アメジストのとげ制限直後に開催されたEternal Weekendは、WorkshopがTOP8に5名を送り込み優勝を遂げた。それを受け、「ヴィンテージの荒廃と対策」(http://bagupokemon.diarynote.jp/201710300055194759/)を書いたのが先月末のことだ。それでは今のメタはどうなっているのか。

mtggoldfishでこの2週間に登録されたヴィンテージデッキを見ると...
全デッキ 109

77 青
26 ドルイドの誓い
09 ランドスティル
08 逆説

15 Workshop
15 Ravager Shops

10 ドレッジ
Workshopの支配率は適正範囲に収束した!それは今や暴君ではなく、他デッキと伍する一員である。

代わって首位に浮上したのがオースである。支配率は25%弱と、あまり良い数字ではないが特別に病的ともいえない。さて登録アーキタイプ名が示すとおり、このデッキの立役者は業火のタイタンである。これを少し掘り下げてみたい。

業火のタイタンがヴィンテージにお目見えしたのは恐らくこれだろう。

https://www.mtggoldfish.com/deck/365918#paper

磁石のゴーレム制限直前でWorkshopが蔓延していたため、採用卡ほとんどが偶数である特性を攻める虚空の選別者を実験したものである。そこに添えられたのが業火のタイタンだ。これは素出しも見込めるコストで、定期的に3点ダメージをばら撒く。弧状の稲妻が一度きりならWorkshopにとってさほどの妨害にはならない - P/Tを自由自在に動かせる電結の荒廃者が全て対処してくれるからだ。しかし6/6が聳え、それが毎ターン弧状の稲妻を誘発させてくるならば、これはWorkshopにとって致命的事態となる。このタイプOdd Oathはしばらく試みられたものの、2016年中には放棄された。

だがBrian Kellyはこのアイディアに新たな命を吹き込んだ。彼が注目したのは、Workshopをはじめとするアグロ全般への相性のみならず「素出しも見込める」部分だ。オースの天敵である墓掘りの檻や封じ込める僧侶を克服するため、彼が選んだ戦略は、それらを除去するのではなく、単にクリーチャーを素出しすることだったのだ。

https://www.mtggoldfish.com/deck/775891#paper

彼は9月末からこのデッキで5-0を連発し、Eternal Weekendにも持ち込んでTOP8に入賞した。その頃にはサイド後素出しのプランをさらに洗練させ、サイドボードに魂の洞窟を忍ばせるに至った。このサイドボードを1年前に見ていたら恐らく否定していたことだろう...

それにしても嵐の息吹のドラゴンとは意外と思えるが、5マナでソープロ、流刑、稲妻、プッシュの全てを跳ね除ける(現実的な対処手段が四肢切断しかない)ため、速攻・飛行も相俟ってクロックとしての信頼度は相当なものだ。

このように常識の枠を破るチューンが施されたオースだが、かつてのWorkshopのように環境を歪めることはないと予想する。というのは、これ以上支配率が高まると、各デッキが他マッチアップでの汎用性を多少落としてでもオースを潰しにかかるためだ(四肢切断、誘惑蒔き、水流破あたり)。

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