メンター概論
本稿ではヴィンテージのメンターデッキを考える.以下,「メンター」と呼ぶ時,それはデッキを指す.「導師」と呼ぶ時,それは卡名を指す.

1.概要

サンプルレシピ:4/24 MO Vintage Daiily 4-0
http://www.mtgtop8.com/event?e=12190&f=VI

メンター/Mentorは,僧院の導師/Monastery Mentorを中核に据えたコントロールであり,2016年4月現在のヴィンテージにおける最強デッキである.強力なドローとテンポに優れたカウンターを両輪に,導師の果敢を大量誘発することをデッキの主題としている(右図参照.マジックデッキ100のデッキメカニズムに倣い,パワポで作った.クオリティの低さを嗤わないでくれ).

2.強み

基本的にはアドバンテージの追求に主眼を置くコントロールであり,その挙動も「ドローしてクリーチャーを並べ,殴る」というごく健全なものである.しかし,従来この手のデッキに搭載されていたクリーチャー,クウィリーオンのドライアド/Quirion Dryadや若き紅蓮術士/Young Pyromancerとは段違いの速度を持ち,それはほとんどコンボの域にまで達する場合もある.僕は,メンターを「アンフェアと呼べるまでに強くなりすぎたフェアデッキ」と捉えている.

骨格が単純なだけあって,幅広い卡を採用する余地がある.例えば,ドローの連鎖という点からストームを連想し,苦悶の触手/Tendrils of Agonyをメインに採用したコンボ色の強いリストがある一方で,石のような静寂/Stony Silence等を使って抑制を図るタイプもある.

また青の強さと白の対応力を併せ持ったことによる,受けの広さも強みである.

3.歴史

導師が収録された運命再編の発売日,2015.1.23が端緒である.14.9.26のタルキール覇王譚発売,それに伴う探査ドローの追加によって当時トップメタを走っていたDelver-Pyromancerデッキの研究によって,デッキの概形が登場時点でほぼ整っていたことから,登場直後から活躍する.

15.7.17のオリジンではヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigyを獲得,2マナ圏を補充してデッキとしての完成度をさらに高める.また,メンター研究の産物として,15年の夏頃から古典卡である森の知恵/Sylvan Libraryを活用するタイプが出始める.

15.10.2のB/R改訂では時を越えた探索/Dig Through Time制限により弱体化するが,DTTは巡航と違って元々枚数を抑えられる傾向にあったこと,メンターに限らず青ならほぼ標準装備といっていい採用率であったことからメタゲーム上大きな不利はつかず,むしろ苦手とする虚空の杯/Chalice of the Void制限による恩恵のほうが大であった.

それ以降はWorkshopに次ぐTier1デッキとして活躍するが,Workshop規制の第二弾である16.4.8の磁石のゴーレム制限により,押しも押されもせぬ最強デッキとしての地位を確立,現在に至る.

4.デッキカラー

右のデッキメカニズムを見てもわかるとおり,必須となる色はUW2色のみである.しかし,実態としては,デッキパワーの向上やサイドボードの拡充のため,大多数のデッキが3~4色で組んでいる(参考:2色メンター http://tcdecks.net/deck.php?id=17990&iddeck=135830).

ここでmtgtop8検索結果を掲載しよう.ヴィンテージのメインデッキにおいて,

Monastery Mentor:129
Monastery Mentor & Tundra:128 (参考 http://qq4q.biz/tAiP)
Monastery Mentor & Volcanic Island:92
Monastery Mentor & Underground Sea:29
Monastery Mentor & Tropical Island:20

以下では,色毎の大まかな役割を概観する.

・白
当然ながら必須.メインデッキでは導師に加えてStPが採用される.ロックの色であるため,サイドボードからアンフェアデッキ,特にオースとドレッジを対策する役割もある.

・青
ヴィンテージにおいて他4色を遠く引き離した最強色であり,デッキパワーの引き上げに必要である.特にドロー最強の色であることから,デッキコンセプトに深く関与している.

・黒
サーチとヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Willを加えることで爆発力がさらに向上する.そのはけ口として苦悶の触手を投入するケースもある.

・赤
通例,メンターは赤を3色目に選び,導師の生まれ故郷でもあるジェスカイで組まれる.メインには純然たる強卡であるダク・フェイデン/Dack Faydenを投入.サイドへは,アーティファクト破壊をごっそり積みこむ.

・緑
ヴィンテージのバントデッキとしては,ソフトロック・クロックパーミッションであるNoble Fishの経験がある.が,これがメンターの戦略と合致しないことは明らかで,緑を加える場合,森の知恵やFastbond,古えの遺恨といった個別の強卡が目当てであることが多い.

5.採用卡(メインボード)

メンターのメイン採用卡を役割ごとに分けて紹介する.その採用率に応じて固定(90%~) 定番(50%~)検討(20%~)の3段階に分けた.参考まで,卡ごとの点数評価も付した.

i.土地

メンターの土地に人を驚かすようなギミックはない.その中では,探査・ジェイスのために墓地を肥やせるフェッチランドが重要となる.

<固定>

デュアルランド(6点) - これがなくては始まらない.噴出/Gushの関係上,島であることが重要であり,Plateauを1枚取るというような構築はほとんど見られない.

フェッチランド(6点) - 通常7枚ほど.

島(6点) - 1枚であることが多い.デッキ内のUUは時を越えた探索だけなので,必ずしも2枚以上入れる必要はない.かといって,1枚も入れないと土地破壊に対して脆弱になりすぎる.1ターン目はフェッチ→島→ドローの動きが理想.

<定番>

Library of Alexandria(6点) - 強卡.中盤以降に引いても,噴出を使って無理やり7枚に引き戻してドロー体制を作ることが可能.

露天鉱床/Strip Mine(6点) - 時としてイージーウィンを演出する.他にも,カウンター用のマナを潰したり,LoAや魂の洞窟,またメンターにとって致命的なThe Tabernacle at Pendrell Valeといった能力持ちの土地を破壊するなど,用途は幅広い.

<検討>

トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy(6点) - 爆発力は高いものの,事故(アーティファクト0でマナを出さない)要員になってしまうケースもある.下iiで詳しく見ていくが,メンターのアーティファクト枚数は3~10枚と結構幅がある.10枚ならばアカデミーが少なくとも1マナ出すことは期待してよい枚数だし,アカデミーの爆発力で押し切れるゲームもあるだろうが,一方で事故と無縁と言い切れるほどの枚数でもなく,採用の可否はプレイヤー各自の判断に委ねられる.

魂の洞窟/Cavern of Souls(4点) - その性質上,導師自体に関するカウンター合戦は極力避け,一旦表に出てからカウンター合戦に持ち込みたいのがメンターである.魂の洞窟はその我儘を叶えてくれる夢のような土地であり,デッキ内にクリーチャーが4体しかいないのに採用される場合もある.ハマればゲームの明暗を分かつほどの1枚ではあるが,デッキの大半を占めるスペルには対して無色マナしか産まない(1マナ呪文が多いので,実質的に一再寄与していないケースもある)デメリットはやはり無視できるものではない.

不毛の大地/Wasteland(6点) - 露天鉱床に追加して不毛を投入したリストもあるが,土地破壊は露天鉱床1枚のみに留めるものが多い(サイドに追加で不毛を忍ばせるリストもある).基本土地を壊せることに特別な価値を置いているとかそういうわけではなく,土地破壊はデッキの主眼ではないので,最小限に留めるわけである.

ii.マナ・アーティファクト

メンターは構築4フォーマット全てで活躍しているが,最も華々しいのはやはりヴィンテージにおいてであろう.Solomoxenは導師のキャストタイミング自体を早める上に,登場して即座に果敢を誘発させる火種にもなる.この点は大変重要で,たとえ導師本体を除去されようとも,トークンを1体でも産出していればそれが相手に対するプレッシャーとして機能し,アドバンテージとなるのに対し,トークンを残さないで死んでしまったのではテンポを丸々失うだけで,導師を出した甲斐がないのである.

<固定>

Black Lotus(6点)
色の合うMox(6点) - これは入れない理由を探すほうが難しい.

<定番>

色の合わないMox(6点) - デッキカラーと異なるMoxは,Delverなら入れないのが普通だった.メンターの場合,導師が紅蓮術士よりも1マナ重いこと,Moxからもトークンが出ることの2点から,色が合わないものでも相応の意義があり,採用率も80%前後の高水準にのぼる.

Sol Ring(6点)
Mana Crypt(6点) - 2枚の採用率は50%くらいまで落ちる.無色2マナを必要とする卡が少ないからで,爆発力を高めたい場合や精神を刻む者,ジェイス/Jace, the Mind Sculptorをプレイしている場合に採用するといった付き合い方になるだろう.僕の意見を言えば,上記2点の他にも狼狽の嵐合戦やWorkshopとのマッチアップ等,多量マナが活きる機会は多いと思うので,少なくとも色の合わないMoxよりは優先したい気持ちだ.

iii.勝利手段

<固定>

僧院の導師/Monastery Mentor(5点) - 導師に最適化されたこのデッキでの果敢っぷりは素晴らしく,特に妨害がなければ2ターンで大凡勝ってしまうそのスピードは,ダークスティールの巨像/Darksteel Colossusに近い.それも,StPやバウンスを受ければそれで終わりだったDSCと違い,導師は除去されてもトークンを残し,バウンスされても次のターンでまた出てくるのだ.

<検討>

若き紅蓮術士/Young Pyromancer(5点) - 追加の導師として2枚ほど取られる場合がある.

苦悶の触手/Tendrils of Agony(6点) - メンターはドローを次々唱えていくデッキなので,そのエネルギーを導師だけでなくストームにも活かそうとする発想は自然なことである.ただし,黒を加える場合においても触手の投入が当然とは言えず,むしろ珍しい.メンターは1ターンに10の呪文を唱えることを目的としている訳ではなく,むしろ2ターンに分けて4つずつ呪文を唱えようとする方で,同じドロー連打でも若干の違いはある.

龍王ドロモカ/Dragonlord Dromoka(現在点数なし) - 追加フィニッシャー.流石に重いのでバントエスパーでも採用は少数派に留まるが,導師にないものをたくさん持っている.

iv.ドロー・サーチ

寸評も白眉に差し掛かった.ところで,ドローはなぜ重要なのか?一般論としては手数を増やすためであり,このメンターにおいては,果敢を繰り返し誘発させるに最も適した手段だからだ.そしてもう1つ,導師を探すという役割がある.メンターは,導師の力を最大化するため,導師本人のほかは極力クリーチャーを減らし,noncreature spellを増量しようと務める.しかし,それは導師を出せれば一気に押しきれるが,導師が見つからなければ虚しいドローを重ねるだけという状況にも陥りやすい.大量のドローがそれを解決する力を持っていたことは,メンターというデッキにとっての幸いであった.

サーチについて.メンターはそれほど複雑な構造でなく,鍵卡の導師も(今のところは)4枚積めるので,特段サーチを投入する必要に迫られてはいない.よって採用率も低めになるのだが,ドローの派生と考え,ここで扱う.

<固定>

Ancestral Recall(6点)
渦まく知識/Brainstorm(6点)
思案/Ponder(5点)
宝船の巡航/Treasure Cruise(5点)
時を越えた探索/Dig through Time(5点) - このあたりは強すぎて,特段の事情がなければ当然入れるべき卡である.

噴出/Gush(6点) - それほど土地を伸ばす必要がないメンターにとって,土地2枚バウンス程度の代償で2ドローというのはお得すぎるくらい.いつでも唱えられるのでメンターと組み合わさると,全軍強化&ブロッカー生成というコンバットトリックのように機能する(それで実際に相手を返り討ちにするというよりは,相手が警戒してくれるほうが大きい).ルーターと組み合わせることで土地をドローに変換できる等,語り尽くせないほど強い.

<定番>

定業/Preordain(5点) - 思案に迫る強さだが,使わないリストも多少は見られるので定番枠の上澄みあたりに配置しておいた.平均投入枚数は2枚ほどだろうか.

ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe(3点) - このデッキで一番弱い卡.といってもそれは単体での性能であり,メンターにとってはライフ2点の他に何のコストもなく果敢させてくれるのは大変ありがたい.導師が出るまで温存するのはもちろん,フェッチを使い切るまで待ったり,サーチを使う前に使っておいたりして,見返りが少しでも大きくなるよう工夫しよう.

師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top(5点) - 採用率は半分強くらい.マナ喰い虫の面があるので,アーティファクトを絞る構成だと敬遠されがちではあるのだが,汎用性と爆発力(ドローのたびに出し直すことで,果敢の誘発回数を倍増できる)を兼ね備えた卡力は魅力.

<検討>

撤廃/Repeal(3点) - 便利卡.自分のMoxを戻して差し引き0マナの2回果敢が強い.上の独楽や下のRemoraとの相性も良い.

Mystic Remora(3点) - ハマれば強いが,噴出との相性が悪いので,考え無しに入れても上手く回ることはないだろう.使うなら,マナファクトは8枚体制とし,撤廃も入れたいところだ.

森の知恵/Sylvan Library(2点) - 緑を加える理由の1つ.ドローを元手に,戦場をメンターとトークンで埋め尽くし,手札をカウンターで武装すれば,残ライフは問題ではない.

商人の巻物/Merchant Scroll(4点) - アンリコ・噴出・DTT・FoWと贅沢なラインナップを楽しめ,果敢にも貢献するが,いささか冗長か.

神秘の教示者/Mystical Tutor(4点) - メンターがいる段階でTime Walkを引いてくることは事実上の死刑宣告を意味するが,単体での性能はやや低め.

Demonic Tutor(6点) - メンターの黒率自体が少ないので検討枠に置くことになったが,逆にエスパーメンターの中では100%近い採用率を誇る.今更語るまでもなく強いので当然か.

吸血の教示者/Vampiric Tutor(5点) - Demonicにはやや劣るが,十分な実力者.

v.カウンター

導師は3マナクリーチャーなのでそれほど重くはなく,また展開から勝利までの間隔も短い.そのため,カウンターについても要所要所を打ち消せれば十分という考え方であり,盤石さよりテンポ性を重視する.

<固定>

Force of Will(6点)
狼狽の嵐/Flusterstorm(5点)
精神的つまづき/Mental Misstep(5点) - 万能選手.

<定番>

紅蓮破/Pyroblast(4点) - 青環境であるヴィンテージでは,色対策の域を越えて汎用カウンターの地位にある.非青デッキに当たったとしてもルーターの多いメンターでは処分に困らないし,最悪,果敢の種に使えるわけだ.そして,紅蓮破の効かないデッキの代表格だったWorkshopは今般の制限で大きく弱体化し,青率は70%を越えた(http://www.mtgtop8.com/topcards?f=VI&meta=82 脱線になるがSapphireの95.8%もすごい数字だな).このことにより,紅蓮破は一層强化されたものと思われる.

<検討>

Mana Drain(5点) - 上記のようなコンセプトの問題,また無色マナをそれほど欲しない実情からすれば最適の卡とは言えない.しかし強いものは強いということか,ある程度実績があるようだ.

呪文貫き/Spell Pierce(4点) - テンポではつまづきに劣り,確実性では狼狽の嵐に劣る.卡力は確かだし,コンセプトにも沿っているのだが,微妙に中途半端な面が災いして定番まではこれなかった.

誤った指図/Misdirection(4点) - 具体的にコレを曲げたい!という仮想敵がある訳ではないが,ピッチだけあってテンポ上は最も優秀.

vi.プレインズウォーカー

プレインズウォーカーがデッキの花型であること,ヴィンテージでも変わりない.プレイヤーの裁量によるところが大きいスロットで,固定枠と呼べるほどの採用率を持った卡はない.爆発力を重視し,1枚も投入しないプレイヤーもいる.

<定番>

ダク・フェイデン/Dack Fayden(5点) - [-2]がイッてるのは御存知の通りだが,[+1]も探査に大きく貢献し,噴出で帰ってきた土地をディスカードに充てられるので強い,

精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(5点) - マナ域や能力はメンターのコンセプトと若干のズレがあるが,このような純然たる強卡になると,それは不協和音ではなく,むしろデッキの弱点を補う助力者と解される.ジェイスの場合,1枚で勝てるので尚更だ.

ヴリンの神童、ジェイス/Jace, Vryn’s Prodigy(4点) - メンターにおいて2マナ圏を埋められるのは大きく,4枚採用するデッキもあるほどだ.

vii.除去

どちらかと言えば,相手の妨害よりも自分がやりたいことに重きを置くほうだ.しかし,この部分がしっかりしてないと,デッキ全体が浮足立ったものとなり,安定した勝利を収めることはおぼつかない.

<固定>

剣を鋤に/Swords to Plowshares(4点) - 最強の単体除去で,ストームやドレッジ以外のほとんどのマッチアップに大きく貢献する.確実に勝てる盤面なら,自分のトークンに当てることで果敢を稼ぐのもよし.

<定番>

稲妻/Lightning Bolt(4点) - 手札から出てくるようなクリーチャーは大体これで倒せる.StPと比較すれば,本体やPWにも入る長所を持つ一方,コスト踏み倒しで出てくる巨大クリーチャーに太刀打ちできない.デッキ名で言えば,対メンター(同型)は両者互角,対Vaultも一長一短,対オースはStP有利,対DPSは稲妻有利.

ハーキルの召還術/Hurkyl’s Recall(4点) - 受けが狭いものの,特定の相手(Workshop,修繕)には劇的な効果を発揮することから,元々メイン採用も盛んに行われた卡である.メンターにおいては自らのMoxを戻すことで果敢を大量誘発させるという積極的な役割も担うことができ,なかなか良い.ただ,修繕の漸次的衰退,この度のWorkshop弱体化によって,今後は数を減らしていくと予想する.

<検討>

摩耗+損耗/Wear+Tear(3点) - 軽く,アドバンテージを取れる可能性のある高性能除去.アーティファクト・エンチャント除去としては解呪/Disenchantもサイドボード要員として現役だが,メインから入るのはこっちが主流のようだ.

火+氷/Fire+Ice(4点) - これまた便利な分割呪文.

至高の評決/Supreme Verdict - 同型やDelverに対するサイドボード要員として,早い段階から登場していた卡だが,今やメインからも搭載されつつある.それだけメンターの天下になってしまったということだ.

古えの遺恨/Ancient Grudge(4点) - 色の関係上,使えるデッキが限られているので検討という枠になったが,UWRgメンターなら必ず採用されている.Workshopは減ったものの,適当に唱えて相手を足止めし,後々フラッシュバックで果敢するというストーリーは強力.このデッキに多いルーターで捨てておくのもよい.

viii.その他

上記7コテゴリに分類し難い卡をまとめて配置するものだが,こんな余り物みたいなカテゴリに分類するのが忍びないような強卡ばかりになってしまった.

<固定>

Time Walk(6点) - デッキ最強卡.導師の後で通るとそのままゲームが終わってしまう.

<定番>

瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(5点) - 両面ジェイスとの互換になる.僕の見立てでは卡力では瞬唱が勝るが,デッキとの相性ではジェイスが一歩リードか.

<検討>

ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will(6点) - 探査で墓地をガリガリ消費するので,ヨーグモスの意志が持つ稀代の卡力も半分くらいしか出せないことが多い.黒を加えたタイプの中でさえ必須とはいかないようである.

陰謀団式療法/Cabal Therapy(5点) - ギタクシア及びヤンパイとのシナジーを核としたGrixis Delverがレガシーを風靡したことは読者諸賢ご存知の通りである.メンターでも同様の所作ができる.素打ちでは一番困る卡を指定しておき,次のターンでフラッシュバックして全軍強化するという動きも強力だ.

6.採用卡(サイドボード)

具体的な採用卡に加え,マッチアップごとの相性とサイドボーディングの指針も書いたが,ここは僕自身まだまだ経験の足りない部分であり,誤りの記述もあるかもしれない.お気づきのことがあれば,何卒コメント欄にてご教示賜りたい.

採用卡については表にしたほうが見やすいと思い,Excelで作った.http://ur0.work/tEka


i.同型

この試合は導師を残したほうが勝つので,除去を投入する.トークンに弱いPWが抜かれることが多い.

ii.Vault

同じく青をベースとしたデッキだが,デッキパワーと安定性で勝っており,有利.向こうはサイドから全体除去を投入してくるだろうが,メンター側も,ゲームに参加させない(マナ破壊)・勝たせない(墓掘りの檻等)・ゲームを優位に進める(カウンター等)といった色々なサイドプランがある.土地破壊をしてくることはないので,島や色の合わないMoxを抜いてデッキを濃くするのも手である.

iii.オース

最大のライバルにして乗り越えなければならない壁.よほど彼我のドローに差がない限りは1本目は取られてしまうだろう.しかしサイドボードに積んだ対策が非常に強いので,2戦目以降は十分戦えるはずだ.

オースの誘発をスタックに置く→墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage等の妨害置物を突然の衰微/Abrupt Decayするという動きが大変強いので,これに耐えられる布陣を用意しつつ,並行して殴りきってしまうのが理想.

iv.ストーム

非常に速く,やや不利.要所に狼狽の嵐を合わせられないとたちどころに負ける.サイドは多少痛みを感じてでも相手の妨害に全力を挙げる.

僕の場合,キープ基準が厳しくなるので,土地は抜かないようにしている.

v.Workshop

メンターにとって自由に動けないのは辛いものだが,導師を出すことさえできればトークンが敵の攻撃を足止めする上,煙突/Smokestackとからみつく鉄線/Tangle Wireの弾除けとなるので,Easy Winさえなければ戦える印象.そのEasy Winも,直近2回のB/R改訂でそう簡単に起きなくなったというわけ.

狼狽の嵐等の無駄なカウンターは勿論,商人の巻物のような重めの卡も抜いて,アーティファクト対策を突っ込む.

vi.ドレッジ

ご存知別ゲー.白には優秀な墓地対策が多いし,豊富なドローで2枚目・3枚目の対策またカウンターを探しに行けるため,静寂にだけ気をつけていれば心配はない.

このマッチアップでは即効性がとりわけ重視されるため,抜くのは探査ドロー(安らかなる眠り/Rest in Peaceを入れるなら特に)やPW,導師(の1枚)あたりが候補となる.

7.まとめ

メンターはただ強いだけでなく,様々な捉え方のできるデッキだ.現在,多くのプレイヤーがメンターをさらに進化させるべく,また逆にこれを倒すべく試行錯誤を重ねており,1つのアイディアが大きなうねりに成長し得る,大変面白い時期に差し掛かっている.メンターがこの先どうなるか,(規制の対象になるかも含めて)見守っていきたい.

コメント

testament
2016年5月2日19:49

毎回丁寧な考察を上げてますが、MOやリアルでヴィンテージをする予定はないんですか?

玩家
2016年5月2日21:34

>>testamentさん
すいません,分かりません

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