http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-champs-2014-12-22-0#decklists

腕に覚えある134名のプレイヤーが集った大会.TOP32までが公表されている.その結果はDelverの全盛とその影響の大きさを如実に物語るものだった.

まずLSVが純正なUR Delverで優勝.これを筆頭にDelverは9人が入賞した.それらを眺めていると,Eternal Weekendの時よりもクリーチャー数が切り詰められていることに気づく.特に,デッキ名のデルバーを3枚に削ってクリーチャー総数を一桁に留める構築が目立ち,LSVに至ってはわずか7枚.ではその分のスロットはどこに振り分けられたのかとなるが,それはギタクシア派の調査・噴出のピッチドローである.さらにクリーチャー減量の中で若き紅蓮術士は9名全員が4枚フル投入しており,アーキタイプの中心はデルバーからヤンパイにシフトしたと言っていいだろう.

これまでUR Delverは従来のFishと違うみたいなことを何度か述べた.その論旨を書くと,Fishはメインから上位デッキを対策するが自分は対策され難い(多くのデッキは青やMUD,ドレッジにサイドボードの枠が割かれており,Fishに充てられるのは2枚程しかないから)という有利な立場を活かしてメタゲームの隙間を泳ぐ存在であったのに対し,Delverにそうしたメタ要素は見られない.強いて言えばメインからPyroblastを1,2枚取っている程度のものだ.そのPyroblastにしても紅蓮術士のトークンを湧かす役割が最低限あるので基本的に60枚全てが自身の戦略を実現するための卡であり,UR Delverは実力でのし上がってきたといえる.

それは6位のChains of Mephistophelesコントロールを見て確信に変わった.Chainおよび概念泥棒は,好相性のダク・フェイデン,格好のカモである宝船の巡航が立て続けに登場したことで勢威を大きく高めた.このデッキでは「ドローしないドロー」である時を越えた探索/嘘か真かを使うことで自分だけロックされずに動ける設計となっているが,それより凄いのはメインから3枚投入されためった切り/Slice and Dice,いくらサイクリングで無駄にならないといっても,ここまでやるのは執拗とすらいえる.しかし,ここまで対策しても準々決勝でLSVのUR Delverに2-0されており,全くあきれ果てた強さである.

Delver祭りの中Vaultはオースなども含めて8名と健闘しており,時を越えた探索を採用したものが多く見られる(巡航とスプリットした型も).これは僕にとっては朗報である.しかし,その中でも2位の青単ベルチャーには驚かされた.これは弱点が多すぎ,結果を出せるようなアーキタイプではないと思っていたが,現在最大勢力のUR Delverには不毛の大地やNull Rodといった致命的呪文が含まれていないので,比較的戦いやすい時期とは言えるかもしれない.またデッキ構築にも,テゼレットと神秘の教示者によるフィニッシャーへのより確実なアクセス,サイドボードにMUD対策のMishra’s Workshop投入など,見るべき点が多々ある.特に後者は青単ベルチャーの固定観念にはまっていると出てこない発想で,賞賛したい.

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