ウギンの目禁止によってモダンから撤退した後も,エルドラージの侵攻は止まらなかった.レガシーでは第3の2マナランドである古えの墳墓を獲得して虚空の杯等の非クリーチャー呪文にも達者となり,単なる力馬鹿ではないことを知らしめた.さらにヴィンテージでは白ウィニーやMUDとの融合が試みられ,その異形ぶりを一層深めることとなった.どのフォーマットでも,エルドラージの強みは背景ストーリーと同じで,その異質性にある.

エルドラージはデッキ全体の動きとしてはMUDの類型としてよいかと思うが,採用される卡は全く異なり,従来の対策卡はほとんど通用しない.このことにより,特に2試合目以降は大きな優位を誇ることになる.

・重いクリーチャーなので,精神的つまづきや狼狽の嵐は完全に腐る.
・図体がでかいので突然のショックや突然の衰微といった対メンター除去,紅蓮地獄とかの全体除去も効かない.稲妻も難題スマッシャーには無力.
・アーティファクトではないので,アーティファクト破壊もさほど役に立たない(アメジストのとげを壊せるので0ではない)

こうした状況を受け,プレイヤー達はエルドラージに有効かつ,極力他のアーキタイプへの流用もしやすい卡を求めて奔走することとなった.僕の見るところ,卡探しのキーワードは「手札から戦場へ」だ.なぜならエルドラージはMUDと比べても非常にオールイン的であり,しかも難題の予見者とスマッシャーが手札の呪文を卑しめるため,嫌でも戦場VS戦場の土俵に立たざるを得ないのである.だが逆に戦場での優位を築くことができれば,殴るほかに能のないエルドラージは動きを止めるだろう.

ということで,求道者の編み出した回答がこのグリクシスだ.

http://www.mtgtop8.com/event?e=12599&d=272812&f=VI

紅蓮術士のもたらすトークンや悪意の大梟は損失なくエルドラージの攻勢を阻んでくれる.セラピーは上記のような理由もあってエルドラージにそれほど刺さるものではないだろうが,1枚挿しだらけのヴィンテージにあって4積みが多いエルドラージの特性を突いているとは言えるかもしれない(それに,エルドラージだけがヴィンテージじゃないので).サイドの残忍な切断というチョイスも,エルドラージを強く意識している.

他,罠の橋や平和の番人といったロックも非常に効くが,僕としては,タシグルやアンコウといった探査クリーチャーに期待したいところだ.

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