BNGとヴィンテージ1 荒ぶる波濤、キオーラ
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/279

2UGというマナコストを与えられたことで,キオーラは精神を刻む者、ジェイスという「印刷済み」枠と競合する立場になってしまった.その考察にあたり,同じ境遇を背負ったPWのラル・ザレックが参考になるだろう.

http://www.mtgdecks.net/decks/index/format_id:8/cards:ral%20zarek

ラル・ザレックは+1と-2でそれなりの汎用性を帯びているだけではなく,Time Vaultがあれば+1で無限ターンに突入できるのが売りである.その甲斐あって,上のようにウェルダー型のVault Controlで多少の実績を残した.だが逆に見れば,即勝ちという究極の(また神ジェイスでは得られない)メリットを以てしても,この程度の採用件数しか勝ち取れていない訳でもある.では,キオラの持つメリット即ち,彼女にできてジェイスにできないことは?

それは,相手のクリーチャーから身を守る際,ジェイスは-1を使い続けなければいけないが,キオーラの場合逆に忠誠度を上げながらクリーチャーを無力化できるということだ.そして4ターン後とそう遠くない未来には奥義を発動できる.ところで,実はこの+1はなかなか気が利くテキストだ.まず対象がクリーチャーでなくパーマネントと指定されているため,相手が土地しかコントロールしていない場合であっても空打ちして忠誠度を上げられるし,ミシュラの工廠の無力化はジェイスにはできない芸当である.それに,その効果の期限は次の自分のターン.Time Walkをやられても計算が狂うことはないわけだ.

欠点はその汎用性のなさで,+1は戦場がまっさらなら無意味であり,-1の探検も,4マナPWを出せていることを考えれば出遅れの感がある.出したターンの隙を消すのには役立つが,次ターン以降になると1ドロープラスアルファの価値しかない.しかも出して2回起動すると死ぬので,それを防ぐには適宜+1を挟んでやらねばならない.ここにも初期忠誠度2の弊害が現れている.

結局のところ,神ジェイスよりキオーラのほうが強い状況というのは,相手が単騎で展開してきたクリーチャーを押し返して-5に繋げた時ぐらいであり,相当に限定されている.もっと言えば,これはジェイスでもほとんどの場合処理できる局面である.強いて利用法を挙げるとすれば,ランドスティルがクロックパーミッション対策にサイドに忍ばせる/-1を有効に使えるGushデッキが防御力を上げるのに使う...ぐらいか.僕はこの卡に1点をつける.

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