P9 Challenge デッキリスト
2016年8月1日 Magic: The Gatheringhttp://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/vintage-premier-2016-07-31
今回はMana Drainの大会となった.この卡はかつてヴィンテージの象徴のように尊ばれていたが,近年は衰退が著しく,例えば6月のChallengeではトップ16に1枚も無い(そして誰もそれを指摘しない)という有様だった.ところが,今回はTOP8中4名が計10枚採用と立派なものだ.
2009年頃,Mana DrainはBig Blueにおいて印刷済の地位を確率していた.しかし,ここ5年ほどで,呪文貫き,狼狽の嵐,そして精神的つまづきという1マナ以下のカウンターがその枠を蚕食していき,Big Blue自体の衰退と併せてMana Drainは急速に減少することとなった.カウンターの軽量化は,マッチアップの大部分を占めるコントロールミラー戦・コンボ戦・対青のFish戦を制することに寄与し,全体として各々のデッキを強化したが,万能カウンターでない以上は取りこぼしもあり,インスタント・ソーサリーの信頼性が落ちる一方で,これらを避けるクリーチャーが信頼性を増していった.Mana Drainと入れ替わるように,聖別されたスフィンクスのような高マナフィニッシャー1枚挿しの構築が台頭してきたのは偶然ではないだろう.
このような情勢のもと,4月からヴィンテージは新たな局面を迎えた.磁石のゴーレムの制限,それに伴うメンターの躍進,そしてエルドラージの勃興だ.この両デッキは,デッキパワーの高さもあるが,こうした軽量カウンターの隙をついた面も大きいと思う.メンターは,導師さえ通ってしまえば,後続のスペルにいくら狼狽の嵐やMisstepを当てられようが気にせず,唱えたこと自体で果敢を誘発し,押し切ってしまえる.エルドラージはもっと単純で,軽量カウンターを当てる対象からして,ほとんど入っていない.
しかし,エルドラージと同じことはMUDにも言えるわけだ.今までMUDの天下でありながらMana Drainを見直す動きがなかったのに,なぜ今更という疑問はごく自然に湧き上がってくる.この問題はサイドボードまで視野を広げることで解明できる.従来のプレイヤーがとった戦略は,メインの軽量カウンターと差し替えるためのアーティファクト対策をサイドに大量投入し,×○○を狙うものだ.これはドレッジに対して全てのデッキがやっていることでもある.ところが,エルドラージ相手にはアーティファクト破壊がそれほど刺さらない.これではサイドボーディングは,全く役に立たない卡を抜いてあまり役に立たない卡を入れる程度の変更に留まり,最適化が十分になされなくなる.といってサイドボード側をエルドラージに傾ける(アーティファクト対策を去り,大型クリーチャー除去を入れる)ことは,衰えたといえどMUDに食われる危険を孕む.
このように論を進めれば,メンターを表に出さず処理でき,エルドラージに効くカウンターをメインに入れることが必要である.今大会ではそれを実践したプレイヤーが勝ったのではないかと解釈している.
今回はMana Drainの大会となった.この卡はかつてヴィンテージの象徴のように尊ばれていたが,近年は衰退が著しく,例えば6月のChallengeではトップ16に1枚も無い(そして誰もそれを指摘しない)という有様だった.ところが,今回はTOP8中4名が計10枚採用と立派なものだ.
2009年頃,Mana DrainはBig Blueにおいて印刷済の地位を確率していた.しかし,ここ5年ほどで,呪文貫き,狼狽の嵐,そして精神的つまづきという1マナ以下のカウンターがその枠を蚕食していき,Big Blue自体の衰退と併せてMana Drainは急速に減少することとなった.カウンターの軽量化は,マッチアップの大部分を占めるコントロールミラー戦・コンボ戦・対青のFish戦を制することに寄与し,全体として各々のデッキを強化したが,万能カウンターでない以上は取りこぼしもあり,インスタント・ソーサリーの信頼性が落ちる一方で,これらを避けるクリーチャーが信頼性を増していった.Mana Drainと入れ替わるように,聖別されたスフィンクスのような高マナフィニッシャー1枚挿しの構築が台頭してきたのは偶然ではないだろう.
このような情勢のもと,4月からヴィンテージは新たな局面を迎えた.磁石のゴーレムの制限,それに伴うメンターの躍進,そしてエルドラージの勃興だ.この両デッキは,デッキパワーの高さもあるが,こうした軽量カウンターの隙をついた面も大きいと思う.メンターは,導師さえ通ってしまえば,後続のスペルにいくら狼狽の嵐やMisstepを当てられようが気にせず,唱えたこと自体で果敢を誘発し,押し切ってしまえる.エルドラージはもっと単純で,軽量カウンターを当てる対象からして,ほとんど入っていない.
しかし,エルドラージと同じことはMUDにも言えるわけだ.今までMUDの天下でありながらMana Drainを見直す動きがなかったのに,なぜ今更という疑問はごく自然に湧き上がってくる.この問題はサイドボードまで視野を広げることで解明できる.従来のプレイヤーがとった戦略は,メインの軽量カウンターと差し替えるためのアーティファクト対策をサイドに大量投入し,×○○を狙うものだ.これはドレッジに対して全てのデッキがやっていることでもある.ところが,エルドラージ相手にはアーティファクト破壊がそれほど刺さらない.これではサイドボーディングは,全く役に立たない卡を抜いてあまり役に立たない卡を入れる程度の変更に留まり,最適化が十分になされなくなる.といってサイドボード側をエルドラージに傾ける(アーティファクト対策を去り,大型クリーチャー除去を入れる)ことは,衰えたといえどMUDに食われる危険を孕む.
このように論を進めれば,メンターを表に出さず処理でき,エルドラージに効くカウンターをメインに入れることが必要である.今大会ではそれを実践したプレイヤーが勝ったのではないかと解釈している.
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