新環境ヴィンテージデッキ2 人間型逆説
2017年9月1日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/ja/node/1200101
https://www.mtggoldfish.com/deck/637971#online
メイガスと、逆説のために大量のアーティファクトを投入するデッキ構造との親和性を見抜いた炯眼は賞賛に値する。
さて、周知のとおり僧院の導師が制限になったわけだが、もともと導師2枚が標準だったこのデッキに関しては、一見些細な変更と感じられる。しかし、僕の見立てでは、この1枚減の影響は見かけほど小さくはないのではないかと考えている。それは、このデッキの勝ち手段に関わってくるからだ。
デッキ全体を見渡しても、導師以外で勝ち手段となる卡は他4枚のクリーチャーと神ジェイス1枚しかない。そして、クリーチャー達はアドバンテージ獲得としては極めて優秀であるものの、いずれもパワー2と勝利まで遠く、回避能力や除去耐性も特にないことからフィニッシャーとしては不足である。相手の壁クリーチャーや除去といった妨害に屈せず信頼を置けるフィニッシャーとなると、導師とジェイスの2枚しかない。これはハンデスやカウンター等、ふとしたことで勝ち手段を喪失しかねない危うさを孕む枚数である。逆説はドローを追求する目的で逆説的な結果に最適化したデッキであるため、reactiveな卡が少ない点も、この懸念を高めている。このような懸念を少しでも抑えるために、キープ基準にやや悪影響を与えてしまうが、魂の洞窟を1枚挿したいところだ(これはデッキ内の他のクリーチャーとも相性が良い)。
このように制限の影響は皆無ではないにしろ、最初のLeagueで5-0していること自体が証明しているとおり、デッキを揺るがすような根本的な問題では全くない。以上は相当下振れした場合の話であり、デッキが普通に回ればフィニッシャーを展開できてそのまま勝つケースが大半だろうし、それらを引けなくても、圧倒的ドローによるカウンターを背景にパワー2でクロックパーミッション的に削りきるケースも多いはずだ。人間型逆説は、アーティファクトを多用しつつもアーティファクト一辺倒ではなく、対策1枚で完封されることのない靭やかさを備えている。また、探査を使わず、青単タッチ白というカラーリングの簡潔さからフェッチランドへの依存性も低く(右デッキリストでは7枚も入ってるがもっと減らせる)、来るべき魔術遠眼鏡への備えも万全である。新たな環境で本命と目されるデッキだ。
Planeswalker (1)記念すべきVintage Leagueは制限改定施行直後に開催された。その5-0デッキの1つは逆説、それもクリーチャーを数種類搭載するタイプである。僕が人間型逆説(Human Paradoxical)と呼ぶこのデッキタイプは、Brianの着想によるものであり、初出は恐らくこれだろう。
1 Jace, the Mind Sculptor
Creature (5)
1 Magus of the Future
1 Monastery Mentor
1 Snapcaster Mage
2 Trinket Mage
Sorcery (7)
1 Balance
1 Gitaxian Probe
1 Merchant Scroll
1 Ponder
1 Preordain
1 Time Walk
1 Treasure Cruise
Instant (18)
1 Ancestral Recall
1 Brainstorm
1 Daze
2 Flusterstorm
4 Force of Will
1 Gush
1 Hurkyl’s Recall
2 Mental Misstep
4 Paradoxical Outcome
1 Repeal
Artifact (14)
1 Black Lotus
1 Chalice of the Void
1 Engineered Explosives
1 Mana Crypt
1 Mana Vault
1 Mox Emerald
1 Mox Jet
1 Mox Pearl
1 Mox Ruby
1 Mox Sapphire
2 Sensei’s Divining Top
1 Sol Ring
1 Tsabo’s Web
Land (15)
3 Flooded Strand
4 Island
1 Library of Alexandria
1 Misty Rainforest
3 Polluted Delta
1 Tolarian Academy
2 Tundra
60 Cards
Sideboard (15)
2 Hurkyl’s Recall
1 Ancient Tomb
1 Baral, Chief of Compliance
3 Containment Priest
1 Karakas
1 Mindbreak Trap
1 Mystical Tutor
1 Rest in Peace
1 Steel Sabotage
1 Swords to Plowshares
2 Tormod’s Crypt
https://www.mtggoldfish.com/deck/637971#online
メイガスと、逆説のために大量のアーティファクトを投入するデッキ構造との親和性を見抜いた炯眼は賞賛に値する。
さて、周知のとおり僧院の導師が制限になったわけだが、もともと導師2枚が標準だったこのデッキに関しては、一見些細な変更と感じられる。しかし、僕の見立てでは、この1枚減の影響は見かけほど小さくはないのではないかと考えている。それは、このデッキの勝ち手段に関わってくるからだ。
デッキ全体を見渡しても、導師以外で勝ち手段となる卡は他4枚のクリーチャーと神ジェイス1枚しかない。そして、クリーチャー達はアドバンテージ獲得としては極めて優秀であるものの、いずれもパワー2と勝利まで遠く、回避能力や除去耐性も特にないことからフィニッシャーとしては不足である。相手の壁クリーチャーや除去といった妨害に屈せず信頼を置けるフィニッシャーとなると、導師とジェイスの2枚しかない。これはハンデスやカウンター等、ふとしたことで勝ち手段を喪失しかねない危うさを孕む枚数である。逆説はドローを追求する目的で逆説的な結果に最適化したデッキであるため、reactiveな卡が少ない点も、この懸念を高めている。このような懸念を少しでも抑えるために、キープ基準にやや悪影響を与えてしまうが、魂の洞窟を1枚挿したいところだ(これはデッキ内の他のクリーチャーとも相性が良い)。
このように制限の影響は皆無ではないにしろ、最初のLeagueで5-0していること自体が証明しているとおり、デッキを揺るがすような根本的な問題では全くない。以上は相当下振れした場合の話であり、デッキが普通に回ればフィニッシャーを展開できてそのまま勝つケースが大半だろうし、それらを引けなくても、圧倒的ドローによるカウンターを背景にパワー2でクロックパーミッション的に削りきるケースも多いはずだ。人間型逆説は、アーティファクトを多用しつつもアーティファクト一辺倒ではなく、対策1枚で完封されることのない靭やかさを備えている。また、探査を使わず、青単タッチ白というカラーリングの簡潔さからフェッチランドへの依存性も低く(右デッキリストでは7枚も入ってるがもっと減らせる)、来るべき魔術遠眼鏡への備えも万全である。新たな環境で本命と目されるデッキだ。
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