5/28追記 Morphlingでまとめられたようなので貼っておく
http://www.morphling.de/top8decks.php?id=1602

世界最大のヴィンテージ大会、BOM。今年それを制覇したのはドレッジだった。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31352
これは、既に考察記事を書いている。http://bagupokemon.diarynote.jp/201205211808283671/ だ。

もう少し書いてみたい。ここで鋳塊かじりはメインのMUD対策と述べたが、アーティファクトはヴィンテージのほとんどのデッキに入っている。そして、2日前に対戦した友人は「Tezzにおいて即死が起きるのはアーティファクト系のみ」と語ってくれた。これは重要な一言だ。例えばTinkerなら、その種となるアーティファクトを破壊してしまえばどん詰まりとなる。それでなくとも、ドレッジ相手には遅くとも3ターンで決めねばならないところに、1マナを破壊されるのは痛恨の極みである。そして、鋳塊かじりが想起したあとには2/2のゾンビがわらわらと沸いてくるのだ。


http://www.mtgdecks.net/decks/view/31353
準優勝はMUD、正しくはEspresso Staxか。その定義は、クリーチャーを最低限に絞り、煙突をキーカードに据えたタイプのWorkshopデッキだ。開幕でマナを拘束し、そのまま鉄線・煙突で動きを封じるという動きは戦略として優れている。また、この場合カーンはクリーチャーが少ない事での打点の低さをカバーできる上、Mox破壊が一層強力となるため、最適のカードとなるだろう。

さて、サイドボードがようやく公開されたわけだが、The Tabernacle at Pendrell Vale以外は納得のチョイスだ。Null Rodもカーンと相性が悪いのは確かだが、Solomoxen及びVault-Key、Painter-Grindstoneをフル投入したデッキに与える損害はそれより遥かに大きい。で、名前の長い土地。Workshopだと払えないのが痛いように見えるのだが、Fishらを黙らせるにはこの程度の痛みは必要という事だろうか?


3位、BUG-Fishとあるがやっぱり僕にはビートダウンを強化したTezzに見える。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31354
BSC・腹心は基本として、さらに7枚のクリーチャーを追加している。実は、こういう緑のクリーチャーを足してコントロールデッキの弱点を補うという試みはGushにおいて既になされている。http://www.mtgdecks.net/decks/view/30887 こんな感じのデッキである。1枚挿しの緑太陽がオシャレポイントで、打点のタルモ・墓地対策のウーズ・盤上支配の三角エイから1枚選んでサーチできるという寸法だ。このデッキでも、緑太陽はないが大体似た着想だろう。それ以外の部分は純正なTezzである。

また打点を上げると言うとコントロール力を犠牲にビートダウン力を上げた、というように聞こえるが、実際のところ、Trygonはあらゆるデッキのリソースを食い散らす。誘惑蒔きが決まった時のアドバンテージは最早筆舌に尽くし難い。タルモゴイフはさすがにコントロール力の点では評価しがたいが、ビートダウン相手に強固な壁となるなど結果的に多くのものをもたらしてくれる場面はいくらでもあるだろう。このように、決してコントロール力を犠牲にしている訳ではないのである。

http://bagupokemon.diarynote.jp/201205171306406725/ で述べたが、僕自身はTezzが最強デッキと信じているものの、全盛期に比べればいくらか衰えたのも事実であり、再び栄光を取り返すには一歩を踏み出すことが必要ではないかと思索していたところである。その点、Alexandre D´Arras氏はひとつの道を提示してくれた。


檻以来成長してきたBombermanが4位に入賞した。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31355
ヴィンテージにおいて、青白コントロールというアーキタイプは長らく見られなかった。しかし、檻を得たことでこの色のテーマ「抑制」を粛々と行えるようになり、また粗石の魔道士も大きく強化された。墓地利用を切って捨てた枠には、やはり高いロック力を持つ思考検閲者が入り、デッキとして良いまとまりを得たと言えるだろう。

弱点はコンボパーツのオーリオックが4マナと重い割に、単体で弱いところ。このサポートの他にも、嘘か真か、トリンケット等相性の良いカードは多いので、Mana Drainは4枚にした方が良いのではないだろうか。

サイドには石鍛冶頭蓋のパッケージも入っており、檻に囚われずして盤上を制圧する用意ができている。これも良い選択と言えよう。


5位は石鍛冶、って何だこれは。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31356
下のRaul Alonso氏のデッキである。
http://www.watchdamatch.com/Articles/Magic/Coverage-et-News/MTG-BOM-2012-MAIN-EVENT-VINTAGE.html
これまた青白のデッキだが、上と異なりコンボは排されており、当世を代表する強力クリーチャーを16枚ものカウンターでバックアップするクロックパーミッション。思うにこのデッキで最重要なのがTime Walkで、ヴェンディリオン・殴打頭蓋共にパワーが高いので、有利な局面における1ターンの追加は相当のダメージになる。さらに瞬唱でFBでもしようものならそのままゲームが終わってしまうだろう。ところが、青白という色の関係上それをサーチする力に乏しく、神秘の教示者しかない。クロックパーミッションというアーキタイプに向かないのは承知ながら、これのために親身の教示者でも入れてしまいたい位である。

サイドからはTinker-BSCというアグレッシブサイドボーディングがあるが、それより4枚入った死者への敬意/Honor the Fallenの方が珍しい選択だろう。墓地対策になるのは確かだがクリーチャー限定で黄泉からの橋を追放できないなどツメが甘い点があり、それなら大祖師の遺産あたりの方が有効なのではないかと感じる。


6位はUBrインビテーショナルテゼレット。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31357
実にオーソドックスな作りだ。王道的すぎてコメントしづらい位である。強いて挙げれば稲妻がメイン・サイド併せて4枚投入されていることか。2大インビテーショナルクリーチャーで数発削り、瞬唱のFBも借りて稲妻を数発撃ちこめばもう致死量という作戦が思いつくが。


7位もUBr Tezz・・・今気が付いたが、これもインビテーショナルテゼレットか。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31358
上のデッキとかなり似ているが、1つだけ大きく異なる点がある。それはメイン1・サイド3墓堀りの檻である。これは驚きだ。瞬唱デッキでも、サイドに檻を入れるのはわかる。オースやドレッジは、檻で封印しさえすればあとはそれを維持していけば勝てる相手であり、瞬唱やヨーグモスのようなアドバンテージは二の次になるからだ。ところが今回はメインである。確かに、今述べたようなことはメイン戦でも当てはまるといえば当てはまるが・・・。刺さるデッキ以外には出さずに手札に置いておき、処理してしまえばいいという見方もあるが、その有力な手立であるTfKも採用されていない。


Kuldotha MUDを駆るFabian Moyschewitz氏は8位となったが、スイスラウンドを見れば無敗の1位である。
http://www.mtgdecks.net/decks/view/31359
Kuldotha型でも、稲妻のすね当てを使用して金属細工師→カルドーサ→BSC→攻撃、勝利のコンボを搭載することで爆発力を増強したものと、サーチ先も7マナ程度に抑えて金属細工師やWorkshop2枚程度から普通に出せるようにし、安定性を重視したものの2タイプがあるが、彼がプレイしたのは後者。通常時カルドーサからひねり出されるのは隔離するタイタンで、こいつは場を離れたときにも誘発するため、ジェイスやハーキルを食らってもそこまで惜しくはない。その過程で大量の土地を破壊するため、土地破壊を越えてロック状態になってしまう場合もあるからである。他にもMoxを根絶やしにするヘルカイト/カーン、Tinker Golemを食う写し身人形など状況に合わせて様々なクリーチャーをサーチすることが可能であり、相手はまずこのカルドーサを処理しなければまともに動くことができない。

僕などは、ワームとぐろエンジン・イシュ・サーの背骨といったカルドーサと好相性のカードをより活かしたいなどと考えてしまうが、安定性の重視という構造から逸することなく実直なデッキを組み上げたからこその成績だろう。

コメント

MUD/STAX
2012年5月26日13:28

《The Tabernacle at Pendrell Vale》:Dredgeに対する非常に強烈な対策カードです。MoxenとWorkshopがあれば、クリーチャーでビードダウンしつつ押さえ込めたり、《Mishra’s Factory》なら引っかかりません。

玩家
2012年5月26日13:37

>>MUDさん
コメントありがとうございます。確かにその通りです。

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