http://www.themanadrain.com/topic/355/n-y-s-e-open-iv-official-tournament-report

磁石のゴーレムの登場がヴィンテージにおける一大革命なら,その制限もまた同様であった.盟主を失ったMUDの落胆は激しく,一時は30%に届いた環境支配率も一桁%にまで激減した.しかし7年もの間,環境を牛耳ったアーキタイプがそうやすやすと斃れることはなく,時同じくして現れた新興勢力エルドラージと同盟し,かなりの程度まで復興が成し遂げられたのである.とはいえMishra’s Workshopを基点に据えたアーティファクトデッキであるMUDにとって,無色という表面的な共通点はあれどエルドラージは本来的に異物なのであって,それを混入させたことでマナ基盤に加わるstressは決して軽いものではない.NYSEの優勝デッキでも,ミシュラの工廠のスロットがそのままエルドラージの寺院に入れ替わっている.ミシュラの工廠は単体で見ても非常に強力な卡であり,MUDの中では妨害への抵抗力を与えるパーツであっただけに,その喪失は軽視できない.しかし,優勝者Andy Markitonはさすがに抜け目がなく,電結の荒廃者とトリスケリオンを使うことでこの点を克服してのけた.

準優勝はグリクシス・パイロマンサーだ.レガシーでこそYPM+陰謀団式療法の強さは知れ渡っているが,ヴィンテージでこの戦略を採用したデッキはほとんど見られなかった.動きとしての強さはヴィンテージでも十分通用する水準にあり,進出を阻むメタゲーム的要員も特にないので,この遅れの原因はヴィンテージの保守性に求められるだろう.また悪意の大梟はエルドラージや5色人間といったフルクリーチャーデッキに対しての現時点で最も有効な回答だ.ヴィンテージもとうとう「強いクリーチャーを壁で止める」という最も原始的なところまで来たようだ.

今回,TOP8にメンター3デッキが入賞した.3位のHankはエスパー,Demonic Consultationはあまり使われていなかったが,心中メンターとの相性の良さを評価していた僕としては,それが実証されて嬉しい.5位のVitoのジェスカイはこれといって論評を加えることもない王道である.一方,Brian Kellyが持ち込んだデッキは導師を2枚に抑え,腹心を投入したグッドスタッフで,Minus Fiveという自虐的なデッキ名が光る.個人的には道の探求者を使ってでもEightの2枚を入れたいが,欲を出すと限りがない.やはりこのリストがベストか.

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