貴族の教主

2013年11月21日 TCG全般
貴族の教主はNoble Fishというデッキ名にまでなり,バント人として最高の栄誉に浴した.だが,このアーキタイプはゼンディカー・ブロック時代のある一時期ヴィンテージトップにのしあがったのを頂点に,それ以降は緩やかな衰退を続け,現在ではメタ外まで行ってしまった.この現象は,2つの側面から説明できる.

第一に,元々トップとしての地位はTezz-MUD-Oathというメタゲームの間隙を縫って躍り出てきたものであり,不安定だった.この中でOathは早々に没落したが,MUDは続くミラディンの傷跡ブロックで猛烈に強化され,Tezzeretの方もBSCという1Killゴーレム,瞬唱という汎用卡を得て躍進した.この他,あまり相性の良くないGushも復活し,デッキパワーの開きを相性差で覆すという戦略が難しくなっていった.

それから,ゼンディカー以降に追加された戦力を上手く行かせなかったことも辛い.この時期出たFish用のクリーチャーと言ったら,とにかくサリアが強力だが,これは典型的なクロックパーミッションであるNoble Fishの手には余る.その他レオニンの裁き人,堂々たる撤廃者,レオニンの遺物囲いなども有力なのだが,これらも3色にはいささか辛い卡であろう.このあたりから,ヴィンテージのFishの主流はサリアらの力を100%引き出せるGW-Hateとなり,Noble Fishの影は薄くなっていった.この傾向に最後の一撃を加えたのが,死儀礼のシャーマンだ.ラヴニカへの回帰がリリースされてからは各地で死儀礼Fishが研究され,BOM7で墓荒らしが優勝するまでに至った.

そのNoble Fishがここにきて復権の兆しがあるようだ.その発端となったのは,他でもない,真の名の宿敵である.このパワーカードを2ターン目に召喚し,賛美の力でパワーを4点に押し上げて殴るという設計のようだ.だが,クロックに関しても1点だけの教主より,2点与えられる死儀礼のほうが勝っているはずだ.安定性とかタップが必要ないことを重視しているのか,あるいは単に墓荒らしには宿敵を入れるスペースが無いのだろうか.どちらにせよ今後の動向を少し注意していく.

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