だけ締める戦略が可能であるから、Workshopのみならずヘイトベア系統でも使われる。中でも、アメジストのとげ内蔵クリーチャーであるサリアを主戦力とした白単エルドラージは、まさしく棘能力をテーマとしたデッキといえる。もっとも、これは使われる側もクリーチャーならとげをケアできるということでもあり、クリーチャーであることが1つの+基準になるなど(鋳塊かじり等)影響は抵抗の宝球以上に大きい。
両者の力量・採用数は拮抗しているが、他アーキタイプまで視野を広げると採用率ではアメジストのとげが大きく勝る。白単エルドラージ等の巻き添えを防ぐためにも、制限は抵抗の宝球を優先すべきと考える。
からみつく鉄線/Tangle Wire(3点)4*2%
かつてはロックの仕上げとして重要な卡だったが、先駆のゴーレムに取って代わられ、急激に減少した。mtggoldfishによれば、この1ヶ月にWorkshopが88デッキある中で鉄線を採用したのは2デッキのみである。
この現状を受け、点数を「MMQ NEM PCY INV PLS APCとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201604040011036770/)での5点から3点に降格した。
このように今では見かけることすら珍しくなっており、制限は考えられない。
5.まとめ
以上の考察に基づき、危険性順に制限候補を整理する。
大 抵抗の宝球 ファイレクシアの破棄者
中 歩行バリスタ 電結の荒廃者
小 アメジストのとげ 鋳造所の検査官 Mishra’s Workshop
6.制限の先へ
何らかの制限によりWorkshopが力を落とせば、待っているのはおそらくメンターと逆説の時代だろう。しかし、これらによる寡占的は、Workshopによる一極体制ほどには深刻な懸念とならないと考えている。なぜなら、全ての根源であるマナを支配するというWorkshopの特殊性により、対策を講じても詠唱自体を封じてしまうため、環境の自浄作用は期待できない。一方、この先例えばメンターが飛び抜けたトップメタになったとしても、硫黄の精霊や夜の戦慄といった専用の対策を講じることで、アンチデッキは成立できるだろう。
Sphere:呪文のコストを増加させる能力。抵抗の宝球、アメジストのとげ、三なる宝球、磁石のゴーレム。
Workshop:専らアーキタイプをいう。卡については正式名称Mishra’s Workshopと呼ぶ。
1.序
Workshopの支配率は36%に達した。これは磁石のゴーレム制限前に肩を並べる数字であり、制限は不可避の情勢となった。そこでWorkshopのパーツを個別に評し、制限の可能性を追求してみたい。
2.検証基準
・強さ
・採用数(入れるとすれば何枚か)
・採用率
・面白さ/不快さ
・制限による他アーキタイプへの影響(※)
・技量を反映する度合い
※ 公式はこれをB/R選定基準に含めている。 http://mtg-jp.com/publicity/0016665/
以下、卡名右の()内に僕の判断による点数を入れた。
6点-常軌を逸した強卡達.多くのデッキで使用が当然視される,メタデッキを作り上げた存在である,それの為だけに色をタッチされる,といった力量を備える.殿堂的な枠として定めたので,恐らく今後のセットで6点を得る卡はほぼないだろう.またmtggoldfishを参考に、大凡の採用枚数*採用率を記す。
5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームやプレイングを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す.
4点-有力なアーキタイプや複数のアーキタイプにおいて大きな役割を果たす卡.または有力なアーキタイプに対する特に有力な対策卡.
3点-有力なアーキタイプにおいて使用を検討される卡.または特定のアーキタイプで大きな役割を果たす卡.
2点-使われることはあるが遭遇率は3点より低い卡.またはサイドボードにおいて使用を検討される卡.
1点ー活躍の可能性が残されている卡.かつて実績があったが,現在使われていない卡.
0点-卡力が低くヴィンテージにおいては存在しえない.
卡名左の☆はすでに制限されている卡。
3.デッキタイプの確認
各論に入る前にWorkshopというアーキタイプの中のデッキタイプには何があるかを確認しておきたい。現在主流なのは次の2デッキタイプだ。
・Ravager Shop - 約90%を占め圧倒的多数。電結の荒廃者を中心に据え、鋳造所の検査官や歩行バリスタ、場合によっては拘束警備車といったカラデシュ・ブロックの戦力を活用する。
・Eldrazi Shop - 10%ほどだが今後伸長する可能性もある。磁石のゴーレムの制限された穴を難題の予見者で埋める試みとして一時試されていたものの、カラデシュ・ブロックを受けたRavager Shopの台頭により忘れ去られていた。しかしMOの英雄Thiimが、現実を砕くものというコロンブスの卵によりMO Challengeを見事優勝してのけたため(http://magic.wizards.com/ja/node/1185346)復権。
この他、かつて存在したものの今は下火となった・淘汰されてしまったデッキタイプとしては次が挙げられる(上ほどアグロ性が強い)。
・Cat Stax
・親和
・Kuldotha MUD
・Terra Nova
・Stax
4.各論
i.マナ
☆Black Lotus(6点) 1*100%
☆Mana Crypt(6点) 1*100%
☆Sol Ring(6点) 1*100%
☆Mox Emerald(6点) 1*100%
☆Mox Jet(6点) 1*100%
☆Mox Pearl(6点) 1*100%
☆Mox Ruby(6点) 1*100%
☆Mox Sapphire(6点) 1*100%
Mishra’s Workshop(6点) 4*100%
全ての根源である。制限卡も(おそらくはPower9も)含めたデッキ内で一番強い卡だが、制限されていない。なぜならMishra’s Workshop制限は同名のアーキタイプそのものの死を意味するためだ...
私たちは、不均衡なメタゲームを監視し続けています。特に、《Mishra’s Workshop》系のデッキは今でもかなり多すぎ、トーナメントのメタゲームを破壊しています。この問題はその名前となっているカードを禁止することで解決できるかもしれませんが、私たちは可能ならばそのデッキをトーナメント・レベルに保ち、一方でその頻度はフォーマットがより多様性を持つ程度にしたいと思っています。《磁石のゴーレム》は、一方的なゲームを引き起こしています。このカードが《Mishra’s Workshop》デッキに1枚しか入らないようにすることで、デッキの強度は適当なレベルまで引き下げられることを期待しています。この理由から、《磁石のゴーレム》を制限します。...との公式見解に同調し、「ヴィンテージ制限リスト考」ではそれに従う主張を述べた(http://bagupokemon.diarynote.jp/201707081553575001/)。しかし、今ではMishra’s Workshopを制限しても、アーキタイプへの影響は大幅弱体化に留まり、崩壊までは行かないのではと思っている。
考えてみれば、今でさえ、Workshopが初手にMishra’s Workshopを引ける確率は40%に満たない。しかし、プレイヤーはMishra’s Workshopが無かったからといってドレッジのように即マリガンする訳ではなく、古えの墳墓とMoxenで構築したマナ基盤をもとに戦う。Mishra’s Workshopのない初手は望ましくはないにしろ特別に不利でもなく、十分に戦えるものだ(そうでなければ、そもそも36%もの支配率を確保することなど到底できないだろう)。このことはメンターと比較してみると一層よくわかる。メンターも僧院の導師の不在を理由にマリガンすることはないが、最終的には膨大なドローによって導師を見つけ、それで勝つデッキだ。僧院の導師が制限になり、安定して引き当てることが不可能となれば、デッキとしての形は保てなくなるだろう(若き紅蓮術士による代替は可能だが、それなら紅蓮術士に最適化されたクロックパーミッションを組めばよい)。Mishra’s Workshopには、こういった事情は当てはまらない。
また、「オースはなぜ勝てなかったのか」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201708080147305457/)で述べたとおり、ロックからストンピィへの方針転換が進むWorkshopは、かつてほど大量のマナ供給を必要としていない。ロックの場合、相手の拘束を最優先とし、その拘束を受けた上で自分のクリーチャーを召喚する必要があるため、潤沢なマナが不可欠だが、ストンピィではクリーチャーを優先的に展開し、相手にフタをする形で拘束を仕掛ければよいので、そこまでのマナはいらない。
個別の卡を見ても、カラデシュで追加された2体の影響は大きい。
鋳造所の検査官 - 1ターン目の展開として理想的であり、コスト全てを軽減してくれる。
歩行バリスタ - トリスケリオンの大幅な軽量化版。
以上のことから考えて、Workshopが制限されたとしても、ストンピィへ一層傾斜させる形でデッキコンセプトは保たれると考えている。それに、他のアーキタイプへの影響も小さい。
とはいえ、その圧倒的な生産力は、ヴィンテージの象徴とも言える。できればMishra’s Workshopそのものは残した解決を見たいところだ。
古えの墳墓/Ancient Tomb(5点) 4*100%
ライフと引き換えに使用制限のない2マナを供給してくれる、登場以来常に一線級にある土地である。しかし、アーティファクトオンリーのこのデッキではMishra’s Workshopの下位互換である。勝るのは次の3シーンに限られる。
1.エルドラージや四肢切断等、非アーティファクト呪文の詠唱
2.起動(カーン等。最近では歩行バリスタ)
3.呪文貫き、カタキ、エネルギー流出等、相手が課してきた追加マナの支払い
Workshop以外でも、エルドラージや面白いところではWorkshop対策としてストーム系がサイドボードに積む等、採用デッキは多い。これを制限してしまうと、そうしたデッキへも大打撃を与えてしまう。
裏切り者の都/City of Traitors(3点) 2*9%
瞬間的に2マナ伸ばしてくれるが、次ターンのセットランドで失われるので、2ターン後からはむしろ減速してしまうデメリットを持つ。
固定パーツの地位を次第に追われてしまった卡だ。その理由として2つ推測していることがある。何はともあれ検討材料として2つのデッキリストを供しよう。7年前のと今のだ。
BOM4 1st - Fabian Moyschewitz
4 Triskelion
4 Lodestone Golem
4 Metalworker
3 Karn, Silver Golem
4 Tangle Wire
4 Chalice of the Void
4 Sphere of Resistance
4 Thorn of Amethyst
2 Sword of Fire and Ice
1 Black Lotus
1 Sol Ring
1 Mana Crypt
1 Mana Vault
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Sapphire
1 Mox Ruby
1 Mox Pearl
1 Tolarian Academy
2 Mishra’s Factory
2 City of Traitors
4 Wasteland
1 Strip Mine
4 Mishra’s Workshop
4 Ancient Tomb
MO Challenge 08/12/2017 1st - DAZAI推測の第1は単純に軽量化したことで、双方のbusiness部分のコストを合計してみると、前者が101、後者(歩行バリスタはX=1換算)が88となる。それゆえ、デメリットを背負ってまで裏切り者の都を入れる理由が乏しくなったのではないかというものだ。
Creature (24)
4 Arcbound Ravager
4 Foundry Inspector
1 Lodestone Golem
3 Phyrexian Metamorph
4 Phyrexian Revoker
4 Precursor Golem
4 Walking Ballista
1 Black Lotus
1 Chalice of the Void
1 Mana Crypt
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Sol Ring
4 Sphere of Resistance
4 Thorn of Amethyst
1 Trinisphere
4 Ancient Tomb
4 Mishra’s Factory
4 Mishra’s Workshop
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
4 Wasteland
推測の第2は、ミシュラの工廠の強化だ。2つのデッキはいずれも土地に18枚を割いており、7年前のデッキから裏切り者の都が抜けた2枚分をそのままミシュラの工廠の増量に充てた格好である。そして、工廠の強さは電結の荒廃者と一蓮托生の関係にある。電結の荒廃者は、磁石のゴーレムの登場直後こそFabianのデッキのように不採用のものが増えたが、天敵ダク・フェイデンが現れると、有力な回答として見直され、そして磁石のゴーレムが制限されたことで固定パーツの座に復帰した。電結の荒廃者は、土地ゆえの除去耐性を備えたミシュラの工廠と相性が良い。クリーチャー全てを工廠に託し、オースや突然の衰微、ダクといった妨害を素通りして相手を殴り倒すプレイも可能だ。
そういうわけで今ではあまり見られなくなってしまった裏切り者の都だが、使うデッキはちゃんとある。それはEldrazi shopで、アーティファクト・エルドラージ双方に活用できる貴重なマナベースとして、工廠より優先して採用される。
とはいえ、主流は鋳造所の検査官から電結の荒廃者・歩行バリスタにテンポよく繋いでいくRavager Shopであることに変わりはなく、これも制限の可能性はない。
ミシュラの工廠/Mishra’s Factory(5点) 4*90%
隆盛の原因(と僕が推測するメタ動向)を簡単に復習すると、
ダク登場→対策として電結の荒廃者台頭→好相性の工廠隆盛
Eldrazi Shopを除いたデッキではまず4枚採用されるようになった。Workshopの中でも特に工廠にフィーチャーしたタイプにTerra Novaがある。今では下火になっているが、工廠4枚に変わり谷まで投入し、無のロッドをも投入した一段と強固なロックの下から殴る戦略は高い完成度を持つ。
歴戦の強卡だが、制限したところで変わり谷が3枚入るだけで、弱体化としては誤差に近いものである(流石に変わり谷まで制限はありえないだろう)。また、同じくミシュラの工廠を鍵卡とするデッキにはランドスティル等もあり、巻き添えが気になる。
☆露天鉱床/Strip Mine(6点) 1*100%
不毛の大地/Wasteland(6点) 4*100%
お互いの土地を1枚減らすことは、ターンの経過を1ターン巻き戻すことだ。それは盤面の脅威に対して回答側が必要とするマナへの到達を遠ざけ、その時点での戦況を固定する効果を持つ。しかし不毛をもってしても、「1ターン目の挙動」すなわち手札から土地をセットして即座にキャストされる1マナ呪文(ソープロ等)は阻むことができないのが通常だ。ところがWorkshopの場合、Sphereのプレッシャーと不毛の相乗効果により、1マナ呪文すら許さない状況、言わば1ターン目ではなくゲームスタート以前の0ターン目に押し込むことができる。その一方で自分はMishra’s Workshopの大量マナにより、土地枚数が伸びなくとも脅威を展開できるのだから、これほど上手く不毛を運用できるデッキは他にない。
一般論としても、不毛は非常に存在感が大きく、功罪ともに大きな卡だ。功績は、基本土地の価値を高めていることだ。これはフェッチランド+デュアルランドの超優秀マナベースを擁したエターナル環境において、色拘束を形骸化させることなくデッキパワーとデッキカラー間のトレードオフ関係を保ち、環境に多様性を持たせることに寄与する。一方、時として過度のeasy winをもたらしてしまうのが罪にあたるが、大局的にいって功のほうが遥かに勝る。これを制限すれば、基本土地の価値は僅少となり、皆がデュアルランドを好きなだけ使うようになるだろう。その結果、構築にもプレイングにも技量の差が生じなくなり、マジックの楽しみは損なわれるだろう。
ii.クリーチャー
☆磁石のゴーレム/Lodestone Golem(6点) 1*100%
ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker(5点) 3.9*100%
標準的サイズに加え汎用性の高い能力を持つ。モダン・レガシーでも採用される強力卡だが、最も真価を発揮するのは、Moxという標的をもつヴィンテージである。事実、破棄者はヴィンテージで一番多いクリーチャーなのである(https://www.mtggoldfish.com/format-staples/vintage/full/creatures)。Workshopでデッキタイプを問わず4枚採用されるのはもちろん、白単エルドラージや最近見ないがGW系のHateでも活躍する。こうした実情を踏まえ、点数を5点に引き上げた。かつて「反省会反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201411060234207292/)では、Workshopの中でも破棄者を使わないデッキタイプとしてKuldotha MUDとEspresso Staxを挙げ4点としたが、前者は淘汰され、後者もまた激減したが、その数少ないクリーチャー枠には今や破棄者がある。
Moxを刺せば、単純に相手のマナを-1しつつパワー2のクロックとして運用できるし、時には色事故に追い込むことさえ可能だ。また、PWを封印できるのも頼もしく、特にダクが登場してからは予め刺しておくプレイングが常套手段となった。
このクリーチャーは単純に強く、卡選択の幅を狭めている。他のデッキへの巻き添えは気になるが、制限することでWorkshopのデッキパワーを抑えるとともに、3枚分のスロットをどうするかで多様性が生まれるだろう。まあイクサランで似たようなのが出る見込みだけど...
歩行バリスタ/Walking Ballista(5点)4*90%
「C16とヴィンテージ反省会/AERとヴィンテージ反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201704162116432461/)では4点としたが、強さ・支配率が予想以上だったこと、Bomberman等、青系デッキでも(多くは見られないが)採用可能であること、他フォーマットでも広範な結果を残していることから、5点に見直した。
Workshopにおける除去役として強力だったトリスケリオンがさらに、コストを可変できるのは強力この上なく、制限されてもおかしくないと感じている。制限したとしてもトリスケリオンに戻るだけで、Workshopから除去の機能を奪うことにはならない。
電結の荒廃者/Arcbound Ravager(5点) 4*90%
これも、本稿の執筆にあたって点数を引き上げた卡。4点と採点したのは「MRD DST FDN CHK BOK SOK CSPとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201603270058034923/)においてだが、この時から荒廃者に有利な4つの動向があったためだ。
1.磁石のゴーレムの制限。これにより3枚分のスペースが空いたことで、荒廃者は固定パーツに近い存在となった。
2.Workshop自体のプリズンからストンピィへの変貌。特に鋳造所の検査官が追加されたことでクリーチャーの面展開が多くなったため、戦線の管理を一手に担う荒廃者の手腕がより評価されるようになった。
3.歩行バリスタの登場。荒廃者により、アーティファクト全てをエネルギー弾に変換して最後の数点(場合によっては10点くらい)を削る動きは強力この上ない。トリスケリオンでも同じプレイが可能だが、卡として歩行バリスタの方が高性能である。
4.先駆のゴーレムの再評価。戦場に召喚した後、優先権をパスせずにゴーレム本体を食えば、3/3バニラ2体だけが残り、一網打尽のリスクを消せるため相性が良い。相手のライフによっては、ゴーレム3体を全て食うことで届いてしまうケースもある。
このようなメタ上の追い風により、現在ではEldrazi Shop以外では4枚採用が標準となっている。迎え撃つ側も、石のような静寂や突然のショックといった、他のトップデッキも意識しつつ荒廃者に有効な対策を求めるようになった。
荒廃者はスタンダードの親和でも猛威を振るい、禁止に至った経歴の持ち主でもある。これはマナ基盤を除いたWorkshopのパーツの中では唯一である。荒廃者を制限することで、他のデッキを巻き添えにすることなく、Workshopの柔軟性を他のデッキが除去で太刀打ちできるレベルにまで落とすことができるかもしれない。ただ、生け贄のタイミングについて最適な判断を下すためには、ルールへの精通はもちろんゲームプラン全体を見通す大局観が必要となり、プレイング次第の卡ともいえる。できれば、このような卡は制限されずにあってほしい。
鋳造所の検査官/Foundry Inspector(4点)4*90%
カラデシュからの新参。3マナのマナ加速クリーチャーと言えば金属細工師を連想する。そして、この両者の対比にこそ、Workshopの変遷が凝縮されているものとみる。先程の新旧両デッキを再掲しよう。
BOM4 1st - Fabian Moyschewitz
4 Triskelion
4 Lodestone Golem
4 Metalworker
3 Karn, Silver Golem
4 Tangle Wire
4 Chalice of the Void
4 Sphere of Resistance
4 Thorn of Amethyst
2 Sword of Fire and Ice
1 Black Lotus
1 Sol Ring
1 Mana Crypt
1 Mana Vault
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Sapphire
1 Mox Ruby
1 Mox Pearl
1 Tolarian Academy
2 Mishra’s Factory
2 City of Traitors
4 Wasteland
1 Strip Mine
4 Mishra’s Workshop
4 Ancient Tomb
MO Challenge 08/12/2017 1st - DAZAIコスト合計値の軽量化については既に触れたが、その中でもクリーチャー部分の軽量化が印象的だ。
Creature (24)
4 Arcbound Ravager
4 Foundry Inspector
1 Lodestone Golem
3 Phyrexian Metamorph
4 Phyrexian Revoker
4 Precursor Golem
4 Walking Ballista
1 Black Lotus
1 Chalice of the Void
1 Mana Crypt
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Sol Ring
4 Sphere of Resistance
4 Thorn of Amethyst
1 Trinisphere
4 Ancient Tomb
4 Mishra’s Factory
4 Mishra’s Workshop
1 Strip Mine
1 Tolarian Academy
4 Wasteland
2010年のWorkshopは磁石のゴーレムからトリスケリオンまでの重いクリーチャーで勝つ。Workshopのマナ基盤をもってしても、Sphereの影響下で5~6マナを安定供給することは無理であるため、そこで金属細工師で一気にブーストする手法を取る。これが成功した場合、相手は複数の拘束アーティファクトのせいで身動きが取れないまま、巨大クリーチャーの振り下ろす鉄腕の下に絶命するだろう。
一方、今年のクリーチャーは、先駆のゴーレム(5マナ)が最重量級にあるものの、12枚もの2マナクリーチャーを擁しており、検査官経由で1マナとなったこいつらを面展開し、最後にSphereでフタをするのが基本戦略となる。これが成功した場合、相手はいくつかのドローサポートや除去を唱えて延命を図るものの、パワー3の検査官をはじめとする複数の素早いクロックを止めきれず、最後には荒廃者やバリスタに押し込まれるだろう。
検査官は明らかに優秀な卡であり、現在の主流であるRavager Shopの起点として採用率・採用数も申し分ない。またWorkshop以外での採用もない。検査官を制限したならば、おそらくWorkshopの主流はEldrazi Shopに移るだろう。
先駆のゴーレム/Precursor Golem(3点)3.2*90%
「SOM反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201411050422351719/)では1点とした。先駆のゴーレムは登場当初に試されただけで、長く忘却されていたのだ。しかし、固定パーツの地位にあったからみつく鉄線を先駆のゴーレムに差し替える大胆なアイディアが一世を風靡し、この夏はゴーレムにとって灼熱の季節となった。嚆矢となったのは5月20日のMO Challenge(http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-challenge-2017-05-22)だろうか。そこで急遽3点に引き上げたが、今後活躍が定着していくようならさらに加点の可能性もある。
先駆のゴーレムの台頭はメタゲームによるところが大きい。噴出・ギタクシア制限後の新環境ヴィンテージを制し、一強の座を占めたWorkshopにとって、最大の敵は同型である。Workshop同型は鉄に満ちた世界であり、インスタント・ソーサリーは存在しないので、ゴーレムのデメリットは無視でき、5マナにして3体の合計9点クロックという図体のみが評価される。また、公式記事(http://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0019411/)で岩SHOW兄貴が指摘するとおり、磁石のゴーレムとの兼ね合いを気にしなくてよくなった点もあるかもしれない。
採用数は2~4枚。振興のクリーチャーであるため、今は様子見だろう。
さて、ここまでのクリーチャー枠を振り返ってみよう。
1×磁石のゴーレム
4×ファイレクシアの破棄者
----ここまでWorkshop固定(計5枚)----
4×歩行バリスタ
4×電結の荒廃者
4x鋳造所の検査官
2×先駆のゴーレム
----ここまでRavager Shop固定(計19枚)----
Ravager Shopのクリーチャー数は24~25枚だから、残り5~6枚のスロットにプレイヤーの考えが反映されることになる。その候補となるのは、まず3枚目4枚目の先駆のゴーレム。そして以降のクリーチャー達である。
ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph(4点)2.5*60%
全盛期よりやや落ちた卡。理由としては次の4つではないかと考えている。
1.好相性だった磁石のゴーレムが制限された。
2.オース対策というmotivationの縮小。かつてはオースはトップメタにあり、そこから出てくる伝説のクリーチャーをコピーすることで唯一性ルールにより除去できた。今やオースはトップメタとは言えず、2013年7月のルール変更により、このテクニックも通じなくなった。
3.Workshop自体の軽量化。変形者が3+αマナなので、乱暴に言えばコピーする対象が4マナ以上なら強く、2マナ以下なら弱い動きだといえる。
4.トリスケリオンの枠に入った歩行バリスタと相性が悪い。
しかし3.は裏を返せば、難題の予見者や現実を砕くものをコピーできれば万歳ということでもある。採用ぶりを調べると、Eldrazi Shopでは3枚で固定、Ravager Shopでは採用数・採用率とも低めという状況が見えてくる。これらを基に数字を見積もった。
デッキタイプの主役というわけではないので制限は考えなくてもよいであろう。
搭載歩行機械/Hangarback Walker(3点)2.0*25%
Vintage Championship 2015で大々的にデビューした。そして、それが全盛期となり、採用率は漸減傾向にある。このことから「ORGとヴィンテージ反省会」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201509102128409430/)から1点引き下げ、3点とした。
漸減の理由としては、単純にカラデシュ・ブロックで(直前のチャリス・ゴーレム制限による空洞を補って余りあるほどに)大量の新規勢力が参入したため、スロットが追いつかなくなってきたからだろう。それと、個人的な推測ではダクに弱いのも痛かったのではないかと思う(コントロールを奪取された場合、トークンをばらまく死亡誘発は奪った側が行う)。
鋼の監視者/Steel Overseer(2点)4*20%
最近伸びているクリーチャーだ。直近のVintage ChallengeのTOP32を見ると、Workshopは12あった。その中で鋼の監視者を採用したのは5デッキで、搭載歩行機械(2デッキ)を上回った。もともと見かけるクリーチャーではあったが、7月に入ってからの伸びが顕著である。
これは、Ravager Shopの得意とする面展開及び+1/+1カウンターを介したシナジーとの相性の良さを考えれば、ごく納得の行く推移である。また、5月下旬に起こった先駆のゴーレム革命が多くのプレイヤーに受容された結果、先駆同士の睨み合いを打破できる存在として注目が集まったことも追い風ではなかったか。今後の動向によっては点数引き上げもある。
難題の予見者/Thought-Knot Seer(4点)4*10%
現実を砕くもの/Reality Smasher(3点)3.3*8%
エルドラージの中でも傑出した2者。Eldrazi Shopは、マナベースに相当な負荷がありデッキパワーではRavager Shopにやや劣る反面、メタゲーム上の優位がある。
1.Ravager shopや逆説に対し、無のロッドを仕掛けられる。
2.非Workshopのマッチアップにおいて、Eldrazi達はアーティファクト除去を受け付けない。
これらは非Workshopのエルドラージデッキでも中心的役割を果たしているため、制限はない。
iii.ロック
☆三なる宝球/Trinisphere(6点)1*99%
☆虚空の杯/Chalice of the Void(5点)1*100%
抵抗の宝球/Sphere of Resistance(5点)4*100%
アメジストのとげ/Thorn of Amethyst(5点)4*100%
抵抗の宝球は「TMP STH EXOとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201604080025406048/)で採点した4点から引き上げた。なぜなら2.で示した点数基準における「メタゲームやプレイングを変動させうる存在」に該当することに今更ながら気付いたからだ。この2枚の持つコスト増加能力は、ゲームプレイにおいては2つの影響として現れる。
1.単純に詠唱コストへの到達を遅らせる。例えばダク・フェイデンを唱えるための1URを2URにすることで、もう1ターンかかるようになる。その1ターンでこちらは1回殴ることができるし、手札にあればSphereを追加して、さらに1ターン延長させることもできるだろう。
2.軽量呪文の連打にブレーキをかける。影響としてはこちらの方がむしろ大きいだろう。なぜなら
呪文それぞれにSphereが負荷をかけ、2つ唱えれば2マナ、3つ唱えれば3マナと、追加のコストがどんどん増大していくからだ。あれほども優秀なドローやマナ加速に満ちたヴィンテージで、ストームが最強デッキでなく、逆説の支配率が12%程度に甘んじているのは、Sphereが、ゲームプレイ上もメタゲーム上も押さえつけているためだ。
以上、Sphereについて一般論的に述べた。以下では2枚の差異を考察することとしたい。
抵抗の宝球は全てに平等に働く卡であるため、抜け道は存在せず、運用には大量のマナ供給を確保する他にない。逆にそれができるなら抵抗の宝球は最高の卡だ。したがって、Workshopが必ず抵抗の宝球を採用する一方、Workshop以外で抗の宝球を採用するデッキは絶無に近い。Workshopと抵抗の宝球は=で結ばれる。
アメジストのとげはクリーチャーには働かないため、デッキをフルクリーチャーにすることで相手だけ締める戦略が可能であるから、Workshopのみならずヘイトベア系統でも使われる。中でも、アメジストのとげ内蔵クリーチャーであるサリアを主戦力とした白単エルドラージは、まさしく棘能力をテーマとしたデッキといえる。もっとも、これは使われる側もクリーチャーならとげをケアできるということでもあり、クリーチャーであることが1つの+基準になるなど(鋳塊かじり等)影響は抵抗の宝球以上に大きい。
両者の力量・採用数は拮抗しているが、他アーキタイプまで視野を広げると採用率ではアメジストのとげが大きく勝る。白単エルドラージ等の巻き添えを防ぐためにも、制限は抵抗の宝球を優先すべきと考える。
からみつく鉄線/Tangle Wire(3点)4*2%
かつてはロックの仕上げとして重要な卡だったが、先駆のゴーレムに取って代わられ、急激に減少した。mtggoldfishによれば、この1ヶ月にWorkshopが88デッキある中で鉄線を採用したのは2デッキのみである。
この現状を受け、点数を「MMQ NEM PCY INV PLS APCとヴィンテージ」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201604040011036770/)での5点から3点に降格した。
このように今では見かけることすら珍しくなっており、制限は考えられない。
5.まとめ
以上の考察に基づき、危険性順に制限候補を整理する。
大 抵抗の宝球 ファイレクシアの破棄者
中 歩行バリスタ 電結の荒廃者
小 アメジストのとげ 鋳造所の検査官 Mishra’s Workshop
6.制限の先へ
何らかの制限によりWorkshopが力を落とせば、待っているのはおそらくメンターと逆説の時代だろう。しかし、これらによる寡占的は、Workshopによる一極体制ほどには深刻な懸念とならないと考えている。なぜなら、全ての根源であるマナを支配するというWorkshopの特殊性により、対策を講じても詠唱自体を封じてしまうため、環境の自浄作用は期待できない。一方、この先例えばメンターが飛び抜けたトップメタになったとしても、硫黄の精霊や夜の戦慄といった専用の対策を講じることで、アンチデッキは成立できるだろう。
C17とヴィンテージ2 フルスポイラー
2017年8月11日 Magic: The GatheringTeferi’s Protection1ターン自分とパーマネントが無敵化する、驚くべき防御インスタントだ。フェイジングのルール変更によりトークンが消滅しないことになったので、モンクの大軍を守るのに向いている。他にもストームに対して1ターンを得るなど、様々な使い道があるだろう。が、構えるインスタントで3マナは重すぎる。
2W
Instant
Until your next turn, your life total can’t change and you have protection from everything. All permanents you control phase out. (While they’re phased out, they’re treated as though they don’t exist. They phase in before you untap during your untap step.)
Exile Teferi’s Protection.
Kheru Mind-Eaterディミーアの巾着切りが使われていない以上、コイツも目なしと思われるところだが、マナコストに違いがある。デーモンストンピィにおいて、古えの墳墓から2ターン目に召喚できるのだ。まぁヴィンテージでは通用しないだろうがレガシーでは稀に見られるデッキだ...
2B
Creature - Vampire
Menace
Whenever Kheru Mind-Eater deals combat damage to a player, that player exiles a card from his or hand face down.
You may look at and play cards exiled with Kheru Mind-Eater.
illus. Igor Kieryluk # 17/56
C&D SRC
1/3
Kess, Dissdent Mage2点ーKessは毎ターン1枚ずつ墓地の呪文にアクセスすることで、毎ターン+1枚のアドバンテージを獲得でき、それは単純な1枚ドローよりもいくらか高品質なものである。その点では、毎ターンブレストをプレイできる神ジェイスにも比肩しうる。-1のバウンスが無い代わりに3/4飛行という肉体を得たのが差別化である。メリット・デメリットを比較衡量してみよう。
1UBR
Legendary Creature - Human Wizard
Flying
During each of your turns, you may cast an instant or sorcery card from your graveyard. If a card cast this way would be put into your graveyard this turn, exile it instead.
"Loss has no meaning here. You cannot take from those who have nothing."
illus. Izzy # 39/56
C&D SRC
3/4
メリット:
・Ancestral Recall、Time Walk、Demonic Tutor等の超強力卡を唱えることでジェイス0より強くなる
・攻撃しながらアドを稼げる
・プレイヤーを守りながらアドを稼げる
デメリット:
・墓地対策の影響を受ける
・召喚ターンにすぐ呪文を唱えるのは厳しい(噴出・ギタクシア制限後は特に)
・墓地に呪文がなかったり、あってもカウンターや適切な対象のない除去だったりで毎ターンアドとは保証されていない
・クリーチャー除去を受ける
・CIP持ちとのシナジーがない
やはり神ジェイスに軍配が上がるようだ。しかしVault Control等のデッキでは、Kessにも採用の余地があるのではないか。
もう1つ考えられるのはオースへの起用だ。こんなの出すくらいならグリセルブランドで14ドローしたら良いではないかと感じるところだが、墓地に落ちたTime Walkを唱えてお代わりでき、さらに呪文をもう1つ唱えられる。このようにKessを間に挟むことでクリーチャーの頭数を減らせ、先日の記事(http://bagupokemon.diarynote.jp/201708080147305457/)で指摘したような、荒廃者によるすり抜け戦法に強くなる。また、4マナはhardcastも可能なコストであり、オースを引けない場合の保険になる。
さらにMoatのフィニッシャーというのも考えたが、色が合わなすぎるので見送り。
Taigam, Ojutai Master1点ー非常に優秀なクリーチャーだ。既存の卡ではテフェリー(ヴィンテージでも1年に1回くらいの頻度で見る)が近く、瞬速がない代わりに1マナ軽いと考えれば、コストはreasonableと認められる。そこに反復付与の誘発型能力までついている。
2WU
Legendary Creature - Human Monk
Instant, sorcery, and Dragon spells you control can’t be countered by spells or abilities.
Whenever you cast an instant or sorcery spell from your hand, if Taigam, Ojutai Master attacked this turn, that spell gains rebound. (Exile the spell as it resolves. At the beginning of your next upkeep, you may cast that card from exile without paying its mana cost.)
illus. Simon Dominic # 46/56
C&D
3/4
では、ヴィンテージにおける青白のアーキタイプを書き出して検証してみよう。
・メンター トップメタの一角。このデッキにおいて、テイガムはなかなかの働きをしてくれるだろう。最も強力なムーヴは、導師と並べることにより実現される「打ち消されない呪文でトークン増殖→次のターンの反復で強化」という大盤振る舞いで、オーバーキルな程の強さである。ただ、4マナと若干重いこともあって、今の洗練された60枚のリストから「これを抜いてテイガムに差し替えたい」と思うような卡が見当たらないというのが正直な気持ちだ。導師とそれほど差別化されてないのも辛い点か。最近めっきり見なくなったが、1年くらい前までは龍王を1枚挿しする構築がまれに見られ、それらは導師に対して補完的な性能をもっていた。共に制空権を持つほか、オジュタイはトップデックで強く、ドロモカは不利な局面で強い。
・5色人間 人間なのは◎。しかし、このデッキにおいてスペルはほとんど使われない(しかも内訳がアンリコ・ウォークに突然の衰微という有様)。また、反復はサリアと相性が悪い。
・UW Flash これは呪文捕らえをはじめとしたCIPクリーチャーを活用するもので、最近勝ちあがってきているアーキタイプだ。クロックパーミッションにとって4マナのクリーチャーは辛いものがあるが、打ち消されないMana Drainには信頼を寄せられる。デッキ内に特にディスシナジーもないし、比較的チャンスがある方か。
・逆説 逆説的な結果の圧倒的なドロー力を核とするこのデッキにとって、逆説的な結果が打ち消されないばかりか反復までついてくるのは垂涎といってよい。しかし、4マナクリーチャーを出してからというのが遅い。
https://www.mtggoldfish.com/deck/722963#paper
ソーサリー・インスタントの補助という能力を最も歓迎するのは逆説等のストームデッキだろう。しかし、それらのデッキにとって青白の4マナというコストは望ましいものではない。防御の光網の軽さ比べると、反復を享受できるのがテイガム召喚から最速で2ターン後というのも即効性を欠く。
全体的に低調なセットだが、
・Alms Collector
・Kess, Dissdent Mage
この2枚にヴィンテージでの可能性を感じることができた。注視していきたい。