最弱への旅15 ウルザズ・サーガ編
2017年6月5日 Magic: The Gatheringウルザブロックはマジック24年の歴史でも傑出した存在だ。アーティファクトを手足のごとく操り、深い狂気を湛え、その訪れるところ全てに破滅をもたらしたプレインズウォーカーの名を冠するだけあって、ブロックの内実も似たようなものであった。かのMoMAに至っては、メタゲームという多元宇宙を舞台にウルザの生涯をデッキ丸ごと使って再現した、一種の奇跡、芸術あるいは最高の皮肉といえる。
とはいえ、そんなウルザにも失敗作はあったのだ。これからの作業は、ウルザの暗部を解き明かすことになるだろう。
こいつを出したそのターンは何もできない。次のターンにカウンターが1個乗る。サクることで強要が打てるが、それをやるなら最初から強要を使えば済む話だから、事実上はここでサクるという選択肢はない。よって不和の葬送歌が機能し始めるのは2ターン後といってよい。この時点で7ターン目とすでに終盤戦が始まろうとしている頃合い、しかも不和の葬送歌を見た相手は手札の消化を図っているはずである。不和の葬送歌で捨てさせる卡が残っているかも怪しいもんだ。テンペストで断念というゴミを紹介したが、悠長さではこっちの圧勝である。
このサイクルはどれもパッとしないが、他のやつらはロックしてカウンターを溜めまくるなり、それなりに抜け道があった。不和の葬送歌の場合、手札枚数という上限があるのでそれすらできない。
<改善>
手札破壊とカウンターは軽さが特に重要だ。除去なら1ターン遅れても1回殴られるだけで済む。しかし、これらは時機を逸すればそれで終わり、チャンスは2度やってこない。不和の葬送歌も、5マナという重さが最大の問題であることを鑑みれば、効果の弱体化と引き換えにしてでも軽量化を図るしかない。
<改善>
18000 wordsの指摘にもあるとおり、鷹食い蛾は元々弱く作られた存在であって、見ようによっては与えられた仕事を完璧にこなした卡ともいえる。「緑の飛行・除去耐性持ち小型クリーチャー」というカテゴリの中で、こいつが最劣等にあり、振り子が逆側に振れた先端にはシラナの岩礁渡りという優等生がいる。その間で調整すればよい。
ごちゃごちゃ書いてあるが、結局こいつは「あなたのアップキープの開始時に、緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを1体生成する。」以上のことはやってくれない。つまり、大分あとの卡ではあるが、彼方よりに完敗している。
<改善>
とはいえ、そんなウルザにも失敗作はあったのだ。これからの作業は、ウルザの暗部を解き明かすことになるだろう。
Discordant Dirge / 不和の葬送歌 (3)(黒)(黒)かの名卡、強迫をコモンに収録したエキスパンションとは思えない体たらくだ。
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたは不和の葬送歌の上に詩句(verse)カウンターを1個置いてもよい。
(黒),不和の葬送歌を生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーの手札を見て、その中からカードを最大X枚まで選ぶ。Xは、不和の葬送歌の上に置かれた詩句カウンターの数である。そのプレイヤーは、それらのカードを捨てる。
こいつを出したそのターンは何もできない。次のターンにカウンターが1個乗る。サクることで強要が打てるが、それをやるなら最初から強要を使えば済む話だから、事実上はここでサクるという選択肢はない。よって不和の葬送歌が機能し始めるのは2ターン後といってよい。この時点で7ターン目とすでに終盤戦が始まろうとしている頃合い、しかも不和の葬送歌を見た相手は手札の消化を図っているはずである。不和の葬送歌で捨てさせる卡が残っているかも怪しいもんだ。テンペストで断念というゴミを紹介したが、悠長さではこっちの圧勝である。
このサイクルはどれもパッとしないが、他のやつらはロックしてカウンターを溜めまくるなり、それなりに抜け道があった。不和の葬送歌の場合、手札枚数という上限があるのでそれすらできない。
<改善>
手札破壊とカウンターは軽さが特に重要だ。除去なら1ターン遅れても1回殴られるだけで済む。しかし、これらは時機を逸すればそれで終わり、チャンスは2度やってこない。不和の葬送歌も、5マナという重さが最大の問題であることを鑑みれば、効果の弱体化と引き換えにしてでも軽量化を図るしかない。
Discordant Dirge / 不和の葬送歌 (1)(黒)(黒)2マナ軽くしたことで、機能するのが5ターン目と、ぎりぎり手札が残っていそうなタイミングになった。相手にしてみれば、オールイン的な動きに打って出るか、または土地プレイを控えてケアするかの二択であり、駆け引きが生まれる。また、どちらの選択肢も取れないパーミッションには刺さる卡になる。
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたは不和の葬送歌の上に詩句(verse)カウンターを1個置いてもよい。
(黒),不和の葬送歌を生け贄に捧げる:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードをX枚捨てる。Xは、不和の葬送歌の上に置かれた詩句カウンターの数である。
Hawkeater Moth / 鷹喰い蛾 (3)(緑)有名どころ。適正コストより2.5マナくらい重い。
クリーチャー — 昆虫(Insect)
飛行、被覆
1/2
<改善>
18000 wordsの指摘にもあるとおり、鷹食い蛾は元々弱く作られた存在であって、見ようによっては与えられた仕事を完璧にこなした卡ともいえる。「緑の飛行・除去耐性持ち小型クリーチャー」というカテゴリの中で、こいつが最劣等にあり、振り子が逆側に振れた先端にはシラナの岩礁渡りという優等生がいる。その間で調整すればよい。
Sporogenesis / 胞子形成 (3)(緑)4マナという微妙なコストに読む気の失せる長文、2~3回読み直して弱さに気付いたときの徒労感。ねじれのワームにも通じるクソっぷりである。
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、トークンでないクリーチャー1体を対象とする。あなたはその上にファンガス(fungus)・カウンターを1個置いてもよい。
ファンガス・カウンターがその上に置かれているクリーチャーが死亡するたび、そのクリーチャーの上に置かれているファンガス・カウンター1個につき緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを1体生成する。
胞子形成が戦場を離れたとき、すべてのクリーチャーからすべてのファンガス・カウンターを取り除く。
ごちゃごちゃ書いてあるが、結局こいつは「あなたのアップキープの開始時に、緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを1体生成する。」以上のことはやってくれない。つまり、大分あとの卡ではあるが、彼方よりに完敗している。
From Beyond / 彼方より (3)(緑)
エンチャント
欠色(このカードは無色である。)
あなたのアップキープの開始時に、無色の1/1のエルドラージ(Eldrazi)・末裔(Scion)クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「このクリーチャーを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに(◇)を加える。」を持つ。
(1)(緑),彼方よりを生け贄に捧げる:あなたのライブラリーからエルドラージ・カードを1枚探し、それを公開してあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
<改善>
Sporogenesis / 胞子形成 (2)(黒)(緑)悪用を防止しようとした痕跡らしき蛇足を省くところまでは同意を得られると思うが、黒を足したのはオリジナルへの尊重を欠く行いだったかもしれない。しかし、彼方よりと差別化するには、「カビだらけになったクリーチャーの死体から苗木がわらわら出る」というフレーバー性を強化する他に手はないと思ったのだ。
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、クリーチャー1体を対象とする。あなたはその上にファンガス(fungus)・カウンターを1個置いてもよい。 その後、そのクリーチャーの上に、その点数で見たマナ・コストより多くのファンガス・カウンターが乗っているならば、それを破壊する。
ファンガス・カウンターがその上に置かれているクリーチャーが死亡するたび、そのクリーチャーの上に置かれているファンガス・カウンター1個につき緑の1/1の苗木(Saproling)クリーチャー・トークンを1体生成する。
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