ヴィンテージとスタンダード
2014年11月21日 TCG全般この前コカトリスで興味深い試合を観戦した.それはヴィンテージの部屋に説明をよく読んでいなかったと思われるスタンダードプレイヤーが赤白トークンデッキを持ち込んできたというものだ.部屋のホストの方はTalrand Gushで,アンリコ,噴出,噴出,瞬唱とマジック最高峰のアドバンテージ呪文を連鎖させ...軍族童の突発からのゴブリントークンを止められずに敗北した.さて圧倒的に勝るデッキを使いながら,デュアルランド1枚より安いデッキで殴り殺された彼はnoobと呼ばれて然るべきだろうか.
それは違うと考える.彼ら2人がプレイしたデッキには見た目ほどの強さの差はないためだ.これは突拍子もない話に聞こえるかもしれないが,卡のコストを無視してテキスト部分だけを拾った60枚分の合計を考えるとすればどうだろうか.例えば稲妻と稲妻の一撃の間に差はなく,運命編みと噴出も同等とみなされるといった具合である.ヴィンテージの方はそれらの効果をより安く買うことができるというだけの違いだ.デッキパワーの違いも,それを大まかに表す式{テキストの合計}/{総コスト}の分母の小ささによるものと理解できるだろう.
だからヴィンテージ側には軽さを活かして相手がゲームを始める前に勝ち切るチャンスがあり,その分勝率はぐっと高まる.特にベルチャーをはじめとする超高速コンボや相手を1ターン目に縛り続けるMUDといったデッキならば常勝だろう.しかし上のGushのようなデッキが,能動的に勝ちにいけない土地やカウンターばかり引いて展開が遅れた場合,ヴィンテージ側の利点であったコストの軽さがさほどの意味をなさなくなり,概ね対等なゲームとなってしまう.むしろ龍語りのサルカンや大量トークン(これはKTK以降相当増えたが,少なくともメインに対策はない)といった卡はヴィンテージ側の不意を打つもので,非常に厄介である.
そんなわけで,ゲーム中1回だけ追加ターンできる条件でスタン・ヴィンテ戦をやれば結構いいバランスになると思うのだがどうだろうか.
それは違うと考える.彼ら2人がプレイしたデッキには見た目ほどの強さの差はないためだ.これは突拍子もない話に聞こえるかもしれないが,卡のコストを無視してテキスト部分だけを拾った60枚分の合計を考えるとすればどうだろうか.例えば稲妻と稲妻の一撃の間に差はなく,運命編みと噴出も同等とみなされるといった具合である.ヴィンテージの方はそれらの効果をより安く買うことができるというだけの違いだ.デッキパワーの違いも,それを大まかに表す式{テキストの合計}/{総コスト}の分母の小ささによるものと理解できるだろう.
だからヴィンテージ側には軽さを活かして相手がゲームを始める前に勝ち切るチャンスがあり,その分勝率はぐっと高まる.特にベルチャーをはじめとする超高速コンボや相手を1ターン目に縛り続けるMUDといったデッキならば常勝だろう.しかし上のGushのようなデッキが,能動的に勝ちにいけない土地やカウンターばかり引いて展開が遅れた場合,ヴィンテージ側の利点であったコストの軽さがさほどの意味をなさなくなり,概ね対等なゲームとなってしまう.むしろ龍語りのサルカンや大量トークン(これはKTK以降相当増えたが,少なくともメインに対策はない)といった卡はヴィンテージ側の不意を打つもので,非常に厄介である.
そんなわけで,ゲーム中1回だけ追加ターンできる条件でスタン・ヴィンテ戦をやれば結構いいバランスになると思うのだがどうだろうか.
精霊龍ウギンは本物か
2014年11月21日 TCG全般
上がUgin, the Spirit Dragonだそうで,偽卡とすれば相当によくできていると言うしかない.とはいえニコルやカーンといった従来の高マナ域PWと比較して弱すぎるためやはり疑わしい.あと,-2能力はこれだけでも確かにルール的な齟齬はないのだが,普通は注釈文(それらは2/2のクリーチャーである。)が入るべきところではないだろうか.
ちなみに僕の中で印象が強かった偽卡が下のHall of Oathsで,これも強すぎる点をのぞけば相当よくできた1枚といえる.また名前にOathと入っているにも関わらずこれに関する話題は専らレガシーのエンチャントレスであり,ドルイドの誓いの話は一切出てこないあたりにヴィンテージのマイナーぶりを噛み締めた思い出でもあった.
ちなみに僕の中で印象が強かった偽卡が下のHall of Oathsで,これも強すぎる点をのぞけば相当よくできた1枚といえる.また名前にOathと入っているにも関わらずこれに関する話題は専らレガシーのエンチャントレスであり,ドルイドの誓いの話は一切出てこないあたりにヴィンテージのマイナーぶりを噛み締めた思い出でもあった.
艦娘の後ろによくいる初号機みたいなの何?
2014年11月19日 TCG全般http://vintagesuperleague.com/current-standings/
第1回Vintage Super LeagueはStephen Menendianが優勝!
Kai Buddeが残念ながら最下位となったJosh Utter-Leytonに交代し,来年1月に第2回VSL開催とのこと.
第1回Vintage Super LeagueはStephen Menendianが優勝!
Kai Buddeが残念ながら最下位となったJosh Utter-Leytonに交代し,来年1月に第2回VSL開催とのこと.
ようやく得心のいくデッキリストを仕上げられた
2014年11月18日 TCG全般1 Blightsteel ColossusBig Blue:
2 Snapcaster Mage
1 Nightscape Familiar
2 Dack Fayden
2 Jace, the Mind Sculptor
1 Ancient Grudge
1 Dig Through Time
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Demonic Tutor
1 Vampiric Tutor
1 Yawgmoth’s Will
1 Time Walk
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Black Lotus
1 Mana Crypt
1 Sol Ring
1 Time Vault
1 Voltaic Key
1 Tinker
2 Underground Sea
1 Island
2 Volcanic Island
1 Tropical Island
1 Lightning Bolt
1 Tolarian Academy
4 Scalding Tarn
1 Polluted Delta
1 Misty Rainforest
4 Force of Will
2 Flusterstorm
2 Mana Drain
2 Mental Misstep
1 Gitaxian Probe
1 Repeal
1 Mana Confluence
1 Sensei’s Divining Top
1 Preordain
1 Hurkyl’s Recall
1 Library of Alexandria
1 Tezzeret the Seeker
1 Deep Analysis
SB: 1 Ancient Tomb
SB: 2 Ingot Chewer
SB: 2 Ancient Grudge
SB: 1 Nihil Spellbomb
SB: 1 Pithing Needle
SB: 2 Grafdigger’s Cage
SB: 2 Ravenous Trap
SB: 1 Sower of Temptation
SB: 2 Pyroclasm
SB: 1 Flusterstorm
-1 Island
-1 Hurkyl’s Recall
+1 Flusterstorm
+1 Nihil Spellbomb
に加えてアーキタイプや先手後手に応じて調整
Oath:
-1 Island
-1 Hurkyl’s Recall
-1 Nightscape Familiar
-1 Lightning Bolt
+2 Grafdigger’s Cage
+1 Flusterstorm
+1 Nihil Spellbomb
MUD:
-2 Mental Misstep
-2 Flusterstorm
-1 Deep Analysis
-1 Demonic Tutor
-1 Tezzeret the Seeker/Gitaxian Probe(後手)
+2 Ingot Chewer
+2 Ancient Grudge
+1 Ancient Tomb
+1 Sower of Temptation
+1 Pithing Needle(後手)
Dredge:
-2 Snapcaster Mage
-2 Dack Fayden
-1 Nightscape Familiar
-1 Ancient Grudge
-1 Hurkyl’s Recall
-1~2 Jace,the Mind Scupltor
+2 Grafdigger’s Cage
+2 Ravenous Trap
+1 Nihil Spellbomb
+1 Pithing Needle
+1 Flusterstorm
+1~2 Pyroclasm
Delver:
-1 Hurkyl’s Recall
-1 Ancient Grudge
-1 Dack Fayden
-1 Island
-1 Tezzeret the Seeker
+1 Nihil Spellbomb
+1 Sower of Temptation
+2 Pyroclasm
+1 Flusterstorm
コントロールデッキはアドバンテージを産むやや重い卡を活かすデッキであり,ビートダウンは速さによってコントロールがそれらにアクセスする,ないしはそのアドバンテージの効果が現れてくるよりも先に20点を削ることを身上とする.だからこのマッチアップをコントロール側から見れば,1:1交換を繰り返して攻撃を凌ぐ=長引かせることでアドバンテージ差が顕在化する,要は相手がバテてくれるという前提があり,それがKTKより前は成り立っていた.だが,それはすでに通用しなくなり,今回の勝ち組Delverには速度はもちろんアドバンテージ力でもかなり怪しくなってきた感がある(噴出と巡航からディスカードする相手を見ながら)そんなわけでVaultもここいらが潮時かという気もする.この際だからこのデッキの好調だったシーズンを振り返ってみようか.
・2008年秋ー2010年春(草創期)
Time Vaultエラッタを見計らったかのようなテゼレットの登場に沸き,色々試された時期.2009/7にはVaultを弱体化させる目的で知識の渇望が制限を食らうレベルにまで急拡大.
アラーラではテゼレットの他,修繕の新たな候補が2体も名乗りを上げるなど好調だったが,これをメタったNoble Fishも同ブロックの産物である.さらにゼンディカーではVaultに入る卡がほとんどない一方でMUDとオースが強化されるなど逆境.2010/5のBOM4ではTOP8に0と結果を出せず,他デッキに力負けしてきた.
・2010年夏(Trygon)
オース,MUD,Fishを全部メタる三角エイの発見,および神ジェイスの参入により生まれたTrygon Tezzが2010/8のGENCON 2010を席巻.
2010/10に噴出が解禁された上ミラディンの傷跡ブロックでMUDがさらなる躍進を遂げたことによりTrygon Tezzの時代は長くは続かなかった.もっとも,SOMで最も得したのがMUDであることは確かだが,BSCやサイドボード要員などVaultの収穫もかなりあり,2011/5のBOM5ではTurboTezzが1,2フィニッシュを飾った.ただし,これも単発的現象に終わってしまった.
・2011年冬-2013年春(Invitational)
そして10月のイニストラードで図抜けた卡力を持った瞬唱の魔道士が追加され,Invitational Tezzeretの時代となる.GENCON 2012優勝もこのアーキタイプだった.
一方,秘密を掘り下げる者,グリセルブランド,魂の洞窟,死儀礼のシャーマン,突然の衰微といったVaultにとっての敵も相当出てきていたが,ヴィンテージ特有の研究の遅さで,登場直後からInv.Tezzの覇権を脅かす動きではなかった.それでも少しずつ押されていき,BOM7を墓荒らしが優勝したあたりで凋落が明らかになったと思う.
しかし,MUDなんかはもう2年半ぐらい成長がないのにTier1張ってるんだから立派なもんだよな.
・2008年秋ー2010年春(草創期)
Time Vaultエラッタを見計らったかのようなテゼレットの登場に沸き,色々試された時期.2009/7にはVaultを弱体化させる目的で知識の渇望が制限を食らうレベルにまで急拡大.
アラーラではテゼレットの他,修繕の新たな候補が2体も名乗りを上げるなど好調だったが,これをメタったNoble Fishも同ブロックの産物である.さらにゼンディカーではVaultに入る卡がほとんどない一方でMUDとオースが強化されるなど逆境.2010/5のBOM4ではTOP8に0と結果を出せず,他デッキに力負けしてきた.
・2010年夏(Trygon)
オース,MUD,Fishを全部メタる三角エイの発見,および神ジェイスの参入により生まれたTrygon Tezzが2010/8のGENCON 2010を席巻.
2010/10に噴出が解禁された上ミラディンの傷跡ブロックでMUDがさらなる躍進を遂げたことによりTrygon Tezzの時代は長くは続かなかった.もっとも,SOMで最も得したのがMUDであることは確かだが,BSCやサイドボード要員などVaultの収穫もかなりあり,2011/5のBOM5ではTurboTezzが1,2フィニッシュを飾った.ただし,これも単発的現象に終わってしまった.
・2011年冬-2013年春(Invitational)
そして10月のイニストラードで図抜けた卡力を持った瞬唱の魔道士が追加され,Invitational Tezzeretの時代となる.GENCON 2012優勝もこのアーキタイプだった.
一方,秘密を掘り下げる者,グリセルブランド,魂の洞窟,死儀礼のシャーマン,突然の衰微といったVaultにとっての敵も相当出てきていたが,ヴィンテージ特有の研究の遅さで,登場直後からInv.Tezzの覇権を脅かす動きではなかった.それでも少しずつ押されていき,BOM7を墓荒らしが優勝したあたりで凋落が明らかになったと思う.
しかし,MUDなんかはもう2年半ぐらい成長がないのにTier1張ってるんだから立派なもんだよな.
Vintage Super Leagueの影響か,今日だけで2人の青単ベルチャーと対戦した.このデッキ,実は2年前にも見たことがある.
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208071346234031/?guid=ON
http://www.mtgdecks.net/decks/view/35417
ところで,定業より物読みの方が良くない?
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208071346234031/?guid=ON
http://www.mtgdecks.net/decks/view/35417
ところで,定業より物読みの方が良くない?
Vintage Super League 伝説のプレイヤー登場
2014年11月13日 TCG全般http://vintagesuperleague.com/
決勝戦はMenendian(RUG Delver)対LSV(GushStorm)に決まった.来週行われるこの試合をもって第1シーズンは完了する.
しかし,次シーズンからKai Buddeが加わることのほうが話題性が大きいかもしれない.彼は今週,スコアを競わない余興を楽しんだ.Randy Buehlerは青単ベルチャー(どうやらデッキ内の土地がアカデミー1枚だけで,探検の地図などで引く)で彼を圧倒した.一方Bob Maherのテゼレットとの派手な試合は,接戦の末Kaiが制することとなった.Kaiは若き紅蓮術士と修繕の双方をプレイしているらしい,この最強プレイヤーがヴィンテージにおいてどんなデッキを組み上げたのか,実に知りたいところだ.
決勝戦はMenendian(RUG Delver)対LSV(GushStorm)に決まった.来週行われるこの試合をもって第1シーズンは完了する.
しかし,次シーズンからKai Buddeが加わることのほうが話題性が大きいかもしれない.彼は今週,スコアを競わない余興を楽しんだ.Randy Buehlerは青単ベルチャー(どうやらデッキ内の土地がアカデミー1枚だけで,探検の地図などで引く)で彼を圧倒した.一方Bob Maherのテゼレットとの派手な試合は,接戦の末Kaiが制することとなった.Kaiは若き紅蓮術士と修繕の双方をプレイしているらしい,この最強プレイヤーがヴィンテージにおいてどんなデッキを組み上げたのか,実に知りたいところだ.
思った通りなかなか働いてくれる.通せば手数が単純に増えるため,カウンターするマナが残っていない相手を押しきれることが多い.特にWheel of Fortuneとの相性は特筆すべきものがあるだろう.MUDにもなかなかだ.
ただ,メタ的には少し前までフィットしていたのがかなり微妙になってしまった.以前のクロックパーミッション勢力の代表といえば墓荒らしだが,使い魔は彼らが全面的に頼みとする突然の衰微に耐え,追加マナ要求系カウンター(狼狽,ピアス)への抵抗力も高めてくれる卡だった.だが現在の主流,UR Delverには必ずしも有効ではない.彼らはパワー3飛行と,大量のトークンによる物量作戦を仕掛けてくるが,これらは地上の壁1体には度し難い.
ただ,メタ的には少し前までフィットしていたのがかなり微妙になってしまった.以前のクロックパーミッション勢力の代表といえば墓荒らしだが,使い魔は彼らが全面的に頼みとする突然の衰微に耐え,追加マナ要求系カウンター(狼狽,ピアス)への抵抗力も高めてくれる卡だった.だが現在の主流,UR Delverには必ずしも有効ではない.彼らはパワー3飛行と,大量のトークンによる物量作戦を仕掛けてくるが,これらは地上の壁1体には度し難い.
【感謝】60万ヒット【感激】
2014年11月12日 TCG全般反省会反省会1:http://bagupokemon.diarynote.jp/201411060234207292/
・ISD
http://bagupokemon.diarynote.jp/201112181822438169/
Fiend Hunter
SMV3点→1点→1点ー上のように点数の定義が変わったので,事実上の昇格.白ウィニーやGWで素直に使うことが多い.特に人間デッキでは打ち消されない強みから若干の重さを受容する理由付けが成立し,有力だろう.その中で一番上のデッキhttp://urx.nu/e0SI は出産の殻で,目を引く.
Stony Silence
V5点→5点→3点ー紛れもなくヴィンテージの為に刷られた卡であるが,2014年では11デッキしか使っておらず,急激に凋落している.それには,白系Fish自体の凋落(Fishの主力は白のない墓荒らしに移った)や石鍛冶の台頭が大きい.
Forbidden Alchemy
SV4点→2点→1点ー新たな巧みな軍略としての役割を期待しており,実際CSで使われることもあったが,今はイゼットの魔除けあたりに枠を奪われたというのが実情である.
Memory’s Journey
V3点→3点→3点ーこれは特にいうこともないだろう.
Snapcaster Mage
SMLV5点→5点ー純然たる強卡.最近は腹心が弱いので,相対的に権勢が一段と増したかに感じられる.懸念だった探査とのバッティングも問題視するほどではなかった.
Liliana of the Veil
SMLV2点→2点→3点ー軽さが奏功し,彼女もまたオールラウンダーとして成功した.その中ではヴィンテージでの影響は小さい方ではあるが,墓荒らし(ビートダウン)・Keeper(コントロール)・Depth(コンボ)と複数のアーキタイプにわたって採用されており,ポテンシャルの高さが伺われる.
Witchbane Orb
V2点→2点→3点ーオース・コンボ対策を兼ねる,MUDのサイドボード定番.4マナというコストはMUD以外には使いこなせず,基本的に神聖の力線を出せば十分であるため,他のフォーマットではほぼ見られない
秘密を掘り下げる者
SMLV5点ー「このハエがこんなに活躍するとは」と述べているが,これはヴィンテージでなくスタン・レガシーについて述べていたもので,ヴィンテージのポテンシャルについては未だ気づいていなかった.登場直後のデルバーは,ヴィンテージでは,Ninjaデッキにおける採用が多く,デッキの中心とは見做されていなかった可能性が高い.しかし,既にレガシーではデルバーを得たカナスレがRUG Delverに進化して猛威を振るっており,それをB/Rだけ調整してヴィンテージに持ち込み,可能性を測るプレイヤーも存在した.恐らく彼らの1人がGushとの好相性に気づき,それが定着したのが2012年5月頃だと思われる.その1か月後に僕はhttp://urx.nu/e16A の記事を書くことになる.今見返すとビートダウンの軽視など的外れと思われるような記述も多いが,当初からマナ拘束よりも殴り切るスピードを重視しており,従来のFishとは一味違うコンセプトだったことは分かる.それ以来の点数は2~4の間をウロウロしていた感じだと思われるが,巡航によってEternal Weekend TOP8に4人という圧倒的な成果を叩き出した.よって現在5点.
掘り出し物:
研究室の偏執狂
V3点ーDoomsday Maniacだけでなく,これをフィニッシャーとしたGG Oathもあり,さらに最近はドレッジに組み込まれることもあるなど多種多様な新デッキを生み出した功績は計り知れない.ただ,これらのいずれも2/2を除去されると勝利が一転死する脆さから脱却できておらず,メタに登ってきてはいないことを考慮して3点とした.
・DKA
http://bagupokemon.diarynote.jp/201205072015035767/
スレイベンの守護者、サリア
SMLV3点→3点→3点ー白系ビートダウンを作る際,真っ先にお呼びがかかるほど強力なクリーチャーだが,クロックパーミッションとはさっぱり折り合わない性能でもある.そのためヘイトの盟主という地位に甘んじるしかなく,3点より上には届きそうもない.行き過ぎた正義感が出世を阻んだ例と言えるだろう.と言ってもこれはヴィンテージの話であり,レガシーその他ではさらに活躍している.
思考掃き
SMLー探査によって注目されている卡.現にモダン・レガシーではそういう使われ方をしている.しかし,ヴィンテージでは驚きの0件.
墓掘りの檻
SMLV4点→4点→5点ーあらゆるフォーマットで頼られる墓地対策.ただ,メインから入るのはヴィンテージぐらいなので,やはり他フォーマットに比べても影響は大きかったと見るべきだろう.4点から5点に上げたのも,情勢に特段の変化があったというよりは僕自身の考えが改まったところが大きい.Jace Conrolを例にとっても,オースやドレッジ対策に自分から使うこともあれば,修繕やヨーグモスの意志による逆転を嫌ったFishに逆に出されることもあると,効力の大きさがわかる.
掘り出し物:
特にないが,墓所這いについて少しばかり書いてみたい.一瞬ドレッジで使えそうと思ったが,ゾンビが出ているならもう必要ないと判断した卡で,実際mtgdecksでも2件のみしか使われていない.だが,今見返すと何の見込みもないとまでは言えない,それは黒単へスイッチするASが開発されたためである.このタイプなら少しは可能性がある.
・AVR
http://bagupokemon.diarynote.jp/201209091123375922/
グリセルブランド
SMLV4点→2点→4点ーこれは,http://urx.nu/e1iC で特集記事を書いた.今やこうしたコンボ型は鳴りを潜め,グリセルオースは結局のところ従来のオースがとってきたようなコントロール型に落ち着いた.ともあれ4点とした最初の評価は正しかったようで何よりだ.
魂の洞窟
SMLV3点→3点→4点ーhttp://urx.nu/e1kJ で書いた通り,僕はこの卡を腹心衰退の要因と考えている.そういえばヴィンテージ随一のメガパーミッションLandstillも去年半ばあたりまで相当活発だったのが,消滅はしてないにせよだいぶ少なくなった.
掘り出し物:
修復の天使
SMV2点ーこれを使って石鍛冶・トリンケット・ヴェンディリオン・瞬唱あたりを再利用するボンバーマンの分派みたいな青白コントロールが存在し,採用数は23デッキ.全くの余談だが,レガシーでは46件とヴィンテージの倍の採用があるが,掲載されたデッキ全体は4倍なので割合ではむしろ半分しかないことになるので,省いた.
・M13
http://bagupokemon.diarynote.jp/201209091123375922/
溶解
LV1点ー例によって巡航で超強化されたUR Delverだが,直線的なデッキで殴打頭蓋には弱い.そこで相手の呪文貫きを回避する軽さを持つ溶解には一定の需要がある.ヴィンテージでも多少は使われていたようだが,サイドで15件のみ,それも今年は0,よって1点.
全知
LV2点ー17件とかなり微妙な件数ではあるが,これを使うSNTデッキは確かにある.オースとレクターコンボをハイブリッドさせれば,パーツを兼用できるだけでなくセラピーが勝手に墓地に落ちるので面白そうだと思ったが,特にそうしたデッキは見つからず,残念.
掘り出し物:
空召喚士ターランド
SV3点ーGushのフィニッシャーであり,噴出を用いないKeeperでも採用例がある.スポイラー時,4マナでは使えないだろうと考え,その後若き紅蓮術士が出た時は今度こそターランド失脚は間違いないと確信したものの,いずれも外れた.優秀なクロックである紅蓮術士に対して,ターランドは攻防両面に長けたフィニッシャーである.つまりは変異種やより近いところではメロクの系統で,若き紅蓮術士と比較できる卡ではなかった.
・RTR
http://bagupokemon.diarynote.jp/201301082045367763/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201406232055591895/
死儀礼のシャーマン
MLV2点→5点→5点
汚損破
MV3点→1点→2点
突然の衰微
3点→3点→4点
至高の評決
2点→1点→2点
上4枚についてはURL下を見て欲しい.
ドライアドの闘士
SV3点→2点→2点ー今見たら15件ほど使われており,うち5件は今年に入ってからのものだったので2点続行.あと,今のUR Delverの墓地肥やしはフェッチランドとキャントリップに頼っており,うち片方を潰せば巡航はかなり遅れるはずだ.
裁判官の使い魔
Sーコカトリスだと割と見るイメージがあるが,11件のみ.これでは2点以上はつけられない.
掘り出し物:
群れネズミ
SMV2点ーhttp://urx.nu/e1Px でヴィンテージにおける群れネズミの概説を述べたが,今見てみると採用デッキの多くが神ジェイスを3枚以上使っていることがわかる.ジェイスのドロー力でネズミに食わせる餌を確保し,敵の攻撃から自分自身を守らせるわけだ.
電謀
MLV2点ーURの同型対策で需要が急増した.
・GTC
http://bagupokemon.diarynote.jp/201304111246115885/
Shattering Blow
反省会時点から採用デッキは17にまで増えた.が...それらは全て1年以上前のもの.現在のヴィンテージでは通用していないと判断せざるを得ない.
Dimir Charm
Lーこれは逆に,今年に入ってからわずかに増えたようだ.だが増えたといっても全部で6件のみ.むしろKTK追加後のレガシーBUG Delverでの1枚挿しが目立つ.
掘り出し物:
欄干のスパイと言いたいところだが,レガシーではともかくヴィンテージでのThe Spyは全くの突発的現象で終わってしまった.まあベルチャーの下位互換だし.
・DGM
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401271706463741/
Ral Zarek
V3点→2点→2点ー見るからにヴィンテージ用のPWである.ジェイスと比べ卡力で大きく劣るがコンボ性能には勝り,Welder Vaultにおいては相応の地位を築いていたが,ダクの登場でだいぶ怪しくなってしまった.とはいえ両者は共存できると考えている.
Wear//Tear
MLーメイン5,サイド7の合計12デッキ.1年以上あってこの結果では残念ながら得点を与えることはできない.こうなった原因には,他のフォーマットに比べてヴィンテージで赤白が格段に弱いのもあるだろう.
Notion Thief
V3点→3点ー当初の僕の評価はこうだ.「最初のドローを盗めない上し,対応して除去されたらそれで終わりだ.盗用/Plagiarizeよりずっと弱い.ところで盗用は使われてるのか?」しかし,現在ノンクリーチャー呪文はクリーチャー呪文よりはるかに打ち消しに弱く,魂の洞窟が出たことでその差は決定的なものとなった.これは除去への脆弱性を補って余りある長所だろう.次に相手にドローさせる卡とコンボを組ませるには,効果が持続する概念泥棒の方がずっと勝る.これもダクと併用するとなかなか強烈で,彼の登場によって強化された卡.逆に相手のダク起動に合わせて奪い取れれば勝利が見える.
・THS
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401271706463741/
Swan Song
MV3点→3点→3点ーオースの定番カウンターという以上の説明は必要ないかと思われる.ただ,他のデッキでも全く使われないわけではない.
・C13
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401261440249937/
True-Name Nemesis
LV2点→2点→3点ーマーフォークは元々ヴィンテージで組まれるデッキだったが,2014年中に大きく勢力を増した.それはメタゲーム的な理由もあるが,この無骨なクリーチャーが一枚噛んでいることも間違いない.Joel Limはヴィンテージ選手権13を制したリストから,ネメシスの枚数を増やしている.
Toxic Deluge
LV1点→3点→3点ー激増するクロックパーミ勢力に対し,Big Blue側がとった対策がこれである.Fire Covenantと比べると,自分のクリーチャーも巻き添えになるのが一番大きな欠点だが,唱えやすさがそれを上回った.
Bane of Progress
まあ,待っていてくれ.今サイドボードにドルイドの誓いとこいつを入れているところなんだ...
・BNG
http://bagupokemon.diarynote.jp/201405120308149956/
Spirit of the Labyrinth
LV4点→?点→3点ーメイン・サイド合計21件とかなり増えた.これならギリギリ3点は付けられそうだ.レガシーではインスタントタイミングで出てくるのでヴィンテージより強く,概念泥棒ほど決定的ではないにせよジェイス泣かせのクリーチャーでもある.
Drown in Sorrow
SMー「これに2点を与えたのを誤りとは思わないのでもう少し長く見ていく」と述べたが,デルバー増加という好条件を受けてもなお0件のままなので,不本意ながら撤回する他ない.あと,悲哀まみれが出てなお蔓延/Infestを使っている兄貴が数名いるが一体...
まとめ
ISD
5点ーSnapcaster Mage Delver of Secrets
3点ーStony Silence Memory’s Journey Liliana of the Veil Witchbane Orb Laboratory Maniac
DKA
5点ー墓掘りの檻
3点ースレイベンの守護者、サリア
AVR
4点ーグリセルブランド 魂の洞窟
2点ー修復の天使
M13
3点ー空召喚士、ターランド
2点ー全知
RTR
5点ー死儀礼のシャーマン
4点ー突然の衰微
2点ードライアドの闘士 群れネズミ 汚損破 至高の評決 電謀
GTC
無し
DGM
3点ーNotion Thief
2点ーRal Zarek
THS
3点ーSwan Song
C13
3点ーTrue-Name Nemesis Toxic Deluge
BNG
3点ーSpirit of the Labyrinth
6点-常軌を逸した強卡達.多くのデッキで使用が当然視される,メタデッキを作り上げた存在である,それの為だけに色をタッチされる,といった力量を備える.殿堂的な枠として定めたので,恐らく今後のセットで6点を得る卡はほぼないだろう.前回はWWK~M12を点数化する試みだったが,ISDからは既に点数制となっている.しかし現在,点数の定義の方を変更しており(従来1点とした卡は,その後特に動きがなければ0となるが,これは特に述べることがなければ載せない.また2点の少なからぬ部分は1点に落ちるだろう)当初と大きく評価の異なる卡もあり,再検討の必要を感じた.ざっと見たところではBNGあたりまでを訂正すれば十分と思われる.点数が3つ並ぶものについて,左がスポイラー時点での予想,中央が反省会時点での評価,そして右が現時点の得点である.
例:噴出/Gush,Demonic Tutor,トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す.
例:Mana Drain,死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman,磁石のゴーレム/Lodestone Golem
4点-特定のデッキで大きな役割を果たす卡.または特定のデッキ相手に致命的な損害を負わせる卡.
例:けちな贈り物/Gifts Ungiven,世界のるつぼ/Crucible of Worlds,ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall
3点-あるアーキタイプでの使用を検討される卡.
例:ニンの杖/Staff of Nin,概念泥棒/Notion Thief
2点-あるアーキタイプで使われることはあるが遭遇率は3点より低い.サイドボード候補卡.
例:巧みな軍略/Strategic Planning,起源室/Genesis Chamber,窒息/Choke
1点ー可能性もないことはない.
例:巨大化/Giant Growth
0点-卡力が低くヴィンテージにおいては存在しえない卡.例:西風のスピリット/Zephyr Spirit
・ISD
http://bagupokemon.diarynote.jp/201112181822438169/
Fiend Hunter
SMV3点→1点→1点ー上のように点数の定義が変わったので,事実上の昇格.白ウィニーやGWで素直に使うことが多い.特に人間デッキでは打ち消されない強みから若干の重さを受容する理由付けが成立し,有力だろう.その中で一番上のデッキhttp://urx.nu/e0SI は出産の殻で,目を引く.
Stony Silence
V5点→5点→3点ー紛れもなくヴィンテージの為に刷られた卡であるが,2014年では11デッキしか使っておらず,急激に凋落している.それには,白系Fish自体の凋落(Fishの主力は白のない墓荒らしに移った)や石鍛冶の台頭が大きい.
Forbidden Alchemy
SV4点→2点→1点ー新たな巧みな軍略としての役割を期待しており,実際CSで使われることもあったが,今はイゼットの魔除けあたりに枠を奪われたというのが実情である.
Memory’s Journey
V3点→3点→3点ーこれは特にいうこともないだろう.
Snapcaster Mage
SMLV5点→5点ー純然たる強卡.最近は腹心が弱いので,相対的に権勢が一段と増したかに感じられる.懸念だった探査とのバッティングも問題視するほどではなかった.
Liliana of the Veil
SMLV2点→2点→3点ー軽さが奏功し,彼女もまたオールラウンダーとして成功した.その中ではヴィンテージでの影響は小さい方ではあるが,墓荒らし(ビートダウン)・Keeper(コントロール)・Depth(コンボ)と複数のアーキタイプにわたって採用されており,ポテンシャルの高さが伺われる.
Witchbane Orb
V2点→2点→3点ーオース・コンボ対策を兼ねる,MUDのサイドボード定番.4マナというコストはMUD以外には使いこなせず,基本的に神聖の力線を出せば十分であるため,他のフォーマットではほぼ見られない
秘密を掘り下げる者
SMLV5点ー「このハエがこんなに活躍するとは」と述べているが,これはヴィンテージでなくスタン・レガシーについて述べていたもので,ヴィンテージのポテンシャルについては未だ気づいていなかった.登場直後のデルバーは,ヴィンテージでは,Ninjaデッキにおける採用が多く,デッキの中心とは見做されていなかった可能性が高い.しかし,既にレガシーではデルバーを得たカナスレがRUG Delverに進化して猛威を振るっており,それをB/Rだけ調整してヴィンテージに持ち込み,可能性を測るプレイヤーも存在した.恐らく彼らの1人がGushとの好相性に気づき,それが定着したのが2012年5月頃だと思われる.その1か月後に僕はhttp://urx.nu/e16A の記事を書くことになる.今見返すとビートダウンの軽視など的外れと思われるような記述も多いが,当初からマナ拘束よりも殴り切るスピードを重視しており,従来のFishとは一味違うコンセプトだったことは分かる.それ以来の点数は2~4の間をウロウロしていた感じだと思われるが,巡航によってEternal Weekend TOP8に4人という圧倒的な成果を叩き出した.よって現在5点.
掘り出し物:
研究室の偏執狂
V3点ーDoomsday Maniacだけでなく,これをフィニッシャーとしたGG Oathもあり,さらに最近はドレッジに組み込まれることもあるなど多種多様な新デッキを生み出した功績は計り知れない.ただ,これらのいずれも2/2を除去されると勝利が一転死する脆さから脱却できておらず,メタに登ってきてはいないことを考慮して3点とした.
・DKA
http://bagupokemon.diarynote.jp/201205072015035767/
スレイベンの守護者、サリア
SMLV3点→3点→3点ー白系ビートダウンを作る際,真っ先にお呼びがかかるほど強力なクリーチャーだが,クロックパーミッションとはさっぱり折り合わない性能でもある.そのためヘイトの盟主という地位に甘んじるしかなく,3点より上には届きそうもない.行き過ぎた正義感が出世を阻んだ例と言えるだろう.と言ってもこれはヴィンテージの話であり,レガシーその他ではさらに活躍している.
思考掃き
SMLー探査によって注目されている卡.現にモダン・レガシーではそういう使われ方をしている.しかし,ヴィンテージでは驚きの0件.
墓掘りの檻
SMLV4点→4点→5点ーあらゆるフォーマットで頼られる墓地対策.ただ,メインから入るのはヴィンテージぐらいなので,やはり他フォーマットに比べても影響は大きかったと見るべきだろう.4点から5点に上げたのも,情勢に特段の変化があったというよりは僕自身の考えが改まったところが大きい.Jace Conrolを例にとっても,オースやドレッジ対策に自分から使うこともあれば,修繕やヨーグモスの意志による逆転を嫌ったFishに逆に出されることもあると,効力の大きさがわかる.
掘り出し物:
特にないが,墓所這いについて少しばかり書いてみたい.一瞬ドレッジで使えそうと思ったが,ゾンビが出ているならもう必要ないと判断した卡で,実際mtgdecksでも2件のみしか使われていない.だが,今見返すと何の見込みもないとまでは言えない,それは黒単へスイッチするASが開発されたためである.このタイプなら少しは可能性がある.
・AVR
http://bagupokemon.diarynote.jp/201209091123375922/
グリセルブランド
SMLV4点→2点→4点ーこれは,http://urx.nu/e1iC で特集記事を書いた.今やこうしたコンボ型は鳴りを潜め,グリセルオースは結局のところ従来のオースがとってきたようなコントロール型に落ち着いた.ともあれ4点とした最初の評価は正しかったようで何よりだ.
魂の洞窟
SMLV3点→3点→4点ーhttp://urx.nu/e1kJ で書いた通り,僕はこの卡を腹心衰退の要因と考えている.そういえばヴィンテージ随一のメガパーミッションLandstillも去年半ばあたりまで相当活発だったのが,消滅はしてないにせよだいぶ少なくなった.
掘り出し物:
修復の天使
SMV2点ーこれを使って石鍛冶・トリンケット・ヴェンディリオン・瞬唱あたりを再利用するボンバーマンの分派みたいな青白コントロールが存在し,採用数は23デッキ.全くの余談だが,レガシーでは46件とヴィンテージの倍の採用があるが,掲載されたデッキ全体は4倍なので割合ではむしろ半分しかないことになるので,省いた.
・M13
http://bagupokemon.diarynote.jp/201209091123375922/
溶解
LV1点ー例によって巡航で超強化されたUR Delverだが,直線的なデッキで殴打頭蓋には弱い.そこで相手の呪文貫きを回避する軽さを持つ溶解には一定の需要がある.ヴィンテージでも多少は使われていたようだが,サイドで15件のみ,それも今年は0,よって1点.
全知
LV2点ー17件とかなり微妙な件数ではあるが,これを使うSNTデッキは確かにある.オースとレクターコンボをハイブリッドさせれば,パーツを兼用できるだけでなくセラピーが勝手に墓地に落ちるので面白そうだと思ったが,特にそうしたデッキは見つからず,残念.
掘り出し物:
空召喚士ターランド
SV3点ーGushのフィニッシャーであり,噴出を用いないKeeperでも採用例がある.スポイラー時,4マナでは使えないだろうと考え,その後若き紅蓮術士が出た時は今度こそターランド失脚は間違いないと確信したものの,いずれも外れた.優秀なクロックである紅蓮術士に対して,ターランドは攻防両面に長けたフィニッシャーである.つまりは変異種やより近いところではメロクの系統で,若き紅蓮術士と比較できる卡ではなかった.
・RTR
http://bagupokemon.diarynote.jp/201301082045367763/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201406232055591895/
死儀礼のシャーマン
MLV2点→5点→5点
汚損破
MV3点→1点→2点
突然の衰微
3点→3点→4点
至高の評決
2点→1点→2点
上4枚についてはURL下を見て欲しい.
ドライアドの闘士
SV3点→2点→2点ー今見たら15件ほど使われており,うち5件は今年に入ってからのものだったので2点続行.あと,今のUR Delverの墓地肥やしはフェッチランドとキャントリップに頼っており,うち片方を潰せば巡航はかなり遅れるはずだ.
裁判官の使い魔
Sーコカトリスだと割と見るイメージがあるが,11件のみ.これでは2点以上はつけられない.
掘り出し物:
群れネズミ
SMV2点ーhttp://urx.nu/e1Px でヴィンテージにおける群れネズミの概説を述べたが,今見てみると採用デッキの多くが神ジェイスを3枚以上使っていることがわかる.ジェイスのドロー力でネズミに食わせる餌を確保し,敵の攻撃から自分自身を守らせるわけだ.
電謀
MLV2点ーURの同型対策で需要が急増した.
・GTC
http://bagupokemon.diarynote.jp/201304111246115885/
Shattering Blow
反省会時点から採用デッキは17にまで増えた.が...それらは全て1年以上前のもの.現在のヴィンテージでは通用していないと判断せざるを得ない.
Dimir Charm
Lーこれは逆に,今年に入ってからわずかに増えたようだ.だが増えたといっても全部で6件のみ.むしろKTK追加後のレガシーBUG Delverでの1枚挿しが目立つ.
掘り出し物:
欄干のスパイと言いたいところだが,レガシーではともかくヴィンテージでのThe Spyは全くの突発的現象で終わってしまった.まあベルチャーの下位互換だし.
・DGM
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401271706463741/
Ral Zarek
V3点→2点→2点ー見るからにヴィンテージ用のPWである.ジェイスと比べ卡力で大きく劣るがコンボ性能には勝り,Welder Vaultにおいては相応の地位を築いていたが,ダクの登場でだいぶ怪しくなってしまった.とはいえ両者は共存できると考えている.
Wear//Tear
MLーメイン5,サイド7の合計12デッキ.1年以上あってこの結果では残念ながら得点を与えることはできない.こうなった原因には,他のフォーマットに比べてヴィンテージで赤白が格段に弱いのもあるだろう.
Notion Thief
V3点→3点ー当初の僕の評価はこうだ.「最初のドローを盗めない上し,対応して除去されたらそれで終わりだ.盗用/Plagiarizeよりずっと弱い.ところで盗用は使われてるのか?」しかし,現在ノンクリーチャー呪文はクリーチャー呪文よりはるかに打ち消しに弱く,魂の洞窟が出たことでその差は決定的なものとなった.これは除去への脆弱性を補って余りある長所だろう.次に相手にドローさせる卡とコンボを組ませるには,効果が持続する概念泥棒の方がずっと勝る.これもダクと併用するとなかなか強烈で,彼の登場によって強化された卡.逆に相手のダク起動に合わせて奪い取れれば勝利が見える.
・THS
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401271706463741/
Swan Song
MV3点→3点→3点ーオースの定番カウンターという以上の説明は必要ないかと思われる.ただ,他のデッキでも全く使われないわけではない.
・C13
http://bagupokemon.diarynote.jp/201401261440249937/
True-Name Nemesis
LV2点→2点→3点ーマーフォークは元々ヴィンテージで組まれるデッキだったが,2014年中に大きく勢力を増した.それはメタゲーム的な理由もあるが,この無骨なクリーチャーが一枚噛んでいることも間違いない.Joel Limはヴィンテージ選手権13を制したリストから,ネメシスの枚数を増やしている.
Toxic Deluge
LV1点→3点→3点ー激増するクロックパーミ勢力に対し,Big Blue側がとった対策がこれである.Fire Covenantと比べると,自分のクリーチャーも巻き添えになるのが一番大きな欠点だが,唱えやすさがそれを上回った.
Bane of Progress
まあ,待っていてくれ.今サイドボードにドルイドの誓いとこいつを入れているところなんだ...
・BNG
http://bagupokemon.diarynote.jp/201405120308149956/
Spirit of the Labyrinth
LV4点→?点→3点ーメイン・サイド合計21件とかなり増えた.これならギリギリ3点は付けられそうだ.レガシーではインスタントタイミングで出てくるのでヴィンテージより強く,概念泥棒ほど決定的ではないにせよジェイス泣かせのクリーチャーでもある.
Drown in Sorrow
SMー「これに2点を与えたのを誤りとは思わないのでもう少し長く見ていく」と述べたが,デルバー増加という好条件を受けてもなお0件のままなので,不本意ながら撤回する他ない.あと,悲哀まみれが出てなお蔓延/Infestを使っている兄貴が数名いるが一体...
まとめ
ISD
5点ーSnapcaster Mage Delver of Secrets
3点ーStony Silence Memory’s Journey Liliana of the Veil Witchbane Orb Laboratory Maniac
DKA
5点ー墓掘りの檻
3点ースレイベンの守護者、サリア
AVR
4点ーグリセルブランド 魂の洞窟
2点ー修復の天使
M13
3点ー空召喚士、ターランド
2点ー全知
RTR
5点ー死儀礼のシャーマン
4点ー突然の衰微
2点ードライアドの闘士 群れネズミ 汚損破 至高の評決 電謀
GTC
無し
DGM
3点ーNotion Thief
2点ーRal Zarek
THS
3点ーSwan Song
C13
3点ーTrue-Name Nemesis Toxic Deluge
BNG
3点ーSpirit of the Labyrinth
探索とヨーグモスの意志
2014年11月10日 TCG全般 コメント (1)やはり,ヨーグモスの意志・探索2枚・瞬唱2枚を併用するにはダク2枚では少し足らない.Gush以外では,3枚以上の恒久的な共鳴者が必要になるだろう.
というわけで探索を1枚にした.これなら事故はないだろう...
というわけで探索を1枚にした.これなら事故はないだろう...
Team serious open
2014年11月10日 TCG全般http://www.themanadrain.com/index.php?topic=46917.0
参加者21名は参考にできる規模ではないが,面白い結果であることも確かだ.まず探査ドローからいくと,探索がGushと組んだことで本気を出した感があり,従来2枚が適正とされていたのが4位のNat Moesなどは4枚フル投入してさえいる.一方,6位のWelder(Time Vault入ってないが...ミスだよな?)では,コントロールには探索という通例に反してクロックパーミッション向けの巡航の方を採用している.だがダクを主軸に据えており,少々質の悪い3枚であっても彼の+1で直ちに濾過できるため理にかなった構築である.
8位のペインターコンボ入りStaxも,サイド後になると無骨なMUDにチェンジするギミックが取り入れられており,面白い.アーティファクトデッキであることに変わりはないので,この戦略がどの程度有効なのかは分からないが...少なくとも墓地対策は空振りするし1ターン目のプレイングを間違えてくれる可能性も高い.
参加者21名は参考にできる規模ではないが,面白い結果であることも確かだ.まず探査ドローからいくと,探索がGushと組んだことで本気を出した感があり,従来2枚が適正とされていたのが4位のNat Moesなどは4枚フル投入してさえいる.一方,6位のWelder(Time Vault入ってないが...ミスだよな?)では,コントロールには探索という通例に反してクロックパーミッション向けの巡航の方を採用している.だがダクを主軸に据えており,少々質の悪い3枚であっても彼の+1で直ちに濾過できるため理にかなった構築である.
8位のペインターコンボ入りStaxも,サイド後になると無骨なMUDにチェンジするギミックが取り入れられており,面白い.アーティファクトデッキであることに変わりはないので,この戦略がどの程度有効なのかは分からないが...少なくとも墓地対策は空振りするし1ターン目のプレイングを間違えてくれる可能性も高い.
MUDにマッチで勝つ
2014年11月9日 TCG全般もうMUDデッキとして完成度高すぎ&無駄卡増えすぎ(Mステと狼狽)なので,G1は捨ててサイド後を勝てるようにしたほうが合理的な気さえしてくる.どこぞのドレッジみたいなものだ.
するとG2は先攻/対策入りで絶対勝たなきゃいけないゲーム.G3は後攻で難しくなるので,ASを練っている
するとG2は先攻/対策入りで絶対勝たなきゃいけないゲーム.G3は後攻で難しくなるので,ASを練っている
レガシー神挑戦者選手権TOP8
2014年11月9日 TCG全般http://www.happymtg.com/category/coverage/archive2014/lgkami_challenge2/
優勝 ジャンド
準優勝 奇跡 w/封じ込める僧侶
TOP4 白黒ゾンビ w/悪意の苦悶
TOP4 全知SNT
TOP8 ANT
TOP8 エルフ
TOP8 BUG Delver
TOP8 SNT
最終ラウンド時点の上位者http://www.happymtg.com/coverage/23148/
優勝 ジャンド
準優勝 奇跡 w/封じ込める僧侶
TOP4 白黒ゾンビ w/悪意の苦悶
TOP4 全知SNT
TOP8 ANT
TOP8 エルフ
TOP8 BUG Delver
TOP8 SNT
最終ラウンド時点の上位者http://www.happymtg.com/coverage/23148/
ヴィンテージのエスパーコントロール
2014年11月8日 TCG全般http://www.mtgdecks.net/decks/view/98474
参加者23名とごく小規模ではあるが,重要そうな雰囲気を受けたので書いてみる.レガシーの奇跡では探査対策でRIP型が増えているようだ.ヘルムピースはヴィンテージでも以前から無くはないコンセプトだったが,このタイミングで出てきたことは注目に値する.防御的なデザインで一貫しており,好感が持てる.
UWに黒をタッチする形だが,これは絶対に必要という訳ではないと思う.
メイン:
Demonic Tutor→悟りの教示者 コンボ完成にはこれで十分で,エネルギー・フィールドを追加する道もある.
毒の濁流→至高の評決 かなり重くなる.ここは微妙かな...
サイド:
虚無の呪文爆弾→大祖始の遺産 RIPデッキである以上,自分の墓地が削れても支障はないはずだ.また,探査を止めるにはこちらの方が有効.
悪意の大梟→壁いろいろ キャントリップの有無はでかいが,ビート相手ならコントロールしているだけでアドバンテージ差は取れるはず
強迫→狼狽の嵐,封じ込める僧侶? オースやTPSなどコンボを全部メタるのに強迫より適任はない.ここも弱体化は避けられない.
いくつかの点では不満も残るが,Bを抜くことで基本土地を増やせ,MUDや墓荒らしのeasy winを減らせるだろう.特にMUDは安らかなる眠りがコンボと世界のるつぼ以外役に立たない相手なので,相性改善のメリットは黒撤廃による対応力の低下より益だと思う.
参加者23名とごく小規模ではあるが,重要そうな雰囲気を受けたので書いてみる.レガシーの奇跡では探査対策でRIP型が増えているようだ.ヘルムピースはヴィンテージでも以前から無くはないコンセプトだったが,このタイミングで出てきたことは注目に値する.防御的なデザインで一貫しており,好感が持てる.
UWに黒をタッチする形だが,これは絶対に必要という訳ではないと思う.
メイン:
Demonic Tutor→悟りの教示者 コンボ完成にはこれで十分で,エネルギー・フィールドを追加する道もある.
毒の濁流→至高の評決 かなり重くなる.ここは微妙かな...
サイド:
虚無の呪文爆弾→大祖始の遺産 RIPデッキである以上,自分の墓地が削れても支障はないはずだ.また,探査を止めるにはこちらの方が有効.
悪意の大梟→壁いろいろ キャントリップの有無はでかいが,ビート相手ならコントロールしているだけでアドバンテージ差は取れるはず
強迫→狼狽の嵐,封じ込める僧侶? オースやTPSなどコンボを全部メタるのに強迫より適任はない.ここも弱体化は避けられない.
いくつかの点では不満も残るが,Bを抜くことで基本土地を増やせ,MUDや墓荒らしのeasy winを減らせるだろう.特にMUDは安らかなる眠りがコンボと世界のるつぼ以外役に立たない相手なので,相性改善のメリットは黒撤廃による対応力の低下より益だと思う.
Eternal Weekend 2014 TOP32
2014年11月7日 TCG全般9 Hilty, Jacob2255.6584% - GushStorm w/ 2 Dig through Depth
10 Christiansen,Blaine2170.9877% - Espresso Stax
11 Huang,Bob 2168.3128% - UR Delver
12 Summers,Ryan 21 63.6626% - Grixis Show and Tell
13 Martin,Jesse 21 61.1126% - Gitaxian Storm Tendrils
14 GRANBERRY,BRAD 21 60.0823% - Dredge w/Sun Titan, Leyline main
15 Becker,Adrian 21 60.0000% - Burning Long w/o Force of Will
16 Yang,Jerry 21 59.3827% - Burning Long w/o Force of Will
17 Nir,JD 21 59.1461% - Maniac Doomsday
18 Beaver, Jeremy 21 58.9300% - Burning 4C Delver w/Deathrite
19 Long,Dave 21 58.1261% - Dredge w/Misstep & Darkblast main
20 Cordy,Preston 21 57.5309% - Grixis Tezzeret Control
21 Shenhar,Shahar 21 55.1558% - UR Delver w/2 Dack Fayden
22 DiJohn,Nicholas 21 52.8704% - Forgemaster Workshops
23 Thompson, Nathan 21 52.1296% - Oath w/Show and Tell
24 Bastecki,Alex 21 51.9459% - UR Delver w/2 Dack Fayden
25 Kleppinger, David 21 51.8225% - UR Delver w/2 Dack Fayden
26 Williams, David 21 51.5755% - URG Delver w/1 Null Rod main
27 Naidu,Akash 19 64.7119% - Dredge
28 Batterman,Danny 19 41.7181% - Whatever City Vault
29 Homschek,Keith 18 70.4218% - UW Stoneforge Landstill
30 Potucek, Josh 18 64.1461% - UWR Landstill
31 Murray,Matthew 18 62.3163% - BK Human Bomber Storm
32 Lynch, Paul 18 61.9048% - URG Delver w/1 Dack Fayden
10 Christiansen,Blaine2170.9877% - Espresso Stax
11 Huang,Bob 2168.3128% - UR Delver
12 Summers,Ryan 21 63.6626% - Grixis Show and Tell
13 Martin,Jesse 21 61.1126% - Gitaxian Storm Tendrils
14 GRANBERRY,BRAD 21 60.0823% - Dredge w/Sun Titan, Leyline main
15 Becker,Adrian 21 60.0000% - Burning Long w/o Force of Will
16 Yang,Jerry 21 59.3827% - Burning Long w/o Force of Will
17 Nir,JD 21 59.1461% - Maniac Doomsday
18 Beaver, Jeremy 21 58.9300% - Burning 4C Delver w/Deathrite
19 Long,Dave 21 58.1261% - Dredge w/Misstep & Darkblast main
20 Cordy,Preston 21 57.5309% - Grixis Tezzeret Control
21 Shenhar,Shahar 21 55.1558% - UR Delver w/2 Dack Fayden
22 DiJohn,Nicholas 21 52.8704% - Forgemaster Workshops
23 Thompson, Nathan 21 52.1296% - Oath w/Show and Tell
24 Bastecki,Alex 21 51.9459% - UR Delver w/2 Dack Fayden
25 Kleppinger, David 21 51.8225% - UR Delver w/2 Dack Fayden
26 Williams, David 21 51.5755% - URG Delver w/1 Null Rod main
27 Naidu,Akash 19 64.7119% - Dredge
28 Batterman,Danny 19 41.7181% - Whatever City Vault
29 Homschek,Keith 18 70.4218% - UW Stoneforge Landstill
30 Potucek, Josh 18 64.1461% - UWR Landstill
31 Murray,Matthew 18 62.3163% - BK Human Bomber Storm
32 Lynch, Paul 18 61.9048% - URG Delver w/1 Dack Fayden
http://www.starcitygames.com/article/29653_Getting-On-The-Banwagon.html
Brianは上記事において,前回(http://urx.nu/dQ5O)に引き続いてエターナルにおける巡航規制の問題について議論している.彼はモダン・レガシー・ヴィンテージの3フォーマットのB/R listを調べ,そのいずれにも巡航より劣る卡が含まれていることを指摘する.それを論拠として巡航ほか数枚の卡の禁止/制限および,巡航より弱い卡の解除を訴える.非常に頷ける意見も多いが,卡力の点をやや重視しすぎではないかとも感じられる.
ウィザーズは禁止の理由として,ゲームのバランスよりも楽しさがより重要であると明言している.今環境に突出した強さの卡があり,それによって特定デッキの一強状態となっていても,直ちに規制を要するわけではない.それがプレイヤーの「あの卡はもう見るのも嫌になった」「このデッキばかりで飽きた」と不満の声になったとき,初めて問題となるのである.
その点,巡航の強さはともかく方向性はそこまで嫌われ者とは言えないだろう,なぜなら巡航は厳重なロックを掛けたり,1ターン目にコンボを完成させたりとった,対戦相手をマジックに参加させない類ではない.むしろ数ターンの駆け引きの後,突然安すぎるコストで圧倒的な優勢を得られてしまう点が問題である.その意味で既存の禁止卡の中で近いものを探すとすれば,血編み髪のエルフあたりではないかと思われる.
では次に存在率ではどうか,巡航を使えるデッキだけが勝ち上がり,多様性を損ねていないかという問題がある.先の血編み髪もそれで規制された口だが,彼女が住み慣れたジャンド以外では働こうとしなかったのに対し,巡航はシングルシンボルの上,探査も普通にやっていれば4ターンには貯まる.その結果クロックパーミッション(UR Delver,RUG Delver,UWR Delver,BUG Delverなど多岐にわたる...これが)なら誰でも巡航の恩恵に浴している状況であり,一概には同列視できない.そうすると次に生じる心配は,クロックパーミッション以外のコントロールやコンボが隅に追いやられ,プレイヤーを倦厭させているのではというものだ.これは各フォーマットを微細に見ていくしかないだろう.
レガシーに関しては,ごはんは飯屋さんの紹介されていたBob Huangの記事が詳しい.http://www.channelfireball.com/articles/november-2014-legacy-metagame-analysis/ ここでは大規模大会の上位入賞者を集計した結果,タルキール以降で最も成功しているのはUR Delver(14デッキ)ではなく,21デッキの奇跡であることがわかった.Delver系統を全部合算しても30デッキであり,コンボもエルフ!9デッキ,ANT・SNTがそれぞれ7デッキと十分な数字である.このように,レガシーでは巡航後もメタの健全性は保たれていたのである.
さて,Bobは巡航問題について,モダンでは禁止すべきであるのに対し,ヴィンテージでも壊れた強さではあるが規制の必要はないとしているが,具体的な数字までは示してくれなかった.mtgdecksはごく小規模な大会でも掲載するので,勝ち抜いているデッキを把握するには不向きなサイトだ.あまり気は進まないが,ともかくその分析を見てみよう.
右上図がモダンの10月のメタである.首位がUR Delver,続いてバーン,そして3位が巡航の関係ない親和という結果で,この傾向は11月に入るとさらに進んでいる.トップ1,2位が共に巡航を鍵卡とした同色のデッキとは,確かにちょっと不健全か.
下図のヴィンテージでは,10月最も成果を収めたのはGAT(主にUR Delver)ではなくMUDであり,それに次ぐFish(墓荒らしとか色々.mtgdecksの欠点としてアレンジが非常に適当)も巡航採用は1件しかなかった.直近1ヶ月(つまり10/7~今日)のデータでは,MUDとGATが入れ替わったが,それ以上の大きな変化はない.また,使用枚数を見ても,モダンが10位だったのに対して(制限が多く,有利な条件なのにも関わらず)ヴィンテージでは37位で,これはMox Pearlと同着である.宝船の巡航がもたらした影響は確かに甚大なものがある,しかしバランスを破壊したとまでは言えない.
Brianの記事に戻り,その提言を僕なりに考えれば,次のようになる.
ヴィンテージ:
宝船の巡航,グリセルブランド,虚空の杯 制限
けちな贈り物 制限解除
宝船の巡航については上に述べたような理由から反対だ.
しかし,グリセルブランドは難しい.実際,グリセルオースは規制されても仕方ない程度には強いデッキだ.ところで昨夜,相互リンク頂いているkreuzさんのブログに「グリセル規制するくらいならオース制限の方がまだ妥当じゃないでしょうかね」とコメントした.これはオースの構造上グリセルを制限しても事故がいくぶん増える程度で,それとて先読み/See Beyondやガイアの祝福/Gaea’s Blessingでどうとでもなる問題だと考えたからだが,今は考えを改めている.ドルイドの誓いを制限することはオースというアーキタイプ全体の消滅を意味し,グリセルブランド以外の比較的穏健なタイプまで巻き添えにしてしまう.グリセル制限は,プレイヤーに上のような少し見劣りする卡を投入することでデッキパワーの低下を受け入れるか,またはイオナ・エムラクールといった以前のバージョンに戻るかの選択を迫ることができる,過不足のないやり方ではないかと思えてきた.とはいえ,やはりエレガントさにはいささか欠ける.いま仮に,僕がオースを弱体化させる方法を考えるよう指示されたとしたら,禁忌の果樹園を考慮に入れるだろう,これはオースの中核的な土地だが,これの登場した10年前に比べてビートダウンは激増しているし,ノンクリーチャーデッキは絶無に等しくなった.加えて白鳥の歌や内にいる獣といったトークン押し付け手段は他にも確保されており,果樹園が制限されてもオースの存在意義を奪う結果にはならず,メタにも十分残れると思う.もっとも,封じ込めおばさんが出たから規制しなくて大丈夫だと思うが.
次の虚空の杯は賛成だ.まず前提としてMUDもヴィンテージ最強の一角だし,先手後手がとりわけ重要なデッキのため運要素がやや強すぎるきらいもある.規制の候補としては,採用率で言えばもちろん磁石のゴーレムが最右翼に来るが(Kuldotha型などではチャリスが抜かれる場合も稀にある),先手の強みを薄めようとすれば,虚空の杯が最も適任と思われる.それは先攻1ターン目の拘束の中ではチャリスX=0が最も軽く,それゆえに抵抗の宝球など他のアーティファクトとの二段構えのマナ攻撃を仕掛けることができるためだ.これは最大の敵であるFoWへの強い耐性をもたらす.もちろんFoWがなくて両方とも通るようならeasy winコースである.
けちな贈り物が制限されて以来,テーマである墓地のスペル利用関連では瞬唱の魔道士・炎の中の過去・有毒の蘇生と上質な人材が加わった.しかし一方で墓地対策も相応に進化したのみならず,狼狽の嵐や精神壊しの罠によって,こうした「大技」に対する抑制はかなり強まった.ギフトが巡航より弱いとするBrianの主張には賛成できないが(役割が違うし,卡力の絶対値をとってみたとしてもまあ五分五分だろう)解除してもメタに与える影響は,噴出の場合を越えないだろう.ここもBrianに同意だ.
レガシー:
宝船の巡航 禁止
精神錯乱 解除
どちらにも理がある.特に精神錯乱はHymnより強い場面が少なそうだから解除しても大丈夫だろう.ツイストだけ解除したら巡航と睨み合ってくれたりしないだろうか?
モダン:
宝船の巡航,ジェスカイの隆盛 禁止
祖先の幻視 解除
巡航と幻視はとりわけよく似た卡だ.このまま巡航を放置し,幻視を禁止に据え置くのは筋が通らないだろう.血編み髪の禁止によって弱体化したのもあるし,この入れ替えは賛成かな.しかし,この場合隆盛コンボの安定性もかなり落ちると思うので,ジェスカイの隆盛禁止はどうだろう.
最後になるが,この記事で最も感銘を受けたのは実は命運縫い/Fatestitcherの紹介だった.確かにこいつはジェスカイの隆盛と最高に相性が良い.特にマナクリーチャーがいない状態からスタートしてもターン中に相手を殺せるのが大きい.ヴィンテージで何度も見ておきながら,なぜ今までこいつの存在に気づかなかったのだろうか?
Brianは上記事において,前回(http://urx.nu/dQ5O)に引き続いてエターナルにおける巡航規制の問題について議論している.彼はモダン・レガシー・ヴィンテージの3フォーマットのB/R listを調べ,そのいずれにも巡航より劣る卡が含まれていることを指摘する.それを論拠として巡航ほか数枚の卡の禁止/制限および,巡航より弱い卡の解除を訴える.非常に頷ける意見も多いが,卡力の点をやや重視しすぎではないかとも感じられる.
ウィザーズは禁止の理由として,ゲームのバランスよりも楽しさがより重要であると明言している.今環境に突出した強さの卡があり,それによって特定デッキの一強状態となっていても,直ちに規制を要するわけではない.それがプレイヤーの「あの卡はもう見るのも嫌になった」「このデッキばかりで飽きた」と不満の声になったとき,初めて問題となるのである.
その点,巡航の強さはともかく方向性はそこまで嫌われ者とは言えないだろう,なぜなら巡航は厳重なロックを掛けたり,1ターン目にコンボを完成させたりとった,対戦相手をマジックに参加させない類ではない.むしろ数ターンの駆け引きの後,突然安すぎるコストで圧倒的な優勢を得られてしまう点が問題である.その意味で既存の禁止卡の中で近いものを探すとすれば,血編み髪のエルフあたりではないかと思われる.
では次に存在率ではどうか,巡航を使えるデッキだけが勝ち上がり,多様性を損ねていないかという問題がある.先の血編み髪もそれで規制された口だが,彼女が住み慣れたジャンド以外では働こうとしなかったのに対し,巡航はシングルシンボルの上,探査も普通にやっていれば4ターンには貯まる.その結果クロックパーミッション(UR Delver,RUG Delver,UWR Delver,BUG Delverなど多岐にわたる...これが)なら誰でも巡航の恩恵に浴している状況であり,一概には同列視できない.そうすると次に生じる心配は,クロックパーミッション以外のコントロールやコンボが隅に追いやられ,プレイヤーを倦厭させているのではというものだ.これは各フォーマットを微細に見ていくしかないだろう.
レガシーに関しては,ごはんは飯屋さんの紹介されていたBob Huangの記事が詳しい.http://www.channelfireball.com/articles/november-2014-legacy-metagame-analysis/ ここでは大規模大会の上位入賞者を集計した結果,タルキール以降で最も成功しているのはUR Delver(14デッキ)ではなく,21デッキの奇跡であることがわかった.Delver系統を全部合算しても30デッキであり,コンボもエルフ!9デッキ,ANT・SNTがそれぞれ7デッキと十分な数字である.このように,レガシーでは巡航後もメタの健全性は保たれていたのである.
さて,Bobは巡航問題について,モダンでは禁止すべきであるのに対し,ヴィンテージでも壊れた強さではあるが規制の必要はないとしているが,具体的な数字までは示してくれなかった.mtgdecksはごく小規模な大会でも掲載するので,勝ち抜いているデッキを把握するには不向きなサイトだ.あまり気は進まないが,ともかくその分析を見てみよう.
右上図がモダンの10月のメタである.首位がUR Delver,続いてバーン,そして3位が巡航の関係ない親和という結果で,この傾向は11月に入るとさらに進んでいる.トップ1,2位が共に巡航を鍵卡とした同色のデッキとは,確かにちょっと不健全か.
下図のヴィンテージでは,10月最も成果を収めたのはGAT(主にUR Delver)ではなくMUDであり,それに次ぐFish(墓荒らしとか色々.mtgdecksの欠点としてアレンジが非常に適当)も巡航採用は1件しかなかった.直近1ヶ月(つまり10/7~今日)のデータでは,MUDとGATが入れ替わったが,それ以上の大きな変化はない.また,使用枚数を見ても,モダンが10位だったのに対して(制限が多く,有利な条件なのにも関わらず)ヴィンテージでは37位で,これはMox Pearlと同着である.宝船の巡航がもたらした影響は確かに甚大なものがある,しかしバランスを破壊したとまでは言えない.
Brianの記事に戻り,その提言を僕なりに考えれば,次のようになる.
ヴィンテージ:
宝船の巡航,グリセルブランド,虚空の杯 制限
けちな贈り物 制限解除
宝船の巡航については上に述べたような理由から反対だ.
しかし,グリセルブランドは難しい.実際,グリセルオースは規制されても仕方ない程度には強いデッキだ.ところで昨夜,相互リンク頂いているkreuzさんのブログに「グリセル規制するくらいならオース制限の方がまだ妥当じゃないでしょうかね」とコメントした.これはオースの構造上グリセルを制限しても事故がいくぶん増える程度で,それとて先読み/See Beyondやガイアの祝福/Gaea’s Blessingでどうとでもなる問題だと考えたからだが,今は考えを改めている.ドルイドの誓いを制限することはオースというアーキタイプ全体の消滅を意味し,グリセルブランド以外の比較的穏健なタイプまで巻き添えにしてしまう.グリセル制限は,プレイヤーに上のような少し見劣りする卡を投入することでデッキパワーの低下を受け入れるか,またはイオナ・エムラクールといった以前のバージョンに戻るかの選択を迫ることができる,過不足のないやり方ではないかと思えてきた.とはいえ,やはりエレガントさにはいささか欠ける.いま仮に,僕がオースを弱体化させる方法を考えるよう指示されたとしたら,禁忌の果樹園を考慮に入れるだろう,これはオースの中核的な土地だが,これの登場した10年前に比べてビートダウンは激増しているし,ノンクリーチャーデッキは絶無に等しくなった.加えて白鳥の歌や内にいる獣といったトークン押し付け手段は他にも確保されており,果樹園が制限されてもオースの存在意義を奪う結果にはならず,メタにも十分残れると思う.もっとも,封じ込めおばさんが出たから規制しなくて大丈夫だと思うが.
次の虚空の杯は賛成だ.まず前提としてMUDもヴィンテージ最強の一角だし,先手後手がとりわけ重要なデッキのため運要素がやや強すぎるきらいもある.規制の候補としては,採用率で言えばもちろん磁石のゴーレムが最右翼に来るが(Kuldotha型などではチャリスが抜かれる場合も稀にある),先手の強みを薄めようとすれば,虚空の杯が最も適任と思われる.それは先攻1ターン目の拘束の中ではチャリスX=0が最も軽く,それゆえに抵抗の宝球など他のアーティファクトとの二段構えのマナ攻撃を仕掛けることができるためだ.これは最大の敵であるFoWへの強い耐性をもたらす.もちろんFoWがなくて両方とも通るようならeasy winコースである.
けちな贈り物が制限されて以来,テーマである墓地のスペル利用関連では瞬唱の魔道士・炎の中の過去・有毒の蘇生と上質な人材が加わった.しかし一方で墓地対策も相応に進化したのみならず,狼狽の嵐や精神壊しの罠によって,こうした「大技」に対する抑制はかなり強まった.ギフトが巡航より弱いとするBrianの主張には賛成できないが(役割が違うし,卡力の絶対値をとってみたとしてもまあ五分五分だろう)解除してもメタに与える影響は,噴出の場合を越えないだろう.ここもBrianに同意だ.
レガシー:
宝船の巡航 禁止
精神錯乱 解除
どちらにも理がある.特に精神錯乱はHymnより強い場面が少なそうだから解除しても大丈夫だろう.ツイストだけ解除したら巡航と睨み合ってくれたりしないだろうか?
モダン:
宝船の巡航,ジェスカイの隆盛 禁止
祖先の幻視 解除
巡航と幻視はとりわけよく似た卡だ.このまま巡航を放置し,幻視を禁止に据え置くのは筋が通らないだろう.血編み髪の禁止によって弱体化したのもあるし,この入れ替えは賛成かな.しかし,この場合隆盛コンボの安定性もかなり落ちると思うので,ジェスカイの隆盛禁止はどうだろう.
最後になるが,この記事で最も感銘を受けたのは実は命運縫い/Fatestitcherの紹介だった.確かにこいつはジェスカイの隆盛と最高に相性が良い.特にマナクリーチャーがいない状態からスタートしてもターン中に相手を殺せるのが大きい.ヴィンテージで何度も見ておきながら,なぜ今までこいつの存在に気づかなかったのだろうか?
Vintage Super League 決勝ラウンド
2014年11月6日 TCG全般http://vintagesuperleague.com/
仮にも公式で取り上げられた企画なのに,日本だとあんま注目されてないが一応見ていこう.先週まででスイスラウンドは終わり今回から上位4名の決勝ラウンドとなった.
仮にも公式で取り上げられた企画なのに,日本だとあんま注目されてないが一応見ていこう.先週まででスイスラウンドは終わり今回から上位4名の決勝ラウンドとなった.
LSV-GushStorm
3 Mental Misstep
1 Ancestral Recall
2 Dig Through Time
4 Preordain
2 Jace, the Mind Sculptor
2 Abrupt Decay
4 Misty Rainforest
1 Black Lotus
1 Mox Jet
1 Mox Sapphire
1 Mox Emerald
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Library of Alexandria
1 Vampiric Tutor
4 Force of Will
2 Tropical Island
3 Underground Sea
3 Polluted Delta
1 Demonic Tutor
1 Island
1 Brainstorm
1 Ponder
1 Sol Ring
3 Thoughtseize
1 Time Walk
1 Yawgmoth’s Will
4 Gush
1 Hurkyl’s Recall
1 Tinker
1 Blightsteel Colossus
1 Tendrils of Agony
1 Fastbond
1 Mana Crypt
1 Merchant Scroll
1 Mystical Tutor
Sideboard
2 Nature’s Claim
4 Oath of Druids
2 Griselbrand
3 Forbidden Orchard
1 Abrupt Decay
1 Hurkyl’s Recall
1 Flusterstorm
1 Notion Thief
Stephen Menendian-RUG Delver
2 Trygon Predator
3 Delver of Secrets
4 Young Pyromancer
4 Gush
3 Treasure Cruise
1 Ancestral Recall
1 Time Walk
1 Ponder
1 Brainstorm
4 Preordain
1 Mystical Tutor
3 Lightning Bolt
1 Fire/Ice
4 Force of Will
3 Mental Misstep
2 Flusterstorm
2 Pyroblast
2 Misdirection
1 Ancient Grudge
3 Volcanic Island
2 Tropical Island
1 Island
1 Strip Mine
4 Scalding Tarn
1 Polluted Delta
1 Flooded Strand
1 Misty Rainforest
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
1 Black Lotus
SB:
4 Ingot Chewer
1 Ancient Grudge
1 Nature’s Claim
1 Mountain
4 Leyline of the Void
3 Grafdigger’s Cage
1 Pyroblast
Eric Froehlich-GushStorm
3 Mental Misstep
1 Ancestral Recall
2 Dig Through Time
4 Preordain
2 Jace, the Mind Sculptor
2 Abrupt Decay
4 Misty Rainforest
1 Black Lotus
1 Mox Jet
1 Mox Sapphire
1 Mox Emerald
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Library of Alexandria
1 Vampiric Tutor
4 Force of Will
2 Tropical Island
3 Underground Sea
3 Scalding Tarn
1 Demonic Tutor
1 Island
1 Brainstorm
1 Ponder
1 Sol Ring
3 Thoughtseize
1 Time Walk
1 Yawgmoth’s Will
4 Gush
1 Hurkyl’s Recall
1 Tinker
1 Blightsteel Colossus
1 Tendrils of Agony
1 Fastbond
1 Mana Crypt
1 Merchant Scroll
1 Mystical Tutor
Sideboard
2 Nature’s Claim
4 Oath of Druids
2 Griselbrand
3 Forbidden Orchard
1 Abrupt Decay
1 Hurkyl’s Recall
1 Flusterstorm
1 Notion Thief
David Williams-Chains of MephistophelesこのChains of Mephistophelesは,ドローを強調する他の3名に対する強いメタの結果生まれたデッキだが,手札交換程度には使えるし探査を促進してしまうので微妙な気がする...
1 Black Lotus
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
2 Chains of Mephistopheles
1 Vampiric Tutor
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Echoing Truth
4 Mental Misstep
3 Negate
3 Snapcaster Mage
1 Time Walk
1 Abrupt Decay
3 Dack Fayden
4 Deathrite Shaman
1 Fire/Ice
1 Ancient Grudge
1 Lightning Bolt
2 Misty Rainforest
4 Wasteland
1 Bayou
4 Dark Confidant
1 Tropical Island
2 Underground Sea
2 Volcanic Island
4 Force of Will
1 Yawgmoth’s Will
1 Demonic Tutor
1 Strip Mine
3 Polluted Delta
1 Mana Confluence
1 Abrupt Decay
1 Chains of Mephistopheles
4 Grafdigger’s Cage
1 Nature’s Claim
2 Trygon Predator
1 Pyroblast
2 Lightning Bolt
1 Electrickery
1 Red Elemental Blast
1 Ancient Grudge
反省会反省会
2014年11月6日 Magic: The Gathering反省会反省会2:http://bagupokemon.diarynote.jp/201411120328097616/
・WWK
http://bagupokemon.diarynote.jp/201003040943562541/
宝物探し
mtgdecksで48件.ただし今年に入ってからは1件のみで,ほぼ忘れ去られた1枚.レガシーではこれを鍵卡にした,土地で手札を水増しして禁止/ForbidでロックするCAB-Jaceというデッキが一時組まれていたが,レガシーの純正コントロールは頭ひとつ抜けた優秀さを持つ奇跡に一本化されてしまった.土地38枚のスワンデッキに入ったりもしているので,当記事の予想は一応当たったといえる.
払拭
MLV1点ーサイド用と予想しており,実際登場後しばらくはそういう使われ方が重だった.この頃の顕著な実績としてはBOM4レガシー優勝のサイドに3枚などが挙げられる.これがモダンでは全く逆であり,双子がカウンター・除去といった妨害全般を広範に打ち払ってコンボを完成させる攻撃的なカウンターとしての地位を築いた.なおLVでは狼狽の嵐に取って代わられた模様.強いて言えばGushには払拭のほうが強いかも.
奪い取り屋、サーダ・アデール
V1点ー待った甲斐はあり,ヴィンテージではFishや長期戦志向のランドスティルが主にサイドから投入する例がみられた.過去形なのは今年の採用率が0だから.言うだけ野暮だろうが,島渡りがブロックされないならMUDにも効いてもっと使われたかもしれない.カルドーサ型が多い今なら特に.
精神を刻む者、ジェイス
SMLV5点ー「やはりスタンダードからレガシーまで幅広く使われる良カードらしい」などと暢気なことを言っているが,この半年後にヴィンテージはジェイスの実力を目撃することとなる.初期はコントロールではなくTPSなどで使われており,今とは逆だった.それ以来ずっとBig Blueの切り札の立場を保っているが,天敵中の天敵概念泥棒の登場,MUDにおける破棄者・ミシュラランドの増加などにより,全盛期に比べれば権勢にもわずかに陰りがある.
深淵の迫害者
SLー陰謀団式療法とのシナジーは見込んだ通りだった.ただし黒単よりもセラピーを上手く使えるデッキとしてNic Fitがあり,そっちでの採用が多い
自然の要求
MLV4点ーこの予想は当たった.ヴィンテージでは極めて受けが広く重要な卡で,サイドボードの採用デッキ数は1848件とあらゆるデッキで信頼されている.もちろんドレッジのサイドにも,ASを除いてまず積まれる.ここまでではないがモダン・レガシーでも活躍.
テラストドン
V1点ー4年半前の僕は妙におどおどと「前にオースで使うとか言ってたけどこんなもん出すわけないですよねアホですよね僕」と述べるが,その後使われた.当時のオースはイオナ(手札)テラストドン(盤面)スフィンクス(ライフ)とエキスパート三者からなる布陣で相手をねじ伏せるタイプで,今から見ても完成度が高い.しかし今となってはグリセルブランドやBSC,エムラクールというさらなる強者が登場し,ねじ伏せる必要すらなく勝つデッキになってしまった.他フォーマットでも大体似たような推移をたどる.
磁石のゴーレム
LV5点ー始皇帝のない中国史を想像できず,キリスト教のないヨーロッパ世界を想像できないのと同様,影響が大きすぎて却ってそれを論じるのが難しいということが世の中にはある.ワールドウェイク以降の数年間でヴィンテージは大きく変化した,しかしそれは大づかみな傾向であり,単一のトピックとして磁石のゴーレムを上回る事件は,同時に登場した神ジェイスを含めても未だに起こっていないのではないか.
精力の護符
Mー割と期待していたがしばらくは鳴かず飛ばず.だが今,これとバウンスランド,踏査系卡と組み合わせてマナを出しては手札に戻し,また出し直し...とやって大量マナを出すコンボデッキが組まれているらしい.そのデッキ名がカンガルーと言うのだから面白い.
掘り出し物:
石鍛冶の神秘家
SMLV4点ーまさか次のブロックで殴打頭蓋なんて化物が刷られるとはなあ...ALA-ZEN期にサーチしていたのがバジリスクの首輪とビヒモスの大槌であることを考えると隔世の感がある.ヴィンテージでは攻撃までに2ターンかかるテンポの遅さが気にされしばらく使われずにいたが,誰かが実験してみたら強かったパターンで現在は1つの勢力を築いている.
・ROE
闘争の学び手/Student of Warfare
V2点ー現在,彼は主にヴィンテージの白ウィニーで学んでいる.霊気の薬瓶でマナを浮かせられるレガシーのデスタクの方が相性がいいような気がするのだが(ヴィンテージでは無のロッドの関係上薬瓶が入らない),打点よりもロックを優先したか.
サラカーの呪文刃/Surrakar Spellblade
待った甲斐もなく全然ダメだった.+1/+1カウンターではなくただの蓄積カウンターであるため,どこまで行っても戦闘時は2/1バニラに過ぎない.それなら冷淡なセルキーで確実に攻撃を与えながら1,2枚ずつ引いたほうが賢い.
コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
SMLーモダン611件,レガシー1563件という華々しい実績にひきかえヴィンテージではわずか6件.レガシーでは上位デッキのほとんどが軽量のクリーチャーに大きく依存しているとか,ヴィンテージには4マナ以上ばかりのMUDがあるといった解釈もできなくはないが,これだけの採用数差を説明することにはならない.思考囲いと比べてもDelverに強いという持ち味を活かし,Dark Depthあたりで使われるようになることを期待する.
窯の悪鬼/Kiln Fiend
グランビル復活の夢を託すプレイヤーも多かったが,結局大成できなかった.爆発力では感染勢力に勝てず,確実性では僧院の速槍に劣る.
二股の稲妻/Forked Bolt
Lー火/氷ですら重いRUG Delverの基本パーツ.デッキ唯一のアドバンテージ源という役割があるため,これを使いこなせるかどうかが上級者の分かれ道.最近はUR Delverの台頭もあってか従来1枚のところが2枚に増えている様子
古きものの活性/Ancient Stirrings
Mーここで書いてある通り5c Staxのstablerとしての役割を期待していた.だがヴィンテージの粋を集めた5c Staxでは,全てが一騎当千の卡でなければならない.モダンのトロンではかつて望んだような使われ方をしているので良しとしよう.
掘り出し物:
引き裂かれし永劫、エムラクール
SMLV3点ーなぜ彼女について言及していないのか自分でも不思議だ.オースの中ではこれとBSCの2枚体制にドラゴンの息を加え,速攻で殺すタイプがあり,テラストドンと違って現役なので3点.
・M11
http://bagupokemon.diarynote.jp/201008241504321247/
神聖の力線
SMLV3点ー登場から変わらず,バーンとストームからプレイヤーを守るサイドボードの定番として頼られる.レガシーANTなどではこれを意識してオアリムの詠唱より沈黙を影響するなど,構築への影響も大きなものがある.ところで今後の話をすると,オースは今後檻とババア双方を対策しなければいけなくなるから,突然の衰微への傾斜が強まるだろう.その結果,4マナの力線はかなり外しづらくなるのでは?
太陽のタイタン
MV2点ー一時期,ドレッジの主流はタイタンや命運縫いによるスピード重視のタイプ,名前もそのままにTitan Dredgeであった.GEN CON 2011を制したのもこのタイプのドレッジだったが,その9ヶ月後に開催されたBOM 2012の優勝は1ターンキルを完全に捨て,妨害を重視したIngot Dredgeであり,一転してこれが主流となった.推移は3点→2点となるだろう.しかし最近はまた戦慄の復活が入りはじめ,グリセルブランド+偏執狂と特にコンボ的な試みもある.その流れでタイタンも再評価されつつあり,このまま進むなら3点に復する可能性もある.
予期の力線
僕にとって非常に悔いの残る卡だ.これとストーム系デッキの相性の良さに目をつけて色々と試行錯誤したものの,構築力の至らなさから結局形にはできなかった.この場を借りて具体的なアイディアを述べてみよう.まず相手の唱えた呪文まで計上されるため,ストームで相手を殺すハードルが少し低くなる.修繕・巣穴からの総出に事実上の速攻がつく.ネクロポーテンスで引いたものを全部使えるため,事実上3マナのヨーグモスの取り引きとして使えるといった調子だ.なお,数少ない使用デッキとしてはベルチャーがあり,当たり前といえば当たり前なのだがいい使い方だと思う.
定業
MLV3点ーどのフォーマットでも大人気のドロー呪文.禁止まで食らうとは.
掘り出し物:
鋼の監視者
MV2点ー親和でかなりの権勢を誇っている。
・SOM
これはつい先日書いたばかり.
http://bagupokemon.diarynote.jp/201411050422351719/
・MBS
http://bagupokemon.diarynote.jp/201104211111551589/
レオニンの遺物囲い
LV2点ーヴィンテージではMoxを追放して足止めをかけられ,MUDにも有効.レガシーでもデスタクがサイドから投入することは多い.モダンの親和は物量で攻めてくるので,1体を一時追放ぐらいでは仕方がないようだ.
鋼の妨害
MV4点ーリリース後は定番とまでは行かないことから2点と評していたが,その後まさに定番となり評価を大きく高めた卡.ヴィンテージでの採用数を見るとメイン632-サイド846とそこまで開きがなく,鋼の妨害がハーキルの召還術の相互互換として位置づけられていることがわかる.ハーキルは効果が大きく,一発逆転とストーム稼ぎで大きく勝る.鋼の妨害は単純にアドバンテージを取れるので汎用性があり,最序盤のMoxenやSphereなど着地する前に対処せねばならないアーティファクトを打ち消せる.とBig BlueよりもFish系に向いた作りであることがわかるだろう,そして実際そのように住み分けされている.
荒廃鋼の巨像
LV5点ーこれを目にした時の驚きを今なお覚えている.Tinker GolemはしばらくBSC一強であったのが,ダクの登場やUR Delverの台頭があり,戦闘球や鋼の風のスフィンクスにメタの追い風が吹いてきた.それでもTinkerの筆頭には変わりなく,5点の評価も揺るぎない.
ボーラスの工作員、テゼレット
SLV2点ー求道者テゼレットと比較してみよう.まず2ターンキルのある旧テゼの方が強い.また,Vault-Keyを入れておけば済む旧テゼに対し,工作員の方は能力を活かすためにどうしても一定数(15枚ぐらい)以上のアーティファクトが必要になるため,悪意の大梟を入れたり,モノリスで増やしたりしてCSかTurboTezzに落ち着く.結果,新旧テゼが共存するリストが非常に多くなる.ダクの影響かは分からないが去年と比べて今年からずいぶん元気がなくなってしまった.点数で言えば3点からずるずると2点まで落ち込んできた感じ.親和や此間のEternal Weekendでも入賞したHelmratorなどレガシーでの方が元気がある.
ファイレクシアの破棄者
LV4点ーMUDもいくつかのアーキタイプに分かれたが,軽さと汎用性の高い能力が買われ,いずれにおいても採用される.今ではもう破棄者のないMUDの方が少ないぐらいだ(具体的な不採用デッキは,稲妻のすね当てまで投入したコンボ型のKuldotha,クリーチャー数を最低限まで絞ったEspresso Staxなど,いずれかの極に特化したものが多い)http://urx.nu/dLXT ではPWの増加が破棄者を強力たらしめていると述べたが,レガシーのデスタクやヴィンテージのGW-Hateなど,激戦区である白2マナ域にまでアーティファクト・クリーチャーであるこいつが入ってくるところを見ると,単純に卡力が非常に高いとみるべきのようだ.
掘り出し物:
聖別されたスフィンクス
SV2点ー四肢切断環境だったスタンダードのコントロール全般におけるフィニッシャー,そしてEDHのドロー長者という印象が強いが,ヴィンテージのBTBでも稀に使われる.
緑の太陽の頂点
SMLV2点ーレガシーのMaverickを築いた功績は不滅である.あと,2012年頃はhttp://urx.nu/dM4i のように緑太陽1枚と緑のクリーチャーを数種類入れておく形のGush Controlが模索されていたが,これは断念されてしまったようで,現在は専らGW系統で使われる.
・NPH
http://bagupokemon.diarynote.jp/201112181822438169/
Karn Liberated
SMLV1点ーレガシーのMUDは即ちMetalworkerであるため,手札から公開できないだけで運用に大きな支障はない.一方ヴィンテージとなるとMishra’s Workshopの支援を受けられないのが痛く,通った時の決定力を重視するプレイヤーに細々と使われているとはいえ2点以上はつけられない.
Elesh Norn, Grand Cenobite
SLV2点ー彼女のキャリアはスタン殻の頂点として始まり,現在はレガシーのリアニメイト候補として働いている.ヴィンテージでもウィニー対策としてドレッジやオースのサイドに使われることがある.UR Delver対策として非常に注目している卡.
Marrow Shards
半分冗談と僕自身述べたとおり,全く使われていない.だが現在,紅蓮術士を処理できる最軽量卡としての可能性が...?
Gitaxian Probe
SMLV3点ーブレストや思案といった定番ドローに比べれば尖ったところがあり,ロング・デック,ベルチャーのような超速コンボと,M14直後に試験されていたコンボ的なパイロマンサーデッキ(頭蓋骨絞めや陰謀団式療法などで入れてトークンを活用するタイプ)など,特段の理由があるデッキ以外では採用を控えられる傾向があった.だが,タルキールによって構築環境は一変し,探査ドロー・若き紅蓮術士・速槍とサポートできるギタクシア派の調査はどのフォーマットでも勝ち組となった.
Mental Misstep
SMLV4点ーモダン・レガシーでは汎用性と採用率の高さのあまり禁止を余儀なくされたMステだが,ヴィンテージではMUDのように効き目のない相手が多く存在し,フル投入されることは少ない(だからこそ4枚入れて勝ったEternal Weekendの2人は凄い).ヴィンテージにはMUDやドレッジのようなきわめて端的なデッキが多数存在するだけでなくメタゲーム上主要な地位を占めており,それらがこの環境の異常性を表していると受け取られがちだが,実はそれらが精神的つまづきのような汎用性の高すぎる卡に歯止めをかける役割を果たしており,むしろ環境の多様性に一役買っているのではないかと思う.
Phyrexian Metamorph
SLV4点ーSOMブロックでなされた新規戦力の大量投入に伴い,起こったMUD内の激しい淘汰を勝ち残ったクリーチャー.これで磁石のゴーレムか鉄線をコピーするだけでeasy win路線に乗れる.その一方で相手の強力なクリーチャーをコピーして劣勢を覆すこともできるのだから,まさに万能.理不尽なほどの多機能性だ.
Dismember
SMLV3点ー圧倒的な軽さからオールスターとなった除去呪文.ヴィンテージにおいて5点のマイナス修整は,これまで稲妻への耐性を誇っていたオーリオックの廃品回収者,タルモゴイフやカルドーサの鍛冶場主さえも倒す威力があり,これで届かないのはTinker Golem程度しかない.基本的にはサイド用だが,最近はTerra Novaがメインから4枚積みしている.困ったもんだ.
Praetor’s Grasp
これまた期待を裏切られた卡.確かに相手のライブラリーを痩せさせる効用はあるだろう,だが勝ち手段が苦悶の触手1枚だけのようなコンボを除いて,それが決定的な影響を及ぼす見込みも少ない.結局Grim Tutorで十分という話になる.
Surgical Extraction
LV3点ー極めて軽く,プレイヤーの様々な技能を問う良卡である.墓地利用を封印するというより遅らせる卡なので,どちらかといえばビートダウン向け.とにかくスペルを唱えたいUR Delverなんかは,墓地対策をこれと貪欲な罠に任せるケースが多い.不毛の大地で割ったデュアルランドを摘出し,その色の呪文を詠唱不能に追い込むプレイも強力.
掘り出し物:
Porcelain Legionnaire
SV1点ー白単鋼でデビューし,ヴィンテージでもパワー3の先制は極めて堅いのでMUDと白ウィニー双方で用いられた.が,それも昔の話で今年の採用数は5件のみ.コカトリスだと結構見るのだが...僕自身の評価を述べると,MUD用の壁としてサイドボードに入れられないかと考えた事がある.実質2マナと軽いが実態は3マナであり,虚空の杯に強い.またアーティファクト・クリーチャーであるためアメジストのとげや磁石のゴーレムに加圧されず,有利である.そしてパワー3の先制攻撃はほとんどのMUDクリーチャーを一方的に破る.mtgdecksで見てみると,http://urx.nu/dMMD 僕と同じ発想と思われるデッキが3,4件ほど見つかる.
Slash Panther
V1点ー前回先駆のゴーレムの項で述べたように,一時期は大変流行したのだが(この時期なら3点はあった),2012年半ばほどから潮が引けるように消えてしまった.mtgdecksでの検索結果もこの実感と一致する.http://urx.nu/dMFP この2012年半ばというのは,KuldothaがMUDの主流となり,Espresso Staxがそれに次ぐ勢力となっていた時期であり,どちらにも今ひとつ沿わない豹があぶれて今日まで来た格好ではなかろうか.
Noxious Revival
V3点ーモダンやレガシーでも全く0という訳ではない(特に前者は隆盛コンボで使われだした)が,本場はやはりヴィンテージだ.用途は2つ,まずけちな贈り物で「これ+ヨーグモスの意志+Vault+Key」と仕込む.またはルーン傷の悪魔オースでTime Walkを連鎖させるためにサーチしてきてアップキープ中に唱える.この通り,いかにもヴィンテージらしい使われ方だ.
Batterskull
SMLV3点ー石鍛冶から3ターン目に出てきて,多くのプレイヤーを勝利に導いてきた卡だが,その石鍛冶が禁止された後のスタンやモダンでも普通に使われているところを見ると,単純に強いのだろう.(神話レアとコモンを比べるのはフェアでないかも知れないが)ダブルシンボルの暁駆けの聖騎士と比べても,ひどい性能差である.ヴィンテージのMUD(もちろん石鍛冶はない)でも31件の利用が確認できる.ダクとURに強いので今後増えるのではないかと思っているのだが,どうなるか.
・M12
http://bagupokemon.diarynote.jp/201107061205323988/
堂々たる撤廃者
LV2点ーやはり白ウィニー,時々GW-Hateの一員なのだが,魂の洞窟を得た今,白ウィニーは必ずしも撤廃者に頼らなくとも戦えると感じる.こいつの真価はむしろコンボサポートではないだろうか.白の濃いコンボデッキ(Bomberman等)で魂の洞窟から出てこられると,否応なくコンボの観客に貶められ台パンレベルの強さなのである.この使い方はレガシーのセファリッド・ブレックファーストでも見られる.
個人的聖域
すいません.テキストちゃんと読んでませんでした...
練達の盗賊
当時の自分にはわざわざ会話仕立てにまでしてご苦労と言いたいが,誘惑蒔きには遠く及ばない.まあ,今はこいつよりさらに凄い多元宇宙一の盗賊が出てきたから良しとしよう.
無限の日時計
レガシーの白スタックスでの採用が確認できた.4件だけでは「使われている」とは言えないが.ロックとターンスキップを組み合わせるというアイディア自体は遥か時エイトグの時代から実用化されていたことだ.まあ,ヴィンテージならこれを使うぐらいならTime Vaultに頼るほうがマシだろう.
埋没した廃墟
SLV3点ー初めて知ったが,スタンでは交易所でかなり採用されていた.ヴィンテージでは煙突を使うタイプのMUD(従来通りEspresso Staxと呼んでよいものか不安.クリーチャー数が増えたので)を中心に99件の採用があり,中にはミシュラの工廠を抜いて4枚のものまであった.
掘り出し物:
ルーン傷の悪魔
V2点ーメインサイド含め,採用全てがヴィンテージのオースである.ここで特筆したいのはサイドの方で,オースへのASはかなり昔からある戦略ではあるが,M12以降はこのルーン傷が特に人気のようだ.
まとめ
WWK
5点ー精神を刻む者、ジェイス 磁石のゴーレム
4点ー自然の要求 石鍛冶の神秘家
ROE
3点ー引き裂かれし永劫、エムラクール
2点ー闘争の学び手
M11
3点ー神聖の力線 定業
2点ー太陽のタイタン 鋼の監視者
SOM
4点ーカルドーサの鍛冶場主
3点ーレオニンの裁き人 ワームとぐろエンジン マイアの戦闘球 虚無の呪文爆弾 漸増爆弾 オパールのモックス
2点ーダークスティールの巨大戦車
MBS
5点ー荒廃鋼の巨像
4点ー鋼の妨害 ファイレクシアの破棄者
2点ーレオニンの遺物囲い ボーラスの工作員、テゼレット 聖別されたスフィンクス 緑の太陽の頂点
NPH
4点ー精神的つまづき ファイレクシアの変形者
3点ーギタクシア派の調査 四肢切断 頭蓋の摘出 有毒の蘇生 殴打頭蓋
2点ー大修道士、エリシュ・ノーン
M12
3点ー埋没した廃墟
2点ー堂々たる撤廃者 ルーン傷の悪魔
6点-常軌を逸した強卡達.多くのデッキで使用が当然視される,メタデッキを作り上げた存在である,それの為だけに色をタッチされる,といった力量を備える.殿堂的な枠として定めたので,恐らく今後のセットで6点を得る卡はほぼないだろう.ブログを始めたのがWWK前だったが,以来新エキスパンションが発表される度,ヴィンテージ視点での評価を予想しては数カ月後に実績調査と繰り返してきた.しかしM12までは点数制でなかったり,点数がついていても極めて暫定的なもので統一を欠く問題があった.のみならず,当時と現在で評価が大きく覆った卡もある.そこで今回WWK~M12反省会を反省し,冒頭の基準で採点して総決算とすることを思い立った.ただ全部を全部評するのも面倒なので現在ヴィンテージで使われているもの及び,使われていない卡で特に言及しておきたいもののみ抜粋する.そこで以前は活躍していたが現在衰えた卡は1点とするルールを定める.
例:噴出/Gush,Demonic Tutor,トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す.
例:Mana Drain,死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman,磁石のゴーレム/Lodestone Golem
4点-特定のデッキで大きな役割を果たす卡.または特定のデッキ相手に致命的な損害を負わせる卡.
例:けちな贈り物/Gifts Ungiven,世界のるつぼ/Crucible of Worlds,ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall
3点-あるアーキタイプでの使用を検討される卡.
例:ニンの杖/Staff of Nin,概念泥棒/Notion Thief
2点-あるアーキタイプで使われることはあるが遭遇率は3点より低い.サイドボード候補卡.
例:巧みな軍略/Strategic Planning,起源室/Genesis Chamber,窒息/Choke
1点ー可能性もないことはない.
例:巨大化/Giant Growth
0点-卡力が低くヴィンテージにおいては存在しえない卡.例:西風のスピリット/Zephyr Spirit
・WWK
http://bagupokemon.diarynote.jp/201003040943562541/
宝物探し
mtgdecksで48件.ただし今年に入ってからは1件のみで,ほぼ忘れ去られた1枚.レガシーではこれを鍵卡にした,土地で手札を水増しして禁止/ForbidでロックするCAB-Jaceというデッキが一時組まれていたが,レガシーの純正コントロールは頭ひとつ抜けた優秀さを持つ奇跡に一本化されてしまった.土地38枚のスワンデッキに入ったりもしているので,当記事の予想は一応当たったといえる.
払拭
MLV1点ーサイド用と予想しており,実際登場後しばらくはそういう使われ方が重だった.この頃の顕著な実績としてはBOM4レガシー優勝のサイドに3枚などが挙げられる.これがモダンでは全く逆であり,双子がカウンター・除去といった妨害全般を広範に打ち払ってコンボを完成させる攻撃的なカウンターとしての地位を築いた.なおLVでは狼狽の嵐に取って代わられた模様.強いて言えばGushには払拭のほうが強いかも.
奪い取り屋、サーダ・アデール
V1点ー待った甲斐はあり,ヴィンテージではFishや長期戦志向のランドスティルが主にサイドから投入する例がみられた.過去形なのは今年の採用率が0だから.言うだけ野暮だろうが,島渡りがブロックされないならMUDにも効いてもっと使われたかもしれない.カルドーサ型が多い今なら特に.
精神を刻む者、ジェイス
SMLV5点ー「やはりスタンダードからレガシーまで幅広く使われる良カードらしい」などと暢気なことを言っているが,この半年後にヴィンテージはジェイスの実力を目撃することとなる.初期はコントロールではなくTPSなどで使われており,今とは逆だった.それ以来ずっとBig Blueの切り札の立場を保っているが,天敵中の天敵概念泥棒の登場,MUDにおける破棄者・ミシュラランドの増加などにより,全盛期に比べれば権勢にもわずかに陰りがある.
深淵の迫害者
SLー陰謀団式療法とのシナジーは見込んだ通りだった.ただし黒単よりもセラピーを上手く使えるデッキとしてNic Fitがあり,そっちでの採用が多い
自然の要求
MLV4点ーこの予想は当たった.ヴィンテージでは極めて受けが広く重要な卡で,サイドボードの採用デッキ数は1848件とあらゆるデッキで信頼されている.もちろんドレッジのサイドにも,ASを除いてまず積まれる.ここまでではないがモダン・レガシーでも活躍.
テラストドン
V1点ー4年半前の僕は妙におどおどと「前にオースで使うとか言ってたけどこんなもん出すわけないですよねアホですよね僕」と述べるが,その後使われた.当時のオースはイオナ(手札)テラストドン(盤面)スフィンクス(ライフ)とエキスパート三者からなる布陣で相手をねじ伏せるタイプで,今から見ても完成度が高い.しかし今となってはグリセルブランドやBSC,エムラクールというさらなる強者が登場し,ねじ伏せる必要すらなく勝つデッキになってしまった.他フォーマットでも大体似たような推移をたどる.
磁石のゴーレム
LV5点ー始皇帝のない中国史を想像できず,キリスト教のないヨーロッパ世界を想像できないのと同様,影響が大きすぎて却ってそれを論じるのが難しいということが世の中にはある.ワールドウェイク以降の数年間でヴィンテージは大きく変化した,しかしそれは大づかみな傾向であり,単一のトピックとして磁石のゴーレムを上回る事件は,同時に登場した神ジェイスを含めても未だに起こっていないのではないか.
精力の護符
Mー割と期待していたがしばらくは鳴かず飛ばず.だが今,これとバウンスランド,踏査系卡と組み合わせてマナを出しては手札に戻し,また出し直し...とやって大量マナを出すコンボデッキが組まれているらしい.そのデッキ名がカンガルーと言うのだから面白い.
掘り出し物:
石鍛冶の神秘家
SMLV4点ーまさか次のブロックで殴打頭蓋なんて化物が刷られるとはなあ...ALA-ZEN期にサーチしていたのがバジリスクの首輪とビヒモスの大槌であることを考えると隔世の感がある.ヴィンテージでは攻撃までに2ターンかかるテンポの遅さが気にされしばらく使われずにいたが,誰かが実験してみたら強かったパターンで現在は1つの勢力を築いている.
・ROE
闘争の学び手/Student of Warfare
V2点ー現在,彼は主にヴィンテージの白ウィニーで学んでいる.霊気の薬瓶でマナを浮かせられるレガシーのデスタクの方が相性がいいような気がするのだが(ヴィンテージでは無のロッドの関係上薬瓶が入らない),打点よりもロックを優先したか.
サラカーの呪文刃/Surrakar Spellblade
待った甲斐もなく全然ダメだった.+1/+1カウンターではなくただの蓄積カウンターであるため,どこまで行っても戦闘時は2/1バニラに過ぎない.それなら冷淡なセルキーで確実に攻撃を与えながら1,2枚ずつ引いたほうが賢い.
コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
SMLーモダン611件,レガシー1563件という華々しい実績にひきかえヴィンテージではわずか6件.レガシーでは上位デッキのほとんどが軽量のクリーチャーに大きく依存しているとか,ヴィンテージには4マナ以上ばかりのMUDがあるといった解釈もできなくはないが,これだけの採用数差を説明することにはならない.思考囲いと比べてもDelverに強いという持ち味を活かし,Dark Depthあたりで使われるようになることを期待する.
窯の悪鬼/Kiln Fiend
グランビル復活の夢を託すプレイヤーも多かったが,結局大成できなかった.爆発力では感染勢力に勝てず,確実性では僧院の速槍に劣る.
二股の稲妻/Forked Bolt
Lー火/氷ですら重いRUG Delverの基本パーツ.デッキ唯一のアドバンテージ源という役割があるため,これを使いこなせるかどうかが上級者の分かれ道.最近はUR Delverの台頭もあってか従来1枚のところが2枚に増えている様子
古きものの活性/Ancient Stirrings
Mーここで書いてある通り5c Staxのstablerとしての役割を期待していた.だがヴィンテージの粋を集めた5c Staxでは,全てが一騎当千の卡でなければならない.モダンのトロンではかつて望んだような使われ方をしているので良しとしよう.
掘り出し物:
引き裂かれし永劫、エムラクール
SMLV3点ーなぜ彼女について言及していないのか自分でも不思議だ.オースの中ではこれとBSCの2枚体制にドラゴンの息を加え,速攻で殺すタイプがあり,テラストドンと違って現役なので3点.
・M11
http://bagupokemon.diarynote.jp/201008241504321247/
神聖の力線
SMLV3点ー登場から変わらず,バーンとストームからプレイヤーを守るサイドボードの定番として頼られる.レガシーANTなどではこれを意識してオアリムの詠唱より沈黙を影響するなど,構築への影響も大きなものがある.ところで今後の話をすると,オースは今後檻とババア双方を対策しなければいけなくなるから,突然の衰微への傾斜が強まるだろう.その結果,4マナの力線はかなり外しづらくなるのでは?
太陽のタイタン
MV2点ー一時期,ドレッジの主流はタイタンや命運縫いによるスピード重視のタイプ,名前もそのままにTitan Dredgeであった.GEN CON 2011を制したのもこのタイプのドレッジだったが,その9ヶ月後に開催されたBOM 2012の優勝は1ターンキルを完全に捨て,妨害を重視したIngot Dredgeであり,一転してこれが主流となった.推移は3点→2点となるだろう.しかし最近はまた戦慄の復活が入りはじめ,グリセルブランド+偏執狂と特にコンボ的な試みもある.その流れでタイタンも再評価されつつあり,このまま進むなら3点に復する可能性もある.
予期の力線
僕にとって非常に悔いの残る卡だ.これとストーム系デッキの相性の良さに目をつけて色々と試行錯誤したものの,構築力の至らなさから結局形にはできなかった.この場を借りて具体的なアイディアを述べてみよう.まず相手の唱えた呪文まで計上されるため,ストームで相手を殺すハードルが少し低くなる.修繕・巣穴からの総出に事実上の速攻がつく.ネクロポーテンスで引いたものを全部使えるため,事実上3マナのヨーグモスの取り引きとして使えるといった調子だ.なお,数少ない使用デッキとしてはベルチャーがあり,当たり前といえば当たり前なのだがいい使い方だと思う.
定業
MLV3点ーどのフォーマットでも大人気のドロー呪文.禁止まで食らうとは.
掘り出し物:
鋼の監視者
MV2点ー親和でかなりの権勢を誇っている。
・SOM
これはつい先日書いたばかり.
http://bagupokemon.diarynote.jp/201411050422351719/
・MBS
http://bagupokemon.diarynote.jp/201104211111551589/
レオニンの遺物囲い
LV2点ーヴィンテージではMoxを追放して足止めをかけられ,MUDにも有効.レガシーでもデスタクがサイドから投入することは多い.モダンの親和は物量で攻めてくるので,1体を一時追放ぐらいでは仕方がないようだ.
鋼の妨害
MV4点ーリリース後は定番とまでは行かないことから2点と評していたが,その後まさに定番となり評価を大きく高めた卡.ヴィンテージでの採用数を見るとメイン632-サイド846とそこまで開きがなく,鋼の妨害がハーキルの召還術の相互互換として位置づけられていることがわかる.ハーキルは効果が大きく,一発逆転とストーム稼ぎで大きく勝る.鋼の妨害は単純にアドバンテージを取れるので汎用性があり,最序盤のMoxenやSphereなど着地する前に対処せねばならないアーティファクトを打ち消せる.とBig BlueよりもFish系に向いた作りであることがわかるだろう,そして実際そのように住み分けされている.
荒廃鋼の巨像
LV5点ーこれを目にした時の驚きを今なお覚えている.Tinker GolemはしばらくBSC一強であったのが,ダクの登場やUR Delverの台頭があり,戦闘球や鋼の風のスフィンクスにメタの追い風が吹いてきた.それでもTinkerの筆頭には変わりなく,5点の評価も揺るぎない.
ボーラスの工作員、テゼレット
SLV2点ー求道者テゼレットと比較してみよう.まず2ターンキルのある旧テゼの方が強い.また,Vault-Keyを入れておけば済む旧テゼに対し,工作員の方は能力を活かすためにどうしても一定数(15枚ぐらい)以上のアーティファクトが必要になるため,悪意の大梟を入れたり,モノリスで増やしたりしてCSかTurboTezzに落ち着く.結果,新旧テゼが共存するリストが非常に多くなる.ダクの影響かは分からないが去年と比べて今年からずいぶん元気がなくなってしまった.点数で言えば3点からずるずると2点まで落ち込んできた感じ.親和や此間のEternal Weekendでも入賞したHelmratorなどレガシーでの方が元気がある.
ファイレクシアの破棄者
LV4点ーMUDもいくつかのアーキタイプに分かれたが,軽さと汎用性の高い能力が買われ,いずれにおいても採用される.今ではもう破棄者のないMUDの方が少ないぐらいだ(具体的な不採用デッキは,稲妻のすね当てまで投入したコンボ型のKuldotha,クリーチャー数を最低限まで絞ったEspresso Staxなど,いずれかの極に特化したものが多い)http://urx.nu/dLXT ではPWの増加が破棄者を強力たらしめていると述べたが,レガシーのデスタクやヴィンテージのGW-Hateなど,激戦区である白2マナ域にまでアーティファクト・クリーチャーであるこいつが入ってくるところを見ると,単純に卡力が非常に高いとみるべきのようだ.
掘り出し物:
聖別されたスフィンクス
SV2点ー四肢切断環境だったスタンダードのコントロール全般におけるフィニッシャー,そしてEDHのドロー長者という印象が強いが,ヴィンテージのBTBでも稀に使われる.
緑の太陽の頂点
SMLV2点ーレガシーのMaverickを築いた功績は不滅である.あと,2012年頃はhttp://urx.nu/dM4i のように緑太陽1枚と緑のクリーチャーを数種類入れておく形のGush Controlが模索されていたが,これは断念されてしまったようで,現在は専らGW系統で使われる.
・NPH
http://bagupokemon.diarynote.jp/201112181822438169/
Karn Liberated
SMLV1点ーレガシーのMUDは即ちMetalworkerであるため,手札から公開できないだけで運用に大きな支障はない.一方ヴィンテージとなるとMishra’s Workshopの支援を受けられないのが痛く,通った時の決定力を重視するプレイヤーに細々と使われているとはいえ2点以上はつけられない.
Elesh Norn, Grand Cenobite
SLV2点ー彼女のキャリアはスタン殻の頂点として始まり,現在はレガシーのリアニメイト候補として働いている.ヴィンテージでもウィニー対策としてドレッジやオースのサイドに使われることがある.UR Delver対策として非常に注目している卡.
Marrow Shards
半分冗談と僕自身述べたとおり,全く使われていない.だが現在,紅蓮術士を処理できる最軽量卡としての可能性が...?
Gitaxian Probe
SMLV3点ーブレストや思案といった定番ドローに比べれば尖ったところがあり,ロング・デック,ベルチャーのような超速コンボと,M14直後に試験されていたコンボ的なパイロマンサーデッキ(頭蓋骨絞めや陰謀団式療法などで入れてトークンを活用するタイプ)など,特段の理由があるデッキ以外では採用を控えられる傾向があった.だが,タルキールによって構築環境は一変し,探査ドロー・若き紅蓮術士・速槍とサポートできるギタクシア派の調査はどのフォーマットでも勝ち組となった.
Mental Misstep
SMLV4点ーモダン・レガシーでは汎用性と採用率の高さのあまり禁止を余儀なくされたMステだが,ヴィンテージではMUDのように効き目のない相手が多く存在し,フル投入されることは少ない(だからこそ4枚入れて勝ったEternal Weekendの2人は凄い).ヴィンテージにはMUDやドレッジのようなきわめて端的なデッキが多数存在するだけでなくメタゲーム上主要な地位を占めており,それらがこの環境の異常性を表していると受け取られがちだが,実はそれらが精神的つまづきのような汎用性の高すぎる卡に歯止めをかける役割を果たしており,むしろ環境の多様性に一役買っているのではないかと思う.
Phyrexian Metamorph
SLV4点ーSOMブロックでなされた新規戦力の大量投入に伴い,起こったMUD内の激しい淘汰を勝ち残ったクリーチャー.これで磁石のゴーレムか鉄線をコピーするだけでeasy win路線に乗れる.その一方で相手の強力なクリーチャーをコピーして劣勢を覆すこともできるのだから,まさに万能.理不尽なほどの多機能性だ.
Dismember
SMLV3点ー圧倒的な軽さからオールスターとなった除去呪文.ヴィンテージにおいて5点のマイナス修整は,これまで稲妻への耐性を誇っていたオーリオックの廃品回収者,タルモゴイフやカルドーサの鍛冶場主さえも倒す威力があり,これで届かないのはTinker Golem程度しかない.基本的にはサイド用だが,最近はTerra Novaがメインから4枚積みしている.困ったもんだ.
Praetor’s Grasp
これまた期待を裏切られた卡.確かに相手のライブラリーを痩せさせる効用はあるだろう,だが勝ち手段が苦悶の触手1枚だけのようなコンボを除いて,それが決定的な影響を及ぼす見込みも少ない.結局Grim Tutorで十分という話になる.
Surgical Extraction
LV3点ー極めて軽く,プレイヤーの様々な技能を問う良卡である.墓地利用を封印するというより遅らせる卡なので,どちらかといえばビートダウン向け.とにかくスペルを唱えたいUR Delverなんかは,墓地対策をこれと貪欲な罠に任せるケースが多い.不毛の大地で割ったデュアルランドを摘出し,その色の呪文を詠唱不能に追い込むプレイも強力.
掘り出し物:
Porcelain Legionnaire
SV1点ー白単鋼でデビューし,ヴィンテージでもパワー3の先制は極めて堅いのでMUDと白ウィニー双方で用いられた.が,それも昔の話で今年の採用数は5件のみ.コカトリスだと結構見るのだが...僕自身の評価を述べると,MUD用の壁としてサイドボードに入れられないかと考えた事がある.実質2マナと軽いが実態は3マナであり,虚空の杯に強い.またアーティファクト・クリーチャーであるためアメジストのとげや磁石のゴーレムに加圧されず,有利である.そしてパワー3の先制攻撃はほとんどのMUDクリーチャーを一方的に破る.mtgdecksで見てみると,http://urx.nu/dMMD 僕と同じ発想と思われるデッキが3,4件ほど見つかる.
Slash Panther
V1点ー前回先駆のゴーレムの項で述べたように,一時期は大変流行したのだが(この時期なら3点はあった),2012年半ばほどから潮が引けるように消えてしまった.mtgdecksでの検索結果もこの実感と一致する.http://urx.nu/dMFP この2012年半ばというのは,KuldothaがMUDの主流となり,Espresso Staxがそれに次ぐ勢力となっていた時期であり,どちらにも今ひとつ沿わない豹があぶれて今日まで来た格好ではなかろうか.
Noxious Revival
V3点ーモダンやレガシーでも全く0という訳ではない(特に前者は隆盛コンボで使われだした)が,本場はやはりヴィンテージだ.用途は2つ,まずけちな贈り物で「これ+ヨーグモスの意志+Vault+Key」と仕込む.またはルーン傷の悪魔オースでTime Walkを連鎖させるためにサーチしてきてアップキープ中に唱える.この通り,いかにもヴィンテージらしい使われ方だ.
Batterskull
SMLV3点ー石鍛冶から3ターン目に出てきて,多くのプレイヤーを勝利に導いてきた卡だが,その石鍛冶が禁止された後のスタンやモダンでも普通に使われているところを見ると,単純に強いのだろう.(神話レアとコモンを比べるのはフェアでないかも知れないが)ダブルシンボルの暁駆けの聖騎士と比べても,ひどい性能差である.ヴィンテージのMUD(もちろん石鍛冶はない)でも31件の利用が確認できる.ダクとURに強いので今後増えるのではないかと思っているのだが,どうなるか.
・M12
http://bagupokemon.diarynote.jp/201107061205323988/
堂々たる撤廃者
LV2点ーやはり白ウィニー,時々GW-Hateの一員なのだが,魂の洞窟を得た今,白ウィニーは必ずしも撤廃者に頼らなくとも戦えると感じる.こいつの真価はむしろコンボサポートではないだろうか.白の濃いコンボデッキ(Bomberman等)で魂の洞窟から出てこられると,否応なくコンボの観客に貶められ台パンレベルの強さなのである.この使い方はレガシーのセファリッド・ブレックファーストでも見られる.
個人的聖域
すいません.テキストちゃんと読んでませんでした...
練達の盗賊
当時の自分にはわざわざ会話仕立てにまでしてご苦労と言いたいが,誘惑蒔きには遠く及ばない.まあ,今はこいつよりさらに凄い多元宇宙一の盗賊が出てきたから良しとしよう.
無限の日時計
レガシーの白スタックスでの採用が確認できた.4件だけでは「使われている」とは言えないが.ロックとターンスキップを組み合わせるというアイディア自体は遥か時エイトグの時代から実用化されていたことだ.まあ,ヴィンテージならこれを使うぐらいならTime Vaultに頼るほうがマシだろう.
埋没した廃墟
SLV3点ー初めて知ったが,スタンでは交易所でかなり採用されていた.ヴィンテージでは煙突を使うタイプのMUD(従来通りEspresso Staxと呼んでよいものか不安.クリーチャー数が増えたので)を中心に99件の採用があり,中にはミシュラの工廠を抜いて4枚のものまであった.
掘り出し物:
ルーン傷の悪魔
V2点ーメインサイド含め,採用全てがヴィンテージのオースである.ここで特筆したいのはサイドの方で,オースへのASはかなり昔からある戦略ではあるが,M12以降はこのルーン傷が特に人気のようだ.
まとめ
WWK
5点ー精神を刻む者、ジェイス 磁石のゴーレム
4点ー自然の要求 石鍛冶の神秘家
ROE
3点ー引き裂かれし永劫、エムラクール
2点ー闘争の学び手
M11
3点ー神聖の力線 定業
2点ー太陽のタイタン 鋼の監視者
SOM
4点ーカルドーサの鍛冶場主
3点ーレオニンの裁き人 ワームとぐろエンジン マイアの戦闘球 虚無の呪文爆弾 漸増爆弾 オパールのモックス
2点ーダークスティールの巨大戦車
MBS
5点ー荒廃鋼の巨像
4点ー鋼の妨害 ファイレクシアの破棄者
2点ーレオニンの遺物囲い ボーラスの工作員、テゼレット 聖別されたスフィンクス 緑の太陽の頂点
NPH
4点ー精神的つまづき ファイレクシアの変形者
3点ーギタクシア派の調査 四肢切断 頭蓋の摘出 有毒の蘇生 殴打頭蓋
2点ー大修道士、エリシュ・ノーン
M12
3点ー埋没した廃墟
2点ー堂々たる撤廃者 ルーン傷の悪魔
http://bagupokemon.diarynote.jp/?day=20100921
今更4年も前のエキスパンションを持ち出して何をと言われそうだが,僕は強迫性障害の気があるので体裁を揃えておかないと気持ち悪いのだ.かなり前の日記なので点数制でもなく,やりづらいが.
○レオニンの裁き人
MV3点ーフェッチランドをメタりつつ流刑・幽霊街を強化する,白単/GW-Hateの中核たりうるクリーチャー.ヴィンテージでは修繕やTutorなどサーチがレガシーより強いので,それに比例して裁き人も強くなる.しかし,レガシーはレガシーでフェッチに対応して薬瓶から出せ,Moxがないため賄賂も用意しにくいといった強みもあるので,もう少し使われてもよいのにとも思う.
×大建築家
Sースタンダードでは大きな実績を挙げた.だがそれ以上の存在ではなかった.
×謎鍛冶
僕の他にも注目したプレイヤーは結構いたようで,何人かがSOMフルスポイラー前からMWSでテストしてていたのを今でも覚えている.しかし,ほどなくしてそれらの努力は放棄された.謎鍛冶の最大の問題,それは唱えている最中のアーティファクトをディスカードに充てられないということだ.
○感電破
Mーモダンでは極めて強い.レガシーの親和は一種のコンボになっているため,固定ダメージの火力への需要が今ひとつ乏しい.ヴィンテージになるとアーキタイプ自体がほとんど見られない.
△オパールのモックス
SMLV3点ー普通のヴィンテージデッキには入らないとする予想は当たった.また,そう調整したウィザーズは見事であった.ただSteel City Vaultでの可能性を論じていないのが減点である.Opalはここ1年半,伝説ルール改訂およびアーキタイプ的にも単独の卡としても相性の良いダクの登場(-2で相手のアーティファクトをもらえるので金属術が容易になったし,無理なら捨ててしまう)と2つのイベントを経てかなり強くなったと思う.
×先駆のゴーレム
SV1点ー総合力でカーンに大きく劣るのは事実だろう.しかしカーンもブロックされると0/8になったり,そう都合よくアーティファクトばかりではなかったり,相応の弱点がある.その点先駆のゴーレムはシンプルに2ターンクロックを保証してくれる.と褒めたが...http://urx.nu/dKCG この通り,今年に入ってから全く使われない卡でもある.この他,切りつける豹/Slash Pantherも一時の栄光に比べれば現在は本当に減ってしまった.これら高打点クリーチャーのいた枠に滑り込んだのは破棄者やノンクリーチャーアーティファクトで,最近のMUDと対戦すると,あまり高いパワーが展開されることは少ないものの,ロックが強いので2点x1~2程度のクロックが止まらず,削り切られてしまうという展開が増えたと僕自身実感している.しかし,現在対MUDのサイドとして最も定番な鋳塊かじりに強いので,まだ頑張れないかという気持ちでいる.
△ワームとぐろエンジン
SMLV3点ートリスケの方が強いと予想したが,あれから4年でヴィンテージにおけるワームとぐろエンジンの採用数はトリスケリオンのそれを上回ってしまった.しかし当時の僕の気持ちも分からないでもなく,それはヴィンテージを研究してまだ日が浅く,Vault以外の視点が欠けていたゆえの感想だったということだ.実際,Big BlueにとってのWurmcoilはさほどの強敵ではなく,これは同型やFishとのダメージレースを制するための卡だ.磁石のゴーレムや(多くの場合)タルモゴイフを一方的に倒せるのは大きい.
×類似の金床
これを評価していたのは最早黒歴史に近い
掘り出し物(発表当時は注目しなかったが実は使われたというものをこう呼ぶことにしたい):
ダークスティールの巨大戦車
V2点ー長らく無視されてきた卡だったが,最近Terra Novaで1枚挿しというのを見るので2点.同型対策か何か?
カルドーサの鍛冶場主
LV4点ー次のように思った覚えがある.「5マナで出たターンにロックしないんじゃ遅すぎる」だが,これが正しいのなら金属細工師はとっくにMUDから削除されているはずだ.そして金属細工師よりはるかに高いタフネスを持っているのがこの鍛冶場主なのであり,それでも不安なら若干のデッキパワーと引き換えに稲妻のすね当てを併用する手もある.そして起動すればそのまま勝つ,または相手の勝ちを剥ぎ取ることができる.運用は,ごく初期にコンボパーツとしての実験がなされたものの,ほどなく隔離するタイタンあたりで十分殺しきれることが確かめられ,安定を重視する現在のような構成となった.それ以来特段の変化はない.
マイアの戦闘球
LV3点ー各種デッキにおけるフィニッシャー候補二番手という印象が強い.修繕の筆頭はBSCで,カルドーサの筆頭は隔離するタイタンだ.ただ,それらの候補の中では7マナ比較的軽い美点がある.Big BlueならMana Drainが解決すればだいたい出せるだろうし,MUDにはもっと容易だろう.双方で使われるアーティファクトサポート,ゴブリンの溶接工とも非常に好相性である.
虚無の呪文爆弾
LV3点ーこれを上で取り扱っていないのは,おそらくテキストをよく読まず大祖始の遺産の下位互換と勘違いしたためと思われる.レガシー・ヴィンテージ双方でよく使われるが,メインからの採用ではボンバーマン・溶接工(・修繕?)のようにシナジーを形成する土壌のあるヴィンテージがはるかに多い.
漸増爆弾
LV3点ー一番の役割は,相手が並べたMoxenを一掃してのeasy win.それゆえファイレクシアの破棄者などと同様,どちらかといえば後攻で強い卡.火薬樽との比較になるが,エンチャントとPWはMUD側で使わず,天敵オースの対策になるので嬉しい.ミシュラランドを壊せないが,これは逆に使う側だからさほど問題ない.よって漸増爆弾の方が強い.ある種の汎用卡としての性格もあるので,レガシーでも仕組まれた爆薬を使えない単色デッキなどでは頼られることが多い.
鋼のヘルカイト
LV4点ーこれを評価していなかったのは上同様,MUDのクリーチャーは出たターンに拘束できなければ使えないという思い込みである.まあ確かに1ターン目にヘルカイトだけぽろっと出てきても大した脅威にはならないだろう,しかし少しでもMUDに慣れたプレイヤーなら,そのような悪手は採らず,拘束アーティファクトを先に展開し,相手が抵抗できない状況を作り出してからヘルカイトで止めをさす.その中でもからみつく鉄線と相性が良く,これでMoxを全部割り,鉄線から抜け出せない相手をそのまま殴り殺すパターンは有力である.今ならさらにトークン絶滅の役割もあるか.SOMのアーティファクト軍団でも特に採用数が多く,当時の強者Trygon Tezzを衰退に追いやるなどメタゲーム上の働きも大きいため,4点とした.
今回,考察が適当だったのもあるが掘り出し物が多すぎる.最近は(点数を誤ることはあっても)可能性にも気づかずに素通りということは少なくなったと自分では思うが,どうだろうか.
今更4年も前のエキスパンションを持ち出して何をと言われそうだが,僕は強迫性障害の気があるので体裁を揃えておかないと気持ち悪いのだ.かなり前の日記なので点数制でもなく,やりづらいが.
○レオニンの裁き人
MV3点ーフェッチランドをメタりつつ流刑・幽霊街を強化する,白単/GW-Hateの中核たりうるクリーチャー.ヴィンテージでは修繕やTutorなどサーチがレガシーより強いので,それに比例して裁き人も強くなる.しかし,レガシーはレガシーでフェッチに対応して薬瓶から出せ,Moxがないため賄賂も用意しにくいといった強みもあるので,もう少し使われてもよいのにとも思う.
×大建築家
Sースタンダードでは大きな実績を挙げた.だがそれ以上の存在ではなかった.
×謎鍛冶
僕の他にも注目したプレイヤーは結構いたようで,何人かがSOMフルスポイラー前からMWSでテストしてていたのを今でも覚えている.しかし,ほどなくしてそれらの努力は放棄された.謎鍛冶の最大の問題,それは唱えている最中のアーティファクトをディスカードに充てられないということだ.
○感電破
Mーモダンでは極めて強い.レガシーの親和は一種のコンボになっているため,固定ダメージの火力への需要が今ひとつ乏しい.ヴィンテージになるとアーキタイプ自体がほとんど見られない.
△オパールのモックス
SMLV3点ー普通のヴィンテージデッキには入らないとする予想は当たった.また,そう調整したウィザーズは見事であった.ただSteel City Vaultでの可能性を論じていないのが減点である.Opalはここ1年半,伝説ルール改訂およびアーキタイプ的にも単独の卡としても相性の良いダクの登場(-2で相手のアーティファクトをもらえるので金属術が容易になったし,無理なら捨ててしまう)と2つのイベントを経てかなり強くなったと思う.
×先駆のゴーレム
SV1点ー総合力でカーンに大きく劣るのは事実だろう.しかしカーンもブロックされると0/8になったり,そう都合よくアーティファクトばかりではなかったり,相応の弱点がある.その点先駆のゴーレムはシンプルに2ターンクロックを保証してくれる.と褒めたが...http://urx.nu/dKCG この通り,今年に入ってから全く使われない卡でもある.この他,切りつける豹/Slash Pantherも一時の栄光に比べれば現在は本当に減ってしまった.これら高打点クリーチャーのいた枠に滑り込んだのは破棄者やノンクリーチャーアーティファクトで,最近のMUDと対戦すると,あまり高いパワーが展開されることは少ないものの,ロックが強いので2点x1~2程度のクロックが止まらず,削り切られてしまうという展開が増えたと僕自身実感している.しかし,現在対MUDのサイドとして最も定番な鋳塊かじりに強いので,まだ頑張れないかという気持ちでいる.
△ワームとぐろエンジン
SMLV3点ートリスケの方が強いと予想したが,あれから4年でヴィンテージにおけるワームとぐろエンジンの採用数はトリスケリオンのそれを上回ってしまった.しかし当時の僕の気持ちも分からないでもなく,それはヴィンテージを研究してまだ日が浅く,Vault以外の視点が欠けていたゆえの感想だったということだ.実際,Big BlueにとってのWurmcoilはさほどの強敵ではなく,これは同型やFishとのダメージレースを制するための卡だ.磁石のゴーレムや(多くの場合)タルモゴイフを一方的に倒せるのは大きい.
×類似の金床
これを評価していたのは最早黒歴史に近い
掘り出し物(発表当時は注目しなかったが実は使われたというものをこう呼ぶことにしたい):
ダークスティールの巨大戦車
V2点ー長らく無視されてきた卡だったが,最近Terra Novaで1枚挿しというのを見るので2点.同型対策か何か?
カルドーサの鍛冶場主
LV4点ー次のように思った覚えがある.「5マナで出たターンにロックしないんじゃ遅すぎる」だが,これが正しいのなら金属細工師はとっくにMUDから削除されているはずだ.そして金属細工師よりはるかに高いタフネスを持っているのがこの鍛冶場主なのであり,それでも不安なら若干のデッキパワーと引き換えに稲妻のすね当てを併用する手もある.そして起動すればそのまま勝つ,または相手の勝ちを剥ぎ取ることができる.運用は,ごく初期にコンボパーツとしての実験がなされたものの,ほどなく隔離するタイタンあたりで十分殺しきれることが確かめられ,安定を重視する現在のような構成となった.それ以来特段の変化はない.
マイアの戦闘球
LV3点ー各種デッキにおけるフィニッシャー候補二番手という印象が強い.修繕の筆頭はBSCで,カルドーサの筆頭は隔離するタイタンだ.ただ,それらの候補の中では7マナ比較的軽い美点がある.Big BlueならMana Drainが解決すればだいたい出せるだろうし,MUDにはもっと容易だろう.双方で使われるアーティファクトサポート,ゴブリンの溶接工とも非常に好相性である.
虚無の呪文爆弾
LV3点ーこれを上で取り扱っていないのは,おそらくテキストをよく読まず大祖始の遺産の下位互換と勘違いしたためと思われる.レガシー・ヴィンテージ双方でよく使われるが,メインからの採用ではボンバーマン・溶接工(・修繕?)のようにシナジーを形成する土壌のあるヴィンテージがはるかに多い.
漸増爆弾
LV3点ー一番の役割は,相手が並べたMoxenを一掃してのeasy win.それゆえファイレクシアの破棄者などと同様,どちらかといえば後攻で強い卡.火薬樽との比較になるが,エンチャントとPWはMUD側で使わず,天敵オースの対策になるので嬉しい.ミシュラランドを壊せないが,これは逆に使う側だからさほど問題ない.よって漸増爆弾の方が強い.ある種の汎用卡としての性格もあるので,レガシーでも仕組まれた爆薬を使えない単色デッキなどでは頼られることが多い.
鋼のヘルカイト
LV4点ーこれを評価していなかったのは上同様,MUDのクリーチャーは出たターンに拘束できなければ使えないという思い込みである.まあ確かに1ターン目にヘルカイトだけぽろっと出てきても大した脅威にはならないだろう,しかし少しでもMUDに慣れたプレイヤーなら,そのような悪手は採らず,拘束アーティファクトを先に展開し,相手が抵抗できない状況を作り出してからヘルカイトで止めをさす.その中でもからみつく鉄線と相性が良く,これでMoxを全部割り,鉄線から抜け出せない相手をそのまま殴り殺すパターンは有力である.今ならさらにトークン絶滅の役割もあるか.SOMのアーティファクト軍団でも特に採用数が多く,当時の強者Trygon Tezzを衰退に追いやるなどメタゲーム上の働きも大きいため,4点とした.
今回,考察が適当だったのもあるが掘り出し物が多すぎる.最近は(点数を誤ることはあっても)可能性にも気づかずに素通りということは少なくなったと自分では思うが,どうだろうか.