CNSとヴィンテージ3 ダク・フェイデン解剖
2014年4月22日 TCG全般 コメント (2)
さて特別なギミックは要らないとは言ったものの,何かシナジーを組ませたいと思うのは人情であろう.既に多大な実績を残している古えの遺恨/Ancient Grudgeの他,きわめて軽く,ダクを守ってくれる日を浴びるルートワラ,随一の汎用性を誇る綿密な分析あたりが狙い目か.シナジーでなくコンボを組ませるには(例：リアニメイト)特化の度合いが鈍いと思われる.
ダクについて護身能力がないことを不安視する方も多いようだが,僕は十分に備わっていると思う.MUD系には当然-2として,通常のビートダウンに対しても,即座に＋1を起動してやれば忠誠度は4となり,相手がこれを破ることは容易でない(もちろん突破できるケースもままある.タルモゴイフ,稲妻,Time Walk...だが,条件が整っていないケースのほうが多いのは間違いあるまい.)ターンが帰ってきたらしめたもので,再度の＋1で,通常ドローを挟んで都合5枚を引いたことになり,まず間違いなくクロックを排除する手段を得る.
だが,ダク1枚でここまで騒ぎになったのはひとえに[-2]の強さによるものだ.秘宝奪取,練達の盗賊,横暴といった卡の面目は丸つぶれである.この[-2]を強力たらしめているのがその効果の永続性であり,これでアーティファクトを奪われたが最後,ダクを討ち取ったとしても返ってくることはない.大幅なアドバンテージの損失となる.まあ,これについて言えるのはこのくらいで,強さが完全に明白であるためあまり語るところがない.
奥義の[-6]は見るもみじめな性能で,ダクの唯一の汚点となってしまっている.相性が良いのはせいぜい火/氷程度のものか.
メタに与える影響を考察する.長年このフォーマットを平らげてきたMUDだが,大幅に打撃を受けることは間違いあるまい.クリーチャーはもちろん,煙突・鉄線のようなエセ平等系卡も,いざ奪われるとその不平等性を突かれてしまうので,[-2]で奪って旨味がなくダクの登場を遅らせることのできるスフィアが再評価されるのではないかと思う.そのスフィアが少なめのKuldotha MUDあたりは,鍵卡のカルドーサを奪われるとエンド前にBSC呼ばれたりとシャレにならないので減るだろうなあ.また,工廠を立たせているのに腹心で攻撃された際など,これまでなら工廠クリーチャー化&タップで返り討ちにする所だが,メイン2でダクが出てきて奪われるのを警戒して素通りさせるなど,プレイング面にも影響が出てくるのではないだろうか.MUDから見たダクの対策は,第一に切りつける豹(速攻を持つ上,パワー4は＋1を考慮しても彼を一撃で仕留められる)第二に破棄者であろう.豹型Espresso Staxみたいなのが研究されてくると予想する.
ダクの両能力ともに好相性のゴブリンの溶接工を用いたWelder VaultをはじめBig Blueは,大敵MUDへの有力な武器を手に入れたことになり強化されるだろう.しかしダクは時として彼ら側のTime Vaultや,より悪くするとBlightsteel Colossusを盗んでいくことも認識しておかなければならない.これの登場一番得するのは,MUDとBig Blue双方から盗める一方で自分は大した宝物を持っていない青赤アグロ(Delver,紅蓮術士コントロール...)だろう.墓荒らしもダクを味方につけることはできないが,ダクが出たところで特段盗まれるものもなく,衰微でいつでも対処できるため,そのメタゲーム上の立ち位置にさほどの影響はないと思われる.
強化：URG Aggro,Big Blue
meiguanxi：墓荒らし
弱体：MUD
以上を考慮し,「5点-ヴィンテージの主役級の卡であり,メタゲームを変動させうる存在.それを標的とした対策卡を積まれるレベルの影響力,存在感を示す」と採点.
コメント
コメントありがとうございます.なるほど,確かにWaste Notを使えば相手対象にする意義が出てきますね.
悪意ある助言調べてみましたが,そのリメイク版である現実のひきつけなら対応してタップといった悪あがきさえも抑止できて強そうです.