Vintage DE
2015年9月9日 TCG全般TOP32からも気になったデッキを一通り見て歩き,今度こそBFZといきたいが,DEから紹介したいデッキを2つほど見つけたのでもう少し待って欲しい.
まず1つがこれ
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2015-08-31
Eternal Weekendの24位のコピーデッキが3-0.しかしサイドの不毛の大地3枚が幽霊街に置き換わっており,意味が変わってくる―相手の土地に対してプレイするものと捉えるならMUD・ドレッジ相手には差異はなく,青相手には弱い.その一方,自分の土地に起動してマナを安定させることに利用できる.やや泥臭い戦法かもしれないが,ストームがMUDのような相手に勝とうと思うなら,見てくれにこだわってはいられない.
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2015-08-30
HRISHIQQのデッキは,アカデミーベルチャー改良に関する僕の構想を体現してくれた.まず物読みは,アーティファクト尽くしのデッキにおいては合理的選択といえる.そして精神力,こいつはアカデミーを起こして甚大なマナを産むというかつての時代通りの役割を果たすだけでなく,Time Vaultを起こして呆気無く勝つことができる.さらに,師範の占い独楽に精神力を集中させることで,はるか先までを見通すことが可能となる.
これらの大胆な改造の結果,肝心のベルチャーが抜けてしまった.まあ土地10枚ではやむを得ないところである.
ところで,Library of Alexandriaを入れるのはどうだろうか.7ドローがぎっしり詰まっているので条件を満たすのは容易であり,必要なときに探検の地図で見つけることもできる.精神力と組めばライブラリー全てを引くまでガチャガチャできる.それに御心との相性も...と思ったら伝説じゃない!クソが!
もう1つアイディアがあって,それはいささか奇をてらい過ぎではないかと我ながら思うが,不同の力線を使うことで御心を一層強化するというものだ.副産物(とはいいながら本音はこっちメイン)として,4枚投入が多く,コピーを多用するMUD,ゾンビを並べ立てるドレッジへの耐性強化が挙げられる(この2つのデッキは全然違うアーキタイプなのにも関わらず,相手しての感触がどこか似通っており,サイドも不思議と兼用できることが多い).紅蓮術士と導師に対しても気休め程度には効く.
しかし最近のVintage DEは3-0の1人しか公表されないのか.残念だ.
まず1つがこれ
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2015-08-31
Eternal Weekendの24位のコピーデッキが3-0.しかしサイドの不毛の大地3枚が幽霊街に置き換わっており,意味が変わってくる―相手の土地に対してプレイするものと捉えるならMUD・ドレッジ相手には差異はなく,青相手には弱い.その一方,自分の土地に起動してマナを安定させることに利用できる.やや泥臭い戦法かもしれないが,ストームがMUDのような相手に勝とうと思うなら,見てくれにこだわってはいられない.
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-daily-2015-08-30
HRISHIQQのデッキは,アカデミーベルチャー改良に関する僕の構想を体現してくれた.まず物読みは,アーティファクト尽くしのデッキにおいては合理的選択といえる.そして精神力,こいつはアカデミーを起こして甚大なマナを産むというかつての時代通りの役割を果たすだけでなく,Time Vaultを起こして呆気無く勝つことができる.さらに,師範の占い独楽に精神力を集中させることで,はるか先までを見通すことが可能となる.
これらの大胆な改造の結果,肝心のベルチャーが抜けてしまった.まあ土地10枚ではやむを得ないところである.
ところで,Library of Alexandriaを入れるのはどうだろうか.7ドローがぎっしり詰まっているので条件を満たすのは容易であり,必要なときに探検の地図で見つけることもできる.精神力と組めばライブラリー全てを引くまでガチャガチャできる.それに御心との相性も...と思ったら伝説じゃない!クソが!
もう1つアイディアがあって,それはいささか奇をてらい過ぎではないかと我ながら思うが,不同の力線を使うことで御心を一層強化するというものだ.副産物(とはいいながら本音はこっちメイン)として,4枚投入が多く,コピーを多用するMUD,ゾンビを並べ立てるドレッジへの耐性強化が挙げられる(この2つのデッキは全然違うアーキタイプなのにも関わらず,相手しての感触がどこか似通っており,サイドも不思議と兼用できることが多い).紅蓮術士と導師に対しても気休め程度には効く.
しかし最近のVintage DEは3-0の1人しか公表されないのか.残念だ.
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その6
2015年9月8日 TCG全般http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-32-decklists-2015-08-23
BFZスポイラー週に入ったところだが,TOP32を見ないと次に進めない.
JESSE MARTIN’S STORM COMBO
その獰猛さからヴィンテージの象徴であったストームも,メタ外に転落して久しい.だが今,Dark Petitionを4枚投入して24位に入賞した.これは素晴らしい実績であり,賞賛する.
このデッキはDark Petition→ネクロポーテンス設置を勝ちパターンとしているゆえ,とにかく5マナにたどり着くことが重要であり,Ritualとアーティファクトが増量されている.
サイドボードはかなり珍しいつくりだ.少なくとも僕はストームのサイドに不毛の大地が入っているのを見たことがない.しかし土地破壊は環境のあらゆるデッキに効果的な戦略であり,Flusterstormを握ってニヤニヤしている相手の意表を突き,MUDに対するイージーウィンに繋げられ,ドレッジには時間を稼げばストームコンボを完成できると考えれば案外合理的な構築なのかもしれない.
MATT MERCER’S OATH
常識外れのオースである.メインからMUDとメンターに対する強烈な憎悪を漂わせ,魔力流出とプロパガンダだけでは飽き足らず,長い土地まで投入されている.本来オースならこういうビートダウンはむしろ取って食う相手のはずなのだが,それだけ現今のビートが強化されているということなのだろう.それにしても,エンド前に起動すれば済むこととはいえ,押し付けたトークンを処分する手段を与えてしまうTabernacleを採用とは徹底している.とどめは,オースから飛び出る魅力的な執政官だ.しかも古えの墳墓を活用し,チャリスを4枚投入して1マナ呪文を最小限に抑えるという,The Answerを換骨奪胎した要素までが含まれている.これとマッチアップしたメンター使いが可哀想で涙が出そうである.
デッキに1枚の切り札的クリーチャーを投入する傾向は,1年くらい前からすでに見られた現象ではあるが,今大会優勝・準優勝の成功を受け,より普及していくだろう.その際,最も重要な評価点はもちろん制圧力だが,次にタフネスが挙がり,四肢切断を食らわず,磁石のゴーレムを受け止める6を分水嶺として性能が見積もられると予想する.
BRIAN RITTER’S BLUE-RED CONTROL
The Answerは,アドバンテージとロックを両立させた青赤のヘビーコントロールデッキだ.登場直後のレシピ http://bagupokemon.diarynote.jp/201504280000387803/ と見比べると,月メイガスの枠に粗石の魔道士が入り,完成度が高まっている(月メイガスも極めて強力ではあるが,血染めの月と比べると見劣りする.どうしても使うなら魂の洞窟と併用すべきだろう).仮想的であるメンターとの相性も,粗石の魔道士からの仕組まれた爆薬と横揺れの地震(以前は見向きもされないような卡だったが,墳墓を経由することで容易にメンターを一掃できることが知られ,一躍人気となった)によりさらに改善されている.
そういえば当時,Answerとはすなわち硫黄の精霊と解したが,これは間違いだったと反省している.大鍋さんの解釈どおり虚空の杯こそがAnswerなのだろう.
BFZスポイラー週に入ったところだが,TOP32を見ないと次に進めない.
JESSE MARTIN’S STORM COMBO
その獰猛さからヴィンテージの象徴であったストームも,メタ外に転落して久しい.だが今,Dark Petitionを4枚投入して24位に入賞した.これは素晴らしい実績であり,賞賛する.
このデッキはDark Petition→ネクロポーテンス設置を勝ちパターンとしているゆえ,とにかく5マナにたどり着くことが重要であり,Ritualとアーティファクトが増量されている.
サイドボードはかなり珍しいつくりだ.少なくとも僕はストームのサイドに不毛の大地が入っているのを見たことがない.しかし土地破壊は環境のあらゆるデッキに効果的な戦略であり,Flusterstormを握ってニヤニヤしている相手の意表を突き,MUDに対するイージーウィンに繋げられ,ドレッジには時間を稼げばストームコンボを完成できると考えれば案外合理的な構築なのかもしれない.
MATT MERCER’S OATH
常識外れのオースである.メインからMUDとメンターに対する強烈な憎悪を漂わせ,魔力流出とプロパガンダだけでは飽き足らず,長い土地まで投入されている.本来オースならこういうビートダウンはむしろ取って食う相手のはずなのだが,それだけ現今のビートが強化されているということなのだろう.それにしても,エンド前に起動すれば済むこととはいえ,押し付けたトークンを処分する手段を与えてしまうTabernacleを採用とは徹底している.とどめは,オースから飛び出る魅力的な執政官だ.しかも古えの墳墓を活用し,チャリスを4枚投入して1マナ呪文を最小限に抑えるという,The Answerを換骨奪胎した要素までが含まれている.これとマッチアップしたメンター使いが可哀想で涙が出そうである.
デッキに1枚の切り札的クリーチャーを投入する傾向は,1年くらい前からすでに見られた現象ではあるが,今大会優勝・準優勝の成功を受け,より普及していくだろう.その際,最も重要な評価点はもちろん制圧力だが,次にタフネスが挙がり,四肢切断を食らわず,磁石のゴーレムを受け止める6を分水嶺として性能が見積もられると予想する.
BRIAN RITTER’S BLUE-RED CONTROL
The Answerは,アドバンテージとロックを両立させた青赤のヘビーコントロールデッキだ.登場直後のレシピ http://bagupokemon.diarynote.jp/201504280000387803/ と見比べると,月メイガスの枠に粗石の魔道士が入り,完成度が高まっている(月メイガスも極めて強力ではあるが,血染めの月と比べると見劣りする.どうしても使うなら魂の洞窟と併用すべきだろう).仮想的であるメンターとの相性も,粗石の魔道士からの仕組まれた爆薬と横揺れの地震(以前は見向きもされないような卡だったが,墳墓を経由することで容易にメンターを一掃できることが知られ,一躍人気となった)によりさらに改善されている.
そういえば当時,Answerとはすなわち硫黄の精霊と解したが,これは間違いだったと反省している.大鍋さんの解釈どおり虚空の杯こそがAnswerなのだろう.
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その5
2015年9月6日 TCG全般http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-8-decklists-2015-08-23
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-32-decklists-2015-08-23
気になる卡を集計したところ次のようになった.
Ancestral Recall:18
Lodestone Golem:11×4
Bazaar of Baghdad:2×4
Monastery Mentor:23
Delver of Secrets:8
Young Pyromancer:7
Snapcaster Mage:5
Goblin Welder:4
Dark Confidant:0
Deathrite Shaman:0
Tendrils of Agony:2
Time Vault:3
Oath of Druids:2×4
Force of Will:67
Mental Misstep:52
Flusterstorm:29
Mana Drain:17
Dig through Time:34(TCなし採用デッキ4)
Yawgmoth’s Will:5
Dack Fayden:38
Jace, the Mind Sculptor:22
Narset Transcendent:1
Tezzeret the Seeker:1
Hangarback Walker:26
Arcbound Ravager:14
Phyrexian Revoker:41
Trinisphere:9
Null Rod:6
Chalice of the Void:44
Tangle Wire:35
Sphere of Resistance:33
Thorn of Amethyst:33
Grafdigger’s Cage:58
http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-32-decklists-2015-08-23
気になる卡を集計したところ次のようになった.
Ancestral Recall:18
Lodestone Golem:11×4
Bazaar of Baghdad:2×4
Monastery Mentor:23
Delver of Secrets:8
Young Pyromancer:7
Snapcaster Mage:5
Goblin Welder:4
Dark Confidant:0
Deathrite Shaman:0
Tendrils of Agony:2
Time Vault:3
Oath of Druids:2×4
Force of Will:67
Mental Misstep:52
Flusterstorm:29
Mana Drain:17
Dig through Time:34(TCなし採用デッキ4)
Yawgmoth’s Will:5
Dack Fayden:38
Jace, the Mind Sculptor:22
Narset Transcendent:1
Tezzeret the Seeker:1
Hangarback Walker:26
Arcbound Ravager:14
Phyrexian Revoker:41
Trinisphere:9
Null Rod:6
Chalice of the Void:44
Tangle Wire:35
Sphere of Resistance:33
Thorn of Amethyst:33
Grafdigger’s Cage:58
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その4
2015年9月5日 TCG全般http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-8-decklists-2015-08-23
BRIAN KELLY’S OATH
スイスラウンド1位突破と優勝のダブル快挙.前にも書いたが,プレイヤーBrian Kelly氏とはコカトリスでよく対戦する.彼は構築・プレイング共に卓越しているため,優勝にも大きな驚きはない.
今回のデッキはサルベイジャーオースだ.オースから降臨するクリーチャーは,マジックの歴史を反映しているといってもよいくらい,環境の進歩と共に移り変わってきた.1ターンでも速い勝利に向け,巨大生物が目まぐるしく更新される中,オーリオックの廃品回収者は独自の立場を守ってきた珍しい卡だ.
それは,オーリオックの廃品回収者に,巨大生物にはない特有の持ち味があったからである.第一は,そのまんまだが軽いこと.4マナはhardcastが苦にならないコストである.第二に,いまやヴィンテージの採用数1位にまで出世した対策卡,墓掘りの檻への耐性が挙げられる.この卡は,廃品回収者の「アーティファクトを生け贄とし,また回収する」墓地利用には一切抵触しない.粗石の魔道士と組んだボンバーマンデッキが一時隆盛したくらいで,実は両者は相性が良いのだ.オースについても,ライブラリーから戦場に出るところが,ドローで手札に入る程度である.(封じ込める僧侶には通用しないが,仕組まれた爆薬や呪文爆弾を前もって設置しておくことにより牽制できる.)
サルベイジャーコンボにはもう1ついいところがある.それはコンボパーツが皆,単独で使用に耐え得る性能であることだ.と言いたいが,サルベイジャー本人は単なる4マナ2/4なので,ある程度頼れる壁という以上の評価は厳しい.だが無限コンボの燃料である爆薬・呪文爆弾・独楽は,いずれも特別なシナジーが無くとも採用される優秀な卡であり,Black Lotusに至ってはマジック最強の1枚だ.これらの卡は各々の役割を果たしながらデッキコンセプトにも寄与しており,デルバーやメンターの使うブレスト・思案・定業にも比定できるというのが僕の考えだ.
MUDや紅蓮術士・メンターに有利なオースが,檻という弱点をある程度克服したのがこのサルベイジャー型であると考えるなら,Kellyの選択は,今大会におけるメタゲームの観点からも高く評価できる.
それでは卡単位で分析していこう.
まず,このデッキで最も珍しい卡は,龍王ドロモカではないだろうか.DTKスポイラー時点で2点と付けたものの,5月に書いた反省会 http://qq1q.biz/nIKx では0点とせざるを得なかった卡である.しかし,このデッキなら,オースから出てくるのを待って気持ち良くコンボを決めるも良し,hardcastも良しである.一見,サルベイジャーの4マナならともかく,ヴィンテージで6マナ,それも準優勝デッキのようなMana Drainによる支援も無しというのでは不可能事に思われる.だが,我々が卡のコストを評価するとき,詠唱それ自体だけではなく,その前後の所作についても無意識のうちに前提している.本件の場合で言えば,フィニッシャーを唱える場合,敵のカウンターや除去,返しの危険なアクションといった脅威を警戒してこちらもカウンターを構えられるまで待つ,といった経験を踏まえている.しかし,ことドロモカについて言えば,手札・盤面双方への強烈な制圧力を備えており,極めて隙のないクリーチャーであることから,そうした慎重な判断はほとんど必要ない.ほとんどと言ったのは,相手の手札の中に即死コンボが握られている場合に限っては,ドロモカの詠唱が隙を作るおそれがあるからだ.しかし,これも3枚投入のギタクシア派の調査によって見透かすことができる.こうしたドロモカの隙のなさは,彼女を詠唱する際に事実上のコスト軽減として機能する.
もちろん,サルベイジャーコンボが成立すればドロモカだろうがエムラクールだろうが自由自在である.と書いて思ったが,願いを入れてみるのもありかも知れない.
メインのクリーチャーはサルベイジャーとドロモカ,そして究極の卡力を持つグリセルブランドの3体だが,サイドボードにも2体リザーバー(語法合ってるか不安)が用意されている.そのうち濠の大魔術師については全面的に賛成だ.これまた素出しが容易なコストだし,1枚で完封できるデッキはさすがに少ないものの,オースを再起動して勝ちに持っていくくらいの時間は優に稼げるはずだ.もう一方の鋼の風のスフィンクスについては,ドロモカでも抑え込めないような高打点の敵(ドレッジとか)に対抗する人選と思われる.別な卡に差し替える余地はあるかもしれない.
Force of Will3枚は象徴的でさえある.レガシーでこそ,FoWの減量は基本戦略と化して久しいが,同様の現象がついにヴィンテージの大舞台でも発生したわけだ.今後のヴィンテージでは,よほど大胆なB/R改訂でも行われない限り,コンボのTier1復権はないだろう.となれば,環境に占めるMUD比率によっては3枚が標準か,少なくとも驚かれはしないリストになっている可能性もある.
撤廃を使っているのはTOP8でKelly1人,32まで見ても2人しかいないようだが,これまでとは異なった作用がある.元々,溢れるMoxやトークンの存在により対象に困らず,文独楽タップに対応すればアドバンテージを取れたりと,非常に使いやすい呪文だったが,XUというコストからして,テンポアドバンテージは基本的に得られない呪文だった.ところが,今大会においては反転したデルバーや歩行機械を戻すことで,多大なテンポを稼ぎ出せるようになった.
最後に,黒の不在について触れておきたい.従来のオースはUBg(オース+アーティファクト破壊)が主流で,古えの遺恨などのためrがタッチされるような,Big Blueの正道を走るデッキだった.この中で黒の役割は次のようになる.第一にサーチ,ドルイドの誓いが来ないと始まらないのだから当然だ.第二に手札破壊,これもドルイドの誓いを守る措置である.そして最後にヨーグモスの意志が来る.翻ってこのデッキではどうか?サルベイジャーとドロモカはhardcastが可能な軽さであるため,ドルイドの誓いに全面依存まではしていない.それゆえ,絶対にサーチが必要とはいえない.手札破壊についても,前方確認ならギタクシアが代行してくれるし,ドロモカがいれば相手が何を握っていようが関係ないのだから,その価値は他のオースにおけるそれと比して落ちる.それからヨーグモスの意志だが,これは明らかだろう,墓地はあらかたDTTに食わせているし,第一コンボパーツを追放してしまっては元も子もない.
長々と書いたが,ある卡が採用されている(あるいは採用されていない)理由を尽くデッキリスト中に求めることができ,実に理にかなった構築といえる.
BRIAN KELLY’S OATH
スイスラウンド1位突破と優勝のダブル快挙.前にも書いたが,プレイヤーBrian Kelly氏とはコカトリスでよく対戦する.彼は構築・プレイング共に卓越しているため,優勝にも大きな驚きはない.
今回のデッキはサルベイジャーオースだ.オースから降臨するクリーチャーは,マジックの歴史を反映しているといってもよいくらい,環境の進歩と共に移り変わってきた.1ターンでも速い勝利に向け,巨大生物が目まぐるしく更新される中,オーリオックの廃品回収者は独自の立場を守ってきた珍しい卡だ.
それは,オーリオックの廃品回収者に,巨大生物にはない特有の持ち味があったからである.第一は,そのまんまだが軽いこと.4マナはhardcastが苦にならないコストである.第二に,いまやヴィンテージの採用数1位にまで出世した対策卡,墓掘りの檻への耐性が挙げられる.この卡は,廃品回収者の「アーティファクトを生け贄とし,また回収する」墓地利用には一切抵触しない.粗石の魔道士と組んだボンバーマンデッキが一時隆盛したくらいで,実は両者は相性が良いのだ.オースについても,ライブラリーから戦場に出るところが,ドローで手札に入る程度である.(封じ込める僧侶には通用しないが,仕組まれた爆薬や呪文爆弾を前もって設置しておくことにより牽制できる.)
サルベイジャーコンボにはもう1ついいところがある.それはコンボパーツが皆,単独で使用に耐え得る性能であることだ.と言いたいが,サルベイジャー本人は単なる4マナ2/4なので,ある程度頼れる壁という以上の評価は厳しい.だが無限コンボの燃料である爆薬・呪文爆弾・独楽は,いずれも特別なシナジーが無くとも採用される優秀な卡であり,Black Lotusに至ってはマジック最強の1枚だ.これらの卡は各々の役割を果たしながらデッキコンセプトにも寄与しており,デルバーやメンターの使うブレスト・思案・定業にも比定できるというのが僕の考えだ.
MUDや紅蓮術士・メンターに有利なオースが,檻という弱点をある程度克服したのがこのサルベイジャー型であると考えるなら,Kellyの選択は,今大会におけるメタゲームの観点からも高く評価できる.
それでは卡単位で分析していこう.
まず,このデッキで最も珍しい卡は,龍王ドロモカではないだろうか.DTKスポイラー時点で2点と付けたものの,5月に書いた反省会 http://qq1q.biz/nIKx では0点とせざるを得なかった卡である.しかし,このデッキなら,オースから出てくるのを待って気持ち良くコンボを決めるも良し,hardcastも良しである.一見,サルベイジャーの4マナならともかく,ヴィンテージで6マナ,それも準優勝デッキのようなMana Drainによる支援も無しというのでは不可能事に思われる.だが,我々が卡のコストを評価するとき,詠唱それ自体だけではなく,その前後の所作についても無意識のうちに前提している.本件の場合で言えば,フィニッシャーを唱える場合,敵のカウンターや除去,返しの危険なアクションといった脅威を警戒してこちらもカウンターを構えられるまで待つ,といった経験を踏まえている.しかし,ことドロモカについて言えば,手札・盤面双方への強烈な制圧力を備えており,極めて隙のないクリーチャーであることから,そうした慎重な判断はほとんど必要ない.ほとんどと言ったのは,相手の手札の中に即死コンボが握られている場合に限っては,ドロモカの詠唱が隙を作るおそれがあるからだ.しかし,これも3枚投入のギタクシア派の調査によって見透かすことができる.こうしたドロモカの隙のなさは,彼女を詠唱する際に事実上のコスト軽減として機能する.
もちろん,サルベイジャーコンボが成立すればドロモカだろうがエムラクールだろうが自由自在である.と書いて思ったが,願いを入れてみるのもありかも知れない.
メインのクリーチャーはサルベイジャーとドロモカ,そして究極の卡力を持つグリセルブランドの3体だが,サイドボードにも2体リザーバー(語法合ってるか不安)が用意されている.そのうち濠の大魔術師については全面的に賛成だ.これまた素出しが容易なコストだし,1枚で完封できるデッキはさすがに少ないものの,オースを再起動して勝ちに持っていくくらいの時間は優に稼げるはずだ.もう一方の鋼の風のスフィンクスについては,ドロモカでも抑え込めないような高打点の敵(ドレッジとか)に対抗する人選と思われる.別な卡に差し替える余地はあるかもしれない.
Force of Will3枚は象徴的でさえある.レガシーでこそ,FoWの減量は基本戦略と化して久しいが,同様の現象がついにヴィンテージの大舞台でも発生したわけだ.今後のヴィンテージでは,よほど大胆なB/R改訂でも行われない限り,コンボのTier1復権はないだろう.となれば,環境に占めるMUD比率によっては3枚が標準か,少なくとも驚かれはしないリストになっている可能性もある.
撤廃を使っているのはTOP8でKelly1人,32まで見ても2人しかいないようだが,これまでとは異なった作用がある.元々,溢れるMoxやトークンの存在により対象に困らず,文独楽タップに対応すればアドバンテージを取れたりと,非常に使いやすい呪文だったが,XUというコストからして,テンポアドバンテージは基本的に得られない呪文だった.ところが,今大会においては反転したデルバーや歩行機械を戻すことで,多大なテンポを稼ぎ出せるようになった.
最後に,黒の不在について触れておきたい.従来のオースはUBg(オース+アーティファクト破壊)が主流で,古えの遺恨などのためrがタッチされるような,Big Blueの正道を走るデッキだった.この中で黒の役割は次のようになる.第一にサーチ,ドルイドの誓いが来ないと始まらないのだから当然だ.第二に手札破壊,これもドルイドの誓いを守る措置である.そして最後にヨーグモスの意志が来る.翻ってこのデッキではどうか?サルベイジャーとドロモカはhardcastが可能な軽さであるため,ドルイドの誓いに全面依存まではしていない.それゆえ,絶対にサーチが必要とはいえない.手札破壊についても,前方確認ならギタクシアが代行してくれるし,ドロモカがいれば相手が何を握っていようが関係ないのだから,その価値は他のオースにおけるそれと比して落ちる.それからヨーグモスの意志だが,これは明らかだろう,墓地はあらかたDTTに食わせているし,第一コンボパーツを追放してしまっては元も子もない.
長々と書いたが,ある卡が採用されている(あるいは採用されていない)理由を尽くデッキリスト中に求めることができ,実に理にかなった構築といえる.
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その3
2015年9月5日 TCG全般 コメント (2)http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-8-decklists-2015-08-23
RYAN EBERHART’S DELVER
Delverで2年連続のTOP8入り.1年前のデッキはこれ http://qq1q.biz/nIjy 最大の違いはB/R変更に伴い,4枚投入の宝船の巡航のうち3枚をDTTに交換したことだ.サイドボードも含め極めて軽く構成されており,ジェスカイ色で導師を使わない理由付けがちゃんとあるリストと感じた.
3色目を緑から白に交換したことでサイドボードが充実し,オースやドレッジといった別ゲー系デッキへの抵抗力が増している.Trygonも強力な卡ではあるが,今のメタを考えると2/3は脆く,冗長な面が強く出てしまう.
SULLIVAN BROPHY’S DREDGE
マジック界の極北,ドレッジ.安定3キル~最速2キルのコンボタイプと,超速攻は捨てる代わりに対応力を高めたタイプに分かれる.このデッキを見ると,コンボの要であるZealotを入れつつ,ドロー促進はそれほど投入されていないなど,中間あたりの速度を持つ.
エリシュ・ノーンやLotVをメイン採用し,いまやヴィンテージを支配するまでになったトークン戦略を強烈に対策.またサイドボードに置かれた蛮族のリングも,封じ込める僧侶対策として素晴らしい.調べてみたところ,すでに採用実績はあったものの,メタに合った卡を探して結果を出した点で,ほとんど発見といってもよい.http://qq1q.biz/nIus
RYAN EBERHART’S DELVER
Delverで2年連続のTOP8入り.1年前のデッキはこれ http://qq1q.biz/nIjy 最大の違いはB/R変更に伴い,4枚投入の宝船の巡航のうち3枚をDTTに交換したことだ.サイドボードも含め極めて軽く構成されており,ジェスカイ色で導師を使わない理由付けがちゃんとあるリストと感じた.
3色目を緑から白に交換したことでサイドボードが充実し,オースやドレッジといった別ゲー系デッキへの抵抗力が増している.Trygonも強力な卡ではあるが,今のメタを考えると2/3は脆く,冗長な面が強く出てしまう.
SULLIVAN BROPHY’S DREDGE
マジック界の極北,ドレッジ.安定3キル~最速2キルのコンボタイプと,超速攻は捨てる代わりに対応力を高めたタイプに分かれる.このデッキを見ると,コンボの要であるZealotを入れつつ,ドロー促進はそれほど投入されていないなど,中間あたりの速度を持つ.
エリシュ・ノーンやLotVをメイン採用し,いまやヴィンテージを支配するまでになったトークン戦略を強烈に対策.またサイドボードに置かれた蛮族のリングも,封じ込める僧侶対策として素晴らしい.調べてみたところ,すでに採用実績はあったものの,メタに合った卡を探して結果を出した点で,ほとんど発見といってもよい.http://qq1q.biz/nIus
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その2
2015年8月28日 TCG全般http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-8-decklists-2015-08-23
PAUL MASTRIANO’S HANGARBACK WORKSHOP
RICH SHAY’S HANGARBACK WORKSHOP
まさか搭載歩行機械がヴィンテージ級とは思いもしなかった.予想屋としては完敗もいいところである.
強い理由を想像してみるとこんなところか.柔軟なコストと自己成長能力があるため,いつ引いても困らない.飛行機械への分裂により,多少の除去は無視してクロックを保てる.カルドーサや煙突といった,能動的にサクる手段と組み合わせる.
中でも重要なのは,2009年あたりからカムバックを果たした電結の荒廃だ.歩行機械とはどっちをどっちに接合させても抜群の効果を得られる.Rich Shayのようにトリスケリオンを隣に並べていたりすると,戦場全てをカウンターに転化してからの直接射撃によりそのまま勝ってしまう.
これやニンの杖のように,MUD用の高マナ域卡は,一見遅すぎるように見えても意外な成功を収める例が多々あるので,今後も注意が必要となる.
ROBERT GREENE’S GRIXIS THIEVES
準優勝のVault Control.ドローの剽窃にデッキパワーの多くが注がれている.かつてVault Controlのアドバンテージ源といえば闇の腹心だったが,突然の衰微により大きく衰微した.今となっては突然の衰微を使う墓荒らしが衰微しているので復権のチャンスもあるのかもしれないが,その間のメタの推移,具体的にはダクの登場および大量のキャントリップを用いる導師コントロールの台頭を見れば,概念泥棒の方が有力となっていることは明白だ.
Tinker Golemについては,ダクと導師によってBSCが大幅弱体化したので,双方に強いスフィンクスという人選となっている.
PAUL MASTRIANO’S HANGARBACK WORKSHOP
RICH SHAY’S HANGARBACK WORKSHOP
まさか搭載歩行機械がヴィンテージ級とは思いもしなかった.予想屋としては完敗もいいところである.
強い理由を想像してみるとこんなところか.柔軟なコストと自己成長能力があるため,いつ引いても困らない.飛行機械への分裂により,多少の除去は無視してクロックを保てる.カルドーサや煙突といった,能動的にサクる手段と組み合わせる.
中でも重要なのは,2009年あたりからカムバックを果たした電結の荒廃だ.歩行機械とはどっちをどっちに接合させても抜群の効果を得られる.Rich Shayのようにトリスケリオンを隣に並べていたりすると,戦場全てをカウンターに転化してからの直接射撃によりそのまま勝ってしまう.
これやニンの杖のように,MUD用の高マナ域卡は,一見遅すぎるように見えても意外な成功を収める例が多々あるので,今後も注意が必要となる.
ROBERT GREENE’S GRIXIS THIEVES
準優勝のVault Control.ドローの剽窃にデッキパワーの多くが注がれている.かつてVault Controlのアドバンテージ源といえば闇の腹心だったが,突然の衰微により大きく衰微した.今となっては突然の衰微を使う墓荒らしが衰微しているので復権のチャンスもあるのかもしれないが,その間のメタの推移,具体的にはダクの登場および大量のキャントリップを用いる導師コントロールの台頭を見れば,概念泥棒の方が有力となっていることは明白だ.
Tinker Golemについては,ダクと導師によってBSCが大幅弱体化したので,双方に強いスフィンクスという人選となっている.
ヴィンテージ大会感想:ヴィンテージ選手権15 その1
2015年8月27日 TCG全般http://magic.wizards.com/en/events/coverage/vintagechamp15/top-8-decklists-2015-08-23
MICHAEL HERBIG’S MENTOR
現環境の大本命が名乗りを上げた.ジェスカイカラーで組み,大量のドローが導師をバックアップする構成は王道的であり,メイン・サイド共に人を驚かせるような着想はない.唯一メインから2枚のPyroblastはやや思い切った構成だが,MUDとドレッジ以外は全部青と言ってよい時世(ヘイト系アグロは急減した),ダクや独楽,DTTにより容易となったドローの選別,そして非青デッキを踏んでもトークン沸かしには使える融通性,といったところを考えれば,理にかなった選択であることがわかる.
JOHN GRUDZINA’S JESKAI CONTROL
レガシーでのPW達が少々元気がないのと対照的に,ヴィンテージではこの通りプレインズウォーカーコントロールが気炎を吐いている.僕は夜景学院の使い魔を主軸に組めないかと試して結局挫折したことがあったが,チマチマしたブロックよりも白の至高の評決とMoatで押し流し,安全な位置から覇権を確立する戦略のほうが有効だったようだ.古き良きコントロールが蘇ったようで嬉しい.またPWの取捨選択も含め,いじりがいのあるデッキだろう.個人的な興味は復讐のアジャニあたりだ.
ただアメジストのとげに弱いのが気がかりなので,僕ならアーティファクト破壊をメインに入れるだろう.ヴィーアシーノの異端者あたりも試したいし,歩行機械が躍進した今なら,破壊的一撃は特に有望と思われる.
眠いので続きはまた明日.
MICHAEL HERBIG’S MENTOR
現環境の大本命が名乗りを上げた.ジェスカイカラーで組み,大量のドローが導師をバックアップする構成は王道的であり,メイン・サイド共に人を驚かせるような着想はない.唯一メインから2枚のPyroblastはやや思い切った構成だが,MUDとドレッジ以外は全部青と言ってよい時世(ヘイト系アグロは急減した),ダクや独楽,DTTにより容易となったドローの選別,そして非青デッキを踏んでもトークン沸かしには使える融通性,といったところを考えれば,理にかなった選択であることがわかる.
JOHN GRUDZINA’S JESKAI CONTROL
レガシーでのPW達が少々元気がないのと対照的に,ヴィンテージではこの通りプレインズウォーカーコントロールが気炎を吐いている.僕は夜景学院の使い魔を主軸に組めないかと試して結局挫折したことがあったが,チマチマしたブロックよりも白の至高の評決とMoatで押し流し,安全な位置から覇権を確立する戦略のほうが有効だったようだ.古き良きコントロールが蘇ったようで嬉しい.またPWの取捨選択も含め,いじりがいのあるデッキだろう.個人的な興味は復讐のアジャニあたりだ.
ただアメジストのとげに弱いのが気がかりなので,僕ならアーティファクト破壊をメインに入れるだろう.ヴィーアシーノの異端者あたりも試したいし,歩行機械が躍進した今なら,破壊的一撃は特に有望と思われる.
眠いので続きはまた明日.
BFZとヴィンテージ1
2015年8月19日 TCG全般Forerunner of Slaughter
Sー基本スペックがかなり高く,自身への速攻付与ができる時点で,RTR期のグルールの主力であった火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar同然の力量.スタンダードでは文句なく使われるのではないだろうか.
ヴィンテージでもBSCやマイアの戦闘球と組めば大きな戦果を発揮できる.使うとすれば,夜の囁きを活用しダクにフィーチャーしたウェルダーコントロールだろうか...だが,このデッキは基本的にクロックパーミッションの発想がない.Forerunnerを入れてみても(もともとが強いので)足手まといにはならないだろうが,不協和音を産んでしまうことは避けられそうにない.
1ターンに何回でも使えることを利用し,カルドーサ→BSCシュートに突っ込むのは?それこそ稲妻のすね当てで十分だ.
と,ヴィンテージ視点では微妙に活かせなさそうだ.
Sー基本スペックがかなり高く,自身への速攻付与ができる時点で,RTR期のグルールの主力であった火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar同然の力量.スタンダードでは文句なく使われるのではないだろうか.
ヴィンテージでもBSCやマイアの戦闘球と組めば大きな戦果を発揮できる.使うとすれば,夜の囁きを活用しダクにフィーチャーしたウェルダーコントロールだろうか...だが,このデッキは基本的にクロックパーミッションの発想がない.Forerunnerを入れてみても(もともとが強いので)足手まといにはならないだろうが,不協和音を産んでしまうことは避けられそうにない.
1ターンに何回でも使えることを利用し,カルドーサ→BSCシュートに突っ込むのは?それこそ稲妻のすね当てで十分だ.
と,ヴィンテージ視点では微妙に活かせなさそうだ.
仕事で忙しくなったとはいえ,随分放ったらかしにしてしまった.Cockatriceも起動しない日が増え,たまにプレイしてもso rude noobとばかり当たる.
このまま更新せずにいくとブログの存在自体を忘れてしまいそうなので,多少無理にでも書くとしよう.
僧院の導師は安史の乱前の唐のごとき強盛であり,Vaultをこよなく愛する僕もとうとう鞍替えしてしまった.最初のうちは,一応導師に反応するからと思ってVault-Keyも残していたが,サーチが減った今となっては正直置物のケースが多い.デッキの肝であるキャントリップ連鎖も阻害するので,結局この枠はGushに挿げ替えられ,3枚の導師に残り57枚のサポートというデザインとなった(もっとも,Vault-Keyで結果を残しているプレイヤーもいる).
使ってみて気づいたことだが,このデッキは実に完成度が高く,美しい流れを持つ.ピッチの噴出でトークンを増やしつつ,手札に来た土地はダクを起動してドローに変換,最後には事実上のフィニッシャーである探査ドローの糧となる.ダク+噴出は,それ自体が膨大なアドバンテージをもたらすばかりか僕が嫌悪するマナフラッドを抑制することにもつながり,マジックの負の側面である「つまらない負け」をある程度減らせる.
同型だが,やはり概念泥棒がキーではないだろうか.この卡はやや重いものの,MUDとドレッジ(一瞬効くと思ったがルール的に駄目だった.発掘はドローを置換してしまう)以外の相手には基本的に刺さる.決まればゲームセット同然のアドバンテージとなるためブラフとしても有用で,潜在的なアドバンテージも馬鹿にならない.デッキ内にクリーチャーは5枚しかないが,1枚挿した魂の洞窟が邪魔と感じたことはほとんどない.The Answerのような敵意むきだしのデッキも嫌いではないが,ピンポイントの概念泥棒の方がよりスマートで僕好みだ.
このまま更新せずにいくとブログの存在自体を忘れてしまいそうなので,多少無理にでも書くとしよう.
僧院の導師は安史の乱前の唐のごとき強盛であり,Vaultをこよなく愛する僕もとうとう鞍替えしてしまった.最初のうちは,一応導師に反応するからと思ってVault-Keyも残していたが,サーチが減った今となっては正直置物のケースが多い.デッキの肝であるキャントリップ連鎖も阻害するので,結局この枠はGushに挿げ替えられ,3枚の導師に残り57枚のサポートというデザインとなった(もっとも,Vault-Keyで結果を残しているプレイヤーもいる).
使ってみて気づいたことだが,このデッキは実に完成度が高く,美しい流れを持つ.ピッチの噴出でトークンを増やしつつ,手札に来た土地はダクを起動してドローに変換,最後には事実上のフィニッシャーである探査ドローの糧となる.ダク+噴出は,それ自体が膨大なアドバンテージをもたらすばかりか僕が嫌悪するマナフラッドを抑制することにもつながり,マジックの負の側面である「つまらない負け」をある程度減らせる.
同型だが,やはり概念泥棒がキーではないだろうか.この卡はやや重いものの,MUDとドレッジ(一瞬効くと思ったがルール的に駄目だった.発掘はドローを置換してしまう)以外の相手には基本的に刺さる.決まればゲームセット同然のアドバンテージとなるためブラフとしても有用で,潜在的なアドバンテージも馬鹿にならない.デッキ内にクリーチャーは5枚しかないが,1枚挿した魂の洞窟が邪魔と感じたことはほとんどない.The Answerのような敵意むきだしのデッキも嫌いではないが,ピンポイントの概念泥棒の方がよりスマートで僕好みだ.
ちょww両面ジェイスがVINTAGEに!?ww
2015年8月2日 TCG全般 コメント (1)Team Serious Invitational III
2015年7月30日 TCG全般http://www.themanadrain.com/index.php?topic=47936.0
Invitationalだし割と格式ある大会なのか?
RTR以降メタの大きな変動はなく,ヴィンテージの名手Kevin Cron氏がRemora Mentorで順当な優勝.一番すごいのは7位のKevin Poenischが持ち込んだ龍王ドレッジ
それにしても,デッキ分布を見るとTOP8以外にも面白そうなデッキが勢揃いしているので,ぜひ見せて欲しいものだ.
おまけ
1回目 http://bagupokemon.diarynote.jp/201411101258104721/
2回目 http://www.themanadrain.com/index.php?topic=47829.0
Invitationalだし割と格式ある大会なのか?
RTR以降メタの大きな変動はなく,ヴィンテージの名手Kevin Cron氏がRemora Mentorで順当な優勝.一番すごいのは7位のKevin Poenischが持ち込んだ龍王ドレッジ
7. Kevin Poenischドレッジに多くのマナファクトと墳墓を突っ込んで無理やり龍王はじめ重いクリーチャーを出すという着想のようだが,思いついても大会に持ち込むプレイヤーはそういないだろう.今後使われるとは思えないが,その冒険心素晴らしい.
"Dredge & Dragons"
4 Serum Powder
3 Chromatic Lantern
1 Black Lotus
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
3 Ancient Tomb
2 Dakmor Salvage
2 City of Brass
4 Mana Confluence
4 Bazaar of Baghdad
1 Ancestral Recall
4 Bridge from Below
4 Narcomoeba
3 Cabal Therapy
4 Bloodghast
4 Street Wraith
4 Golgari Grave-Troll
4 Stinkweed Imp
4 Dack Fayden
SB: 3 Dragonlord Dromoka
SB: 1 Dragonlord Silumgar
SB: 1 Dragonlord Ojutai
SB: 2 Nicol Bolas, Planeswalker
SB: 1 Chromatic Lantern
SB: 3 Consecrated Sphinx
SB: 2 Elesh Norn, Grand Cenobite
SB: 1 Sol Ring
SB: 1 Mana Crypt
それにしても,デッキ分布を見るとTOP8以外にも面白そうなデッキが勢揃いしているので,ぜひ見せて欲しいものだ.
おまけ
1回目 http://bagupokemon.diarynote.jp/201411101258104721/
2回目 http://www.themanadrain.com/index.php?topic=47829.0
GOW3 Remastered Chaos メモ
2015年7月20日 ゲーム・以下ではコントローラーの振動をオフにすることで固定しやすくなる
https://www.youtube.com/watch?v=ENaDuZrm3t0
・パンドラ救出イベント:網をよじ登る際にXボタンを押してはいけない.
・見栄えよりも死亡率の低さを重視
EX:サテュケロ戦では3匹まとめて始末できなくても構わない
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208111126301151/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208131836113479/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208141157536269/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251135069308/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251207023798/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251331519360/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251419085323/
https://www.youtube.com/watch?v=ENaDuZrm3t0
・パンドラ救出イベント:網をよじ登る際にXボタンを押してはいけない.
・見栄えよりも死亡率の低さを重視
EX:サテュケロ戦では3匹まとめて始末できなくても構わない
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208111126301151/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208131836113479/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201208141157536269/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251135069308/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251207023798/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251331519360/
http://bagupokemon.diarynote.jp/201212251419085323/
禁止改訂予想というより願望→No Changes
2015年7月13日 TCG全般ブロック構築,スタンダード No Changes
モダン 煮えたぎる歌/Seething Song 禁止解除
モダンでは3色で組んだアグロ・コントロールの層が厚い.そこに親和とバーンという2大速攻が割って入る.今の状況ならコンボを多少強化しても,影響はメタゲームの枠内にとどまると思う.
レガシー 時を越えた探索/Dig through Time 禁止
強すぎてゲームプレイの幅を狭めるのが1つ.猫も杓子も使うのでデッキリストの幅を狭めるのが2つ.しかもOmni-Tellのような,あまり健全でないアーキタイプを助長する.モダンのみならずレガシーでも,巡航共々禁止するのが妥当だった.
ヴィンテージ からみつく鉄線/Tangle Wire 制限
ヴィンテージの象徴的デッキといえば1キルコンボとMUDだ.前者の主犯ないしは幇助の罪で10枚以上が制限を食らっている.にも関わらずMUDから検挙されたのは三なる宝球と露天鉱床の2枚だけだ.
MUDを弱体化させるとするなら,他の候補は磁石のゴーレムかチャリス辺りになるだろう.しかし前者は単体ではそこまで強くない.後者はMUD以外にも採用するデッキがあり,また最強デッキの導師に歯止めをかけてもいる.
と長文で力説していたがNo Changes.http://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/banned-and-restricted-announcement-2015-07-13
モダン 煮えたぎる歌/Seething Song 禁止解除
モダンでは3色で組んだアグロ・コントロールの層が厚い.そこに親和とバーンという2大速攻が割って入る.今の状況ならコンボを多少強化しても,影響はメタゲームの枠内にとどまると思う.
レガシー 時を越えた探索/Dig through Time 禁止
強すぎてゲームプレイの幅を狭めるのが1つ.猫も杓子も使うのでデッキリストの幅を狭めるのが2つ.しかもOmni-Tellのような,あまり健全でないアーキタイプを助長する.モダンのみならずレガシーでも,巡航共々禁止するのが妥当だった.
ヴィンテージ からみつく鉄線/Tangle Wire 制限
ヴィンテージの象徴的デッキといえば1キルコンボとMUDだ.前者の主犯ないしは幇助の罪で10枚以上が制限を食らっている.にも関わらずMUDから検挙されたのは三なる宝球と露天鉱床の2枚だけだ.
MUDを弱体化させるとするなら,他の候補は磁石のゴーレムかチャリス辺りになるだろう.しかし前者は単体ではそこまで強くない.後者はMUD以外にも採用するデッキがあり,また最強デッキの導師に歯止めをかけてもいる.
と長文で力説していたがNo Changes.http://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/banned-and-restricted-announcement-2015-07-13
チプラス首相はかつてこの地を治めていたアテネとローマを再現しようとしている.
アテネ...衆愚政治
ローマ...自分が破綻したらお前も道連れだと言って債権者を脅し,半強制的に自身を援助させる(カエサルの得意技)
アテネ...衆愚政治
ローマ...自分が破綻したらお前も道連れだと言って債権者を脅し,半強制的に自身を援助させる(カエサルの得意技)
ORGとヴィンテージ6 フルスポイラー
2015年7月4日 TCG全般 コメント (2)苛性イモムシ
1点ーこの虫が今日発表の卡の中では最有望である.とりあえず置いておき,ダクを1回守ったり,からみつく鉄線の弾除けに使いながら,ここ一番の急所を毀損できれば最高だ.といっても使われるのかといえば,まあ使われないだろうな.
というわけで,ORGまとめ.
3点
Hallowed Moonlight(導師コントロール)
Jace, Vryn’s Prodigy(ビッグブルー)
Harbinger of the Tides(マーフォーク)
2点
Abbot of Keral Keep(ビッグブルー,RW Prophetic)
Dark Petition(コンボ)
最後の基本セットにふさわしい堂々たる仕上がりと言えよう.
1点ーこの虫が今日発表の卡の中では最有望である.とりあえず置いておき,ダクを1回守ったり,からみつく鉄線の弾除けに使いながら,ここ一番の急所を毀損できれば最高だ.といっても使われるのかといえば,まあ使われないだろうな.
というわけで,ORGまとめ.
3点
Hallowed Moonlight(導師コントロール)
Jace, Vryn’s Prodigy(ビッグブルー)
Harbinger of the Tides(マーフォーク)
2点
Abbot of Keral Keep(ビッグブルー,RW Prophetic)
Dark Petition(コンボ)
最後の基本セットにふさわしい堂々たる仕上がりと言えよう.
ORGとヴィンテージ5
2015年7月2日 TCG全般 コメント (1)Artificer’s Epiphany
とりあえず目録/Catalogの上位互換であり,ヴィンテージなら多くの場合デメリットも無視できる.めちゃくちゃ強いってことはないが考慮には入る範疇だ.だが知識の渇望より優先されることはないし,知識の渇望を1枚入れれば多くのデッキはそれで満腹だろう(同じ理由で渇望は制限解除されるべきと考えている).
Magmatic Insight
Lータカハシイタオさんからタレコミのあったこの卡.非常に優秀なドロー呪文だが,残念ながらヴィンテージには不向きだと思う.その理由は2つ.まずヴィンテージはSoloMoxenが土地の一部に取って代わるため,デッキの土地含有率が低まる.第二に土地捨てが追加コストなので,Mステされると目も当てられない.これはレガシーの土地単とかに使うべき卡ではないだろうか.
とりあえず目録/Catalogの上位互換であり,ヴィンテージなら多くの場合デメリットも無視できる.めちゃくちゃ強いってことはないが考慮には入る範疇だ.だが知識の渇望より優先されることはないし,知識の渇望を1枚入れれば多くのデッキはそれで満腹だろう(同じ理由で渇望は制限解除されるべきと考えている).
Magmatic Insight
Lータカハシイタオさんからタレコミのあったこの卡.非常に優秀なドロー呪文だが,残念ながらヴィンテージには不向きだと思う.その理由は2つ.まずヴィンテージはSoloMoxenが土地の一部に取って代わるため,デッキの土地含有率が低まる.第二に土地捨てが追加コストなので,Mステされると目も当てられない.これはレガシーの土地単とかに使うべき卡ではないだろうか.