友人と表題のような話を多少したので、門外漢の立場からジャンド、及びその好敵手、青白(そういえば色もちょうど対)の移り変わりを見てみようと思う。


グッドスタッフ色の強い中速ビートダウン、ジャンド。かつてはスタンダードの王者と称えられたデッキである。

アラーラ再誕における超強力続唱クリーチャー、血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elfによって誕生したこのデッキの力は、基本セット2010最大のサプライズである稲妻/Lightning Bolt再録により否が応にも高められた。この2つに加えて荒廃稲妻/Blightningをも投入した続唱ジャンドはまさに最強で、血編み髪→荒廃稲妻という悲劇を頻発させ、各地での台パンを招いたものである。

そしてゼンディカーでの成長は今ひとつだったものの、ワールドウェイクでは2色ミシュラランドが追加され、課題であったマナフラッドになりがちという弱点も克服。もはやジャンド一強のスタンダード光景を覆すことは不可能と思えた。

だが、ワールドウェイクには今一人の刺客が居た。そう言わずと知れた最強カード、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorだ。

広がりゆく海/Spreading Seaを使い、ジャンドのマナを責める青白デッキはゼンディカーの時点ですでに模索されていたものの、やはり1枚1枚のカードパワーに絶対的な開きがあったためジャンドに立ち向かうことはできずにいた。

そこで、「数年来の壊れ」「スタンダードではダントツの最強」とまで評されるジェイスの加入である。たちどころに青白は、憎きジャンドの首を狙える所まで登りつめたのだった。

・・・しかし、ジャンドにはジェイスに対する最大の回答が既に用意されていた。それはジャンドの象徴、顔ともいえるカード、血編み髪である。速攻を備えているためジェイスの返しで即除去でき、-1でバウンスしても続唱を誘発させながら殴り、+2で何とか延命を図っても大抵の場合稲妻か荒廃稲妻をめくって結局除去されるという相性最悪、まさに天敵のクリーチャー。

ワールドウェイク発売後も、プロツアーサンディエゴをはじめとして大会では依然ジャンドが活躍、青白はTop8にはほとんど姿を見せていない。これは先述のような、ジェイスが活躍し切れないことが要因だと僕は思う。(このころのジャンドに次ぐデッキとしてはナヤがあり、当然血編み髪は4枚投入だった。)

そんな青白だったがエルドラージ覚醒でついに本気を出す。前兆の壁/Wall of Omensという一見地味ながらコンパクトかつ思いの外強固な壁が登場したのである。稲妻、血編みなどダメージの多くが3点に集中しているジャンドにとって、タフネス4は見た目からは想像もできないほど硬かった。ブロックさせて稲妻、などの「合わせ技」を使えば倒せるものの、キャントリップつきの相手にそこまでリソースを使うのも馬鹿らしくなる。

そして壁に手こずらされている間に、安全地帯からジェイスが覇を唱えてゆく・・・。
ROE発売直後のグランプリワシントンでは、青白及び青白タッチ赤と、ジェイス・デッキがTop8のうち4席を占める。そして決勝卓では青白がジャンドを破り戴冠したのだった。

一方でROEではサルカン程度しか収穫と言える収穫が無く、一度つけられた差を取り返せないジャンド。青白ばかりでなく、復讐蔦/Vengevineを入手したナヤ・バントにも追い抜かれてしまい、ここにきて王者の称号は失われた。

追い打ちをかけるようにM11では獣相・タイタン・定業・マナ漏出等、スタンダードを大きく変えるカードが詰められており、ナヤ・バント・ヴァラクート・昇天・青白がTier1に集結する一方でジャンドは凋落していくのである・・・

そして、10月。ミラディンの傷跡ブロック入りと同時にアラーラ・ブロックはスタンダード落ち、失意のうちにジャンドは消え去った。

クリムゾン・キングの宮殿を聞きつつ()在りし日のジャンドの姿を回想し、やや遅いアラーラ・ブロックへの追悼とかえさせていただきたい。

エクテン?罰する火コンボなくなっても強いのかなあ

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