破滅エンジンくんとゴブリンの溶接工を組み合わせ,さらに爆片破などを併用することで,MUDバーンという斬新なデッキを創造できるのではないかと期待したものの,実際はダメダメだった.その理由は火力と赤マナ(MUDにおける色タッチは,デュアルランド1枚入れておけば足りる通常のデッキとは比較にならないほど難しい.最重要なフェッチランドがない上,SphereとMishra’s Workshopで激しい圧迫を受ける)によって肝心のロック枠が削られてしまい,相手は思うままにこちらの手を処理してしまう.やはり,厳選されたアーティファクト・クリーチャーをSphereたちで支援するというオーソドックスな構成が最強であることを実感した.

しかし,調べた中には比較的有望と思われる卡もあった.それらを批評してみよう.

・黒の万力ー未だにレガシーで禁止,ヴィンテージでも制限の経歴があるなど非常に評価が高い.しかもロックというMUDの戦略とも一致した効果である.CMC1が若干ハンデだが,Moxを必要最小限に絞り,Force of Willも絶対視はされないなどヴィンテージメタは黒の万力には有利な方向に進んでいるとも感じられる.
・ミシュラのアンクー(最後の2点まで落ちた場合を除き)直接ロックには貢献しない卡だが,フェッチランド1回で5点ダメージはシャレにならない.6点も与えれば2マナに値する仕事といえるだろう.それ以上なら相手のプレイングにもかなりの支障が出,事実上ロックの働きになっているはずだ.特にGushには効果覿面である.
・思考の牢獄ー色々な能力がついており,溶接工と組めばドローステップに出して封殺することも可能である.現在,一顧だにされない卡だが,もう少し日の目を見てもよいのでは?
・粉々ースタックスがサイドボードから投入してくるアーティファクト破壊といえば破壊放題だが,赤タッチのMUDならこういうのも使って良いのでは.
・憤怒の抽出機ーこれは専門にデッキを組むべき.
勝てなくなってきた.火力呪文が極めて貧弱で,クルフィックスの狩猟者やティムールの4/4のやつといったタフネス4のクリーチャーが突破できないのが原因だ.→かきたてる炎が鍵?

しかし,やはり多色環境で赤単というのがストイックすぎたのだろう.
先ほど書き忘れてしまったがTPSでの所感を.

まずコストは問題にならない.TPSにおける墓地成長の速度は,陰謀団の儀式/Cabal Ritualが採用されているという一事によって保証されており,議論するまでもない問題であった.青マナ2つを保持しているという前提での話だが,キャスト自体が目的なら2ターン目には大凡可能となり,3ターン目には無理のない運用ができる.

それからドロー能力についても期待以上のものがあり,初見の評価では「ランダムな3枚より選抜された2枚だ」としか書かなかったが,やはり7枚も見られると色々な行動が可能になる.つまり卡同士のシナジーであり,「吸血の教示者+ギタクシア派の調査」や「使い捨てマナ加速(Lotusや儀式)+ヨーグモスの意志」といった好相性の2枚を引き当てることが可能なのである.

難点はマナシンボルUUの重さか.しかし,これもインスタントである事によって半ば以上解決されている.

僧院の速槍

2014年9月14日 TCG全般
軽いしイラストもいいし割と期待持てる能力なので使ってみたいところだが,バーン界の革命児である大歓楽くんと相性悪すぎるのが問題.Delverとも相性が良いようで今ひとつ良くないと感じる.クロックパーミッションであるデルバーは3/2飛行を6ターン守る割り算のデッキだが,速槍はいろいろ出し入れして何点与えられるかという引き算の思考であるためだ.

スタンで赤単習作を組んだ.
4 Monastery Swiftspear
4 Satyr Firedancer
4 Firedrinker Satyr
2 War-Name Aspirant
4 Searing Blood
4 Lightning Strike
22 Mountain
4 Magma Jet
2 Titan’s Strength
4 Tormenting Voice
4 Magma Spray
2 Arc Lightning
サイドは未定.

1試合目 エスパーコントロール
首尾よく勝利できた.

G1 先攻.速槍を初手に2枚引いたので,最初の2ターンでこれらを並べ攻撃する.3ターン目にMagma,4ターン目にMagma→Lightning Strikeと進めて完璧な勝利.ここで速槍の仕事を振り返ると,最初に出した奴が7点/4ターン=パワー1.75速攻,2ターン目の方は6点/3ターン=パワー2速攻という計算になる.1マナでこれなら申し分なしである.

G2 後攻.サテュロスの火踊りから戦名をReidしてクロックを刻む.中盤までの相手は土地が詰まり無抵抗だったものの,5マナに至りジェスカイの全体除去を食らう.その後も様々な除去を受けるが,相手がエルズペスを出してきたところで腐っていたSearing Bloodをプレイし勝利.

2試合目 黒単
これはちょっと良くない試合だった.

G1 後攻.悪い手札をキープし,土地が詰まってGG
G2 先攻.クロックを連ね,相手の饗宴の主をサテュロスの火踊りで倒す(ここでミスを犯した.灼熱の血のテキストをよく読んでおらず,2点+本体から反射してきた3点で主を倒せると思い込んでいた.やはり灼熱の血は焼尽の猛火に遠く及ばないと感じる)というふうに,火踊りで盤面とライフ双方を攻め,勝利
G3 後攻.マリガンすると土地4枚と今ひとつだが渋々キープ.ウィニーの並べ合いになり,かなりもつれ込んだがルール上の指摘をしたところ相手退出

流石に火踊りが多すぎた.
なんか漢代の匈奴あたりにいそうで草

それはともかく,漂流は前回述べたのと違う運用も可能ではないかと思い始めた.それはドレッジのサイドボードである.探査は言うまでもなくドレッジと非常に相性が良いものの,墓地の卡を消費して時を越えた探索・宝船の巡航といったドローに向けるのでは本末転倒に陥ってしまう.だが,MUDの設置した抵抗の宝球で身動きが取れないといった緊急事態においては,身を削ってでも状況を打開する突破力こそが評価される.そして漂流こそ,まさにその1枚なのである.
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/ktk-cig-en#

フルスポイラー公開というわけで,今回の期待度TOP10を発表(順位は適当).

1位:Dig Through Time
3点ーこの強さを考えてみると2点は低かったかもしれない.その効果は祖先の記憶に酷似しており,墓地のところがライブラリーの下と弱体化したのと,記憶の実績(使われていない)を見れば,この効果をインスタントで唱えるにあたっての適正コストは5~4マナの中間あたりと推測できる.墓地がそれを弁ずる枚数に到達することは容易である.ただ,7枚を先に見てから支払い方法を決定というわけにはいかないのが辛い

2位:Ugin’s Nexus
3点

3位:Howl of the Horde
2点

4位:Set Adrift
2点ーDelveアーティファクト破壊は残念ながら出なかったが,それに近いものは得られた.対象が広く,マナの展開を終えた相手にMoxを引かせるといった嫌がらせにも使えるのを評価して2点.

5位:Stubborn Denial
2点

6位:Clever Impersonator
2点

7位:Altar of the Brood
2点

8位:Murderous Cut
2点

9位:Abzan Charm
2点

10位:Siege Rhino
2点

Treasure Cruise
1点ーこれは2点に上げてもよいかと思ったが,Dig Through Timeの方が強いので1点に留めた.ランダムな3枚より選抜された2枚だ.

Butcher of the Horde
1点ーなんというか,当初は驚きのあまりヴィンテージでも使われると予想して2点を付けてしまったが,まったく基盤のないところに建国するまでの図抜けた卡力まではないように思える.スタンダードで頑張って欲しい.

Wingmate Roc
0点ー当初,ヴィンテージでもある程度可能性があると考察した.しかし,就職先として挙げたAngel Controlのクリーチャー数は14枚ぐらいであり,そこには粗石の魔道士や瞬唱の魔道士といった貧弱な体格の者も含まれる.Raid自体はそう困難ではないが,それが実質の生け贄要求に陥るケースも想定し得る.逆に押している場合であれば修復の天使でさらに増援を呼ぶなどのメリットはあるが,いささかオーバーキルだろう.同コストでも正義の執政官の方が優秀だと考えを改めた.そして正義の執政官は全く使われていない(もっと使われていいとは思う)

Dazzling Ramparts
0点ー5マナじゃねえか!困るよ全く

今回,氏族の1つアブザンが耐久力という帯びているせいか,防御的なクリーチャーが多いと感じる.

Tormenting Voice
0点ー野生の勘の上位互換ではある.だが,この卡は非常に狭い板挟みに苦しむ.野生の勘が現状全く使われていないことを考えると,使うのは...
1.夜の囁きを使えない(黒が入らないorライフを保持する重大な理由がある)
2.赤が入る
3.野生の勘とのコスト差に意義を見出す(赤が濃くない)
公務員試験の判断推理みたいな話になってきたが,該当するのはANTと赤単Staxあたりか.ANTはすでにドロー操作の塊でこれを入れる余地はないだろうし,スタックスには不特定1マナがきつい.
KTKとヴィンテージ20 新米の僧兵
Monastery Swiftspear
0点1点ーかわいい
1マナだしタッチ青バーンやUR Delverの攻撃役とかに出番あるかも?
Bloodsoaked Hero
0点ーこれで起動コストが1マナならドレッジが大幅に動いたと思うのだが残念.黒ウィニーでは使えるだろうが,ヴィンテージにこのアーキタイプは存在しない.

Embodiment of Spring U
1G, T, sacrifice embodiment of spring: search your library for a basic land and put it onto the battlefield tapped
0/3
1点ーこれは序盤の壁として可能性ゼロではないように感じられる.ヴィンテージにおいて,タフネス1~2は大差ない.2~3,3~4の間には大きな開きがあり,それぞれクリーチャーの肉弾戦,3~4は稲妻の射程の意味で重要となる.いま,Embodiment of Springのタフネスは3だが,もし稲妻を向けられたら対応してサクれば良いため,これは大きな問題にならない.そのため1ターン目に出してパワー2の攻撃を受け止め,より大きなクリーチャーが出たらブロックしながら基本土地を出して切り返しの卡につなげるという運用が一応想定し得る.と言っても桜族の長老がさっぱり使われてない現状を見るとやはり無理か.

(未確認)Dig Through Time 6UU
Instant
Delve (Each card you exile from your graveyard while casting this spell pays for 1.)
Look at the top seven cards of your library. Put two of them into your hand and the rest on the bottom of your library in any order.
2点ー明らかにTreasure Cruiseより強い.ただ,これら両者が似通いすぎている(怪しい)気はする.

(未確認)Dazzling Ramparts 1W
Creature - Wall
Defender
1W, T: Tap target creature.
0/7
1点ーhttp://urx.nu/bQZ6 でMUDに壁で対抗することを検討したが,相当に強い.

(未確認)Altar of the Brood 1
Artifact
Whenever another permanent enters the battlefield under your control, each opponent puts the top card of his or her library into his or her graveyard.
2点ー雲石の工芸品でも何でも,パーマネントを出し入れしているだけで相手を倒せる.不勉強でわからないがDragonともコンボする?ともあれ非常に軽く,新たなコンボデッキを作り出す力を持つアーティファクト.
KTKとヴィンテージ18 ジャングル最奥
KTKとヴィンテージ18 ジャングル最奥
Disdainful Stroke
0点ー磁石のゴーレム,カルドーサ,ジェイスけちな贈り物,Force of Will,噴出を止める.だがからみつく鉄線,三なる宝球,修繕,ヨーグモスの意志が止まらない.せめて1マナだったらな~という卡.

Jeskai Ascendancy
1点ー例の超人集合的なのがついに登場.どちらの能力も強力である.そのコスト(特にW)さえ克服したという前提での話だが,次のようなデッキで見込みがある.・CSにタッチしてウェルダーを起こしつつ戦闘球ディスカード・Gushで紅蓮術士から湧いてきたトークンを底上げし,手札にあふれる土地卡を処分

Surrak Dragonclaw
1点ー極めて優秀な族長で,トリプルシンボルとはいえ5マナとは到底思えないスペックを有する.スタンダードや赤タッチのNic Fitでは相当に劫掠しそうな彼だが,ヴィンテージではマナ域によるハンデが大きすぎる.ただし, http://urx.nu/bQ72 で提案したようなビートダウン型Cobra Gushが誕生すれば,多少の重さは問題にならず,クリーチャー展開の橋頭堡として運用できる可能性もあるので,期待の意味合いで1点とした.ところでDragonclawのわりに身につけてるのが普通の熊の毛皮っぽいのはどうなのか

Abzan Charm
2点ー最後の魔除けの中心となるのは,2マナソーサリーの夜の囁きと等しい,中段のモードだろう.しかも夜の囁きはただの2マナ呪文ではなく,ヴィンテージのコントロール寄りストームデッキなどで多大な戦果を挙げ,最近ではダク・コントロールのアドバンテージ源として注目されているほどの強卡である.残りを見ても,下の能力は少々おとなしすぎる感こそあるが堅実であり,上の能力はTinker Golemを含め厄介なクリーチャーを葬るボードコントロールとして秀逸だ.

Treasure Cruise
1点ーTPSやGushのようなデッキにおいては,墓地を7枚貯めることはさしたる難事ではない.Treasure Cruiseがreasonableなコストにするための4枚程度であればもっと簡単だ.これらのデッキにTreasure Cruiseを1枚忍ばせたとしても,ドローの連鎖という点では不協和音を発することはなく,そのもたらす3枚でコンボの次のパーツが見つかることもあるに違いない.と褒めているのになぜ1点かというと,これほど多くのDelveを払ってしまうと,これらのデッキが勝利手段として最重要視するヨーグモスの意志が大きく遠のいてしまうためだ.そしてヨーグモスの意志と摩擦を起こさない土地やカウンターが積もるのを待つとなると,相当に長引いてしまうだろう.ただ,ここまで書いてきた1点グループは,このままでは使えないものを使うには?という視点で書いているのに対し,Treasure Cruiseは既存のデッキでも使えるが大きな欠点がある分減点した格好になっており,1点の中でも上位とは言える.このように書いてきて思ったが点数をもう少し細かく再編したほうがいいかもしれん.
KTKとヴィンテージ17 調教師
Bear’s Comparison
0点ー二度と逆らえない・・・。

鋭く突き刺さる頑固な否認、精神振り、デッキに入れられた書かれざるものの視認綱引き・・・。2/2の緑青赤の肉塊は、火口の爪に打たれ赤く腫れ上がる。クマの命令に逆らえず、2体はお互いの巨肉をむさぼり合う。肉・肉・肉・・・禁断の饗宴。
KTKとヴィンテージ16 魔王
KTKとヴィンテージ16 魔王
上:Butcher of the Horde
2点ーアブザンのサイに抗しうる実力者がマルドゥから現れた.彼はノーデメリットの4マナ5/4飛行と,ちょっと前なら考えられなかったスペックを持つ.デメリットが無いどころかクリーチャーを生け贄にすることで,3種類の戦闘用キーワード能力まで修得する.赤白黒は長年,3色で最も劣等な組み合わせという汚名を被ってきたが,ここまで強いとその汚名返上を期待したくなる.トークン生成に長ける美点があるので,小粒を揃えておいてButcherを呼び,殴りにかかる戦略などが考えられる.

下:Kheru Lich Load
0点ーこの名前で伝説じゃないのが気になるところだ.ヴィンテージがいくら低速したとはいえ,1ターン待たねばならない6マナクリーチャーに未来はない.
アリア=アーリア人、ハン=可汗 アリアハンはムガル帝国だった・・・!?
KTKとヴィンテージ15 ジェスカイの炎
KTKとヴィンテージ15 ジェスカイの炎
上:Jeskai Charm
1点ー上の能力である虚界の抜け穴は4マナ相当.これだけでも魔除けとしては破格の卡力といえる.4点火力は弱いが(というより,こうした能動的な効果と魔除けの相性が悪い.あれほども強かったボロスの魔除けさえ,そう著しい成果までは残せなかったことはその証明だろう)全体強化は攻防両面に使えるため,まあまあの能力.1番目はどう使っても強いので,残りのうち片方でも活かせるデッキ,つまりホードか前のめりなアグロには入るだろう.エターナルでそれに最も近いのはPatriot?

下:Siege Rhino
2点ーどう見ても強すぎるンゴ
KTKとヴィンテージ14 スゥルタイの暗殺術
KTKとヴィンテージ14 スゥルタイの暗殺術
上:Murderous Cut
2点ー今日発表の卡の中ではおそらく最も地味だが,僕は案外いけるのではないかと思っている.その根拠を述べる前に,備忘録も兼ね,2013年に変更された探査のルールを確認しておこう.

大まかにいえば,総コスト確定後にその中の不特定マナを墓地の卡で支払うという制度になった.例えば...相手が磁石のゴーレムを1体,自分が沼を1つのみコントロールしているとすれば,Murderous Cutの総コストは4Bのところが1重くなって5Bに決まり,この中の5を墓地から支払える.つまり墓地に十分枚数があれば,この沼のみからMurderous Cutを唱えてゴーレムを倒すことが可能だ.同様にして三なる宝球さえすり抜ける.

このように,探査はMUDや白ウィニー(サリア)のとるコスト増加戦略に対し,大きな抵抗力を秘めた能力だといえる.最序盤にはただ重いだけで,軽くするためには結局他の呪文でコントロールしておく必要がある=キープ基準にならないという意見は同感だが,その分1,2ターン目の峠を過ぎた後の信頼性(コスト増加のみならず,チャリスにも強い),MUD以外の多くのデッキ,特に墓荒らしにも有効であること等を勘案すれば挽回できる問題と思う.

探査の除去としては,以前死に際の喘ぎ/Death Rattleというのがあったが,再生禁止という事実上のフレーバーテキストを削ったことで軽くなり,緑も破壊できると大幅に強化されている.特にこちらの墓地を糧にした起動を立ち消えさせながらの死儀礼除去が偉い.

と,長々書いてきたが,フルスポイラーの日にコモンのアーティファクト破壊探査が3マナぐらいで収録されないものかと期待している.

下:頑固な否認
2点ー呪文貫きの獰猛バージョンであり,明らかに下環境用に制作された卡.レガシーのRUG使い達は当分,獰猛がパワー3以上ならなーと思いながら過ごすことになるのだろう.ヴィンテージでも青デッキのパワー4となると,タルモゴイフとロードに率いられたマーフォーク,あとは何らかの踏み倒しによって現れたフィニッシャー程度しかなく,獰猛はそうそう達成できない.ただ最序盤に1マナ払わせるだけでも最低限の価値はあるし,クロックパーミッションの一部はダメ押しに採用するだろう.この卡を活かすために怨恨/Rancorまで投入したセニョールストンピィ(タッチU)を組んでもいいと思える程度には強いので,2点とした.

それにしても,レア神話がフェッチ以外あれな一方でアンコモンに人材がそろっているセットだ.
KTKとヴィンテージ13 二指真空把
KTKとヴィンテージ13 二指真空把
KTKとヴィンテージ13 二指真空把
上:饋擊掌(饋:送る)
Choose a source. Until end of turn, prevant any damage will deal to you by the source next time.
If any damage was prevented this way, ~ deal the same damages to it’s controller.
1点ーダメージ反射.従来この系統の卡では,クリーチャーを標的にすることでアドバンテージを取れるものが多かったが,これは発生源のコントローラー限定.その代わりにダメージ上限が撤廃されたのはよく,BSCで相手を殺せるところ自分が即死などの悲劇も想定し得る.もっとも活躍の大部分はクリーチャーを守りながらの数点ダメージという形になるだろう.アグレッシブな赤白デッキ(絶対数からして非常に少なくなってしまったが,予言の炎語りなどが研究されている)での採用は見込める.

中:Temur Charm
Choose one —
• Target creature you control gets +1/+1 until end of turn. That creature fights target creature you don’t control.
• Counter target spell unless its controller pays 3.
• Creatures with power 3 or less can’t block this turn.
1点ー先ほどのMardu Charmは,いずれの効果も小さすぎるのが問題と感じられた.一方でこのTemur Charmは,効果は強いもののそれらの組み合わせに難がある.トークンがずらずら並んでいる場合などの例外は確かにあるとはいえ,ブロック制限能力を使うくらいなら上の強化+格闘でブロッカーを排除して殴りに行けば済むケースが多いはずだ.マナ漏出自体は2マナ呪文の中でも相当上位に入る強力卡ではあるが,追加マナ要求系打ち消し自体が,コスト上昇に最も弱いジャンルである.とはいえ,これらの問題は,不毛の大地に溢れ,少数のクリーチャーを援護するクロックパーミッションが強いエターナル特有のものであり,土地破壊の心配が少なくクリーチャーが並びやすいスタンダードなら卡力を存分に発揮してくれると予想.

下:Rakshasa Deathdealer
0点ー高品質な熊ではあるが,タフネス4を葬る攻撃に対して,再生は多くの場合役に立たない.そうなると,朽ちゆくヒルの方が勝ると思われる.そして,朽ちゆくヒルがヴィンテージで使われているかというと?
KTKとヴィンテージ12 荒々しい宴
Mardu Charm
0点ーマルドゥの魔除けは
赤=火力=炎の斬りつけ
白=兵力補填=急報+
黒=手札破壊=強迫
となった.モチーフとなった卡を見ると,1マナ相当2つに2マナ相当が1つ.プレーンシフトやアラーラといった過去のサイクルを見ても,3マナ魔除けとしては標準的な卡力と言える.しかし,それはヴィンテージで通用するレベルにはないという意味でもある.スタンダードでは,速攻を国是とするマルドゥの中で,やや防御的なデザインが反目しないかが問題になるだろう.
http://www.mtgsalvation.com/spoilers/144-khans-of-tarkir

Savage Knuckleblade
1点ー3マナ4/4にティムール各色の起動型能力を備えた非常に優秀なクリーチャーであるが,職探しに苦労しそうである.レガシーのRUG Delverは極限までテンポを追求したデッキであるため,起動コストにこれほど大量のマナを費やすことはできない.ヴィンテージのRUGはレガシー版ほどはマナ効率に汲々としている訳ではないが,Gushで土地を戻してしまうので,結局マナを用意しづらいことに変わりはない.それでも潤沢なマナさえあれば除去の効かないタルモゴイフになれる点を評価し,1点とした.

Empty the Pits
0点ー探査はついているものの,BBBB部分は自前で支払わねばならない.

Icy Blast
0点ータルモでFerociousを満たせるので,KTKの卡でRUG Delverに一番入りそうなのはこいつだと思っていた.しかし考えてみると,逆にタルモ以外はパワー3どまりの上,死儀礼は対応してタップされ,真の名の宿敵はそもそも対象に取ることさえできないと弱点ばかりが目につく.そしてこれがレアであることに気づいて憤りを覚える.

Mantis Rider
1点ー新デッキを作るよりも既存のデッキを強化するタイプの卡であるため,各フォーマットでのジェスカイを見てみよう.モダンは最も色拘束を軽視できるフォーマットである上,ジェスカイが常に強いため,無理なく採用できる.レガシーでは,殴打頭蓋によってダメージレースに十分過ぎるほど強い.Mantis Riderまでは必要ないだろう.ヴィンテージのこの3色デッキといえば,Landstillと,石鍛冶に稲妻,若き紅蓮術士,サイドボード用の赤を添えたデッキの2種類である.前者に入れるにはあまりに脆弱である.後者は,飛行戦力として採用の可能性がある.

Sultai Ascendancy
0点ーこれ絶対弱いだろ...慢性的な水害が1Uで3枚ずつ肥やせるのに対して(それも場合によってはそのターンから),UBGのエンチャントが2枚ずつというのは明らかに劣等.一応ドローの質を上げるのにも使えるが,それで墓地が伸びないのでは本末転倒になる.
KTKとヴィンテージ10 擬態の達人
KTKとヴィンテージ10 擬態の達人
KTKとヴィンテージ10 擬態の達人
http://www.mtgsalvation.com/spoilers/144-khans-of-tarkir

上:Clever Impersonator
2点ー土地以外何でもコピーする究極のクローン.この手の卡としては既にファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorphが大々的な成果を挙げており,賢いなりすましも劣勢からの切り返しなどに力を発揮しそうだ.しかし一方で...変形者ほどの活躍は見込めないだろう.

その理由は第一に,変形者より重いこと,これはコスト3(U/φ)と2UUの差だけではなく,Mishra’s workshopやゴブリンの溶接工と組めるかどうかのアーティファクト性の問題が大きい.

第二に,対象の広さが実は変形者とそこまで大きな差がないことだ.賢いなりすましはクリーチャー・アーティファクトに加えてエンチャントとPWをコピーできるようになったが,ヴィンテージのエンチャントは(1)ドルイドの誓い(2)石のような静寂(3)墓地対策(4)ネクロポーテンス/ヨーグモスの取り引き(5)Mystic Remoraである.うち1,2,3は全体エンチャントなので,コピーしても益がないどころか賢いなりすましを使うデッキなら取り除きたい卡のはずだ.4のうちヨーグモスの取り引きを出された日にはそのまま死んでいるはずなので,実質的にコピーして意味があるのは,決して多数ではないネクロポーテンスとRemoraの2枚ということになる.Remoraに対しては,唱えた時点ではクリーチャーで反応しないなど有効だが,ネクロ相手にコピーを狙うというのもどこか不自然だろう.次にPWについて見てみよう.ヴィンテージで使われるPWはいずれも単独で戦局を大きく傾ける優秀な卡ばかりであり,それをコピーできることは大きな意味を持つ.しかし,それも戦場に出ていてこそである.PWを採用しないデッキも半分以上あり,使うものでも5枚以上投入することは稀だ.また,自分のPWをコピーするのは無駄ではないにしろ積極的に狙うべきプレイでもない.

と否定的な面ばかりを挙げたが,賢いなりすましが強いのは前提であり,その上で多少の瑕疵を述べたのであることをご理解いただきたい.実際,変形者と違ってアーティファクト除去が通用しないという,時に勝敗を分かつ強みがあることを忘れてはならない.

中:Mocking Instigator
1点ークリーチャーを脅しつける変異.コストも重くないし十分使える範囲.赤なのでスタックスなどでの利用も考えられなくはない.あと重要なのは,この卡が出たことによって,今後は裏向きのクリーチャーを出すだけで相手への牽制となることだろう.その意味で影響力は単純な強さよりかなり大きい.

下:Mindswipe
0点ーマジック20年,ついにカウンターバーンの象徴的呪文が誕生した.だが,弱い...悲しい気持ちだ.
http://www.mtgdecks.net/decks/view/84686

このデッキかなり強そう...

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