RTRとヴィンテージ その24 最終回
2012年9月23日 TCG全般6点-常軌を逸したパワーカード達。多くのデッキで使用が当然視される、メタデッキを作り上げた存在である、それの為だけに色をタッチされる、といった力量を備える。殿堂的な枠として定めたので、恐らく今後のセットで6点を得るカードはほぼないだろう。本稿ではこれまでの23回で、2点以上与えた卡をまとめ、それらのヴィンテージへもたらす影響を考察する。とはいえ、今見て2点は不適切と感じた卡もだいぶあるので、これらは訂正することにする。また、その卡の投入に適すると思われる卡組または刺さる相手卡組を右に記した。
例:Ancestral Recall、Mishra’s Workshop、修繕/Tinker、ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will
5点-ヴィンテージの主役級のカードであり、メタゲームを変動させうる存在。それを標的とした対策カードを積まれるレベルの影響力、存在感を示す。
例:磁石のゴーレム/Lodestone Golem、荒廃鋼の巨像/Blightsteel Colossus、噴出/Gush
4点-特定のデッキで大きな役割を果たすカード。または特定のデッキ相手に致命的な損害を負わすカード。例:Timetwister、貴族の教主/Noble Hierarch、狼狽の嵐/Flusterstorm、墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage
3点-あるアーキタイプでの使用を検討されうるカード。例:定業/Preordain、飛びかかる豹/Slash Panther、スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
2点-あるアーキタイプで使われることはあるが遭遇率は3点のカードより低い。サイドボード候補のカード。例:マラキールの門番/gatekeeper of malakir、鋼の妨害/Steel Sabotage、暗黒破/Darkblast
1点-カードパワーが低くヴィンテージにおいては存在しえないカード。例:海墓の刈り取り/Reap the Seagraf
・払拭 2点→1点 VS青系
再録だし
・滑り頭 2点→1点 ドレッジ
+1/+1したところで何という感じだった&墓所這で良い
・ロクソドンの強打者 2点→1点 GW-hate
安定性とか言いはしたものの、聖遺の騎士に勝てるわけはないよね・・・
・世界棘のワーム 2点→1点 オース、スニークショー
経済的事由を除いて江村でなく世界棘を入れる意味がない。
・思考を築く者、ジェイス 2点→1点 青系
神ジェイスに勝てるわけがない
・殺戮遊戯 2点→1点 VSストーム
ストームのようなスピーディーなデッキに4マナでは・・・まだしも手札破壊→根絶の方がマシ。同型対策ならマナ加速してこれを確実なフィニッシャーに据えられるかもしれないが、ストームはこの作戦が滑稽にうつるほど減少してしまった。(それでも燃え立つ願い復活で少しは良くなったかも)
・ラクドスの魔除け 2点→1点 ゴブリン、VSドレッジ
ゴブリンと述べたが、この卡組の遭遇頻度はと言えば極めて低い。赤黒を投入した卡組はあるのだが(例えば、Inv.Tezzだ)多くの場合、主色はあくまで青。黒はともかく赤はタッチ程度であり、その2色を使ったダブルシンボルは許容し難い。
・リーヴの空騎士 2点→1点 Fish
これを投入した卡組が完成したとする。そのとき、このスロットをヴェンディリオン三人衆に入れ替えたいと思わないだろうか?と考えるとどんどん自信を失っていった。
・どぶ潜み 2点→1点 ストーム
6マナ揃える→どぶ潜み→溶岩の投げ矢→FB→ダリチュ→テンドリル 20ダメージ とか大真面目に考えていたのだが、ローマ人の物語とか読んで頭が冷えたら急にあほらしくなった。もちろんすべてを1ターンで終えなければいけないというわけではない。だが、(制限卡とはいえ)同じ3マナであるネクロポーテンスが齎すアドバンテージと比べればどぶ潜みなんてどぶみたいな物だ。
・忌まわしい回収 2点→1点 DD
タッチ緑のDDにいけるかと思ったが、それこそ生ける願いでも使えばよい。←これ書いて思ったんだけどDDに生ける願いって強くね?
・アゾリウスの魔除け 2点 Fish
こいつは最低1ドローであると述べた。だが、クロックパーミッションつまり最もテンポを重視するアーキタイプにあって、2マナ1ドローという性能が果たしてどれほどの意味を持つだろうか?そう考えると、3番目のモードこそが基礎になり、ノンクリーチャー相手であるとか、盤面がまっさらになり、とにかく先にクリーチャーを出したいときとか、そういう場面でだけドローに変換という使い方になるのではないだろうか。このテキストでは、クリーチャーが攻撃もブロックもしないのではこれを仕留めることはできず、アゾリウスらしくない見落としだが、破滅の刃が黒は破壊できず、燻しがCMC4以上は破壊できないのと同様、こいつはシステムクリーチャーが対象外になっている位に捉えておけばいいだろう。
・静穏の天使 2点 オース・ドレッジw/戦慄の復活
Fish相手に出せば勝てる。7マナであり、Lotusさえ来れば素出しもない話ではない。出た直後にソープロを食らうと思わしくない展開となるが、それでも手札に戻すことはできる。さらに言えば、CIPに対応して自分から除去を打ち込んでしまえば、追放された3枚はカーズ状態に。
・拘留の宝球 2点 Bomberman
万能パーマネント対策で3マナは重いが間に合わないわけではないし、出ればとても強い。そういえば日本ヴィンテージ優勝のZooは忘却の輪を3枚積んでいたなあ。もっともヴィンテージは1枚積みが多い環境であるため、青が入らなければ無理せず忘却でいいだろう。逆に3マナもあれば(U)位出ると思うので、その時は拘留の宝球を優先すればよい。
・死儀礼のシャーマン 2点 緑系
墓地掃除するマナクリーチャー。といっても流石に制約はあり、墓地に置かれた土地をコストにしなければならない。フェッチランドに溢れているのでそう苦しくはないとはいえ、安定したマナ供給ができない、次ターン以降の展開を保証できないのはマナクリーチャーとしての信頼性という点で極めて重大な過失である。強さの割に点数を抑えたのは、こうしたムラを重く見たためだ。といっても、黒のマナクリーチャーであることとか、スペル追放で2ライフロスとか、強いのは確かなので3点くらいやってもいいのかもしれない。
・至高の評決 2点 Bomberman
他のフォーマットではもっと高くていいのだろうが、ヴィンテージだと4マナが重いので2点。スタンではおそらく5点くらい。レガシーはヴィンテージと同等以上に不毛環境だが、クリーチャーが多いため3点。
・Vandalblast 3点 VSMUD
僕がRTRで最も注目しているのがこれだ。Mana Drain、アカデミー、Lotus・・・何でも使ってとにかく5マナ超過にまでこぎつけてしまえば勝つのだ。そうせずとも、普通に1マナアーティファクト破壊として磁石のゴーレムでも壊せば十分な仕事である。堅実な運用とフィニッシャーの二役を兼ねたこの卡、Vandalblast(蛮族破?)を僕は愛する。だが、これはチャリス1が置かれていると超過でもプレイできない。
・世紀の実験 3点 ストーム
さっそく燃え立つ願いを入れたロングデックを組んだ。僕はその中に世紀の実験をオシャレ枠で搭載したのだ。一人回しの結果、初手で引いた世紀の実験がX=6で精神の願望をめくり、精神の願望の8枚目くらいで苦悶の触手を得、30点前後をドレインして勝利した。
・突然の衰微 3点 色の合うデッキ
色がなあ・・・
・ドライアドの闘士 3点 Fish、GW-hate
軽いし強い。GW-hateならば貴族の教主に続く1ターン目のアクションとして有望。また、白ウィニーにとっても歓迎のスペックだ。近年白ウィニーが成長していることは前の記事 http://bagupokemon.diarynote.jp/201209211412557556/ で詳述したが、これらはいずれも呪文のキャストを妨害するもので、墓地という弱点があった。それも檻でだいぶ克服されたかと思いきや、
・ゴブリンの電術師 3点 ストーム、Gifts
これ自体軽いし使える。デモチュー→ヨーグモスを3マナまで圧縮するのは強い。
・イゼットの魔除け 3点 Landstill
遅いデッキなら使える。この遅いというのは最後の入念な研究を余剰卡整理に使うくらいという意味で。
・セレズニアの魔除け 3点 Fish、GW-hate
2/2警戒瞬速だけでも強い。
・裁判官の使い魔 3点 Ninja Fish
種族さえ考えなければ呪い捕らえの上位互換だ。その呪い捕らえのヴィンテージ採用を見ると、深き刻の忍者を中心に据えたFish、Ninja Fishと呼ぶが、これに投入されている。忍者の種にしなければならない関係上特段相性が良いとは言えないのだが、単に青の1マナ1/1が欲しいということで雇用されているのだ。(この卡組の1マナクリーチャーで最良はエピティアの賢者である。)そこにこの裁判官の使い魔だ。飛行!これほど忍者と相性の良い卡があるだろうか。似たようなことをジェイスの幻で言って大外れだったこともあるが、こっちは自信を持っている。
・彩色の灯籠 3点 5c Stax
CSは復権するにはあまりにメタ外に行ってしまった。動きも粗く、現在の穏健化したヴィンテージには合わないアーキタイプだ。だが5c Staxは違う。5c Staxなら彩色の灯篭を最大限活用してくれると信じる。
・安らかなる眠り 4点 VSドレッジ、Inv.Tezz他
メインからとなると、墓地利用のみならず修繕をも封じる(そして1マナである)檻との闘争に勝ち抜かねばならず厳しいが、サイドでの地位は確定だ。もっとも、安らかなる眠りがドレッジに致命的な致命傷を与えたかというとそうでもなく、数多ある墓地対策にまた1つオプションが生まれたというだけの話なのだが、Ingotを容易く回避するのは偉い。これが流行ったら今度はMare Dredgeとか出るかな・・・
結論
+ Bomberman 5c Stax GW-hate Fish ストーム(燃え立つ願いもあって)
- Inv.Tezz MUD ドレッジ
ちょっと見づらいので卡名だけ
・アゾリウスの魔除け
・静穏の天使
・拘留の宝球
・死儀礼のシャーマン
・至高の評決
・Vandalblast
・世紀の実験
・突然の衰微
・ドライアドの闘士
・ゴブリンの電術師
・イゼットの魔除け
・セレズニアの魔除け
・裁判官の使い魔
・彩色の灯籠
・安らかなる眠り
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