Time Walk

2010年11月10日 TCG全般
P9でも屈指のパワーを誇る、ヴィンテージでのみ許された禁呪、Time Walk。

Time Walkの話になるとやはりAncestral Recallが連想されるが、同じ青のシンプルなスペルながらその役割は大きく異なる。

ヴィンテージ創生以来常にTier1の座に就き続けているデッキタイプに青黒のコンボ・コントロール、いわゆるMana Drain Controlというのがある。彼らはかなりの割合でMystical、Vampiric、Demonicとチューター3種を揃えているが、これらで引っ張る対象の統計をとったとすれば、恐らくAncestral Recallが5割を超えているだろう。アンリコはきわめて汎用的なのである。

一方でTime Walkはどうか。これもアンリコには僅かに劣るとはいえ、にわかには信じられないほどのコスト・パフォーマンスを誇る壊れスペルだ。「あなたは、このターンに続いて追加の1ターンを行う。」書いてあることはシンプルだが、具体的に考えてみるとその恩恵はきわめて広い。まず土地を全部アンタップでき、ドローできるのでハンドアドバンテージを失わない。この時点で、Time Walkを通しただけで「損」はなくなるわけだ。その上、追加で土地を置け、クリーチャーが居れば攻撃でき、ジェイスが居ればもう1回ブレストでき、・・・という具合である。特に闇の腹心との相性の良さは強烈なものがあり、ボブを置いた状態でTime Walkし、あまりの強さに絶句した人は多いだろう。

その一方で、弱いTime Walkというのもある。手札に土地がなく、クリーチャーも出ておらず、もちろんジェイスなんかもないという状況で漫然と打たれるそれだ。その場合は次のようなソーサリーとなる。「1青 カードを1枚引く。フリースペル」確かに損はない。ないが、この程度ではヴィンテージレベルとはとても言えないだろう。手札が重かったり、ちょっとカウンターが来すぎたりしてやれることがなく、今使えるのはTime Walkのみ、というシチュエーションはたまにあるが、こういう場合についTime Walkを打ってしまいたくなる気持ちはよくわかる。だがヴィンテージ上級者ならば、「今使ってもいいことないな。ここは我慢だ!」などと自分に言い聞かせ、じっとこらえるだろう。

先述のように、戦場が成熟した段階でのTime Walkは、それだけでゲーム終了と言っても過言ではないほどのアドバンテージを齎す。このスペルは、オーバーパワーカードの中でも、アンリコやBlack Lotusといった汎用カードの性質に隠れて、オースなどのフィニッシャー系カードの側面をも併せ持つのではないだろうか。テキストの簡潔さも相俟って、ヨーグモスの意思に近いような気がする。

Owen氏のTrygon JaceをMWSで回しても、クリーチャーが居る時にTime Walkを打てればそのまま勝てる、という手応えをとても感じる。

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